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濱名氏基調講演0204

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Academic year: 2021

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1.大学全入時代における

高等教育の今日的課題

まず、大学全入時代における高等教育の今日 的な課題から、少し整理したいと思います(プレ ゼン資料1参照)。 多様化、多様化といいますが、例えば学力の 多様化という話をしてしまうと、話は一言で済みま す。しかしながら、そういう議論の仕方をしていま すと、皆さんの思い描いているインプリケーション、 感覚であって、同じことを論じているとは限りませ ん。 多様化の内容を箇条書きにしますと、学力の多 様化。これもありますし、学習動機の多様化。ど の程度学習したいと思って、大学に入っているか。 一時代前ですと、「君たちは経済学が勉強したく て経済学部に来たんだろう」というようなことが言 えましたが、今やそういうことはなかなか言えない。 必ずしもそうとは限らないのです。 さらに学習目標についても多様化している。勉 強しに来たのか、スポーツしに来たのか、何とな く来たのか。そういうこともわからない。さらに学習 習慣の多様化にいたっては、どこの大学に行き ましても、ノートを全く取ろうとしない学生がいるだ ろうと思います。実際に、そういう学生はどこの大 学にもいます。例えば名古屋大学にもきっといま す。なぜいるかというと、そういう学習スタイルでも 名古屋大学に入れたからです。そういう優秀な学 生もいれば、まったくそういうことをやってこなか った学生もいる。それでもその大学に入れた。そ ういう学生もいるわけです。 学力の問題を左右する要因のひとつが、学習 目標の明確化です。例えばこれも今日の話に出 ますが、学科、分野でだいぶ違っています。医歯

基調講演

ユニバーサル高等教育と質保証

初年次教育から学士課程教育への組織的展開

関西国際大学 学長

濱名 篤

はまな・あつし 文部科学省GPシンポジウム 「大学教育の質保証に向けた 1・2 年次教育のあり方」

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学系や工学、教員養成などの目的養成分野は 目標が明確な学生が多い。方向性が定まらない のは、本学経済学部のような人文・社会科学系 に多いです。私どももこの分野を設置しておりま すが、この分野による差が非常に大きいというこ とです。 多様化の中で大きな問題となってきていますの は wastage の問題。中退者については、読売新 聞さんがお調べになっています。ちなみに後ほ ど見ていただきますが、中退率というのは深刻で 悪い状態なんだという意味でも考えられている。 それと昨今の就職難の影響に立ちいたるまでの 段階ですでに発生していた進路未決定者問題、 早期離職者の問題でございます。 (プレゼン資料1−1参照)さらにいいますと、学 生の多様化というのは、高校までの学習の問題 にもみられる。東大の経営・政策研究センターが やってらっしゃるデータを見ますと、「高 3 の秋学 期の勉強時間がほとんどなし」が 40.5%という状 態です。 しかしながら実際に進学した大学の授業に困 難さを感じている 1 年生が 4 分の 1 以上というこ とでございます。大学の皆様方には「こういう学生 が入ってきてるんですよ」と申し上げています。高 校関係者に対し てはこのあとも出ていますが、 「あなたたちの高校生の教育がいかにうまくいっ ていないか」という説明に使っています。 (プレゼン資料「■大学生の意識」参照)さらに 大学生の意識です。「高校のときにもっと勉強し ておけばよかった」というのが 72%。これは大学 生の結果です。「大学でやりたいことが見つから ない」は 43%。これは先ほど言いましたが「可能 であれば別の大学の学部や学科に行きたい」が 3 割。要するに約 3 割ぐらいの中退予備軍がいる ということであります。高校の先生方にはこう言い ます。「あなたたちの進路指導は 3 割失敗してい る」。しかしながら、高校に文句を言っても始まら ないということです。 (プレゼン資料1−2参照)「キャリア挫折」という 言葉を私は使いますが、大学から社会への移行 の困難さというのは、深刻であります。OECD に 公式に文部科学省が出した中退率の数字は、こ の 11%という数字です。これだけですが、文科省 に「どうしてこの数字を出したの」と聞いても、誰も わからない。「当時の担当者はいません」というこ とで、算出基礎よくわからないのですが。おそらく 実態はこれに近いのかなという気はします。この 11%という数字は長期の休学者も含めてみるとど うなるかわかりません。 私は今、中教審の AHELO ワーキンググループ のメンバーに入っています。中身はお話しできま せ ん が 。 そ の 中 で AHELO ( Assessment of Higher Education Learning Outcomes)、OECD が PISA の大学版を高等教育で開発するかという フィージビリティ・スタディをやっています。日本 は工学領域でフィージビリティ・スタディに参画し ております。 ところが、一般的情報というのがあります。どう いう情報項目を入れて国際比較をするかという部 分ですね。日本の高等教育が海外に誇れる数 字は何があるかという話をすると、唯一あるとした ら、「中退率が低いこと」かという話がでました。低 いのがいいことかというと、苦笑してしまうわけで す。質保証していないから中退率が低いという話 もありうる。例えばイタリアの中退率 67%は異常 に高いです。就職できないから、失業するかわり

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にとりあえず大学へ来る。アメリカの場合は 4 年 制の retention 率、つまり学業継続率です。この 20 年で最高だったのがこの年ですが、68.3%。 全体の 3 分の 1 がその大学をやめるという状態が、 アメリカの大学の悩みなのです。 ひるがえって日本の状態を考えてみますと 、 11%の中退率です。計算を簡単にするために、 一応 10%としましょう。入学者 100 人のうち 90 人 が卒業したとします。大学院進学者は、ちょっと 外数で置いておきます。卒業した 90 人のうち、進 路未決定者と一時的職業従事者が 16%ぐらい います。これは 2007 年のデータですけども。今 はもうちょっと増えています。そうしますと 90 人の 2 割弱なので、18 人ぐらいが正規職に就いてい ません。つまり、72 人しか普通に就職できないの です。 その 72 人のうち、3 年未満離職率が、2000 年 のデータで 32%。今年の 2010 年のデータに差し 替えるとよかったですが、これが 31%ということに なりますと、18 歳で 100 人が入学して、25 歳の段 階で予定外の進路になっている確率は約 50%。 100 人のうち 50 人は、おそらく 18 歳のときに想像 したような種類じゃない方向へ行っているというこ とです。 高等教育の成果というと、谷口さんがおられま すが、いろんなデータを単独でみても、こういうこ とは出てこないんですね。「就職率が 90 何パー セント」と大学が誇ったところで、これらのデータ を全部結びつけて調べていくと実際はどうなるか わからない。また、こうした結果になったとしたら、 我々の大学教育の成果は何であるかといわれた ときに非常に説明が難しい。 3 年未満離職率は、高卒とか短大卒の方が悪 いくらいです。4 割以上いってます。 これが卒業時の職種です(プレゼン資料「職業 別就職者数の推移(学校種別)」参照)。これを 見てみますと、どの職種に一番就いているのか。 高卒は技能・生産工程ですね。高専は技術職に 大体就いているわけです。短大も専門職が多い です。専門職比率が大卒より高い位です。一方、 大卒は事務従事者が一番多くて、3 分の 1 という 状態。大学を出たら必ずしも専門職に就けるとい うわけではないです。 これが 3 年未満離職率(プレゼン資料「新規学 卒就職者の3年以内の離職率の推移」参照)。中 卒 67%、高卒 45%、短大卒 43%。大卒は一番 良くて 34%。こういう状態です。 (プレゼン資料「中途退学後の就業状態の類 型」参照)さらに、中退するとどうなるか。一時代 前は大学をやめたらどうするかと聞くと、働きます と答えていた。今はそんなことが簡単にできない 状態です。中退者の中で高等教育中退者を見ま すと、こんな状態です。正社員になれている男性 は 10%以下。女性では 5%以下。それではどこ へ行っているのか。非典型一貫に就いている。 非典型というと、どちらかというと自営であったり 失業中であったり。こういう状態です。大学をや めてどうなるのといっても、どうにもならない。こう いう状態にならないよう、我々は教育していかな くてはなりません。

2.学士課程教育改革の現状

そういう状況の中で、学士課程教育の現状を 我々は調査しました(プレゼン資料2参照)。2009 年の結果です。全国の学科長を対象に調査を行

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いました。 (プレゼン資料2−2参照)学士課程教育答申が 出てきてしばらく経つわけでございますが、現在 皆さんがどういうイメージを共有しておられるのか。 50%以上の全国の学科長が共有していたのは、 この 2 つだけです。「教養教育(あるいは共通教 育)と専門教育が有機的に連携している」というイ メージが 74%。「専門分野ごとに、全卒業生に要 求される最低水準の学習成果がある」。これが 58.6%。あとは半数以下です。こんな状態で、意 外とイメージが共有されていない。 (プレゼン資料2−3参照)今日、ディプロマポリ シーやカリキュラムポリシーが問われているわけ です。ディプロマポリシーとは教育目標あるいは 学習目標。これについては、学則等への規定は 2008 年に高等教育局長名で通達が出されて大 学設置基準にも書き込まれて、制度的には義務 化されています。この点については、ここに書い てある通りです。 学科におけるディプロマポリシーの設計につい て見ていきますと、実はあまり行き届いていない。 10%強の学科長は、「学科の教育方針が定めら れていない」と、悪意なく答えています。 (プレゼン資料2−4参照)学科における教育プ ログラムの設計についていえば、「カリキュラムの 編成について、上位組織(学部ならば全学、学 科等ならば学部)による確認・承認手続き」。つま り学科で勝手に決めるのではなく、きちんと学内 手続きが「ある」というのが 4 分の 3。「シラバスに、 期待される学習成果が記載されている」というの が 72%。私は詳しくは拝見しておりませんけども、 本学のものは、この到達目標が明確に書かれて いるのでしょうね。これはほとんどの大学でやって いる 2 項目です。 50%以上の項目ですと(7)(10)(8)の 3 項目 あります。「15 週の確保」でありますとか、「テーマ の共有がある」。これは、私にはちょっと疑わしい 数字ですが。「1 週間に複数回授業がある」という ところで、「ある」というのが 50%。それ以外の項 目は 50%未満です。 (プレゼン資料2−5参照)さらに学科の取り組 みに対する考え方として、難航している割合を聞 くと、「学科としての教育・学習目標の具体化が できない」というのが一番多いです。あとは「目標 に対応した教育プログラムの設計」とか、「目標に 対応した実施」もできていない、「学習成果の把 握」もできていないというのが、程度の差こそあれ、 やや難航していることです。これを見て、「うちは 大丈夫だ」あるいは「うちもそうだけど、よそもそう なんだ」と安心しないでくださいね。

3.学科分野別にみた改革進捗度

(プレゼン資料3参照)学科分野については、9 割の学科では目標の明文化が行われています が、逆にいうと定めてない学科が 1 割以上ありま す。これは厳密にいうと設置基準違反です。その 状態が残っている。さらにいうと、工学や保健系 と比べ、人文、社会、理学は目標設定があまりで きていない。社会科学系が、一番明文化されて いない学科が多い。こういう状態があります。 (プレゼン資料3−2参照)学科における教育プ ログラムの設計についてです。「シラバスで、学 習成果について明示されている」。期待される学 習成果が明示されているというのは、見ていただ きますと、工学は 9 割。理学、保健、この辺も大体

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できている。ところが人社系では、一応 3 分の 2 ができているということです。人文・社会科学系と いうのは、どうも学習成果の明確化があまりきち んとできていない。 (プレゼン資料3−3参照)ディプロマポリシーの 設定について、どういう目標設定をしているか。 それぞれの先生方の大学でもやっておられると 思います。実は 3 つの選択肢で我々は聞いてい ます。「教員の立場から定義している」。例えば専 門の学問を教授する。こういう目標でやっている 大学と、「学生の立場から定義する」。専門の学 問を身につける。能動態と受動態ですね。もう 1 つは「 学生の 立場か ら行動目標を定義し てい る」。 どれが改革が進んでいるかというと、下に行くほ ど進んでいます。私は①と②の間に区別がありそ うな気もしていましたが、実は②と③の間に大き な違いがあります。見ていきますと、トラディショナ ルなのは人社、理学。改革が進んでいるのは保 健、工学ということです。 (プレゼン資料3−4(1)参照)こういう結果を見 ていくと、何が難航しているか。目標設定につい ていえば、「順調だ」と一応みんなお答えになりま すが、実際は「学士力を例示とする汎用的な能 力・スキル」、それと「専門基礎」。こういうものを掲 げておられますが、そのバランスをどのように取 っていくかが課題となっています。 例えば、目標設定を明確にされているある大学 のホームページを見ていきますと、「この部分に ついては全学のものを見てください」と書かれて いました。学科の教育の中でこの部分をどう扱う かは全く書いていないのです。大学によっては、 「専門基礎はこういうことを教えます」と書いてある。 専門基礎を教えて何ができるようにするのかは書 かれていないのです。 こういうことを実証可能な形できちんと設定でき るかどうかが、非常に重要になってきます。特に この②「専門基礎」だけでなく、①「学士力を例示 とする汎用的な能力・スキル・態度特性(教養も 含め)」や職業生活とのレリバンスを重視する目 標設定。つまり何ができるようになって、どういう ふうにして社会へ送り出していくか。何ができるよ うにして社会へ送るのですかということへの答え です。 今、「就業力」という言葉がよく出てきます。実は 就業力は就職率の問題とイコールではありませ ん。就職させれば就業力が高いといえるのか。も うちょっと広い視野でとらえるのですね。4 年以降 も含めて、キャリアアップをきちんと考えていく。ラ イフプランにつなげて考えていく。これが就業力 になるわけです。どうもその辺りも含めたところに、 なかなか議論がいたっていないということです。 (プレゼン資料3−4(2)参照)教育内容、方法 についていえば、学科長クラスの教員から見て、 「順調に進んでいると認識」されているが、実際 にはカリキュラムの体系性、タテ・ヨコのつながり、 あるいは構造化して可視化するなどの方策や、 単位の実質化を実現できるとは言い難い。これ が現状です。 例えばカリキュラムマップをお作りになっている 大学はありますか?やっていらっしゃると、一応 目標を立ててどの科目がそのカリキュラムの目標、 何を目標にするかと作ってらっしゃいます。ところ がマップを作ると安心しておられる。それらを見る と丸の重複だらけで、丸が 5 つも 6 つもついてい るものもある。本当に 15 回しかない授業で 5 つも

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6 つもの目標を簡単に達成できるのか、と聞きた くなるようなものです。 あるいは、特定の項目には丸がいっぱいつい ている。例えばスキル系の目標を教えることは、 どちらかというと簡単です。プレゼンテーションと かコミュニケーションとか。授業中に話し合ったら、 コミュニケーション力が向上するようになったと評 価できると思ってらっしゃる。ところが態度特性に 近いものであるとか、価値観の理解、習得なんて いうものになると、そもそも目標としての丸がつい ていない。そういうふうに考えていくと、学問の論 理と学習者の論理の調整はいろいろ課題があり ます。 学習の方法論とすれば Active Learning、経験 重視という方向性だと思います。流れとしては、 そちらの方向へ行っているわけです。しかしなが ら導入状況の大学差は非常に大きい。また学習 成果をあげやすくする取り組みは十分できている とはいえない。これは学術会議で広田照幸氏が 執筆した内容ですが、まさにこういう状態であると いえます。 (プレゼン資料3−4(3)参照)組織体制につい ていえば、これは組織の特徴によって非常に違う だろうと思います。直面する課題は各々に違う。 単科大学と総合大学でも違う。規模によっても違 う。しかしながらモデル事例や方法が確立されて いないのみならず、用語・概念の錯綜が生じてい る。同じ言葉を使っているけれども、違う意味で 使っているというのが、いくらでも出てきていると いうことです。 評価についていえば、学外者や他分野からの 評価・関与を嫌う傾向があります。特に、一番嫌 われるのは理学の先生のようです。「アウト側の 評価なんてとんでもない」という話かもしれません。 そんなことを追っかけているとノーベル賞を輩出 できないと考えておられる理学の先生も、たくさ んおられるのかもしれません。人文系でも比較的 に、第三者の関与を嫌う傾向が強いということに なります。 (プレゼン資料3−5参照)これでは改革の中で 難航しているのが 1 ですので、右へ行くほど難航 していま す。「学外識者の参画(目標設定)」、 「資金調達」。それと「学外識者の参画(学習成 果の評価)」のような項目には、非常に苦労して いる。「目標の具体化」とか「プログラムの設計」は うまくいっていると考えているのが学科長です。 それに対して「必要性を感じない」の割合をみ ましょう。我々の質問項目に対してこういう項目を 入れますと、学外者が参画するのは嫌です、とい う反応が正直に出てきます。嫌われておりますの は、学外識者がプログラム実施のところに入って くることのようです。これが日本の大学改革の現 状です。

4.教育・学習目標の設定方式と

改革進捗度

(プレゼン資料4−1参照)そうした中で教育・学 習目標の設定方式はどうなっているのでしょうか。 まずは①。これはトラディショナルな方式です。② は学習者を主語にしています。③は学習者の行 動指針の表現にした場合です。そうすると「シラ バスに期待される学習成果が明示されている」大 学というのはどういう大学か。やっぱりトラディショ ナルな表現のところは、シラバスに具体的な学習 成果を書いている度合いが低いですね。

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(プレゼン資料4−2参照)さらに同じような見方 でいきますと、「シラバスに当該科目と学部・学科 の目標とか関係が明示されているか」にも差があ ります。行動目標型のところは関係が示されてい ます。検討中を入れますと、こちらは大体できて いる。改革の方向としてまさに、到達目標を設定 して教育をしていくという方向に向いていますが、 トラディショナルな方式の学科では、検討中を入 れても半数に満たない。大学の中での基本的な スタート、つまり目標をどういう方向に向けるのか という段階から、はっきりと差がつき始めていると いうことです。 (プレゼン資料4−3参照)さらに、「シラバスの 内容について、授業担当者以外が検討し、修正 を求めることがある」という項目についてみましょう。 これも行動目標型のところは、もう実施済みが約 半数です。検討中まで入れると 6 割を超えていま す。 (プレゼン資料4−4参照)さらに「全学ないし学 部の目標と、学科の目標との関係を図式化した 資料がある」という項目について。俗にいうカリキ ュラムマップだと思っていただいていいと思いま す。こちらもまだ実施前は 3 割ですが、検討中ま で入れると、行動目標型の目標設定をして、検 証可能な形にしようとしている学科は、比較的改 革が進んでいるということです。 さらに、「学科の目標と授業の目標の関係を図 式化した資料がある」。カリキュラムツリーとよくい われますけども。こういうものも、行動目標型で設 定しているところでは、大体過半数が実施済み です。学習者の目線に切り替えたところと、有意 差はやはり大きく出てきます。

5.初年次教育から始まる

学士課程教育の改革

(プレゼン資料5図参照)これは私が整理した 概念図です。学士課程教育プログラムというのが 124 単位になります。今回の答申では、新たな教 育プログラムを学士課程教育の一部だと位置づ けています。1 つはキャリア教育、1 つは初年次 教育。「導入教育」というネーミングもございます がこれも初年次教育の一種です。導入、発展、 展開、完成というフェーズ設定が可能だという見 方で導入教育という用語が使われているのがあり ますが、初年次教育の一種とみていいですね。 初年次教育は、学士課程教育にはほとんど含 まれますが、はみ出しておりますところがあるの が、初年次教育のおもしろいところでございます。 学士課程教育プログラム外も一部含まれている。 例えばオリエンテーションキャンプがそうです。あ るいは入学式もそうです。入学前教育プログラム の一部は、このタイプに入っている場合もありま す。 私どもの大学は第 1 志望の学生ばかりが来る 大学ではございません。初年次教育では最初の 1 週間が勝負だといわれます。次に最初の 1 カ月 が勝負です。最長でも最初の半年が勝負です。 一番最初の段階で、どう学生をキャッチするか。 どう彼らが円滑に移行するかというのが重要なの です。 そうしますと、入学式は絶好の機会です。私が 学長になったときに始めましたのは、アカデミック ガウンを着て、壇上で学生の名前を全部呼んで 一人ひとり握手して、「おめでとう、よく来たね」と 一声かけてやります。400 数十人を 30 分強かけ

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てやります。そのために式が長くなると、最初は 反対されました。代わりにやめたのは、来賓式辞 です。理事長挨拶もやめてもらいました。 なぜかというと保護者も学生も、理事長や来賓 の話を聞きに来ている訳ではないのです。親は 子どもの姿を見に来ている。そうしたら子どもが 壇上に上がって写真を撮れれば、それでうれし いわけです。さらにいえば私も、町の中で会った らただのひげのおじさんです。ところが壇上でア カデミックガウンを着て握手したら、みんなニコッ と笑って喜んでくれるわけです。手を出さない人 はいないです。一番喜んでくれるのはシニア、社 会人で入学した人です。すごくうれしそうな顔を してくださいます。こんなハッピーな表情が見ら れるのなら、やりがいがあるわけです。 入学前教育にはリメディアル型もあります。リメ ディアル教育が学士課程教育答申で 124 単位の 外に位置づけられました。入れた大学の責任で 行わなければならないので、キャンパスライフに は含まれますが、卒業要件外でやります。入学 前教育には初年次教育型とリメディアル型の両 方のタイプがあります。私は個人的には前者の ほうが好きです。入学前にリメディアルをやるの なら、せめてアドミッションポリシーを書きなさいと 言いたいですね。その中で書かれているのなら ば、やってもいいのですけど。リメディアルを受け てうれしい人はいませんから。リメディアルを受け させてやらせっぱなしで、その成果はあとどう使う んですかと聞きたいですね。そういう筋書きがな い状態でやりますと、モチベーションを下げてし まうという結果になります。 (プレゼン資料5−2参照)初年次教育の教育・ 学習目標についてです。教育目標というと教育 する側の人間、学習目標というと学習者の側に 力点を置いたものです。この明確化ということは、 まさに学習成果の証明ということです。全学、学 部・学科、科目レベル、それぞれのものが設定さ れ、体系性をもっていることが必要です。初年次 教育の場合、教育、学習目標は新入生が高校か ら大学へ円滑な移行をすること、そして大学生活 に適応することです。それだけすればいいという と、それだけでは許してもらえない。だから知識 であるとか態度、スキル。こういうものも合わせて スタディスキル等をきちんと身につけていくわけ です。そういうことを教えていかないといけない。 教育学習目標の設定の際には、まず意味があ り(meaningful)、測定可能な(measurable)、統制可 能なもの(manageable)。これが基本的な目標設 定のポイントになってきます。 それと学生の行動目標レベルで設定することで す。つまり学生から見たとき、達成できているかど うかわからない、あるいはなぜこの成績がついた のかわからないというつけ方では、あまり学習効 果が上がらないことになってしまいます。 (プレゼン資料5−3参照)次に、教育過程の重 要性です。特に初年次教育からスタートする教 育というのは、教育のプロセスが非常に重要にな ってきます。その場合 Pre‐professional な学習も 含めた、一般教育と専門教育を横断するもので ないといけない。2 点目は初年次教育から卒業 研究まで、累進的で挑戦的に通じたものでなけ ればいけない。つまり初年次教育のときだけは一 生懸命学生に対してサポーティブであったとして も、そこから先は知らない、というわけにはいかな いです。本学が取り組んでおられるように、2 年 次も視野に入れる。さらには 3 年次、4 年次。学

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士課程教育というのは 4 年一貫という設計でござ います。1 年次だけ、2 年次でおしまい。これもお かしい。 今までなぜいろんな話をしてきたかといいます と、4 年間の到達目標は何なのか。その一部とし て 1 年次、2 年次の教育が位置づけられなけれ ば。1 年次が終わってから 2 年次の教育ではない です。4 年間の学士課程教育の中でどう設計し てのかということが大切です。そのパーツの第 1 段階と第 2 段階です。 ペダゴジーとしてはアクティブ、「能動的」である ことが大切で す。今日のこ の講演はパッシブ 、 「受動的」ですね。ごめんなさい。だから時々言 い訳程度になりますが「手を挙げてください」と挙 げてもらおうとしたらどなたも手が挙がらなかった ので、何も能動せずにこのまま終わってしまうの かと思うのですが。アクティブラーニングには、い ろんな方法があります。今日はそんなことをきっと 谷口さんも話されるんだろうと思いながら。 こういう教室でだって、グループワークはできま す。私は実際に何百人いてもアクティブラーニン グで話し合いをすることはできると思います。この 椅子だと話し合いはできない。名古屋学院大学 はアクティブラーニングをする気がない、と批判さ れる向きもあるかもしれません。しかし、びっしりこ こに座らせるとアクティブラーニングはできません が、席の間が 1 つあいていれば、こういうふうにす れば、後ろの人と 4 人で話ができます。アクティブ ラーニングのやり方には、いろんな方法がありま す。 次に、「体験型」です。アメリカでは hands-on と いいます。とにかく右肩下がりのこの日本社会で、 学生たちが自然に勉強してくれるわけではない です。そういう点では学ぶことにハラハラドキドキ、 ワクワクドキドキという感覚を、どこかで与えないと いけない。 それと「集団型」ペダゴジーです。個々の学習 者のレベルに確実な信頼が置けないという状態、 多様化している状態であるならば、集団の中で 育てていくという学習のあり方が必要です。 そして「調査型」です。一方的に何が正しいとい うこ と よりも、自分たち自身が調べていくと いう inquiry-based というペダゴジーの導入が有効で あるといわれています。 それと学生の学習を深化、統合、表現をするこ とを助ける milestone や capstone。milestone という のは日本語でいえば「里程標」。これがあるわけ です。そういう点では本学が取り組んでらっしゃる、 「2 年修了段階でこういうことができるようにしよう」 というのが milestone といえるでしょう。capstone と いうのは、日本でいう卒業研究、卒業論文。その 目安の中で、4 年間の学習の行程を設計してい くという考え方です。 学問的によくデザインされたプログラムと、すべ ての学生のための社会支援による強化。コミュニ ティとか現場。こういうものに基礎づけられた文脈 を、どう学習課程の中に取り込むか。私どもは社 会人基礎力に参加しておりません。学士力の審 議に参加して、我々は 21 世紀型市民という、産 業界のためだけの働きを作るんじゃないという個 人的な自負がございます。だから行かないという のが理由の 1 つであります。 ところが社会人基礎力の中でインプリケーショ ンが 1 つあった。社会人基礎力のコンテストには 最初熱心な先生が 1 人いて、それで採択された ケースが多かったです。ところがそれではだめだ

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と気がつくわけです。1 つの科目だけではだめな んです。金八先生だけでは教育は変わらないの です。やはり、組織的にやっていかないといけな い。そういう文脈をどう作っていくか。 だから教育改革というのは教育課程あるいは組 織の改革より、教育の過程の改革でもあるので す。プロセスであるとか、学習環境とか、学生の 多様な体験と知識総合をどうするのか。総合化 するスタートラインとして、初年次教育は非常に 有効です。こういうペダゴジーをほとんど盛り込ん だプログラムであるということになります。 (プレゼン資料5−4参照)これは有名なアスティ ンの IEO モデル。インプットとアウトプット。これも 大体教育関係者はどんな学生が入ってきたか、 優秀な学生が入ってきたか。それとアウトカムに 関心を集中する。Desired result です。就職率 100%とか。こういうことを一生懸命見ますが、教 育機関である大学の価値は「Environment」にあ る。どういう経験を提供できるか。そういうことが一 番重要である。そしてこれがアウトカムにつなが るということを、アスティンは語ったわけです。ここ ではポイントであるのは Environment、そしてどの ような Experience をさせるかであるということでご ざいます。 (プレゼン資料5−5参照)体系的な教育課程を どういうふうにこれから編成していくのかを、よく聞 かれます。初年次教育をやったあと、何をすれば いいんですか、という質問です。基本的な設計を きちんとしないとだめです。カリキュラムマップも 設定しなきゃいけない。 しかし、先ほど言いましたように、今あるものを ただマップに貼りつけるだけではだめなのです。 到達目標が決まらなければ、マッピングなんかで きないです。その到達目標を実現するために、ど んな科目、内容や方法が必要なのか。後ほど少 し資料を見ていただきます。 それと必修・選択、学年配当。こういうことを決 めるのは全部ストラテジーです。キャリア教育、初 年次教育はリメディアルよりも正式な学士課程教 育のプログラムに含まれました、と。 さらにいうとシラバス。これも重要になってきま す。シラバスが学習の手引きと支援の要素を充 たしているか、ということです。シラバスを見ると、 その大学がどこまで本気で改革しようとしている か、もう一目瞭然です。学習目標、評価方法、評 価基準、達成レベルの目安、具体的な行程がど こまで入っているか。これがなければ学生たちが テストの結果を見て、なぜこの点数なのかがわか らないです。 おなじみの日本の大学教育は根本的に十数科 目同時に取らせているという、不幸なコンテクスト で教育をしているわけです。他科目とのヨコの連 携が、非常に取りにくいわけです。ですから大学 として、授業評価を真に受けて、授業評価だけ 見て判断していますが、社会評価もやらなきゃい けないと考えると、何をやるか。多くの大学は中 間評価のためのテストをするわけです。アメリカ 的にいうとテストをやっても多分 2 5 科目、3 5 科目しかないです。ところが日本は 10 科目以上 あります。これをミッドタームテストを一斉にやられ てごらんなさい。どんなことが起こるか。そこの時 期しか勉強しない。半年に 1 回の勉強が半年に 2 回になっただけなのです。その辺りが大きなポ イントになってくるわけです。 (プレゼン資料5−6参照)そして、大学が陥りや すいワナ。初年次教育で完結した気分になる。

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あとは学生に自学自習を習慣づけたから、黙っ て勉強していろということになってしまう。実際に は少数の学生のみが、自学自習を日常化してい る傾向です。 皆さんが期待をかけて、私も A 級戦犯だという 思いを抱いている「ポートフォリオ」。GP では多く の大学が出してきましたが、予想外の展開であり ました。喜んだのは業者でしょう。アドミニストレー ターとか学長とか学部長は、これを入れたら学習 評価の打ち出の小槌だと思っているわけです。 それだけでは絶対うまくいきません。誰が指導す るのですか。指導する教員はその気になってま すか。普及と定着にはものすごいエネルギーが かかります。フィードバックするのは大変です。あ るいは学生を習慣づけするのに大きなエネルギ ーが必要です。 実は私大協に、教育学術研究委員会というの があります。私は委員をやってまして、隣の席が 金沢工大の黒田先生です。みんなが就業力向 上のツールとして e ポートフォリオの報告がほしい。 事例はどこがいいかと。僕は「唯一うまくいってる のは金沢工大だと思います」と発言しました。つ まりグッドサンプルのショーケースとしては、ポー トフォリオは使えます。でも全員の底上げのため にポートフォリオを本当に使いこなしているかとい うと、金沢工大以外には日本では寡聞にして知 らない。 そうすると黒田先生はやめておいた方がいいと 言われました。「うちは参考にならない。うちは就 業力のためにポートフォリオを使っているわけじ ゃない。うちは中学・高校のときからの成功体験 まで遡ってやってる」といわれました。あそこの大 学はポートフォリオを使うときに、どれだけのエネ ルギーと人的な資源を注ぎ込んでいるか。「同じ ようにできると軽く考えていると、えらい目に遭い ますよ」とよく言うんですけれども。ポートフォリオ は評価方法としていい、いいと言ったのは私自 身が元凶の 1 人でございますので、おやりになる のなら本気じゃないと大変ですよということを、謹 んで申し上げたいです。 大多数の学生には、放っておいて初年次教育 の効果は継続されないという前提に立ってほしい ですね。それだけで終わってはだめだということ です。学習習慣、生活適応については 2 年次も 重要なので、初年次教育の設計を、1 年生のとき にスタディスキルを教えた、習慣づけは終わった と思わないことが非常に重要になってきます。 (プレゼン資料5−7参照)これはランディ・スイン グ氏が一時触れた話ですが、我々は入学時のイ ンプットとアウトプットを重視して考えます。コース の目標を作ります。次にコース内容。これをすご く重視して、授業評価を尺度に一生懸命改善し ようとするのですね。ところがこれだけでは済まな い。コース提供の構造。先ほど言いました。履修 科目が 12 科目か 4 科目かで違います。必修か 選択かでも違います。科目間のヨコの連携がな いとこれもだめですし、学生がどういう点でコミット できるか。そしてそのコミットができるとして、授業 以外のグループワークをやらせるのなら、その環 境が学内にありますか。実はそういうことの相互 作用でアウトカムが決まるということです。

6.学習成果の評価

(プレゼン資料6参照)学習成果の評価方法と いうのは、いろいろあります。これは皆さんが一番

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お知りになりたいことですね。どうしたら GP をもら えるか。学習成果の評価というのは、同じ言葉を 使っても、大学全体を指すものと組織レベル。例 えばプログラム評価。学生による授業評価等で すね。いろいろと階層性があります。それをごっ ちゃにしてしまわない。例えば一番ひどいところ は、授業評価が大学の評価そのものだと思って らっしゃる大学がまだあります。これは去年の話 です。驚きました。授業評価をやっていますとい うのが大学評価だと思っている。これはもう大きな 間違いです。 (プレゼン資料6−1参照)初年次教育の評価と いうのは、いろんなやり方があります。アウトカム 評価の一部としての学生調査を利用される場合 もあります。あるいは IEO モデルに基づいて学生 調査を利用する場合もあります。初年次教育を 通じて身についたことを経験から聞いていくとい うことです。谷口さんはいろんな評価の材料を使 っておやりになります。我々からすると複眼的、 多元的な要素を入れないといけない。初年次教 育のコンテンツで役に立ったことは何か。こういう ことも評価の対象にしなきゃいけない。さらには 初年次教育のペダゴジーで効果的なものは何か。 あるいは学生の学習習慣がどう改善されたか。 学生の大学生活への適応度はどうなのか。役に 立ったか良かったかと、学生にこれだけを聞いて も何の意味もない。 ですから先ほどの金沢工大のポートフォリオの 話を思い出してください。何が一番すごいかとい うと、おそらく学生は毎日ポートフォリオを書くこと にすごいストレスがたまっているでしょう。指導す る側もストレスがたまってます。だけどいいのです。 1 年間きちんとそういう習慣づけをできたら、その プロセスで学生の満足度が上がらなくてもしかた ないとでも思っているのかも。金沢工大の他にそ こまで徹底してはやっていません。 (プレゼン資料6−2参照)いずれにしても専攻、 学科、学部へのフィードバックは必ず必要になっ てきますし、その評価した結果をちゃんと対象者 に説明する。あるいはデータを IR が管理し、機関 調査のコーディネートをする。今、注目を浴びて いますが、こういうデータを、ちゃんとそれぞれの 部局が分析できるようにする。そして全体のデー タを公表したり学生がアクセスできるように、どうも っていくかが大切です。こういうことをしていかな いと、単純に一次元的なことで評価してはいけな いということです。 (プレゼン資料6−3参照)初年次教育だけでの 評価では不十分です。いうまでもなく上級学年と の接続をチェックする必要があります。初年次プ ログラムは適切であったか。習慣づけは成功した のか。あるいは上級のプログラムとの連続性があ るのか。教員は初年次の学生の特徴を把握して いるのか。学生の大学への適応は進んでいるの か。初年次教育の目的は学士課程教育の中で 何であり、それがどう対応、達成できているのか。 機関としての評価、学科としての評価。そしてプ ログラムとしての評価。そしてさらには学生自身 がどう変わっていくのかという評価。単純な評価 結果で踊ってはいけないということです。 (プレゼン資料6−4参照)そして評価は多元的 で重層的である必要がある。量的なデータもあれ ば、質的なデータもあります。ルーブリックという のがあります。あるいはポートフォリオもあります。 フォーカスグループインタビューによる評価もで きます。学生たちにグループフォーカスインタビ

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ューをするという方法もあります。 (プレゼン資料6−5参照)これは AAC&U、アメリ カの教養教育の専門機関ですが、ここがバリュー ルーブリックというのをつくっている。これは調査 研究に対する到達目標の定義をした表です。調 査能力、分析能力というのは、例えば話題の選 び方、テーマの選び方。あるいは先行研究につ いても調査ができる。それと研究のデザインがで きる。分析の仕方がきちんと身についている。ま とめ方ができている。あるいは残された課題とイ ンプリケーションをきちんと導き出せる。こういうも のについて capstone 上級から、benchmark 最低 限のところまで。こういう評価の関連表をきちんと 作っています。こういうことで、学生たちから見て 「今はこのレベルだけども、ここまで目指さないと いけないんだな」ということがわかる。評価を本当 にやっていこうとすると、自分たちが何に基づい て評価するのかを、学生たちにどうわかってもらう のかということです。

7.教育力の強化に必要な

組織戦略の具体化

(プレゼン資料7参照)教育力の強化に必要な ことは、教育目標の明確化と共有することです。 特に行動指針レベルでの設定。教育内容の改 善というのは個別科目の総和ということではなく、 やっぱり組織的に考えないといけない。教育方 法の組織的改善が重要で、特に組織的な教育 方法を取らないと、グループワークをある授業 1 カ所でやってもだめです。いろんな授業でやる から意味がある。それの相互補完ができてくる。 それと学習成果の可視化として、教育目標の 観点レベルを整備することです。点数だけ示して もだめです。何ができるようになったのか、という ことを示さないと。そして重層的で多元的な評価 方法を併用していく。これによって達成できるだ ろうということです。具体的にはここにまとめてあり ます(プレゼン資料7−1参照)。現状分析、目標 の提示。それと尺度を設定して、内容、方法を多

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元化して、組織的に効果を検証していく。そして PDCA で次のサイクルにもっていく。こういうことを していただく中で初年次教育や 2 年次教育を続 けていただくということが、皆様方に初年次教育 とつきあってよかったと思っていただける、あるい はそれを続けていてよかったと思わせる、教育改 革につながるのではないかと思います。 以上で私の報告にかえさせていただきたいと思 います。ご清聴ありがとうございました。

参照

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