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Microsoft PowerPoint - グレンコア(最終版)

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Academic year: 2021

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グレンコア社(Glencore)-総合資源商社のIPO

大手資源商社であるスイスのグレンコア社(http://www.glencore.com/)が今月25日にロンドン証券取引所、24 日に香港証券取引所に上場すると今月上旬に発表し、市場では大きなニュースとなりました。同社の目論見書 は1,637ページに渡るもので、新規株式公開(IPO)の仮条件によると調達額は最大110億ドル(約8900億円)と 今年最大のIPOとなる見込みで、資源関連企業のIPOとしても過去最大になると思われます。 24日に先んじて、5月19日に公開株価が530ペンス(約700円)となり、これにより時価総額は365億ポンド(約4兆 8千億円)となりました。(http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aOIOrYgn.x9w)同社のHP にはIPOに関する各種PDFが掲載されていますので、ご興味がお在りの方はご覧下さい。 なお本コラムは、2011年5月23日月曜日現在の記述であり、24日以降のIPOによる株価とその変動につきまして はコメントしておりませんことをご了解願います。

同社の基本Data

グレンコア社はわずか37年前の1974年に設立され、1980年代後半より米国やペルーに在った企業に対する M&Aを通じて発展し、1990年代初頭に行った経営陣買収(MBO:Management Buy-Out)により現在の社名とな りました。その後、世界各国でM&Aを繰り返し、今日では世界40か国に50か所以上の事務所を有し、約2,800名 の従業員で事業を展開する企業へと発展を遂げています。 事業は「金属・鉱物資源:亜鉛(Zinc)、銅(Copper)、鉛(Lead)、アルミニウム、合金鉄(Ferroalloys)、ニッケルな どが主たる鉱物資源で、金や銀も生産」、「エネルギー関連:石油、石炭が主たる鉱物資源」、「農業関連:穀物、 綿、砂糖が主たる資源」と言う3つのセグメントより構成されており、いずれもマーケティングからロジスティクス へ至るまで、垂直的な統合を進めている資源商社です。

2010年12月31日現在で、売上高は1,450億ドル(約1兆2千億円)、純利益(Income for the year)

は16億ドル(約1,280億円)、総資産が790億ドル(約6,400億円)と言う経営成績を持つ巨大企業です。(5月11日 付同社IPO目論見資料より)

国内総合商社との比較

グレンコア社の事業価値に関わる評価と、これを含め決定される株価と、国内大手総合商社のそれとの比較を、 極めて簡略に書き記してみます。国内総合商社は、資源エネルギー分野の事業セグメントが全社利益に占める 比率が大きくなっていますが、その他事業分野の評価も加わったものですので、比較するには必ずしも適さな いと認識しておりますが、敢えて資源エネルギー分野の事業を進める大型企業としてその対象とさせて頂きまし た。 住友商事株式会社(8053:http://www.sumitomocorp.co.jp/)が、今年5月9日に発表した2011年3月期決算の数 値(決算短信より)に基づけば、売上高は8兆3千億円で、純利益は約2千億円となっています。 同じく三井物産株式会社(8031:http://www.mitsui.com/jp/ja/)が、5月6日に発表した2011年3月期の決算数値 (決算短信より)に基づけば、売上高は9兆9千億円で、純利益は約3千6百億円となっています。 ※両社とも米国会計基準。「純利益」は、「当社株主に帰属する純利益」の値を適用。 グレンコア社の売上高は1兆2千億円、両社と比しますと1/7~1/8と大変小さいことが判ります。他方純利益に 付きましても1/2~1/3の程度となっており、企業規模から見ますと「小さな資源商社」のように見えます。

(2)

では、両社の株式価値に付いての数値を見てみます。 ※グレンコア社の株価に基づく時価総額算出は、5月19日時点のものです。 ※住友商事と三井物産の数値は、Yahooファイナンス(http://finance.yahoo.co.jp/)等数値を参照しております。 ※グレンコア社の連結PERの数値は、IPO目論見書等から当社にて算出したものです。 2011年5月23日終値をもとに算出していますが、時価総額は住友商事が約1兆3千億円。三井物産が2兆4千億 円となっています。両社時価総額の合算は約3兆7千億円。グレンコア社は4兆8千億円と(5月19日付)ちょうど1 兆円もの差が生じています。また連結PERを比較してみますと、住友商事が6.6倍、三井物産が6.62倍となって いますが、グレンコア社のそれは37倍となりますので、大きな異なりが生じているのが判ります。株価を構成す る要素は様々ですが、グレンコア社の時価総額の大きさを、IPO直ぐの銘柄であると言うことだけで結論付ける のは難しいと思います。

価値評価モデル(Valuation Model)-鉱山資源会社の価値評価における重要な指標

鉱山資源会社の企業(事業)価値評価に関しては、前回のStandard & Poor’sからの引用に基づいたコラム記 事にて記しています通り、一般的に用いられる評価算定手法の他に加え、重要な指標が在るとお伝えしました。 またグローバル市場におきましては、そうした鉱山資源会社の事業特性を鑑みた価値算定指標の適用が一般 的に行われていることを改めてお知らせしたいと思い、ここに改めてご説明致します。

一般的に用いられる手法だけでは測ることが出来ない鉱山資源ビジネスの価値

では一般的に企業価値評価を行う際に用いられる手法に付いて書き記します。それらは大きく3つの手法が在 ります。

◇1.インカム・アプローチ

DCF(Discounted Cash Flow)法や収益還元法と言った手法を用いて算出するものです。

企業の財務諸表を基にし、負債コストや資本コストと言った数値化したデータを基に算出するものですが、ここ では以降の手法を含め、計算方法自体の説明は割愛させて頂きます。

◇2.マーケット・アプローチ

類似企業比較法や倍率法と言った手法を用いて算出するものです。

EBITA(Earnings Before Interest, Taxes, depreciation, and Amortization)倍率や純資産倍率などを、評価対象 とする会社と業種や、事業規模、収益性など様々な要素を基に公開企業より選定し、要素ごとに配点基準を設 けて算出する手法です。

◇3.コスト・アプローチ

簿価純資産法と時価純資産法と言った手法を用いて算出するものです。 1株当たりの株価を、簿価純資産額、時価純資産額と発行済株式数で除して算出するものです。 市場 株価(円) 発行済株式総数 時価総額(億円) 純利益(億円) 連結PER 住友商事 8053/T 1,070 1,250,602,867 13,381 2,027 6.60 三井物産 8031/T 1,334 1,829,153,527 24,400 3,679 6.63 グレンコア - 700 6,893,292,886 48,253 1,280 37.70

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手法それぞれが持つ短所について

DCF法を始めとする評価方法にはそれぞれ長所と短所が在ります。特に鉱山事業会社の価値評価を進める上 では、DCFなど従来型手法によるものだけでは、真に価値を測定評価することが難しいと考えております。 DCF法におきましては、将来予測に基づいたフリー・キャッシュフロー(FCF:Free Cash Flow)や資本コストなどの 前提条件次第で大きく算定価値に異なりが生じ、当初FCFがマイナスになるベンチャー事業や当社のような鉱 山事業や、資源開発事業への適用は不向きであると考えます。また、鉱山会社が保有するリザーブ(Reserve) やリソース(Resource)と言った、財務諸表に記載のない或いは会計規則(GAAP:General Accepted Accounting Policy)により記載が認められていない重要な事業資産項目を考慮しない点などより、特に鉱山事業の価値評 価を行う単独の手法としては不向きであると考えます。 倍率法におきましては、算出が比較的容易であることからDCF法を補足するデータとして用いられることが在り ますが、第一に類似企業の選定が困難であり、恣意性を排除できない短所が在ります。当社は国内唯一の金 専業の鉱山会社であり、国内他社に類似性を求めること自体が困難であり、将来へ向けた成長性などの観点 を含めれば、こうした手法での評価自体が適さないと考えております。 純資産法におきましても、その適用が特定資産の譲渡に関わる評価をする際に適している物であり、実在する 有形資産と負債をそれぞれ時価評価しますので、客観性に富んでいる反面、DCF法同様に無形資産に関する 評価の手法が確立されていないことから、評価結果への反映が困難と言う短所が在ると考えています。 グローバル市場での評価機関等が用いる評価手法~グレンコア社-鉱山資源会社評価の指標~ グレンコア社のIPO目論見書には、RPSエネルギーコンサルタント社(http://www.rpsgroup.com/)が同社の液 体炭化水素事業などに関する事業評価レポートが添付されています。同様にミナルコ・マイン・コンサルタント社 (http://www.minarco.com.au/)とマクエロン・ブライアン・ジオロジカル・サービス社(http://www.mbgs.com.au/) による石炭事業に関する価値評価レポートが添付されています。他にもゴルダー・アソシエイツ社 (http://www.golder.com/)、ワーデル・アームストロング社(http://www.wardell-armstrong.com/)による資源事 業に関する事業価値評価レポートが添付されています。 ※カタカナ表記に付きましては、当社にて記したものです。 こうした様々な機関が評価をした資料の中より、鉱山資源事業の価値評価を進める上で重要なポイントを見る ことが出来ます。それはIPO目論見書に添付されたミナルコ社による評価資料の中にある、評価方法に付いて の記述より理解することが出来ます。

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(以下原文を和約、追記しています)

Methodology(分析方法)

冒頭部にて、分析方法として「グレンコア社により準備された地質学的データに基づいた採掘計画と財務数値モ デルに焦点を絞って行う」と言う記載が在ります。

Methodology used:

□Resources and Reserves:

Point

リザーブとリソース:

JORC(Joint Ore Reserves Committee:オーストラリア証券取引所により定められた上場する資源関係企業が 探鉱結果や鉱物資源量の報告を行う際の基準を定める委員会。名称は「鉱石埋蔵量合同委員会」)レポートを 再検証し、グレンコア社の採掘生産計画におけるビジネスモデルと突合し、その妥当性に付き検証することを評 価手続の第一番目に位置付けています。

□Mine Plans:

Point 採掘生産計画に関わる予見と予測に付いて検証することを2番目に示しています。 • Capital and Operating Costs:

• Key Project Issues (省略)

鉱山資源ビジネスの国際的な企業評価手法に見る特徴

鉱山資源ビジネスを従来型の評価手法のみで価値算定するのではなく、将来に渡る事業継続性の源泉である リザーブとリソース、それらと採掘生産計画との突合、妥当性検証と言った方法がグローバル市場においては 採用されていることが判ります。同時に、鉱山資源ビジネスが多く在る北米、オーストラリア地域におきましては、 証券取引所により開示規定が存在していると言う事実に付きましてもご認識頂きたいと思います。 ご参考までにJOGMEC/独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(http://www.jogmec.go.jp/)の資料よ り、リザーブとリソースに関わる定義を図1に示します。 図1.探査結果、鉱物資源量及び鉱石埋蔵量の関係図

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□M&Aによる成長 グレンコア社の成長過程と現状の財政状況をみますと、過去数年に亘り実施してきたM&Aが大きな成長要因 であると想像します。M&Aの手法等を含め、当社にとりましては格好の学習対象であると考えております。 □リザーブとリソースが意味する価値 グレンコア社のIPO目論見書をみますと、自社が保有する鉱物資源の全てについて詳細なリザーブとリソースに 関する説明を行っています。海外市場と投資家にとりましては、将来へ亘る事業継続性とリスクに関し、容易に 理解したことでしょうし、その意味と価値が株価など事業価値へ結びついているものと考えます。当社にとりまし ても、こうした資産の開示、意味、価値につき、広く国内市場と投資家の方々へ向け発信して参りたいと思って おります。 成長戦略としてのM&Aとリザーブ、リソースの拡大並びに価値化の方法などは、当社今後の課題や価値向上 へ向けた方向付けを行う点で示唆に富んでいるものと考えております。 当社におきましても様々な成長施策を展開して参りますが、同社の今後につきましては良き学習対象として見 て参りたいと思っております。

結論~M&Aとリザーブ~価値向上へ

参照

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