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フォトグラメトリーにより作成した骨格標本レプリカの展示と活用事例/「動物のからだ展」を通して

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フォトグラメトリーにより作成した骨格標本レプリカの展示と活用事例

「動物のからだ展」を通して

EXAMPLE OF UTILIZATION DISPLAY AND USE OF SKELETAL SPECIMEN

REPLICAS PRODUCED BY PHOTOGRAMMETRY

About "Animal Body Exhibition"

……….

吉田 雅則 芸術工学教育センター 准教授

Masanori YOSHIDA Center for Art and Design Education, Associate Professor

………. 要旨 本稿は科学研究費助成事業16K00731「地域博物館の有する 骨格標本を3D プリンターを用いて活用する手法の開発と実 践」及び、その成果発表としての「動物のからだ展」の実施 報告である。研究においては美術・デザイン系大学の取り組 みとして、地域の自然史博物館や動物園資料館に収蔵されて いる骨格標本のデジタルデータ化と3D プリンターを用いた レプリカ制作、及びそれらを展示、教育目的として活用する 一連の試みを実践した。3D スキャンの手法としてはフォトグ ラメトリーを採用している。フォトグラメトリーのデータ取 得において、館外への持ち出しが難しい貴重な標本について は、撮影条件を整えるのが困難な出張先においても成功率を 高めるノウハウも確立した。本稿においてはそれらについて も報告している。 「動物のからだ展」ではこれまでに無い試みとして、美術と 博物の垣根を越え、人工物である美術作品や標本のレプリカ を同じ会場で比較して展示をしている。 多くの展示・発表の機会も創出し、「動物のからだ展」では 9 日間で 2,700 名の動員を得た。 Summary

This report is the implementation report of Grants-in-Aid for Scientific Research 16K00731 "Development and practice of a method to use skeletal specimens owned by the natural history museum with a 3D printer" and "Animal Body Exhibition” of the research's result announcement. In this research , as a study of art design university, we did digitalization of skeletal specimens and replica production using 3D printer. The replicas were produced using skeletal specimens stored in the museum of natural history and the zoo's museum, and those collected by ourselves. I adopted photogrammetry as a method of 3D scanning. It is very difficult to acquire data of valuable samples that are difficult to take out outside because it is difficult to set up the imaging conditions. We have also established a way to increase the success rate of data acquisition under such difficult shooting conditions. In “Animal Body Exhibition”, we made an unprecedented attempt. We display replicas of works of art and specimens, which are artefacts, across the boundaries of art and museums at the same venue. At the “Animal Body Exhibition”, 2,700 people were mobilized on the 9days.

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1. はじめに 日 本 各 地 の 科 学 博 物 館 に は 膨 大 な 自 然 史 標 本 が 収 蔵 されて いる 。博 物館 は研究 者に向 けて そう した 資料の 収集や 蓄積 、管理 を行 うこ と自体 も重 要な 目的 である 。 しかし 、研 究者 以外 の一般 の利用 者が そう した 収蔵物 にアク セス する 機会 は極 め て限ら れて おり 、活 用の敷 居も高 い。 本報 告の 基にな る研究 で題 材 と した 骨格標 本につ いて いえ ば、 その多 くは未 組み 立て の状 態で部 位ごと にバ ラバ ラに 袋に収 められ てお り、 その 動物の 生前の 姿や 全体 像を 知るこ とはき わめ て困 難で ある。 また、 貴重 な標 本の 劣化を 防ぐ意 味や コス ト面 から鑑 みても 直接 型を と り 複製や 組み立 てを 行う こと も非常 に難し いと 言え る。 一般の 多くの 人に とっ ての 関心の 対象と なる のは「 動物 のか たち」に関 するこ とで あり 、 生き物 をテ ーマ とし た絵画 や彫刻 を制 作す る作 家やデ ザイナ ー等 から も、 自然史 博物館 がも つ膨 大な 資産を 制作の ため の 資 料と して活 用した いと いう 声も 多く聞 かれて いる 。 博 物館 サイド にも 広 く一 般に 対し て公開 する意 欲を 持つ 関係 者 も多 いが、 貴重 な標 本の 破損や 紛失を 避け る等 、保 全的な 観点や コス ト的 な問 題によ る課題 が残 され てい る。 筆 者はそ うし た状 況に 鑑み、 科学研 究費 助成 事業 による 基盤研 究「 地域 博物 館の 有 する骨 格標 本を 3D プリンターを用いて活用する手法 の開発 と実 践 16K00731 2017 年~2019 年」におい て、フ ォト グラ メト リーと 3D プリンターを活用した レプリ カ制 作と その 活用法 の実践 的研 究を 行っ てきた 。 本研究 の開 始時 点で は本邦 の自然 史系 博物 館に おいて フォト グラ メト リー による デジタ ルデ ータ 化が どれだ け進め られ てい るか 、資料 も数少 ない 状況 であ った。 日常的 な業 務活 動に おいて 複雑な 形状 デー タを 必要と するコ ンピ ュー ター グラフ ィック ス作 品や ゲー ム制作 の企業 にお いて の事 例も同 様にそ れほ ど多 くは なかっ たが、 本研 究の 準備 をはじ めた 2016 年あたりから商 業用の アプ リケ ーシ ョンと 共にス マー トフ ォン で稼働 する一 般向 けの ソフ トも多 く発表 され 、関 係雑 誌など でノウ ハウ が紹 介さ れる機 会も増 える など 、状 況が大 きく変 わっ てい った 。 先 に も 述 べ た 通 り 、 創 作 に 携 わ る 者 や 美 術 系 大 学 の 学生が 人物 やキ ャラ クター 、実在 する 動物 や想 像上の キャラ クタ ーな どの 創作を 行う際 に用 いる リフ ァレン ス画像 や一 次情 報に アクセ スする のが 非常 に困 難であ るとい う状 況が ある 。いき ものを 形作 る骨 格や 筋肉の 形状は 非常 に複 雑で あり、2 次元である図や写真から は3 次元的な立体的な構造をつかむことは困難である。 そうし た点 にお いて 、美 術 大学が 持っ てい る「 カタ チ」 に関す る知 識や 経験 、デジ タルデ ータ のハ ンド リング 手法を 自然 史博 物館 の研究 者との 協力 によ り活 用し、 3D データ化、3D プリンターを用いたレプリカ制作を 行って 展示 、閲 覧な どによ り活用 する ノウ ハウ を構築 するこ とが 博物 館側 、美術 、デザ イン 関係 者の 双方か ら期待 され てい た。 本 稿 で は そ う し た 背 景 の も と 進 め ら れ た レ プ リ カ 制 作に関 する 実践 的 研 究の成 果と、 いく つか の 成 果発表 やワー クシ ョッ プ、 さらに その実 践の 場と して 実施し た「動 物の から だ展 」につ いて の 報告 を行 う。 2. 研究課題「JSPS 科研費 16K00731 地域博物館の有 する骨 格標 本を 3D プリンターを用いて活用する手法 の開発 と実 践」 につ いて 2-1. 意義と目的 平成28 年度から 30 年度にかけ、先述の科学研究費 助成事 業に よる 研究 課題に より 動 物の 手の 骨格 標本を 題材に した 研究 を行 った。 いろい ろな 部位 の中 で特に 手の骨 格を テー マと して選 んだ理 由と して 、収 蔵され ている 標本 から 比較 的多様 な種の もの を見 つけ やすい ことに 加え 、そ の動 物が生 存して いる 環境 や食 べ物の 違いな ど、 生き るた めに獲 得した 機能 の違 いが 形に表 れ、一 見し て差 違が わかり やすい こと があ る。 また、 組み上 げる 前の 一つ 一つの 骨自体 はそ れほ ど大 きくな く、コ ンシ ュー マー 向けの 3D プリンターでの一体出 力が現 実的 なサ イズ である こと も 挙げ られ る。 研究開 始当初 には 以下の6 点を予想される研究の結果と意義 として 設定 した 。

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1:哺乳類の手の骨格の 3D スキャンデータ 10 点の 完成 2: ハ ン ズ オ ン を 含 む 展 示 に 耐 え 得 る 骨 格 標 本 10 点の完 成 3:データの応用的活用事例としての CG 映像の完 成 4:出張ミュージアムや展示での実践的使用とそれ を通じ たノ ウハ ウの 蓄積 5:動物の研究者や一般の 社会に向けた展示会の開 催によ る社 会的 還元 6:デザイン、芸術の実践者に向けた展示を通して 新たな 職能 開発 につ なげる 考察を 行う 2-2. 方法 研究の 方法 につ いて は、大 きく分 けて 3D スキャン の 手 法 で あ る フ ォ ト グ ラ メ ト リ ー に つ い て 、3D 出 力 や組み 立て 展示 方法 につい て、展 示ワ ーク ショ ップの 実践に つい ての 3 項目(2-2-1. 2-2-2. 2-2-3)に分けて 報告す る。 2-2-1. 3D スキャンについて 研究の 開始 時点 にお いてコ スト的 、技 術的 観点 から 接 触 式 ス キ ャ ン や レ ー ザ ー を 用 い る も の な ど 、 他 の データ 取得 方法 で は 研究遂 行に充 分な 形状 デー タを得 ること が困 難で ある ことが 予想で きた 。そ のた め、そ れまで にテ スト を繰 り返し 、結果 を踏 まえ た上 で主に フォト グラ メト リー による デジタ ルデ ータ 化を 行うこ とが最 も適 切で ある と判断 した。 これ らは 、過 去に筆 者が行 った 「動 物の 手の骨 が持つ 形体 の美 しさ や構造 の強さ を 、デ ジタル 技術 を 用いて 考察 する 」 神戸芸術 工 科 大 学 2016 年 共同 研究 で基 礎 的な ノウ ハウ は構 築され 、実 践済 みで ある。 フ ォ ト グ ラ メ ト リ ー 自 体 は け っ し て 特 異 な 手 法 で なく、 デジ タル 技術 が台頭 する以 前か らあ る測 量技術 をデジ タル 技術 によ り 応用 した手 法で あり 、現 在では 機器や ソフ トの 普及 によっ て 気軽 かつ 安価に 3D デー タを得 られ る方 法で ある。 スマー トフ ォン 向け の アプ リケー ショ ンや クラ ウドサ ービス も登 場し てい る。 ただし 、本 研究 で 設 定した クオリ ティ ライ ンに 達しう る 精 度 を 保 持 し た 上 で 、 不 正 の 無 い ク リ ー ン な 3D データ を得 るた めに はデー タの欠 損や アー ティ ファク トの除 去、 適切 なリ ダクシ ョンを 行う など 、そ れなり の専門 性や ノウ ハウ の開発 が必要 とな るの が実 情であ る。た とえ 既存 のツ ールを 組み合 わせ て使 用す るとし ても、 機械 的に 処理 を実行 するだ けで は実 際の 使用に 適した デー タを 取得 するこ とはで きな い。 作成 するモ デ ル の サ イ ズ や 形 状 要 素 な ど を 勘 案 し て 適 切 な メ ッ シュを 構築 する など 、多分 に職人 的な 観察 と経 験の要 する作 業を 経る 必要 がある 。ま た、デー タ取 得( 撮影) の条件 によ って もデ ータの 品質が 大き く左 右さ れる。 フラッ トな 光源 など 一定の 条件を 確保 した スタ ジオで の撮影 が望 まし い。 しかし 、 博物 館に 収蔵 され ている 自然史 標本 はそ れ自 体が貴 重であ り、 各種 条例 による 制限や 破損 予防 のた め館外 への持 ち出 しが 限定 されて いるも のも 多い 。そ うした 理由に より 、保 管の 現場に 機材を 持ち 込ん での 出張ス キャン のノ ウハ ウ開 発が前 提とな るこ とが 予想 された 。こう した 要素 から か、現 在稼働 する 商業 用途 のフォ トグラ メト リー 専用 スタジ オ関係 者に は撮 影の 経験が 豊富な カメ ラマ ンを 前身と する者 も多 い。 デー タ取得 時には オブ ジェ クト のサイ ズも記 録し てお く必 要があ る。そ のた めに 寸法 を得る 目的で 虫ピ ンに よる マーカ ーを設 置し た(図1)。これ により 、そ れぞ れの 骨のス ケール を実 寸で 記録 するこ とが可 能と なる 。 図1 サイズを記録する ための マーカー

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フ ォ ト グ ラ メ ト リ ー の ソ フ ト と し て は 複 数 の 既 存 ツ ー ル(1)を テ ス ト し 、 成 功 率 の 高 さや 計 算 ス ピ ー ド、 拡 張 性 の 高 さ 、 デ ー タ の 優 秀 度 等 か ら CapturingReality 社の RealityCapture を採用した。 出 張 ス キャ ン(2)に つ い て 、 国 立 科 学博 物 館 筑 波 研 究施 設の撮 影で は収 蔵庫 に機材 を運び 入れ 、照 明な ど、 で きるだ け条 件を 整え た上で 撮影に 挑み 、2 日間で 5 種 類の動 物の 前肢、合計 で149 個の骨の撮影を行った(図 2)。一点につき平均 85 枚撮影を行うため、総撮影枚 数は12,600 枚ほどである。 取 材 を 終 え て か ら 一 週 間 ほ ど か け て デ ー タ 化 の た め の計算 を行 い、結 果と して、149 点のうち 145 点のデー タ化に 成功 。失 敗は 撮影 ミ スで構 図か ら マ ーカ ーが外 れてし まった4 点だった。 研 究 の 最 終 年 度 に お い て は 、 福 井 県 立 大 学 恐 竜 学 研 究所の 協力 によ り、 実験動 物用X 線 CT 装置(3)を使用 す る こ と が で き た た め 、 ト リ(カル ガモ )や タヌ キな ど の生体 から デー タ取 得とレ プリカ 作成 も行 うこ とがで きた。 2-2-2. 3D 出力とレプリカ作成について 本研究 で使 用し た 3D プリンターは zortrax 社 M 200 と formlabs 社 form2 の二種類である。材料を積 層するFDM 方式の M200 と、光造形方式の form2 の それぞ れの 特徴 やコ ストの 差に 鑑 み使 い分 けて いる。 大 き さ や 堅 牢 性 を 必 要 と す る レ プ リ カ は 安 価 な ABS 樹脂を 使用 でき る FDM 方式の M200 を使用。比較的 小型の 出力 で、 ディ テール の 形状 再現 を必 要と する場 合には 、高 価なUV レジンを材料として微細なピッチ の積層 が可 能 なform2 を使用している。3D 出力品の 仕上げ につ いて の詳 しい記 述は神 戸芸 術工 科大 学紀要 「芸術 工学2016」掲載「動物の手の骨が持つ携帯の美 しさや 構造 の強 さを、デジ タル技 術を 用い て考 察する 」 (共同 研究 )及 び「 芸術工 学 2018」「デジタル彫刻を 活用し た昆 虫の 展示 模型の 制作」(報 告 )に 詳し く記述 してい るの で参 照さ れたい 。 2-2-3. 成果 以下に 挙げる5 点について、研究開始時点で掲げた 目的を 全て 完遂 する ことが できた 。 特 にデ ータ 取得と レプリ カ作 成に つい ては当 初予定 した 倍以 上の 点数を 完成さ せる こと がで きてい る。課 題期間の3 年のうち、 当初2 年に時間を充ててノウハウ開発を行い、そこで 得た十 分な 成果を3 年目に生かすことができたことが 要因と して 挙げ られ るだろ う。 1:動物の骨格の 3D スキャンデータ 24 種類の完成 2:ハンズオン展示、交連標本を含む骨格標本 22 点 の完成(4) 3:取得した骨格データを活用した VR ゲーム作品の 完成と 展示(5) 4:展示での実践的使用とノウハウの蓄積 5:動物の研究者や一般の社会に向けた社会的還元を 「動物 のか らだ 展」 として 開催し た 以下の 1 点については、クリーク・アンド・リバー社 大阪支 社セ ミナ ー 「ZBrush×デッサン〜新感覚の 3D セミナ ー」(2017 年 11 月 5 日 バンタンゲームアカデ ミー 大阪) や、「 動物の か らだ展 」で の講 演「3D プリ ンター での 骨格 標本 レプリ カ制作 」を 開催 する など、 考察を 続け てい る。 今後も 長期的 展望 を持 ち、 継続す べき課 題と して とら えてい る。 図2 国立科学博物館筑波研究施設での データ取得の様子

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6:デザイン、芸術の実践者に向けた展示を通して 新たな 職能 開発 につ なげる 考察 2-3. 展示と発表 い き も の に 関 す る 作 品 や グ ッ ズ の 展 示 販 売 を 行 う 美術や 工芸 作家 、研 究者 が 集う「い きもに あ」「大 阪市 立自然 史博 物館」にお いて、展示や ポス ター 発表 を行っ た。日 本哺 乳類 学会 、日本 展示学 会に おい ても 活動内 容や考 察に つい て発 表を行 ってい る。 主な 展示 や発表 につい て以 下に まと める。 ・日本 哺乳 類学 会 2017 年度大会 自由集 会 「博 物館 とフォ トグラ メト リー 」 2017 年 9 月 8 日 富山大 学五 福キ ャン パス ・いき もに あ 2017 神戸芸 術工 科大 学 ホネ・プロジ ェクト 2017 活動 報告 2017 年 11 月 11 日~11 月 12 日 京都市 勧業 館 ・クリ ーク・アン ド・リバー 社 大阪支社セミナー ZBrush×デッサン〜新感覚の 3D セミナー 2017 年 11 月 5 日 バンタ ンゲ ーム アカ デミー 大阪 ・大阪 市自 然史 フェ スティ バル 2017 神戸芸 術工 科大 学 ホネ・プロジ ェクト 2017 活動 報告 2017 年 11 月 18 日~11 月 19 日 大阪市 立自 然史 博物 館 ・いき もに あ 2018 神戸芸 術工 科大 学 ホネ・プロジ ェクト 2018 活動 報告2018 年 12 月 1 日~12 月 2 日 神戸サ ンボ ーホ ール ・全日 本博 物館 学会第44 回研究大会 骨 格 標 本 の デ ジ タ ル デ ー タ 化 と レ プ リ カ 制 作 及 び その活 用の 可能 性 2017 年 6 月 24 日 明治大 学御 茶ノ 水キ ャンパ ス ・動物 のか らだ 展 展覧会 の企 画・ 主催 2018 年 2 月 16 日~2 月 24 日 大阪デ ザイ ン振 興プ ラザ(ODP) ※哺乳 類学 会「 動物 のか ら だ展」につ いて は 次 章で 詳しく 取り 上げ る。 ・日本 展示 学会第38 回研究大会 ポスタ ー発 表 「動 物の から だ展 」の 試み–自然史標本のデジタル データ 化は 芸術、教育 の世 界とど う繋 がる こと がで きるの か? 2019 年 6 月 29 日(土)~6 月 30 日 (日) 大阪芸 術大 学 3.「動物のからだ展」について 「動物 のか らだ 展 」は、「 地 域博物 館の 有す る骨 格標 本を 3D プリンターを用いて活用 する手法の開発と実 践」の 成果 報告 とし て、2018 年 2 月 16 日~2 月 24 日に、大 阪デ ザイ ン振 興プ ラザ(ODP)において開催 した。 企画 、運 営に 際して は「動 物の から だ展 実行委 員会」 を組 織し 、 展 示の主 要メン バー と有 志数 名が所 属 す る 形 を と っ た 。 展 示 の 内 容 は 、3D 技 術を活用 し た骨格 標本 のレ プリ カ、CT データを実体化した標本、 取得し たデ ータ を活 用した 体 験型 VR ゲーム、従来の 型取り 技法 を用 いた 骨格レ プリカ 、透 明骨 格標 本、動 物をモ チー フと した 絵画、 彫刻に 加え 、実 物の 骨格標 本や乾 燥標 本、 と多 岐にわ たる 。 出展 者に よる 講演会 や ラ イ ブ ペ イ ン テ ィ ン グ な ど の イ ベ ン ト 、 子 供 向 け ワーク ショ ップ も行 うなど 、これ まで 類を 見な い多様 性に富 む展 示会 とし て 実現 するこ とが でき た ( 図 3~

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8)。 博物と 芸術 の分 野の 垣根を 超え、 実物 の標 本と レプ リカ、 実物 から イン スピレ ーショ ンを 受け 、正 確な観 察に基 づい て制 作さ れた美 術品、 さら には 最新 VR 技 術を活 用し た作 品等 を 一堂 に会し て展 示す る理 由とし て、来 場者 の興 味を 喚起し 、いき もの が持 つ複 雑極ま 図3 「動物のからだ展」で剥製や絵画を見入る人々 図4 骨格レプリカと剥製、乾燥標本などを 同時に展示した 7 子供が楽しみながら学習が行えるコーナーを設置した 図6 骨格レプリカを使い来場者に解説を行う小田隆氏 図5 ウォンバットの骨格標本と木彫 図8 ハセイルカの骨格標本と古代のイルカ類の 復元絵画

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りない 形態 の美 しさ や構造 の強さ をよ りよ く伝 えるた めには 、実 物や その レプリ カだけ でな く、 作家 がそれ ぞれの 解釈 によ り引 き出し た美を 表現 した 絵画 、立体 作品や 、新 しい 技術 を活用 した3D 空間への没入など、 多様な 体験 を提 供す る必要 性を感 じた から であ る。そ のため に日 頃か ら志 を共に する多 種多 様な 活動 の実践 者であ る美 術作 家や 研究者 、標本 作 成 業者 、ゲ ーム制 作会社 に声 掛け を行 った。 共通す るの は全 ての 出展者 がそれ ぞれ の分 野で いきも のの形 のも つ美 しさ をテー マとし て活 動を 実践 して い ること であ る。 特に、 自然 によ って 形作ら れたも のと 人為 によ り制 作され たも のを 一つ の場所 に集め 、比 較し なが ら展示 を楽し み、 繰り 返し 観察や 考察で きる こと が 重 要な基 本コン セプ トと なっ ている 。そう した 点に おい て、 地 域の博 物館 や研 究所 の協力 を求め る必 要が あっ た。協 力団体 につ いて は 脚 注を参 照のこ と(6) また、 より よく 観察 するた めには ただ 見る だけ はな く、能 動的 な観 察を 伴うス ケッチ が有 効で ある ことに 異論を さし はさ む余 地はな い。来 場者 にデ ザイ ン、美 術の実 践者 やそ れを 志すも のが多 く見 込ま れる ことも あり、 会場 では 撮影 やスケ ッチを 全面 的に OK とし、 会場内 にお いて もキ ャプシ ョンや サイ ンで そう した情 報を明 示し 、希 望者 にはイ ーゼル の貸 し出 しも 行うな ど、ス ケッ チし やす い雰囲 気作り にも 気を 配っ た (図 9)。SNS や特設 web サイト(7)で もそ うした 点を 強調 した広 報活 動を 行っ た。 3-1.出展者の活動内容、開催したイベント 本展で は計8 名1企業によって展示を構成した。以 下に出 展者 の名 前( 団体 の 名称)、展 示内 容、活動 内容 の順で まと める 。 ・ 吉 田 雅 則 デ ジ タ ル ス カ ル プ タ ー 、 神 戸 芸 術 工 科 大学准 教授 、名 古屋 学芸大 学非常 勤講 師 展 示 内 容 :5 種 類の哺 乳類 、鳥類の 左前肢 レプリ カ を、標準 的な 大人 のサイ ズ( 産 業技 術総 合研 究所 デ ジ タ ル ヒ ュ ー マ ン 研 究 セ ン タ ー 所 有 の 成 人 男 性 骨 格 標 本 の デ ー タ を 基 に し た ) に 合 わ せ て 制 作 し 展 示 し た。道具 を扱 うヒ ト、四 肢 で歩く 動物、空を 飛ぶ 鳥、 水 中 を 泳 ぐ ク ジ ラ 。 こ れ ら の 前 肢 は 全 て 魚 の 胸 ビ レ から進 化し た、同一の 起源 をもつ 相同 な器 官で ある。 一 見 全 く 違 っ た 形 に 思 え る こ れ ら の 動 物 の 前 肢 骨 格 は 退 化 し て 消 え て し ま っ た 部 分 も あ れ ば 長 さ が 全 く 異 な っ て し ま っ た 部 分 は あ れ 、 形 態 を 構 成 す る 要 素 は 驚 く ほ ど 似 通 っ て い る 。 平 面 の 図 か ら だ け で は 気 付きに くい 形態 の違 いも 3 次元の形状で見ると新し い 発 見 に つ な が る こ と が あ る 。 展 示 で は 、 前 肢 骨 格 の 比 率 を 分 か り や す く 比 較 す る た め 、 長 さ を 人 間 の 前肢の スケ ール に統 一し て 3D プリントしている。 長 さ の 基 準 と し た の は ヒ ト の 上 腕 の 端 か ら 指 を 伸 ば し た 先 端 ま で で あ る 。 肘 の 位 置 や 、 指 の 長 さ 、 肩 甲 骨 の 大 き さ な ど 、 そ れ ぞ れ の 動 物 の 比 率 の 違 い を 比 較 し て わ か り や す く 伝 え る こ と が 目 的 で あ る 。 壁 に は全体 的な 比率 の比 較がし やすい よう に、同寸の CG を プ リ ン ト ア ウ ト し た パ ネ ル を 配 し て い る 。 ま た 、 サ イ ズ 変 換 を 行 わ ず 、 で き る だ け 精 密 に 再 現 を 行 い 彩色ま で行 った 等身 大レプ リカや 、3D 出力の難しい 医療用 CT データの最適化を行ったコゲラの骨格出 力も展 示を 行っ てい る。合 わせて 、「3D プリンター で の 骨 格 標 本 レ プ リ カ 制 作 」 と し て 会 場 内 で の 発 表 も行っ てい る(図 10~12)。 図9 「動物のからだ展」でカバの頭骨をスケッチする来場者

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活動:CG 制作会社を退社後フリーランスでの活動を 経て現 職。 現在ではデジタルと手作業によるアナロ グ 造 形 の 両 面 を 生 か し 、 博 物 館 や 研 究 機 関 と 連 携 し つ つ 骨 格 標 本 の レ プ リ カ や 展 示 模 型 の 制 作 を 行 っ て い る 。 同 時 に 、 作 家 と の コ ラ ボ レ ー シ ョ ン に よ る キャラ クタ ー造 形に も力を 入れて いる 。 大学では基 礎造形 および CG プロダクションでの経験や知識を 学生に 伝え る授 業を 担当。 ・ 小 田 隆 画 家 、 イ ラ ス ト レ ー タ ー 、 大 阪 芸 術 大 学 教養課 程准 教授 、成 安造形 大学非 常勤 講師 展 示 内 容 : 等 身 大 の ウ マ の 絵 画 や 古 生 物 の 復 元 を テーマ とし た絵 画の 展示を 行った 。 本 展 示 で は 、 ウ マ の 前 肢 レ プ リ カ や 乾 燥 標 本 、 シ マ ウ マ の 骨 格 標 本 、 実 物 を 型 取 り し た レ プ リ カ と ウ マ を テ ー マ と し た も の が 多 く あ り 、 多 角 度 的 に 比 較 し て 観 察 、 鑑 賞 す る 機 会 を 提 供 す る こ と が で き た 。 ま た 、 公 開 制 作 と し て ウ マ 前 肢 乾 燥 標 本 の 公 開 ド ロ ー イ ン グ や 「 前 肢 の 美 術 解 剖 学 」 と 題 す る レ ク チ ャ ー を行っ てい る。 活 動 : 科 学 的 資 料 に 支 え ら れ る と と も に 、 オ リ ジ ナ リ テ ィ に 富 ん だ 作 品 群 を 生 み だ し つ づ け て い る 。 大 学 で は 美 術 解 剖 学 を 応 用 し た 人 体 の 描 写 を 研 究 、 授 業を担 当。 ・本多 絵美 子 彫刻 家 展 示 内 容 : 本 展 示 の テ ー マ で あ る 前 肢 に 大 き な 特 徴 を 持 つ ウ ォ ン バ ッ ト や モ グ ラ を モ チ ー フ と し た 木 彫 作 品 の 展 示 を 行 っ た 。 近 く に は 池 田 市 立 五 月 山 動 物 園 か ら 借 り 受 け た ウ ォ ン バ ッ ト の 骨 格 標 本 を 配 置 し 、 比 較 し な が ら 観 察 、 鑑 賞 で き る よ う 工 夫 し て い る 。 合 わ せ て ギ ャ ラ リ ー ト ー ク も 行 い 、 作 品 の 制 作 手 法 や考え 方、 魅力 等を 来場者 に解説 を行 って いる 。 図10 相同器官と相似器官をテーマと したレプリカの展 示 図11 コゲラの骨格レプリカ 図12 「 動物のからだ展」 での講演の様子

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活 動 : 木 を 彫 る 技 法 を 通 じ て 、 生 き 物 と 場 所 と の 関 係 性 を テ ー マ に 木 彫 を 制 作 。 個 展 や グ ル ー プ 展 の 他 に講師 とし てワ ーク ショッ プを行 い、木を 彫る喜 び、 普 段 触 れ る こ と の な い 生 き 物 を 観 察 す る 楽 し さ を 伝 えられ る様 な活 動を 展開し ている ・ 森 健 人 国 立 科 学 博 物 館 動 物 研 究 部 支 援 研 究 員 、 理学博 士 展 示 内 容 : キ リ ン 、 シ マ ウ マ 、 ラ イ オ ン の 乾 燥 骨 格 標本と 3D プリンターを活用した動物の頭骨レプリ カ の 展 示 を 行 っ た 。 乾 燥 標 本 は 、 平 面 図 か ら は 読 み 解 く こ と が 困 難 な 骨 格 や 筋 の 複 雑 な 立 体 構 造 を 観 察 す る た め に 大 変 適 し て い る 。 特 に キ リ ン 前 肢 の 乾 燥 標 本 は 今 回 の 展 示 が 初 と な っ た 。 ア ン ケ ー ト で も 非 常 に 好 評 で 、 会 場 で ス ケ ッ チ を 行 う 人 が 最 も 多 い 展 示とな った 。ワ ーク ショ ッ プとし て「iPhone があれ ば 、 誰 で も 出 来 る ? 実 際 に フ ォ ト グ ラ メ ト リ ー を や っ て み よ う ! 」 を 行 い フ ォ ト グ ラ メ ト リ ー に よ る 3D ス キ ャ ン を 一 般 の 来 場 者 に わ か り や す く 伝 え る と 共 に 、 ト ー ク イ ベ ン ト と し て 「 大 き な ク ジ ラ も 手 の ひ ら サ イ ズ ー フ ォ ト グ ラ メ ト リ ー と 博 物 館 」 を 行 っ て 、 科 学 博 物 館 で の 実 際 に 活 用 さ れ る 様 子 を 紹 介した 。 活 動 : 国 立 科 学 博 物 館 に 収 蔵 さ れ て い る 一 群 の 剥 製 「 ヨ シ モ ト コ レ ク シ ョ ン 」 に 関 連 し て 、 剥 製 や 骨 格 標 本 作 成 の 基 礎 と な る 解 剖 学 的 知 見 の 蓄 積 を 進 め て い る 。 哺 乳 類 の 後 肢 、 特 に ラ ッ コ の 股 関 節 に 解 剖 学 的 関 心 を も つ 。 ま た 、 ラ イ フ ワ ー ク と し て 哺 乳 類 の 筋骨格 乾燥 標本 の作 成を行 ってい る。 ・信ヶ 原良 和 成安 造形大 学・成 安交 連骨 格隊 展 示 内 容 : 従 来 的 な 型 取 り 技 法 に よ る ウ マ 後 肢 可 動 レ プ リ カ と 、 そ の 技 法 が わ か る シ リ コ ン 型 、 パ ネ ル 展 示 に よ る 成 安 交 連 骨 格 隊 の 活 動 報 告 を 行 っ た 。 デ ジ タ ル 技 術 を 活 用 し た レ プ リ カ と の 比 較 を 知 る 機 会 を提供 した 。 活 動 : 京 都 彫 刻 家 協 会 ・ 京 都 文 化 芸 術 会 議 ・ 日 本 美 術家連 盟・ 日本 建築 美術工 芸協会 に所 属 ・浜口 美幸 鳥 類標 本士 展 示 内 容 : 鳥 の 剥 製 、 骨 格 標 本 の 展 示 を 行 っ た 。 骨 格標本 では 一部 (右 大腿骨 )を筆 者が 3D スキャン に よ っ て 作 成 し た レ プ リ カ と 差 し 替 え て 展 示 す る 試 み も 行 っ て い る 。 デ ジ タ ル 技 術 の 活 用 の 将 来 性 に つ いての 検討 事例 と し て絶好 の機会 とな った 。 活 動 : 鳥 類 を 中 心 に 剥 製 や 骨 格 な ど の 標 本 を 制 作 し て い る 。 特 に ニ ワ ト リ が 好 き で 、 た ま ご や 骨 な ど の 収 集 が 趣 味 。 イ ベ ン ト 出 展 で は イ ン テ リ ア と し て 部 屋に置 きた くな るよ うな剥 製制作 を目 指し てい る。 ・松前 諭 株式 会社 アクア テイメ ント 展 示 内 容 : 透 明 骨 格 標 本 の 展 示 を 行 っ た 。 透 明 骨 格 標 本 は 、 動 物 の か ら だ の 構 造 を 観 察 す る た め に 様 々 な 染 料 を 用 い て 骨 格 や 筋 組 織 を 染 色 す る 方 法 で あ る 。 乾 燥 標 本 、 交 連 骨 格 標 本 と あ わ せ て 実 物 の 標 本 に 触 れる機 会を 適用 でき た。 活 動 :『 新 た な 命 を 与 え (Re:life)、 次の 世代 へつ な げる(Cycle)、Re:Life Cycle 事業』の確立を目指し、 各 機 関 の ご 協 力 を 得 な が ら 活 動 。 捨 て ら れ る 魚 を 透 明 骨 格 標 本 と し 、 教 材 ・ 商 材 へ と 生 ま れ 変 わ ら せ る こ と で 、 新 た な 世 代 へ 、 い の ち の 大 切 さ 、 自 然 の 大 切さを 伝え るキ ッカ ケ作り を提供 して いる 。

・株式 会社Skeleton Crew Studio デジタルコンテ ンツ開 発会 社

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展示内 容: 筆者 が取 得し、 最適化 を行 っ た 3D デー タのデ ジタ ルコ ンテ ンツ活 用事例 とし て、VR による 骨格パ ズル ゲー ムを 作成。体験コ ーナ ーと して 実施。 多 く の 来 場 者 が バ ー チ ャ ル 空 間 で の 哺 乳 類 前 肢 骨 格 標本の 組み 立て を楽 しんだ 。 活 動 : 京 都 を 拠 点 に 活 動 。 ゲ ー ム で 世 界 に 橋 を か け る ! を モ ッ ト ー に 、 ゲ ー ム 開 発 経 験 を 活 か し た 、 VR/AR、ア プリ等のコ ンテ ンツ制作が得 意。在籍 ス タ ッ フ の 多 く は 海 外 か ら 集 ま っ て お り 、 多 国 籍 な 価 値 観 と 技 術 を 集 結 し 、 企 画 段 階 か ら 関 わ り ゼ ロ か ら 品質の 高い コン テン ツを創 り上げ る。 ・ 西 澤 真 樹 子 大 阪 自 然 史 セ ン タ ー 普 及 教 育 事 業 担 当、な にわ ホネ ホネ 団団長 展 示 内 容 : 共 同 研 究 者 と し て 本 展 示 の 基 本 コ ン セ プ ト 構 築 か ら 関 わ り 、 筆 者 と 共 に 運 営 、 展 示 構 成 を 行 い 骨 格 標 本 や 剥 製 の 借 り 入 れ や 展 示 を 行 っ た 。 ワ ー クショ ップ とし て、「お きに いりの 手を 描こ う 」を実 施、こ ども から全 年齢 に向 け、は がき サイズ の紙 に、 展 示 さ れ て い る た く さ ん の ホ ネ 、 剥 製 、 レ プ リ カ 、 な ど の 中 か ら 一 つ を 選 び 、 出 展 作 家 の コ メ ン ト を 付 け て 郵 送 を 行 っ た 。 期 間 中 は こ れ ま で 培 っ た 豊 富 な 標 本 作 成 や 博 物 館 勤 務 の 経 験 を 活 か し 、 来 場 者 に 向 けての 解説 を行 って いる。 活 動 : 多 く の 市 民 と 楽 し み な が ら 博 物 館 の コ レ ク ション の充 実に 貢献 する活 動を続 けて いる 。2011 年 か ら は 、 東 北 の 博 物 館 支 援 も 大 き な テ ー マ に 。 人 と 人 を つ な ぎ 、 困 難 を ア イ デ ア で 乗 り 切 り 、 新 た な 関 係 を 生 み 出 し な が ら 、 関 わ っ た み ん な と 幸 せ に な る のが好 き 。著書 に『ホ ネホ ネたん けん たい』『 ヤモ リ の 指 か ら 不 思 議 な テ ー プ 』( ア リ ス 館 )、 共 著 に 『 標 本の作 り方』(東 海大 学出 版会) など 。 3-2.アンケートについて 本展示 の来 場者は9 日間で 2,701 名。会場において 来 場 者 に 行 っ た ア ン ケ ー ト の 結 果 を ま と め た 。 ア ン ケート の回 収率は16.5%である。 アンケ ート 項目 は以下8 点である。 1:年齢 2:居住地 3:展示を知ったきっかけ 4: 印象に 残っ てい る展 示 5:4 で回答した理由 6:普 段 の 自 然 史 博 物 館 利 用 状 況 7 : 展 示 物 の 撮 影 や ス ケッチ を行 った か 8:その他の感想 グ ラ フ1 来場者の年齢 グ ラ フ2 来場者の居住地

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特筆す べき 点と して 、 普段 ほとん ど博 物館 に行 かな いか、 数年 に一 度程 度の層 にリー チし た こ とが 挙げら れるだ ろう 。展 示の 告知と し て、 事前 から 関連 するイ ベント での フラ イヤ ー配布 などを 行っ てお り、 開催前 には特 設web サイトや SNS で広報アカウントを設置 するな ど広 報に 尽力 した。 アンケ ート の分 析結 果を見 ると、 展示 を知 るき っかけ として 最も 効果 が高 かった のはSNS であり、特に Twitter から情報を得た人が多 いこと がわ かる 。ま た、展 示のス ケッ チや 写真 撮影を 行った 人 が90 パーセントを超える点にも着目したい。 自由回 答欄 への 記述 も非常 に多く 、好 意的 な意 見が多 数を占 めた 。そ の中 からい くつか をピ ック アッ プして おきた い。 ・ 博 物 館 と 美 術 館 は も っ と 近 い 方 が 良 い の で は ? と ず っ と 思 っ て い た け れ ど 、 今 回 の 展 示 は 近 づ い た と い う よ り や っ ぱ り 元 は 同 じ ! な 感 じ で 大 変 良 い と 思 いまし た。 構成 もす ばらし ー! (東 京都 ・50 代) ・楽し かっ たで す。 見るだ けでな く、 いろ んな 視点で 動物を 感じ るこ とが できて よかっ た ( 兵庫 県・40 代) ・もっと レプ リカ があ った らまた 触り たい です。 見る だ け と は だ い ぶ 違 っ た 五 感 を 使 っ て 味 わ え た の で (大阪 府・20 代) ・どの 作品も じっ くり 見る ことが でき、 大き さや、 骨 格 標 本 を 作 る 道 具 な ど 他 の と こ ろ で は 見 る こ と の で きない 箇所 が多 く、 とても 楽しめ まし た。 ・元々興 味は あり まし たが 、さらに 興味 を持 つこ とが で き ま し た 。 動 物 の か ら だ 展 に 行 く こ と が で き て よ かった です 。あ りが とう ご ざいま した 。 ( 兵 庫 県 ・ 20 代) ・展示物が とて も近 くで 見 ること がで きと ても よかっ た で す 。 入 場 無 料 で 良 い の か 心 配 に な る ほ ど の ク オ リ テ ィ と 貴 重 さ で 大 変 感 動 し ま し た 。 ス ケ ッ チ を し て も 良 い の を 知 ら な か っ た の で 、 次 回 は 告 知 し て い ただけ ると 嬉し いで す。 (兵庫 県・30 代) ・いろんな 子供 たち に見 て もらい たい な。 ( 兵庫 県・ 50 代) ・博物館 など、 あま り行 く 時間や 機会 がな いの でこの ような 企画 展が ある と興味 がわき ます 。 ( 大阪 府 ・ 30 代) ・アート×サイエンスで素晴らしかったです (30 代) ・動物そ のも のが 好き で動 物園も 骨格 も見 るし、 絵も グ ラ フ3 来場者が展示を知ったきっかけ グ ラ フ4 来場者の自然史博物館利用状況 グ ラ フ5 来場者がスケッチや撮影を行ったか

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描くが、その 間の 知識や 資 料が少 なく てい つも 困る。 CG や レ プ リカ で わ かり や す く関 連 を 医学 の 解 剖学 と美術 と生 物 を CG でつないで、ソフト化してもら えたら 手が 出る 範囲 で買い たい (大 阪府 ・50 代) ・東京にい たと きは イン タ ーメデ ィア テク によ く通っ て ま し た 。 椅 子 を 借 り て ス ケ ッ チ し た の は 人 生 初 め て の 経 験 で と て も う れ し か っ た で す 。 ( 大 阪 府 ・ 20 代) ・ と て も す ば ら し い 作 品 と 展 示 物 に 圧 倒 さ れ ま し た 。 こ の 展 示 が 無 料 だ な ん て ! も っ た い な い ! ( 兵 庫 県・30 代) ・ 多 く の 分 野 に ま た が っ て い る 点 が と く に 良 い で す 。 (大阪 府・40 代) 4.さいごに こ こ ま で の 報 告 の 通 り 、 研 究 課 題 「JSPS 科 研 費 16K00731 地域博物館の有する骨格標本を 3D プリン ターを 用い て活 用す る手法 の開発 と実 践」に つい ては、 制作す るレ プリ カの 質、量 ととも に成 果発 表や 社会的 な反響 につ いて も当 初の予 定を大 きく 上回 る成 果を上 げるこ とが でき た。 博物館 関係者 にも 反響 が大 きく、 共同研 究の 持ち かけ などに もつな がっ てい る。 ま た 、 研 究 を 進 め る 中 で 博 物 館 サ イ ド か ら 軌 を 一 に してレ プリ カ制 作を 行う研 究者と も知 己を 得る に至り 、 共にス キャ ンや 展示 などの 活動を 行う こと もで きたの は大き な成 果で ある 。主と なる成 果発 表と して 企画し た「動 物の からだ 展」につ いても9 日間で 2,700 名と いう多 くの 来場 者を 得て、 アンケ ート や SNS のまと めサイ トな どの 関連 サイト におけ る 社 会的 な反 響も大 きかっ た。なかで も来 場者 のスケ ッチ 率が 非常 に高く 、 居合わ せた 博物 館関 係者が 驚くほ どで あっ た。 多くの 博物館 関係 者が 利用 者の潜 在的な ニー ズに 気付 くきっ かけと なる 展示 会に もなっ たので はな いか と自 負して いる。 こう した 成果 やノウ ハウの 蓄積 を得 て、 社会的 なニー ズが あり なが ら、従 来の美 術、 デザ イン 関係に 無かっ た新 たな 職能 の開発 や、一 般へ の普 及、 さらに は研究 者に 対し て活 用の幅 を広げ るな ど、 活動 を継続 してい きた いと 考え ている 。 [脚註] (1)PC で稼働するフォトグラメトリーソフトとして は 、 Autodes 社 AutodeskReCap 、 Agisoft 社 PhotoScan 、 3D FlOW 社 3DF Zephyr 、 CapturingReality 社 RealityCapture な ど が 挙 げ られる (2019 年 7 月現在) (2) 科 学 博 物 館 に お け る 出 張 ス キ ャ ン 機 材 に つ い て は以下 のと おり 。 ・一眼 レフ:NikonD5500 x4 ・レン ズ:SIGMA Macro 105mm F2.8 EX DG ・セン チュ リー スタ ンド ・雲台 、ス ーパ ーク リップ x4 ・回転 台 ・撮影 物の固 定リ グ(ガ ス 配管、 スタイ ロフ ォー ムな どで自 作)、 虫ピ ン ・グリ ーン バッ ク背 景紙、 スタン ドセ ット ・Suntech LED ライト 3 灯 ・撮 影用 モバ イル PC、接続ケーブル、USB ハブ(USB) ・撮影 用ノ ート PC Lenovo Thnkpad p51S ・撮影 ソフ ト:digiCamControl ・デー タク リン ナッ プ ZBrush4R8、Netfabb (3) 福 井 県 立 大 学 恐 竜 学 研 究 所 が 所 有 す る 実 験 動 物 用X 線 CT 装置 Latheta LCT-200 を使用した。 (4)作成したデータ(25 点)とレプリカ(23 点) に つ い て 、 名 称 ・ 所 属 ・ 部 位 ・ ス ケ ー ル ・ 素 材 ・ 形 態 (交 連or 平置き or 全体スキャンの別)の順で記す。 なお、23.コゲラは頭部を含む体全体。それ以外は全て 前肢で ある 。 ■3D 出力済み 1.マレーバク・国立科学 博 物館・等倍・UV レジ ン ・ 腕、肩 甲骨 以外 は交 連 2.タヌキ・個人・等倍・UV レジン・接着による組み

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立て 3.センザンコウ・国立科学博物館・等倍・UV レジン・ 上腕ま で繋 がっ た状 態での 一体出 力 4.ホフマンナマケモノ・国立科学博物館・等倍・UV レジン ・平 置き 5.アジアゾウ・大阪市立自然史博物館・等倍・UV レ ジン・ 接着 によ る組 み立て 6.アジアゾウ・大阪市立自然史博物・等倍・ ABS 樹 脂・ネ ジ止 めに よる 組み立 て 7.カバ・大阪市立自然史 博 物館・等倍・UV レジ ン ・ 交連 8.カ バ ・ 大 阪 市 立 自 然 史 博 物 館 ・ ヒ ト の 大 人 ス ケ ー ル・ABS 樹脂・交連 9.ロ ー ラ ン ド ゴ リ ラ ・ 神 戸 市 立 王 子 動 物 園 ・ 等 倍 ・ ABS 樹脂・交連 10.ローランドゴリラ・神戸市立王子動物園・2 倍・ ABS 樹脂・平置き 11.コウベモグラ・個人・ヒトの大人スケール・ABS 樹脂・ 交連 12.コ ウ ベ モ グ ラ ・ 個 人 ・ ヒ ト の 子 供 ス ケ ー ル ・ UV レジン ・接 着に よる 組み立 て 13.コウベモグラ・個人・等倍・ UV レジン・一体出 力 14.ライオン・大阪市立自然史博物館・ヒトの大人ス ケール ・ABS 樹脂・平置き 15.ライオン・大阪市立自然史博物館・等倍・ABS 樹 脂・平 置き 16.ラ イ オ ン ・ 大 阪 市 立 自 然 史 博 物 館 ・ 1/2 倍 ・ UV レジン ・交 連 17.ライオン・大阪市立自然史博物館・等倍・ABS 樹 脂・交 連( 腕、 肩甲 骨を除 く) 18.ウマ・大阪市立自然史博物館・ヒトの大人スケー ル・ABS 樹脂・平置き 19.ウマ・大阪市立自然史博 物館・ヒトの子供スケー ル・フ レキ シブ ルレ ジン・ ハンズ オン 20.ミンククジラ・大阪市立自然史博物館・ヒトの大 人スケ ール ・ABS 樹脂・平置き 21.ツキノワグマ・国立科学博物館・等倍・ UV レジ ン・平 置き (腕 、肩 甲骨は 未出力 ) 22.カモ・個人・ヒトの大人スケール・ABS 樹脂・平 置き 23.コゲラ・個人・約 3 倍・UV レジン・部位ごとに 分け組 み立 て ■データのみ(未出力) 24.エゾシカ・大阪市立自然史博物館 25.カピパラ・国立科学博物館 (5) ・「取 得した デー タを 活用 したVR ゲームへの展開」 著作、 公開 株 式会社Skeleton Crew Studio

https://www.youtube.com/watch?v=Uze7D_frZvo (2019 年 7 月 20 日アクセス) (6)協力団体(順不同) 独 立 行 政 法 人 国 立 科 学 博 物 館 、 大 阪 市 立 自 然 史 博 物 館 、 き し わ だ 自 然 資 料 館 、 福 井 県 立 大 学 恐 竜 学 研 究 所、池 田市 立五 月山 動物園 (7)「動 物 の か ら だ 展 特 設 ペ ー ジ 」 http://doubutsunokarada.strikingly.com/ (2019 年7 月 20 日アクセス)

参照

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