卒業論文作成の手引き
2011. 91.卒論の構成
以下は標準的な構成です。テーマによって多少異なります。 1 はじめに 1.1 このテーマを選択した理由・動機 1.2 この論文で目指すもの 2 このテーマの背景 2.1 テーマの定義・範囲 (1) テーマの説明 (2) テーマの定義 2.2 歴史、現状、動向 2.3 問題点 2.4 先行する研究・報告 3 手法 3.1 調査手法 (アンケートなど) 3.2 研究手法 (文献調査、新聞調査など) 4 結果 4.1 調査結果 4.2 研究結果 5 考察 5.1 調査結果・研究結果から導かれる考察・結論 5.2 今後の研究方向 6 おわりに (謝辞) [参考文献] [付録]2. 章立て等
2. 1 章・節
章・節はポイント法で記載する。深さは 3 段までで、それ以上の細分は (1) などを使う。2. 1 図表
図表は章ごとに、図 3-2、表 2-5 のように連番とする。図の番号とキャプションは図の下 に、表の番号とキャプションは表の上に記載する。図表およびキャプションは原則として 左寄せとする。2. 2 付録
本文中で記載するには大きすぎる資料類は付録として参照文献の後につける。複数あると きは「付録 1」、「付録 2」などとする。これらは目次にも記載する。付録資料に参照文献 があれば付録の先頭にその旨記載する。また非常に大きいデータは提出論文では省略し、 電子データとして指導教師に別途提出する。3. 文章のスタイル
「です、ます」でなく「である」を使う。体言止め (名詞で終わる文章、例:「千葉大学ア カデミック・リンク・センターの建物の愛称が決定」) は使わない。4. 用語、表記
(1) 定義が曖昧な用語や、この論文の中だけで独自の定義をする語については、定義を明記 する。他人の定義を用いるときは参照を付す。 (2) 全体を通して、用語(「事前結合索引」「事前組み合わせインデクシング」)や表記(「イ ンターフェース」「インタフェイス」)は一貫して用いる。【英語の場合】英式綴りまたは米 式綴りに統一する。 (3) 固有名詞について和名に訳せるときは、まず和名を記載し、つづいてカッコの中にラテ ン文字名と必要に応じて略名を記載する。例: 「米国国立医学図書館 (National Library of Medicine: NLM)」
(4) 大学名、会社名など訳せない場合はカタカナ書きとし、つづいてラテン文字名をそのま ま、またはカッコの中にラテン文字名を記載する。非ラテン文字はラテン文字に翻字する が、中国名はできるだけ漢字のまま、韓国語名は漢字またはカタカナで表記する。
(5) 略名については「以下 NLM という」と付記するか、ラテン文字名の後にコロンを置 いて付記する。和名の略名 (「日図協」など) は原則として用いない。
5.知識の種類と参照方法
「~である」というとき、それが、自明なのか、古くから認められていることなのか、 ある人の主張なのか、自分の主張なのか、を区別して書くこと。 (1) 広く知られている基礎知識 例:「NDC は日本の図書館において広く使われている分類法である」 この場合は、必ずしも参照は必要ない。ただし、異説もある場合は注記に記すこと。 (2) 調べればすぐわかる歴史的事実:例:「国立国会図書館法は 1954 年に制定された」 必要に応じて参照文献を記すこと。 (3) 文献上で主張されていることがら 例: 「医学分野では、他の科学分野と比較して、抄録は長い」 ある調査、研究では確認されているが、基礎知識にはなっていないことがら。またはある 著者の見方。参照文献を必ず記すこと。また、適用範囲、限定条件に見合っているかも記 すこと。 (4) 根拠はないが、伝統的に言われていること 例:「人は年をとるとおおらかになる」 「といわれている」などと記述する。このようなことがらを前提にして論考すると論文全 体の説得力が弱くなるのでなるべく避ける。 (5) 論理的に導き出されること 例: 「大学図書館は図書館の一種であるから、必ず所蔵目録を作成している」 三段論法を基本とし、必然であれば、文献の参照は必要ないが、「と考えられる、とみなさ れる」、などのように断定はさける。 (6) 自分の主義、嗜好 例:「自分で金を出して買った本でなければ、知識は身に付かない」 このような記述は学術的な場では極力避けること。「証拠は?」「私はそうは思わない!」 と言われると反論できない。記述するときは、そう考えざるを得なくなった背景などを、 客観的に説明すること。自分の主張については原則として「考察」の章で記述する。(7) 自分の調査からわかったこと 例:「アンケートの結果では、大学生の半数以上はOPAC を使ったことがない」 堂々と使って良い。なお調査等については論文中で、「調査手法」「得られたデータ詳細」、 「調査結果と考察」が記述されていることを前提とする。 (8) 自分の考察 例: 「本調査結果からみると、わが国の公立図書館の管理者中で司書資格者が占める割合は 諸外国と比較して少ないといわざるを得ない」 それまでの文献調査、資料調査、あるいは実地調査等から論理的に導かれる考察して述べ るもので、それらから飛躍して勝手な意見を述べてはいけない。
6. 文献の調べ方
(1) 必ず本を数冊読んで、テーマの背景を十分理解すること。Web だけの調査では断片的 な知識になり、論文としてまとめられない。(2) 本の調査は Webcat Plus など、文献の調査は CiNii などを使う。
(3) ネット情報を文献として用いるのは、他に適当な文献がない場合のみとし、原則として 出版物 (書籍、雑誌) を文献とする。これはネット情報は永続性が保証されておらず、後の人 が利用できない恐れがあることと、内容の信頼性が劣るためである。
7. 引用と参照と注
7. 1 引用 (Library and Information Science 論文執筆要綱を参照して作成) 引用とは他人の文章またはその一部をそのまま利用することである。 (1) 他の文献から文章を引用した場合は,必ずかぎ括弧「」を用い,かつ末尾の右肩に角 括弧 [ ] に入れた一連番号をつけ、論文末尾の「参考文献」に文献書誌を記載する。 例:田中は「学術情報流通の中核をなすメディアは学術雑誌である」[1] と述べている。 ただし同一書籍から複数回引用する場合は、[21: p.15] のように、1 つの引用文献番号を用 いてページを補記する。 (2) なお,引用文が長く,独立した段落として表示する必要があるときは,その前後に各 1 行の空白行をおき,かつその行の左端の2 字分を全体にわたって段を下げる。(Word では、 字下げ (インデント) 機能を使う)
例: 田中は以下のように述べている [2]。 ┌─┐(1行空白) │二│文献のアクセスへの障壁を取り除くことにより、研究は促進され、 │字│教育は豊かになり、富めるものの知識を貧しいものと共有し、(中略) │段│貧しいものの知識を富めるものと共有し、その文献を最大限に役に │下│立て、人類を共通の知的会話と知識の探求において統合する基盤 │げ│を築くことができる。 └─┘ (1行空白) (3) 引用した文章は句読点も含め、一切変更を加えてはならない。元の文章に誤字・脱字が ある場合は、そのまま記載して ( ) などで注記する。「ママ」と書くこともある。 例: 「台風15号の接近による大雨で、名古屋市は竹刀 (市内) の天白川や庄内川など河川 が増水し」 (4) 基本的に略さず引用する。略すときは「(中略)」とする。 (5) 翻訳されたものを引用する場合には、原書と、翻訳書の両者を参照する。自分で翻訳し て引用する場合は、引用箇所に「(筆者訳)」と記し、原書を参照する。原文のまま引用し て、訳や解説を注記で付してもよい。 (6) 出典 (文献) の記載がない引用は盗作とみなされる。 (7) インターネットからの引用はできるだけ避けるが、執筆者名 (執筆機関名) が明記され ているものからの引用は特に必要な場合は許される。匿名またはハンドル名によるページ の引用は禁止する (ウィキペディアを含む)。 (8) 国の法律等容易に調べられるものは参照は不要。地方の条例など調べにくいものは必要。 7. 2 参照 (1) 他の文献からの文章を引用せずに要点を書いて紹介する場合はここでは参照とする。 (2) 参照は、該当箇所に角括弧で一連番号 (引用と区別しない) をつけ、「参考文献」に文献 の書誌事項を記載する。 (3) インターネットからの参照の場合は URL と参照年月日を明記する。これには新聞記事 や文献でホームページから入手したものも含まれる。 例 1: 愛知大学図書館 - トップページ. http://aqua.aichi-u.ac.jp/ (2009/12/1 参照)
例 2: 時実象一. 米国公共図書館における電子書籍の利用. 図書館雑誌. 2011, (1), 46-48. http://tokizane.jp/tokizane/Ref/TokiPDF/Tokizane-ToshokanZasshi-2011-01.pdf (2011/9/20 参照) 7. 3 参考文献の書き方 (1) 引用文献および参照した文献は論文の最後に参考文献としてまとめて記載する。その際 は角括弧にいれた数字のあとに各文献の書誌を記載する。 (2) 参考文献の書き方については科学技術情報流通技術基準「参照文献の書き方 (SIST 02)」を用いる (http://sist-jst.jp/)。記述例は次のとおり (SIST 02 より)。 雑誌文献 [1] 西潔, 石原和弘. 火山地域における震源計算についての提案. 火山. 2003, vol. 48, no. 5, p. 407-413.
[2] Pisciella, Paola; Pelino, Mario. FTIR spectroscopy investigation of the crystallisation process in an iron rich glass. Journal of the European Ceramic Society. 2005, 25(11), 1855-1861.
書籍の全体
[3] 照明学会編. 照明ハンドブック. 第 2 版, オーム社, 2003, 573p.
[4] Schlick, T. Molecular Modeling and Simulation. Springer-Verlag, 2002, 656p. 書籍の一部
[5] 鵜飼保雄. "遺伝率の相対性". 量的形質の遺伝解析. 医学出版, 2002, p. 109-110.
[6] Belar, Cynthia. “Models and concepts”. Handbook of Clinical Health Psychology. Llewelyn, Susan; Kennedy, Paul eds. Wiley InterScience, 2004, p. 7-19.
ウェブページ (必ず参照した日付を記載すること)
[7] smine. "Wellcome Trust, Blackwell/OUP/Springer と助成研究の即時オープンアクセス 提供を契約". オープンアクセスジャパン. 2005-12-15. http://www.openaccessjapan.com/archives/2005/12/wellcome_trustb.html, (参照 2006-05-31). 新聞記事 紙名、掲載年月日、朝・夕刊の別、見出し、を記載する。 なお、論文を執筆する際は、あとで番号を出現順に並び替える必要があるため、仮番号
[#1] などを振っておくとよい。 7. 4 注など 記述の流れを説明で中断しないために、説明の一部を注として別記することができる。 注は角括弧内に一連番号を付与し (例: [注 1])、論文の最の参照文献の手前に「注」という 項目を設け、各注番号毎に詳細な説明を記載する。注の中に引用や参照があってもよい。 脚注は使わないこと。 7. 5 Web サイト 各種機関などの Web サイトについては参考文献の項にいれてもよいが、多い場合は「参照 Web サイト」という項を参照文献の手前 (「注」があればその後) に設けてそこにサイト 名のアルファベット順および五十音順に記載する。本文中に参照の番号等を記載する必要 はないが、論文の「はじめに」の部分で、「なお本文中で参照した各種 Web サイトの URL については末尾の「参照 Web サイト」にまとめて示した」のように記載する。「参照 Web サイト」については参照日付は必ずしも必要ない。