• 検索結果がありません。

[講演要旨]熊本県の歴史地震と土砂災害

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "[講演要旨]熊本県の歴史地震と土砂災害"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)歴史地震 第 32 号(2017) 124 頁. [講演要旨] 熊本県の歴史地震と土砂災害 今村隆正(株式会社 防災地理調査) §1. はじめに 筆者は,日本全国の歴史時代の土砂災害の調査 研究を続けている.本発表は,平成 28 年熊本地震に おいても多くの被害が発生した,熊本県の事例につ いて,これまでの調査成果を発表するものである.. その他にも,南阿蘇村のカルデラ壁や益城町など の各地で,地すべりや中小の崩壊が発生した.これら の崩壊地周辺には亀裂が見られるものも多く,また, 崩壊土砂が崩壊斜面に堆積したままの状態であり, 今後の余震や降雨による二次災害が懸念される.. §2. 熊本県の歴史地震 熊本県へ被害を発生させた歴史上の主な被害地 震は,以下に示すとおりである. ・元和五年三月十七日(1619.5.1):肥後・八代 ・寛永二年六月十七日(1625.7.21):熊本 ・宝永四年十月四日(1707.10.28):宝永 ・明治 22(1889)年 7 月 28 日:熊本 ・明治 27(1894)年 8 月 8 日:熊本県中部 ・昭和 16(1941)年 11 月 19 日:日向灘 ・昭和 50(1975)年 1 月 23 日:阿蘇山北縁 ・平成 28 年(2016)年 4 月 16 日:熊本 ほとんどが内陸直下型地震であり,まれに日向灘 の地震や南海トラフを震源とする地震においても被 害が発生している.. §4. その他の地震や降雨による土砂災害 明治 22 年(1889)7 月 28 日の熊本地震は,市街地 の直下で発生し,熊本城内の石垣 29 箇所が崩れ, 圧死者 19 人,家屋全半壊 500 以上といった大きな被 害が発生した.明治 27 年(1894)8 月 8 日の熊本県中 部の地震では,長陽村と久木野村(現在は合併して 南阿蘇村)で山崩れ合せて 20 箇所が発生した.昭和 50 年(1975)1 月 23 日の阿蘇山北縁の地震では,建 物全半壊 30 以上,山(崖)崩れ 15 箇所という記録が ある(宇佐美・他,2013). しかしながら,平成 28 年(2016)熊本地震以外には, 地震を誘因とした大規模な山崩れや位置や規模が 特定できる土砂災害の記録はほとんどない. いっぽう,熊本県において,降雨を誘因とした土砂 災害は古くから多数発生している. 坂本村村史編纂委員会(1990)によれば,宝暦五 年六月九日(1755.7.17),五月中旬から降り続いた雨 により坂本村(現在は八代市)瀬戸石両岸の岸が崩 れ,球磨川を堰止めた.この決壊により下流の村々は 甚大な被害を受けた.地元資料等によれば,人家の 流失 2,118 戸、溺死者 506 人. 近年では,昭和 28 年(1953)6 月 26 日の記録的豪 雨により,阿蘇郡で山津波等により 132 人が犠牲とな り,昭和 32 年(1957)7 月 26 日の集中豪雨では,金 峰山周辺の土石流等により 183 人が犠牲となってい る.また,昭和 38 年(1963)8 月 17 日の集中豪雨によ り,五木村横手谷で発生した大規模崩壊に伴う土石 流で,横手集落 23 戸が埋没し,死者 11 人を出した.. §3. 平成 28 年(2016)熊本地震による土砂災害 平成 28 年(2016)4 月 14 日の前震と 16 日の本震, 更に数回に及ぶ震度 6 弱以上の地震を起因として, 約 160 件の土砂災害が発生し,土砂災害による死者 9 人を出した(国土交通省,6 月 7 日時点). 阿蘇大橋西斜面の崩壊は,長さ約 300m,幅約 120mに及ぶ大規模なもので,この崩壊により阿蘇大 橋は落橋し国道も途絶した.. 図 1 阿蘇大橋西斜面の大規模崩壊(今村撮影). §5. 文献 宇佐美龍夫・石井寿・今村隆正・武村雅之・松浦律子 (2013):日本被害地震総覧 599-2012,694p. 国土交通省砂防部:平成 28 年熊本地震による土砂 災害の概要(速報版). 地震調査研究推進本部:熊本県の地震活動の特徴. 新熊本市史編纂委員会(1997):新熊本市史,通史 編 第八巻,1015p. 坂本村村史編纂委員会(1990):坂本村史,1463p. 砂防学会:平成 28 年熊本地震に係わる土砂災害, 第一次緊急調査団報告会.. -124-.

(2)

参照

関連したドキュメント

東京都環境局では、平成 23 年 3 月の東日本大震災を契機とし、その後平成 24 年 4 月に出された都 の新たな被害想定を踏まえ、

 宮城県岩沼市で、東日本大震災直後の避難所生活の中、地元の青年に

防災 “災害を未然に防⽌し、災害が発⽣した場合における 被害の拡⼤を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをい う”

歴史的にはニュージーランドの災害対応は自然災害から軍事目的のための Civil Defence 要素を含めたものに転換され、さらに自然災害対策に再度転換がなされるといった背景が

Analysis of liquefaction damage mechanism of Shibahara housing complex in Kosa Town by 2016 Kumamoto earthquake.. Takao Hashimoto *1 , Hideaki Uchida *2 , Kiyoshi

Abstract:  Kumamoto  castle  of  stone  walls,  received  a  total  of  30%  of  the  damage  by  the  2016  earthquake  Kumamoto.  On  the  other  hand, 

Key words: Kumamoto earthquake, retaining wall, residential land damage, judgment workers. 1.は じ

東日本大震災被災者支援活動は 2011 年から震災支援プロジェクトチームのもとで、被災者の方々に寄り添