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「幼保小の連携」の方向性と今日的課題 : 連携の諸相と問題点を中心に

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105

幼保小 の連携

の方向性 と今 日的課題

―連携の諸相と問題点を中心に―

西 山 薫

The directivity and contemporary subject of cooperation

with a kindergarten,a nursery,and an elementary school

-Focusing on the various aspects and problem of cooperation.

Kaoru Nishiyama

は じめに 今 日、「幼保小の連携」が注 目されている。初等 、中等、高等教育それぞれの 「接続」 のあ り方が検討課題 となる一方で、「学級崩壊」に象徴 される初等教育の教育問題-の対 応 を契機 として、幼稚 園 ・保育所 と小学校 との連携 (以下、幼保小 の連携 と略記す る) が問い直 されているのである。 また、 これ まで学校制度の枠 内で論 じられて きた幼小 の 連携 は、保育所や家庭 ・地域社会の子育て支援 をも視野 に入れた連携へ と展開 されつつ ある。それは、子 どもを取 り巻 く環境 と家庭 ・地域社会 の教育力の変容 に対 して、改め て子 どもの 「育 ち」 を保障す る枠組み を再構築 しようとする動 きである。 幼保小の連携 とはす ぐれて実践的な課題である。当事者がその必要 を認め具体的な連 携 を試み、検討 ・評価 してい くなかで、その望 ま しい方向が模索 されるか らである。本 稿では、今 日の幼保小 の連携の必要性 を明 らか に し、連携の方向性 とその諸相 を考察す る。 これは、今後更 に具現 されてい く様 々な試み を トータルに把握 し、検討す るため に 必要 な作業である。 1

.

「幼保小の連携」の必要性 ここでは、今 なぜ 「幼保小の連携」が問われるのか、その必要性 を3つの視点か ら整

(2)

106 清泉女学院短期大学研 究紀要 (第21号) 理す る。 (1)幼保小の 「段差」の解消 とい う視点 幼保小の連携が着 目されるようになったひとつの契機 は、いわゆる 「学級崩壊」の問 題である

「学級崩壊」現象 とは、学級 の 「機能不全」を意味 している。文部省の委託調 査研 究では、「子 どもたちが教室内で勝手 な行動 を して教師の指導 に従 わず、授業が成立 しないな ど、集団教育 とい う学校の機能が成立 しない学級の状態が一定期間継続 し、学 級担任 による通常の手法では問題解決がで きない状態 に立 ち至 っている場合」`1)と定義 し ている。 この調査では、崩壊状況 にあった調査事例の150学級の うち、31学級が低学年学 級 であ り

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学級 に就学前教育 との連携不足がみ られた としている。 この低学年学級の 「機能不全」を 「幼児期 を十分生 ききれて こなかった、幼児期 を引 きず っている子 どもた ちが引 き起 こす問題」`2)、すなわち 「小

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プロブ レム」 ととらえ、高学年の 「崩壊」 とは 異 なる学級の 「未形成」状態 として理解すべ きとい う見方が有力である(3)。 「小1プロブ レム」には、子 どもを取 り巻 く環境 の変化や孤立化 した子育て、しつけ不 足 など様 々な要因が指摘 されるが、その

1

つ に就学前教育 との 「段差」の拡大があげ ら れる(4)。遊 び中心の園生活か ら座学中心の学校生活へ、個別対応か ら一斉授莱-、総合的 な活動か ら分化 した教科学習への移行が円滑 にで きない ことか ら、幼保小 の 「段差」 を 解消 し、小学校生活への緩やかな適応 を図る工夫が連携 に求め られているのである。

(2

)発達 と学 びの連続性 を保障する視点 しか し、「小1プロブ レム」の回避のみ を理由 として既存の学校生活への適応 を図ると い う視点は、「段差」問題 の本質 を看過す るおそれがある。その本質 とは、子 どもの発達 の連続性 とそれに応 じた学習様式である(5)。 子 どもの発達の連続性 を保障す るには、幼保小相互の 「育ちの立体的理解」が不可欠 である。それぞれの立場 か らみた子 どもの育 ちを重ね合 わせ、発達過程 とその問題点に ついて共通理解 を図 り、さらにはその育 ちを支 えている 「学 びの経験」、す なわち遊び歴 や生活歴 を把握するのである(6)。それは、幼稚園、保育所での遊 びや生活経験がその後の 教科学習 にどの ように生か されてい くのか、 また、遊び歴や生活歴 を踏 まえた教科学習 をどの ように設定するか、につなが ってい くはずである。つ ま り、幼保 の保育活動 と教 科指導 との接点 を明 らか にす ることになる

「幼児期 にふ さわ しい生活の展開」や 「遊び を通 しての総合的な指導」が小学校以降の学習の基盤 となるとい う原則 について、具体

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西山 :「幼保小の連携」の方向性 と今 日的課題 107 的 な活動、場面 に即 しなが らその筋道 を見通す こ とが連携 の大 きな課題 となるであろ う。

(

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)幼保小 の連携 と家庭 ・地域社会 との関連 「小1プロブ レム」の要 因 として、幼保小 間の 「段差」 とともに、家庭 や地域社会 の教 育力 の低下 も指摘 されている。近年の様 々な調査 か ら、例 えば家庭 、学校 、地域へ の子 どもの所属感の間に相 関がみ られるこ と(7)、家庭 での手伝 いや親子 の関わ りと地域 ・学校 園での 自然 ・生活体験 との関連があるこ と(8)な どが明 らかであ り、家庭 、地域社会 、学校 園での生活が、相互 に関連 しなが ら子 どもの育 ちに影響 を与 えてい るこ とが うかが える。 子 どもを取 り巻 く環境 それぞれが変化 (劣化)す ることで、その連鎖 によって教 育力が さらに低下 してい くとい う子育 て環境 の悪循環 に陥 っている と考 え られ る。 この点 を踏 まえて 「小 1プロブ レム」 を考 える と、幼保小 の 「段差」 問題 を幼保小 の 内部 の問題 に とどめ ることな く、家庭 ・地域社会 の変容 と教育力 の低下 を も視野 に収 め る必要があろ う。 と りわけ幼児期 か ら学童期 の育 ちは、家庭 、地域社会、学校 園の連続 した生活 によって支 えられていることか ら、家庭 、地域社会 に対す る子育 て支援 を射程 に入れた幼保小 の連携 を検討す る必要があ る と考 える。

2.

「幼保小の連携」施策の動向 ここでは、幼保小 の連携 に対す る政策動 向 とカ リキュラム上の連携施策 について、 こ れ までの経過 も含め なが ら概要 を整理 したい。 (1)制度上 の連携 の動向 ①幼保 の分化 と接近 連携 の動 向の前 に、幼稚 園 と保育所 との関係 を整理す る必要がある。教育機 関同士 の 幼小連携 に比べ、制度上、機能上 の違 いか ら、保育所 との連携 はあ ま り論 じられて こな か ったか らである。 同 じ保育機 関であ りなが ら分化 した幼保 の関係 について初 めて言及 したのは

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昭 和

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)

年の文部省 ・厚生省の共同通知 「幼稚 園 と保育所 の関係 について」 であ る。両者 の 役割分担 を明示 しなが らも、保育内容 の接近 の必要性 を指摘 した。 しか しその後、幼保 一元化 の必要性が論 じられては きたが、両者 の関係 に大 きな変更 は加 え られて こなか っ た。 しか し

、1

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(昭和

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)

年の臨教審答 申 (第四次) は、両者 の 目的の違 い を認 めつ つ も保育ニーズ に応 じた相互の弾力的運用 を(9

)

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(平成

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)年の地方分権委員会第

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108 清泉女学院短期大学研 究紀要 (第21号 ) 次勧告 は、家庭 の多様 なニーズに的確 に応 える幼保 の連携 強化や施設の共用化 を提言 し た(10)。近年では、多様 な子育 てニーズ に応 えるべ く幼保 の相互補完や機 能上 の接近がみ られるのである。 また、各 自治体 において も、子育 て支援 や少子化対策 の総合的施策が 策定、推進 されてお り、両者が連携 しやす い環境 も整 いつつある といえ よう。 (参 「連携」施策の広が り 制度改革 として幼小連携 に言及 したのは、1971(昭46)年 の中教審答 申(ll)であった。早 期 の才能開発 の可能性 を含 めた 「先導的な試行」 として

、4・5

歳児 か ら低学年 までの 一貫教育 とい ういわゆる 「幼児学校」が構想 されたのである。 しか し、早期教育 を助長 す る との強い批判 を受 け制度上の連携 は頓挫 し、 これ以降 はカ リキュラム上の連携へ と 方向転換 した。1987(昭62)年 の教課審答 申は、幼稚 園教育要領の改訂 とともに、小学 校低学年 における体験 的 ・総合的学習 を図 る 「生活科」の新設 を提言 した。 さらに、1998 (辛lo)年の同答 申は、幼稚 園教育 は小学校 以降の生活や学習の基盤 を養 い、小学校 も幼 稚 園 との接続 を図 る観点か ら生活科 を中心 とす る合科 的な指導の導入 を提言 している。 90年代後半 には、 カリキュラム上の連携 以外 に も、保育所 を含 む少子化対策、子育て 支援対策の観点 か ら連携 が重視 されて きた。1998(平10)年の中教審答 申 「新 しい時代 を拓 く心 を育てるため に」 は、幼保小 の情報提供の充実、教員相互の交流 、合同研修 の 充実 を提言 した。2000(平12)年の同答 申 「少子化 と教育 について」で も、「幼稚 園にお ける家庭 ・地域 と連携 した子育て支援 の充実、幼稚 園 と小学校 との連携 、幼稚 園 と保育 所 との連携」 な どを体系的 に盛 り込 んだ 『幼児教育振興 プログラム』の策定 を提言 した。 これ を受 け、文部省の調査協力者会合 は具体 的な幼小連携 の方策 として、教員間の交流 (定例 的 な会合 、合 同校 内研修、体育 ・音楽 ・図工等の小学校教員 の幼稚 園への協力等)、 幼児 ・児童間の交流 (行事 の合 同実施、.園庭 の相互開放、.生活科 ・総合的 な学習の時間 へ の幼児 の参加等)、保護者 間の交流 (合 同の保護者会や講演会 ・シ ンポジウム

、PTA

活動 の交流等) を打 ち出 している(12)。 さらに、1999(平11)年度か らは、幼保小 の連携 を研 究主題 とす る 「研究 開発学校」が指定 され、教育課程 の改善、開発 に焦点 をあてた 研 究、試行が着手 されている(13'。 また、2001(平13)年度 よ り、教員、子 ども、保護者 相互 の連携 を図 る体制の確 立や、人事交流 、免許状併有 の機会充実 を図 る 目的で 「幼 ・ 小連携 に関す る総合的調査研究」が13府県で実施 されてい る。 一方、厚生省 (規厚生労働省)は子育 て支援 の視点か ら

「新エ ンゼルプラン」に子育

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西 山 :「幼保小の連携」の方向性 と今 日的課題 109 ての地域交流 として小学校 の余裕教室 を活用す るこ とや、乳幼児 と中高校生 との交流 の 促進 な どを盛 り込 んでいる。 また、「児童福祉施設 における福祉 サ ー ビスの第三者評価 基準 (試案

)

」(

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月) に、保育所 の評価項 目と して保小 間の話 し合 いや研修 、園 児 ・児童 の交流が挙 げ られている。実際、 「地域活動事業」 として小 中高生 との交流 を実 施す る保育所 も増加 している(14)。

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) カ リキュラム上 の連携 (∋保育 内容 の揺 らぎ カ リキュラム上の連携 とい う場合、小学校教育へ の円滑 な移行 を 目指す保育の改善 と、 幼保 の保育 を前提 とした小学校低学年 の教育 内容 ・方法の改善 とい う2つの方向性があ るt15)o戦後 の保育内容 は、 まさにこの2つ の方 向、す なわち小学校 の教科学習 との継続 悼 (-準備教育志 向) と自己完結性 (-独 自性 の追求)の間で揺 らいで きた。戦後初 の 保育の手引 き書 である

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(昭

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)

年 の 「保育要領」 は、 アメ リカ経験 主義の影響下で 自由な生活 と遊 びを通 した総合活動が重視 し、幼稚 園の独 自性 を強調 した。 これ に対 し て

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(昭

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)

年 に出 された 「幼稚 園教 育要領」 と

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(昭

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)

年の同改訂 では、保 育 の計画性 、系統性 とともに小学校 での教科学習 との継続性 を重視 した。 しか し

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(平元)年の改訂 は教科指導 的保育 を反省 し、「領域」 の再編 と環境 による教育 を強調 し、 再 び独 自色 を強めた。 ところが

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(平

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)

年 の改訂 では、前 回改訂 の基本路線 を継承 しつつ も、小学校教育 との接続 を図るべ く若干の変更 を加 えたのである。 かつて、倉橋惣三 は 「小学校低初級 の教 育 に幼稚 園の原理 と精神 を延長 させ る」 (16)こ とを、城戸幡太郎 も 「問題 は幼稚 園教育 と小学校教育 との異 なる特 質 を明 らか にす る こ とではな く、四歳か らの教育 をどの ように段 階づ けるかの新 しい教育課程 の編成」(17)を指 摘 した。 ともに、幼保の保育 を前提 に小学校低学年の カ リキュラム との融合 を図 る考 え 方であったが、実際の カリキュラムの関係 は暖味 な形 で、換言すれば予定調和 的 に論 じ られて きた と言 え よう。 しか し、発達の連続性 の保障 とい う視点か らすれば、 カ リキュ ラム上 の接点 を保育 ・教科指導 の改善 に生 かす ことは不可欠である。 ただ、少子化 の下 で独 自色 を打 ち出 さざるをえない私立の幼保 と、標準性 、均一 性を維持す る公立小学校 とでは、その接 点 を具体化す ることが困難 である とい う現実的 な問題 も大 きい。 (ヨカ リキュラム改革の今 日的動 向 幼保小 の連携 か ら今 回の教育課程の改善点 を探 る と、それぞれ新規 に連携事項 が盛 り

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110 清泉女学 院短期大学研 究紀要 (第21号) 込 まれていることがわかる。 小学校学習指導要領では 「総則」、「生活科」、「特別活動」 に連携事項が追加 されてい る

「総則」の 「指導計画の作成等 に当たって配慮すべ き事項」では、地域社会 における 連携対象 として幼稚 園が明記 され、「特別活動」の 「指導計画の作成 と内容の取扱 い」に 学校行事 における幼児等 との触れ合いが、「生活科」の 「指導計画の作成の配慮事項」に 身近 な幼児 との触れ合いが追加 されている。 幼稚 園教育要領で も、「指導計画作成上の留意事項」に 「小学校 との接続」が明記 され、 小学校以降の生活や学習の基盤の育成 につなが ることに配慮 した 「幼児期 にふ さわ しい 生活」を指示 している。前回の改訂 に際 して も、指導書 レベル (『幼稚園教育指導書増補 版

』1

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年、文部省作成)で 「幼児期 にふ さわ しい生活」 と小学校教育 との関連 を指摘 したが、そのあ り方 については、新たに導入 した

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領域」の独 自性 と早期教育の抑制 を主眼 としたために予定調和的 にとらえていた向 きがある。今 回の 『幼稚 園教育要領解 説』

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年)では、「生 きる力」の育成 を学校教育全体の柱 に据 え、幼稚 園はその基礎 を培 い、かつ小学校以降の生活や学習の基盤 となるよう 「創造的な思考や主体的な生活 態度の育成状態 を的確 に把握す ること」や、小学校での学習や生活 との結 びつ きを明確 にす ることを指摘 している。具体的には、卒園間近の就学準備のための指導や入学-の 期待感 を持たせ る指導、「生活科」 との関連性、教員相互の交流 ・研修 ・参観、行事参加 などが例示 されている。 保育所保育指針 は、前回の改訂時

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年) に 「保育の計画作成上の留意事項」 とし て 「小学校 との関係」 を新たに加 え、連続的な発達 を考慮 した指導計画や入学へ の期待 感や 自信 を持 たせ る指導 を求めた。今回の改訂

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年)ではこの点 に変更はな く、幼稚 園ほ どの具体策 はあげていない。 しか し、「生 きる力」の基礎 を培 う点か ら幼稚 園教育要 領 との整合性が図 られ、 また、新 たに導入 された 「地域活動事業」の一つ として 「小 ・ 中 ・高校生 との交流」の促進があげ られている。 とりわけ、幼保 ともに地域 の保育セ ン ター、子育て支援 の機能の強化が図 られてお り、地域 に開かれた園 とい う意味では小学 校 と連携 しやすい環境 におかれた といえよう。

3.

連携の諸相 と課題 ここでは連携 の今 日的動向 を踏 まえ、展開 されつつある幼保小の連携 の実際 を整理 し、

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西山 :「幼保小の連携」の方向性 と今 日的課題 illM 連携 の可能性 と問題点 を指摘す る。 (1) カリキュラム上の 「連携」の可能性 具体的な連携方策 としてまず考えられるのは、カリキュラム上の連携 である。 これに は以下の ような段階的な展開が考 えられる。 ① 日常の交流活動 としての 「連携」 日常的な連携の姿 は、定期、不定期 に実施す る特別活動等での交流である。学校 園行 事への参加や合同開催、合 同給食、ボランテ ィア活動、異年齢交流 など多様 な交流活動 が行 われている。教科学習の

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場面 に幼児 との交流 を組み入れることもあ りうるであろ う。 しか し、 こうした交流活動 に対 して、単発的な交流 に終始 し継続性が ない、イベ ン ト化あるいは形骸化す る、交流のね らいが一方的 とな り子 どもにとっての成果 も偏 るな どの問題点 も指摘 されている(18)。交流 の発展性や見通 しについて両者が共通理解 を図る 必要があろ う。 ②学習対象 としての 「連携」 一幼保 (乳幼児)か ら学ぶ これは、例 えば社会性、道徳性の育成 といった明確 な教育 目的の下で、継続的な学習 活動 として交流や共同活動 を取 り入れることである。直接 的な交流 を通 して子 どもの相 互の発達 を図るものであるが、 とくに 「生活科」や 「総合的な学習の時間」 な どを通 じ た交流活動が積極的に実施 され、小学校側か らの期待感が大 きい ことがわかる。 「生活科」では、地域の身近 な人々 と関わ りを通 じて他者への理解や社会性 を高めると い うね らいか ら、乳幼児 との遊びや生活、 コミュニケーシ ョンなどの交流活動が考 え ら れる。幼保の側か らみれば、 これは異年齢交流 とい うメ リッ トがある。例 えば、沖縄県 具志川市立川崎小学校では、幼稚園教育 と 「生活科」 との共通点 に 「主体的に取 り組 む 具体的な体験活動 ・遊び」 をあげ、「自立- の基盤づ くり」 をね らい としなが ら、 自分の 思いや願いを持 ちつつ幼児 と関わる活動 を年間を通 して実施 している〔19)。 「総合的な学習の時間」で も、福祉、共生、職場体験、子育て、遊 び等 のテーマの もと で、幼保 との連携が考 えられる。 コミュニケーシ ョン能力の育成 とい う点では、乳幼児 との関わ りは伝 える、耳 を傾 ける、一緒 に感 じるな どの貴重 な機会 となる。 また、遊 び や幼児 との触れ合いを、例 えば、遊びの伝承や発見、読み きかせ、健康や食事 な どの よ り発展的な学習へ と展開 させ ることも期待で きよう。

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112 清泉女学院短期大学研 究紀要 (第21号) ③ 学 習方法 しての 「連携」 一新 たな教育課程 の創 造 学習方法 と しての 「連携」 とは、必ず しも直接 的 な交流 を条件 とせず、保 育 の総合 的 な指導 と教科指導 との接 点 を相互 の教 育課程 (保 育計画) に反映 させ る こ とであ る。幼 保 の側 で は、培 うべ き心情 ・意欲 ・態 度が教科学 習や小学校生活 の どの場 面 に結節 す る のか見通す こ とが必要 であ り、それ は具体 的 な保育活動 の選択基準 ともな りうる。小学 校 で は、遊 び を通 しての総合 的 な指導 との接続 を よ り自覚 的 に追究 し、幼保 で培 った心 情 ・意欲 ・態度 を教科学習へ生 かす教育課程 を編成す る こ とになる。具体 的 には、「生活 科」 の見直 し、遊 びの経験 、生育歴 に即 した教育課程全体 の見直 しとい う2つ の方向が あ る。 「生活科」 の見直 しとは、遊 び歴 、生活歴 に即 した教 育 内容 ・方法 の見直 しであ る。 そ もそ も生活科導入 の背景 には、幼保小 にお ける生活 の段 差 を解消す る こ とや、従来 の社 会科 や理科 の授業 が断片 的 な知識 の一方的伝 達 に偏 ってい る との反省が あ った。新幼稚 園教 育要領で も生活科 との関連 を明示 してい る。小学校 での学 びの様式 を遊 び を通 して 定着 させ るため に、 また、具体 的、拡散 的思考 を抽 象的思考、集 中的思考 に結 びつ けて い くため に も、生活科 の学習形態 は重要 であ る。 次 に、小学校低学年 の教 育課程全体 の改編 であ る。 これは、幼児期 か ら学童期 に期待 され る育 ちに焦点化 した教育課程 、つ ま り、発達 の連続性 を確保 す るための一貫 した教 育課程 に改編す る こ とであ る。具体 的 には、入学後直 ちに分化 した教科学習 に入 るので はな く、幼保 の

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領域 が 目指す心情 ・意欲 ・態 度 を踏 まえ、それが 中学年以降の教科学 習 に生 か され る よう低学年 の教育課程 を組 み替 える こ とであ る。 例 えば、研 究 開発学校 指定 の魚津市経 田小学校 で は、4-7歳 までの4年 間 を 「初等 教育前期」ととらえ、「人 とよ りよ くかかわ る力」を育 て る教育課程 を幼保小合 同で開発 してい る。従来 の教科 を

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つの領域 (基礎 ・潮風 ・表現 ) に再編成 し(20)、「潮風学習」 を 核 と しなが ら教科横 断的 な学習 を試 みてい る。 同 じく指定学校 の香 川大学教 育学部付 属 坂 出小学校 で も、低学年 の教育課程 を4領域 (い きい き、 こ とば、す う、 ときめ き) に 分 け、総合学習 のス タイル を と りなが らこれ らを関連 ・融合 させ る試 み を行 ってい る(21)。 この ほか、合科 ・総合学習研 究の歴 史 を有す る伊那市立伊那小学校 で は、低学年 の教育 課程 を総合学習 と特 別活動 によって編成 し、「自然

「社会

「数

「言語

「表現

「運動」 の領域 を通 して横 断的学 習が可能 となる よう工夫 してい る(22)。幼保 の

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領域 との接続 を

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西山 :「幼保小の連携」の方向性 と今 日的課題 113 円滑 に し、 しか も発達の連続性 に沿 った学習方法の配列 となってお り注 目される。

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)子育て支援 か らみた 「連携」の可能性 前述 した ように、幼保小 の連携 は家庭、地域社会 における子育て支援 をも視野 に収め る必要がある。子 どもの変容 について、本 田和子 は 「変化 したのは<子 どもその もの >、 つ ま り彼 らの実体ではな く、彼 らとの関係 の担い手 として<大人 >をも含めて、子 ども と大人 との間 に結 ばれていた<子 ども一大人関係 >ではないだろ うか」`23)と述べ ている が、子 どもの変容 を親子関係、子 どもと教師 との関係、子 どもと地域社会 との関係 の変 化 として とらえ、子 どもを取 り巻 く環境全体の中で、子 どもの育 ちを考 える必要がある。 その意味で、子 どもの生活や子育て支援 に対する幼保小 の連携 の重要性 が注 目されるの である。 ここでは各種 の意識調査(24)を参考 に、幼保小 の連携 のなかで留意すべ き点 を整 理す る。なお、紙幅の都合上、調査名は注記 に掲 げ、文中にその記号 を付 した。 ①就学 をめ ぐる保護者の意識 保護者の 「しつけ」(生活習慣 の習得 を含 む)に対す る意識 や満足度が高い (調査 アウ エ)のに対 して、幼保小の教員 は子 どもの変化 の要 因に保護者の 「しつけ」指導 の低下 をあげてお り (調査 イウ)、保護者の姿勢や家庭教育 を否定的 にとらえる傾向がある。 こ のズ レは、子 どもの実態 を介 して、保護者 と学校 園 との相互批判や不信 を招 くおそれが ある。 また、「しつけ」の役割分担 (家庭の責任か学校 園の責任か)に対す る保護者 の意識で は、年長児か ら小学校 1年生 にかけて家庭の役割 を重視す る傾向があ り、子 どもの生活 環境 の節 目に応 じて 「しつけ」の分担意識が高 まることがわかる (調査エ)。ただ、学校 園 と保護者が ともに取 り組 むべ きとす る暖味 な 「しつけ」項 目もあ り(25)、学校 園の働 き かけ如何で保護者が戸惑 う可能性 もある。 一方、そ うした意識化の反面、入学 を控 えた、あるいは入学 を挟 んでの子 どもの生活 環境の変化や育 ちに不安 を抱 く保護者 も多い。 とくに不安視 されるのは 「友 だち とのか かわ り」、「集団生活への適応」、「い じめ」 な どであるが、年 中児か ら年長児、年長児 か ら小 1で不安が高 まる項 目は異 なっている (調査エ)(26)。 こうした不安 を解消す るコ ミュ ニーケ-シ ヨン ・チ ャンネルが乏 しい現在、 さらに保護者の不安が増幅す ることもあろ う 。

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114 清泉女学 院短期大学研 究紀要 (第21号) (∋子育て支援 に向けた 「連携」のあ り方 これ まで所与の もの として保護者 にも受容 されていた幼保小 の段差 は、上記の傾向か らわかるように、子 どもと同様 に保護者 にとって大 きな負担 となっている。学校 園 と保 護者 との しつけに対する意識のズ レを自覚 し、生活環境 の節 目に応 じた家庭の役割 につ いて幼保小が共通理解 を図 り、子育て支援 を連携 して行 うことが期待 され よう。具体的 には、保護者の相互交流や、保護者 による授業 (保育)参観、幼保小合同の講演会

、P

TAの共同企画 な どがあげ られているが、保護者対象の企画 に限 らず、幼保小の連携の 様 々な場面に保護者が協力、参加す ることも重要である(27)。 (3)「連携」 に向けた運営体制 と教職員の意識 これまで述べ た ような様 々な連携 を実効ある もの とす る前提 として、幼保小の教職員 の理解や校園内の組織 ・運営の整備、行政 による支援 な どの条件整備がある。 これまで も連携 の必要性が言われ、当事者 もそ う理解 しているにも関わ らず十分成果 をあげ得 な い背景 には、 とくに連携 に対す る教職員の相互理解の不足があったのではないか と思わ れる。 この点 に踏み込 んだ調査研 究`28)に依拠 しなが ら、連携 の条件整備 について考察 し たい。 (∋連携 に対する教員の意識の問題 まず、調査が示唆す るのは、連携 に対する必要感 と連携 の実態 との大 きなギ ャップで ある。現状以上の連携が必要である とする教員 は幼保小 とも8割 と多いが、実際の連携 に対する満足度 は2割 に止 まっているのである。 さらに、その必要感 に比べ、今後期待 す る具体的な連携 を 「情報交換」 で十分 とする現状維持派 も多い。連携 を推進す るだけ の時間的、精神的なゆ とりに乏 しい こと、連携の担当組織が校 (園)務分掌 に位置づい ていないなどの運営体制の脆弱 さが背景 にあると思われる。 しか しその一方で、継続的 な交流や活動、 カリキュラムの共同研究な どに期待 を寄せ る教員 も少 な くないことも事 実である。 次 に、教育観の違いが顕著であることが うかがえる。今後 は 「情操教育」 を小学校低 学年教育の中心 に据 えるべ きと考 える幼保教員が多いのに対 して、小学校教員 は 「知的 教育」 を重視 している。 また、幼保小の段差 について、幼保小 の連携 を深めるべ きとの 見解 は一致 しているが、幼保教員の半数近 くは低学年教育 を改善すべ きと考え、それに 対 して小学校数月 は消極的である。その反面、幼保教員 は低学年教育 を意識 した保育へ

(11)

西山 :「幼保小の連携」の方向性 と今 日的課題 115 の改革 に積極的 と言 えず、段差 を埋める変化 に対 しては ともに消極 的である といえ よう。 こうしたズ レをもた らす要因の1つに、教育課程や実際の教育活動 に対す る相互理解の 不足があるのではないか と思われる`29)。 「子 ども理解」をめ ぐって も配膳がみ られる。例 えば、幼保 は入学後の様子、小学校 は 入学前の様子 とい うように、入学 を挟 んだ子 どもの情報 にともに強い関心 を示 している。 しか し、小学校教員 は入学前の生活習慣 の獲得や集団への適応の状態 を、幼保教員 は入 学後の学習状況や友人関係 に関心 を示 してお り、要求 したい情報 にズ レがある。 また、 とくに小学校教員 は生活習慣 の獲得や集団への適応 を幼保 に強 く期待する傾 向があ り、 こうした期待が どの ように理解 されているか問題がある。担当 した (する)子 どもへの 関心が異 なるのは当然であるが、特定の子 ども、あるいは一面的な子 ども理解 に陥 る可 能性 もあ り、継続的な情報交換 はもとよ り、個 々の子 どもの育 ちに対す る立体的理解 に 資す る機会が必要ではないか と考える。 (∋連携のための校内体制 ・条件整備 幼保小数貞相互の教育観、子 ども観のズ レを前提 としなが ら、そのズ レについて共通 理解 を図 り、子 どもの育ちの問題状況 を共有す ることは連携 の出発点である。そ して、 子 どもの問題状況 に対 して、具体的な連携 のあ り方 と役割分担 を模索す ることが重要 と なる。上記の教員の意識 はその出発点 に立つ ことの難 しさ、いわば幼保小 の 「もどか し い関係」 を表 している。 この関係か らの脱却 には、 まず もって合同研修、相互参観、協 議機関な どの教職員の連携の機会 を継続的 に確保す ることが重要であろう。そのため に も問題意識 の共有か ら企画立案、具体的な実施 に至 るプロセス を確保するような校 (園) 内体制 を確立することや、校務分掌 にその運営組織 を位置づける必要がある。 また、地域 によっては幼保の偏在、公私立の偏在 もみ られ連携が難 しい状況があ る。 少小化のなか、競争的環境 に置かれた私立の幼保では通園地域 の広域化が顕著であ り、 学区ごとの連携 も難 しい場合 もある。 こうした点 について、行政サイ ドの支援体制、 と りわけ教育委員会 と児童福祉部局 との協働 は不可欠 となろ う。 まとめにかえて 最後 に、幼保小の連携 を展開するにあたって留意すべ き点 をあげまとめ としたい。 幼保小 の連携 は、 まず、それぞれが認識する子 どもの問題状況 を幼保小が共有す るこ

(12)

116 清泉女学 院短期大学研究紀要 (第21号) とか ら始 まる。その際、子 ども観 や指導観、教育の独 自性 を相互 に認め合 うなかで、問 題 を共有する とい う姿勢が求め られ る。 この問題状況の共有 こそが、連携 を進め る唯一 の動機 となるか らである。 次 に、その問題状況 に沿 った連携 の具体策や手段 の選択 であ る。連携 の方法 ・手段 は 多様 である。冒頭 に示 した

3

つの必要性 に即 して、子 どもが抱 える問題状況 に適合 した 連携 のあ り方 を選択す ること、 と くにカリキュラム上の連携 の場合 、 どの段階 にまで掘 り下 げるかは子 どもの育 ちに対す る共通理解 によって異 なって くるであろ う。 そ して、継続 的 な連携 を支 える体制の確立である。連携 は組織 間の連携 である。個人 の必要感 は もとよ り、幼保小 それぞれの組織 内での必要性 の確 認が重要である。それに は既存 の連携 に対 す る検証 と評価 を行 い、必要 な連携 に至 る手続 きを明確 にす ることが 重要である。

(13)

西 山 :「幼保小の連携」の方向性 と今 日的課題 117 注 (1)学級経営研究会 『学級経営の充実 に関す る調査研 究』 (平成10・11年度文部省委嘱研 究最 終報告書)、2000年 3月。 (2)新保真紀子

「小1プロブ レム」 に挑戦す る』明治図書、2001年、P.14。 (3)尾木直樹 「最近の子 どもの特徴的な傾向- 『学級崩壊』の芽」、『教職研修』教育開発研究 所、1999年 7月号所収。 (4)新保、前掲書、E19-21。 (5)木村吉彦 は とくに教育課程上の連携 の必要性 を子 どもの発達特性や学 び方の発展か ら強調 してい る

(

「これか らの幼小 ・小 中連携 について考 える」、高田教育研 究会 『教育創造』 137号、2001年3月所収)。 (6)例 えば、幼保の年長児 にはそれにふ さわ しい役割が付与 され、年長 としての 自覚 も高 まる のに、小 1では極度 にそれが過小評価 される傾向がみ られる。子 どもの発達の過去、現在、 未来 を繋 ぐ必要があるであろう。 (7)指定都市教育研究所連盟実施の 「子 どもたちの 目か らみた教育的環境への認識」調査 (同 連盟偏 『子 どもが とらえた教育環境』東洋館 出版社、2000年)。 (8)長野県幼児教育連絡協議会 「幼児の生活 に関する実態調査Ⅲ」、2001年。 (9)「幼稚 園 ・保育所 はその 目的は異なるが-就園希望、保育ニーズに適切 に対応で きるよう、 それぞれの制度の中で整備充実 を進める。 この際、保育所が整備 されていない地域 な ど での幼稚 園の時間延長、臨時的要請 に対応す る保育所 の私的契約 な ど、両施設の運用の弾 力化 を進める

」 とある。 (10)「少子化時代の到来の中で、子 どもや家庭の多様 なニーズ に的確 に応 えるため、地域 の実 情 に応 じ、幼稚 園・保育所の連携強化及びこれ らに係 る施設の総合化 を図る方向で、幼稚 園 ・保育所の施設の共用化等、弾力的な運用 を確立す る。」 とある。 (ll)「今後 における学校教育の総合的な拡充整備 のための基本的施策 について (答 申)」、昭和 46年 6月。 (12)「幼児教育の充実 に向けて ∼幼児教育振興 プログラム (仮称)の策定 に向けて- (報告

)

(幼児教育の振興 に関する調査研究協力者会合、2001年2月)。 (13)幼保小の連携 を主題 とした研究開発校 園は、平成11年度か らは1園、12年度は 8園 7校、 平成13年度は 3園 3校である。 (14)子 ども未来財団の 「i一子育てネッ ト」 によると、例 えば長野県の場合、「地域支援サー ビス」として小 中高校生 との交流 を実施 している保育所 は44園 (2000年11月現在)であっ

(14)

118 清泉女学院短期大学研究紀要 (第

2

1

号) た。 (15)秋 山和夫 「幼 ・小教育の連携 とその内容」、岡田正章編 『世界の幼児教育2 日本』 日本 らいぶ らりい

、1

9

8

3

年、

P

.

3

1

6

(

1

6

)

倉橋惣三 「幼稚園雑草

『倉橋惣三選集第二巻』 (フレーベル館

、1

9

7

0

年所収)、

R41

3

(

1

7

)

城戸幡太郎 『幼児教育への道』 (フレーベル館

、1

9

8

0

年所収)、

R2

9

(

1

8

)

西川正晃 「幼稚園 と小学校 との連携」、『初等教育資料』(平成

1

4

2

月号、東洋館 出版社) 所収。

(

1

9

)1

年生の生活科では、幼稚園の先生 による絵本の読み聞かせ (

4

月)、アサガオの花 を園 児 に見せ る ・園児が育てたキュウリをあげる、アサ ガオの押 し花作 り (7月)、お もちゃ の共同製作 (9月)、得意な遊びで交流 (10月)、童話の発表会 (11月)、幼稚園の発表会の 見学

(

1

2

月)、合同の レクレーシ ョン (

2

月)などを実施 している(同校 ホームページよ り)。

(

2

0

)

研究主題は 「幼児期及び児童期の発達の特性 をとらえ、子 どもの 「人 とよりよ くかかわる 力」 (道徳性 ・社会性) を育てる教育課程の開発」である。連携対象 には近隣の経田幼稚 園、経田保育園がある。 3領域 とは、表現学習-自分 を表現で きる、自己の存在 をアピー ルで きるような表現力 を身につける学習、潮風学習 -自らを取 り巻 く自然 ・人 ・もの等の 環境 に働 きかけ、道徳性、社会性 を育む学習、基礎学習-生活の中か ら題材 を見つけ、学 んだ事柄 を生活 に返す ような 「生活

「ゲーム」性 を重視 した学習である。潮風学習は 4・

5

歳児 と小

1-6

までの合同学習であ り

1年生

3

9

時間

、2

年生

3

9

.5時間を幼保 との合同 学習 に充てている

(

『内外教育

』2

0

0

2

/

1

/

8

お よび同校 ホームページよ り)。 (2

1

)

「い きい き」では自立 と共生の考 え方 を養い

「ことば」は自分 と言語 との関わ りを基 に心 を伝 え合い対話する喜 びを、「す う」 は自分 と数量 との関わ りを基 に豊かな数量感覚 を養 い合理的に処理す ることを味わい、「ときめ き」では思いや願い を表現 し、美 しい ものや 心地 よい ものに気付 く感性 を養 うとしている。

(

2

2

)

伊那市立伊那小学校、平成

1

2

年度公開学習指導研究会 『研究紀要』。

(

2

3

)

本田和子 『変貌する子 ども世界』 中公新書

、1

9

9

9

年、

P

.

2

1

9

0

(

2

4

)

以下の調査 を参考 とした。紙幅の都合上詳 しい調査データは省略 した。 ア 奈良県立教育研究所 「家庭教育 アンケー ト

」(

2

0

0

0

年11月、幼保小の保護者対象) イ 大阪府同和教育研究協議会 「小

1

プロブ レムアンケー ト」

(

1

9

9

9

5

月、幼保小教員対象) り くもん子 ども研究所 「幼児 をめ ぐる子育て環境

」(

1

9

9

9

7

月、幼稚 園教員、幼小の保護 者対象) エ ベ ネッセ教育研究所 「幼児の生活 アンケー ト

」(

2

0

0

0

2

月、幼保小 の保護者対象)

(15)

西山 :「幼保小の連携」の方向性 と今日的課題 119 (25)「習い事の練習や宿題 などの学習習慣」の役割 を担 うのは保護者43.2%、両方でが47.6%で あ り、「約束 を守 る」指導 も保護者48.6%、両方でが51.0%となっている。 (26)年中児か ら年長児 にかけて不安が高 まるのは、「生活 リズム と朝起 き ・寝 る時間」、「い じ め」、「入学前の準備教育」であ り、年長児か ら小1で高 まるのは 「友だち との関わ り」、 「勉強や成績」、「習い事 の練習や宿題」、「明 日の用意や準備」 な どである。 (27)「子育ては楽 しい」、「子 どもの気持 ちがわかる」保護者 ほど、子育て不安の解決方法 を多 様 に持 ち、園 ・学校、地域の行事等-の参加 も積極的である (調査 ア) ことか ら、幼保小 の連携 自体-の保護者の参加の効用 は大 きい と思われる。 (28)「幼保小連携 に関する実態調査」(平成12年度上越教育大学学校教育学部付属幼稚 園研究紀 要所収)は、上越市内全域 の幼保小教員 に対 して行 った意識調査である。 なお調査項 目及 び結果は同大学大学院生の斉藤賢一氏 による ものである。 (29)幼保小教員 とも、互いの教育 ・保育内容の基本である学習指導要領、幼稚 園教育要領、保 育所保育指針 を知 らない、理解 していない割合が きわめて高い。 付記 :幼保小の連携の資料収集 にあた り、上越教育大学の木村吉彦氏 には、同大学付属幼稚 園 研究紀要 をは じめ貴重 な研究資料 をご提供 いただいた。御礼 を申 し上 げる。

参照

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