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タブレット型端末を活用した音楽鑑賞授業の実践(1)

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Academic year: 2021

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タブレット型端末を活用した音楽鑑賞授業の実践(1)

Analysis of the class of music appreciation with using tablet-type device (1)

渡辺 景子 Keiko WATANABE 北海道教育大学附属札幌中学校

Sapporo Junior High School Attached to Hokkaido University of Education 【要旨】 筆者はこれまでにタブレット型端末を教具とした創作の実践を行ってきたが、そのよさを鑑賞 の学習にも活かせないかと考え、「主題の変化を捉えて鑑賞しよう」という題材を構成した。実 践の結果、タブレット型端末を鑑賞に用いると、消す・変形して重ねるなど自由に音を操作しな がら聞く姿が見られ、主体的に聴いている姿を引き出し、学習を深めることができたと考える。 【キーワード】 タブレット型端末 音楽創作 音楽鑑賞

1. はじめに

筆者はこれまでに、中学校各学年にお けるタブレット型端末を活用した創作の 実践を通して、研究を行ってきた。その 成果として、①記譜力・読譜力・演奏技 能不足を補えること、②再生機能を用い て、聞いて確かめながら創作することで、 アイディアを広げられるということが見 えてきた。また、その学習の中で生徒が 試行錯誤することで、旋律創作に対する 思いや意図が、鳴り響く音と関連しなが ら練り上げられていく様子が見られた。 実際に演奏が不可能な「iPad らしい旋律」 についても親しみをもって楽しんでおり、 音楽の多様性への気づきとともに、自分 の聴き方・感じ方・表現の仕方に自信を もって学習に取り組む様子が見られた。 このように創作の授業を通して見出し たことを鑑賞の授業に取り入れ、生徒の 音楽的な思考を深めることをねらい、「き らきら星の主題による変奏曲」を教材曲 に用いた題材を構成した。また、タブレ ット型端末を用いた創作「音の高さとリ ズムを変化させて旋律を創ろう」と関連 させ、創作で体験した思考や得たアイデ ィアを活かして鑑賞することをねらった。

2. 授業の実際

・題材名:主題の変化を捉えて鑑賞しよ う(第1学年) ・実施時期:実践11)/2018 年 1 月~2 月、実践2/2019 年 2 月~3 月、実践 3/2020 年 1 月~2 月 時 学習内容・活動 1 2 ・変奏A~F(変奏 1,3,5,6,8,12)か ら気に入ったものを選び、その変 奏の方法やよさを伝え合う。 実 践 1 / 個 人 で 選 ん だ も の に つ い て交流し合う 実践2・3/変奏ごとにグループを 編成し、5分程度の発表に まとめる ※タブレット型端末で演奏を聴く 3 ・ ピ ア ニ ス ト の 演 奏 を 通 し て 鑑 賞し、鑑賞文を作成する。

3. 授業で表われた分析の仕方

本項では、1~2 時間目に表われた、 日本デジタル教科書学会 発表予稿集 Vol.9, 2020 (第9回年次大会(京都大会/オンライン開催)) 51

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-タブレット型端末の特徴を活かした分析 の方法について説明する。 ●消す(変奏6) 変奏6では、主旋律が右手⇒左手⇒右 手と移り変わるが、16 分音符の役割は どのようなものか考えようとした班が、 主旋律を消して聴いてみるという実験を 行った。その結果、「主旋律の逆の手で 演奏される16 分音符の役割は伴奏だけ れど、これだけでも旋律として成立す る」ことを発見した。 〔楽譜1〕変奏6:160~162 小節目 ●消す+調べる(変奏8) 変奏8は「ミステリアス」「他の5つ の変奏と違って何か悲しい」という第一 印象をもつ生徒が多く、楽譜を見比べる と「この変奏だけ最初に♭がついてい る」ことに気付く。♭を消して聞いてみ ると、主題の旋律とほとんど変わらない ことや、インターネットを用いて「この ♭はハ短調の調号」ということを見つ け、曲想に調という要素が大きく関わっ ているという結論を導くことができた。 〔楽譜2〕変奏8:194~196 小節目 ●変形して重ねる(変奏1) 変奏1と主題の違いを説明しようとし たグループは、変奏1と主題の左手同 士・右手同士を重ねたファイルを作成し た。その結果、「左手の音型がほとんど 変わらないが、所々和音にしたり、隣の 音を入れたりすることで、主題の雰囲気 を残したまま華やかにしている」ことを 発見した。また、2台のタブレット型端 末を並べ、同時に再生ボタンを押して重 ねて聞こうとするグループもあった。 〔楽譜3〕上段/変奏1:25~30 小節 目、下段/主題:1~6 小節目

4. 授業から見えてきたこと

タブレット型端末での鑑賞は、楽譜と 音を照らし合わせながら何度も聞くこと で読譜力不足を補うことができたり、自 分の聞きたい音だけを取り出して聴いた り仲間に説明したりすることができると いう利点がある。紙の楽譜を見ながら音 を聞いて確かめる授業に比べ、主体的に 聴いている姿を引き出し、学習を深める ことができたと考える。また、3時間目 にピアニストの演奏を聴かせることによ り、「楽譜に強弱が書いていないのに、旋 律の部分を強調して弾いていた」「変奏の 終わりを少しためて、終った感じを出し ていた」と、演奏者の工夫にも気付くこ とができていた。今後は、タブレット型 端末と従来の鑑賞教材の組合せ方や、創 作の学習との関連を工夫しながら、授業 改善を行いたい。 1)『北海道教育大学附属札幌中学校研究 紀要第 64 集』2018、pp.86-88 ※本発表は、本学会 2019 年度年次大会 で発表を予定していたものを、再編集し たものである。 日本デジタル教科書学会 発表予稿集 Vol.9, 2020 (第9回年次大会(京都大会/オンライン開催)) 52

参照

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