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[研究ノート] 那覇市における一般廃棄物の処理と課題: 沖縄地域学リポジトリ

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Author(s)

小川, 護

Citation

沖縄地理(13): 35-48

Issue Date

2013/6/25

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/17805

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Ⅰ は じ め に  わが国における高度経済成長は人々にとって物 質的豊かさをもたらしたが , 一方では,環境問題 (公害問題)などが社会的問題として顕在化してき た.その中の一つにゴミ問題がある.ゴミは一般 的に廃棄物として定義づけられ,粗大ごみ,燃え殼, 汚泥,ふん尿,廃棄油,廃アルカリ,動物の死体 その他の汚物または不要物でしかも,固形状また は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染 されたものを除く)と規定されている.さらに, その種類は,一般廃棄物と産業廃棄物に分けられ る.一般廃棄物とは,家庭から排出される生活系 の一般廃棄物と,事業活動に伴って発生する事業 系一般廃棄物のうち,産業廃棄物以外のごみを指 している.そのうち,一般廃棄物は高度成長期の「消 費は美徳」という時代背景のもと,一般消費者に とって,大量生産・大量消費・大量破棄が当たり 前となり,ものを大事に使う習慣がなくなり使い 捨てに拍車をかけた.東京ではごみ問題が最大の 課題となり1971 年に「ごみ戦争」宣言を行うにい たった1).その後,類似したごみ問題は全国各地に 波及し,大きな社会問題として取り上げられるよ うになった.

那覇市における一般廃棄物の処理と課題

川  護

(沖縄国際大学経済学部)

Issues Processing to General Waste on Naha City

Mamoru OGAWA

(Faculty of Economics, Okinawa International University)

摘 要  本稿は那覇市を事例として一般廃棄物の移動と処理の特性,さらには一般廃棄物がかかえる課題の一端 について考察することを目的とした.  その結果,那覇市の一般廃棄物の総排出量は,2000 年には 54.8 万トンであったが 2006 年には 52.04 万 トンと減少傾向にある.この背景には,1997 年における廃棄物処理法の改正,2000 年にはダイオキシン 類の規制強化や「循環型社会形成推進基本法」などの整備がすすんだことがあげられる.また,一般廃棄 物の収集・処理体制は市町村独自で設置するよりも,事業組合を立ち上げて収集・処理する市町村が多い. 那覇市の場合も南風原町と環境施設組合を設立している.ちなみに沖縄県において,市町村単独で取り組 んでいるところは2 自治体となっている.組合設立が多い背景として,一般廃棄物の処理施設を建設する には,財政的な問題や,「迷惑施設」ということから地域住民から建設への賛同が得られない,また土地 の確保が困難などの問題などがあげられる.  那覇市のごみの排出量は減少傾向にあるが,今後,学校現場における環境教育の充実や地元自治会や NPO などを通じて,より一層のごみ問題に関する一般市民の意識改善運動の浸透の必要性が感じられる. キーワード:那覇市,一般廃棄物,那覇市・南風原町環境施設組合,那覇エコアイランド,中間処理,資源化 Key Words: Naha city, general waste, Naha city and Haebaru town environmental facilities union, Naha eco island,

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 これらの一般廃棄物は,1997 年には廃棄物の処 理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の改正 などによる個別の対処が図られ2),市町村が適正 処理に必要な措置を講じる義務を有している.そ れぞれの各地方自治体は一般廃棄物処理計画を定 め,これに従ってごみの収集,運搬,処理を行っ ているが,廃棄物の発生量は依然として膨大であ ること,廃棄物の最終処分場の確保が年々困難に なっていること,不法投棄の問題やゴミ類の高カ ロリー化による燃焼熱負荷の増大など,一般廃棄 物に関する諸課題は年々複雑化してきた.2000 年 にはダイオキシン類の規制強化,さらには同年「循 環型社会形成推進基本法」が施行されるようになっ た3).これによって,多様化する一般廃棄物処理 にも具体的に方策の整備が進んだ.たとえば環境 関係の法制度整備によるリサイクル推進のための 資源有効利用促進法4)などが好例である.  それらのことを背景として,一般廃棄物に関す る地域研究は,近年地理学でも取り扱われるよう になった。その代表的な研究例としては,粟島英 明(2002), 佐 々 木 緑(2009), 波 江 彰 彦(2004, 2009),元木理寿(2007,2009)などの研究があ げられる.また,沖縄県における事例研究として は,地理学の立場から一般廃棄物の移動とその課 題について本島を中心にアプローチを行った拙著 (2010) の研究がある.また,獺口浩一・三木潤一 (2007)などの研究では島嶼地域における廃棄物処 理サービスについて,経営学の立場から生産性の 改善のサービスとそれらの可能性について検証し ている.そこで本稿では,地理学の立場から沖縄 本島の中心都市である那覇市を事例として,一般 廃棄物の移動と処理の特性,さらにはそれらの課 題の一端について考察することを目的とした.  調査方法は,那覇市環境政策課,那覇市・南風 原町環境施設組合およびアースの会5)会員の方々 への聞き取り,文献資料収集等である. Ⅱ 那覇市における一般廃棄物処理について 1.那覇市における一般廃棄物処理場の沿革  那覇市のごみ処理は,1951 年に職員 5 人,掃除 夫10 人,手引き車 5 台で始まった.当時のごみ 処分場は,牧志町(現在の那覇市牧志)近くの広 場に位置しており,このころは露天焼却して埋め 立てを行なっていた.その後,掃除夫や収集のた めの車,馬車を増やし,1958 年にはごみ処分場 を当時の豊見城村,宜野湾市大山の採石場跡へ, 1959 年には安謝地先崎桶川に移転した.さらに, 安謝地先のごみ処分場は海岸より100 メートルま で延長された。ここでも露天焼却が行なわれてい た.  1966 年には,当時の南風原村字新川に最終処分 用地として15,000 坪の土地を取得した.翌年その 土地に各家庭から出る生ごみから有機肥料を作る コンポスト工場(処理能力50 トン / 日)が建設さ れ創業が開始された.1969 年には,同じ敷地に第 一焼却炉(処理能力90 トン / 日 ×1 基)が完成し, 一般家庭を対象に週2 回のステーション方式によ る定日袋収集が実施された.同年,1959 年より使 用されていた安謝地先のごみ処分場が閉鎖される.  1972 年には,公害防止に留意し集塵装置を完備 した第二焼却炉(40 トン / 日 ×1 基)が完成し操 業が開始される.1975 年には,南風原村からの 委託により南風原村のごみも那覇市で処理が始ま る.  1975 年以降になると,那覇市の人口が 30 万人近 くなりごみも1 日 300 トンに増加し,処理能力が 追いつかず,約150 トンのごみが焼却されずに埋 め立てられたという.近隣住民からは,処理能力 を上回るごみが原因で発生した悪臭やハエ,野良 犬の苦情が多く寄せられたといわれている.  1979 年には,埋立地から出る汚水を処理するた めの施設である埋立地汚水処理施設(600 ㎡ / 日) が完成する.1981 年老朽化によりコンポスト工場, 第一焼却炉(処理能力90 トン / 日)が閉鎖される. 同年から直営収集地域で可燃物,不燃物,粗大ご みの3 分別式が開始される.また同年,一日に 300 トンの焼却能力を持つ大型焼却炉(150 トン / 日 ×2 基)が完成する,翌年,委託収集地域でも分別 収集が実施され,那覇市全域で分別収集が行なわ れる.  1984 年に,老朽化により第二焼却炉(処理能力 40 トン / 日 ×1 基)が廃止される.さらに 1987 年 には,那覇市内全域で可燃ごみ週3 回,不燃及び 粗大ごみは1 回の収集が実施される.1988 年には,

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最終処分場の一部跡地(現在の那覇・南風原クリー ンセンターが位置する)に市民スポーツ広場とし て野球用広場が完成する.  1993 年には,平成 2 年より着工が開始されてい た新設那覇市最終処分場(南風原町大名,容量: 90 万立方メートル,埋め立て面積:46,000 平方メー トル)が完成し供用が開始された。同年,旧一般 廃棄物最終処分場が閉鎖される.そして1995 年, ごみの5 種類分別が開始される.同年,那覇市リ サイクルプラザ(資源化処理施設)が稼動開始さ れる.  1999 年には,那覇市・南風原環境施設組合が設 立された.2006 年,2002 年より建設工事が着工さ れていた新ごみ処理施設(焼却施設)である「那覇・ 南風原クリーンセンター」(処理能力450 トン / 日: 150 トン / 日 ×3 基)が完成,稼動した(図 1).  2007 年,2004 年より建設工事が着工されていた 最終処分場である「那覇エコアイランド」(海面最 終処分場)が供用開始され,還元施設である「環 境の杜ふれあい」が開業する.同年,1993 年より 使用されていた那覇市最終処分場埋め立てが終了 する.2011 年,那覇市リサイクルプラザに変わり 「 エコマール那覇リサイクル棟(資源化処理施設)」 が完成し供用が開始され,現在の一般廃棄物処理 体制が確立する. 2.一般廃棄物処理場の経営形態と一般廃棄物の移動  一般廃棄物は,市町村に処理責任があり一般的 には,各市町村が回収し処理・処分を行なう.し かし,財政面や土地の関係で他の市町村と組合を つくり,処理を行なうところも多くある.  那覇市は南風原町と那覇市・南風原町環境施設 組合を設立し,共同でごみ処理を行なっている. その中で,ごみの回収は那覇市環境部クリーン推 進課が行なっており,委託業者によっても回収が 行なわれている.回収されたごみは那覇市・南風 原町環境施設組合の運営管理する施設で処理して いる。以下では,那覇市・南風原町環境施設組合 についてみてみる. 1)那覇市・南風原町環境施設組合  那覇市・南風原町環境施設組合は,1999 年 11 月 22 日に那覇市と南風原町から構成され,那覇市及 び南風原町から搬入されるごみを処理する,ごみ 処理施設の建設を目的に設立された一部事務組合 である.所在地は南風原町字新川である.那覇市・ 南風原町環境施設組合では,ごみ処理施設(那覇・ 南風原クリーンセンター),最終処分場(那覇エ コアイランド),還元施設(環境の杜ふれあい)の 3 つの施設の設置及び管理運営に関する業務を行 なっている. 図1 那覇・南風原クリーンセンター ( 那覇市・南風原町環境施設組合 ) の位置 ( 那覇市・南風原町環境施設組合資料による ).

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2)那覇・南風原クリーンセンター(中間処理場)  この施設は,搬入されたごみを焼却処理する中 間施設であり,約191 億円の建設費をかけて建設 され,2006 年 4 月 1 日より供用が開始された.  処理方式としては,全連続燃焼式ストーカ炉(廃 熱ボイラー付),電気式灰溶融炉および破砕選別設 備(もえないごみ・粗大ごみ処理)による処理場 である.焼却炉は450 t / 日(150 t / 日 ×3 炉), 灰溶融炉は52 t / 日(26 t / 日 ×2 炉),破砕選別 設備は39 t /5 hの処理能力となっている.焼却 炉の温度は,ダイオキシンが発生しないとされる 850℃以上の熱で完全燃焼されている.  ここでは,焼却処理の過程で出る熱を利用して 発電が行なわれており,その電気を使いこの施設 や,また還元施設である「環境の杜ふれあい」に 利用している.そして,余った電気は電力会社に 売電し,その利益を施設運営などにあてていると いう.また処理の過程で,有価物である鉄類,ア ルミ,スラグ,メタル等を取り出し販売で得た利 益も施設運営の資金にあてている.この施設では, 環境学習の場として施設見学の受け入れを積極的 に行なっており,小学生をはじめとし毎年多くの 人が見学に訪れている. 3)那覇エコアイランド(最終処分場)  この施設は,那覇市伊奈武瀬の埋め立て地に位 置し,那覇・南風原クリーンセンターで中間処理 を経て最終的に残った灰を埋め立て,最終処分す る 施 設 で あ る. 約43 億 5900 万円(うち約 12 億 9580 万円は交付金又は補助金)の事業費をかけ建 設され,2007 年 4 月 1 日より供用が開始された. この場所は,那覇市港町に位置し,将来那覇港港 湾計画で埋め立て予定地の一部の海域であり,県 内唯一の海面最終処分場である(図 2).  最終処分場内の海水は,併設されている余水処 理施設で処理し,きれいになった処理水を外海へ 放流している.  埋め立て期間は,2007 年度から 2016 年度の 10 年間となっている.しかし,2012 年 3 月 31 日現在 の累積埋立量は18,759 ㎥(約 20.1%)であり,当 初見込まれていた埋め立て量より少ないことから, このままの状態が続けば,最終処分場は2012 年時 点であと20 年はもつとされている.そのため次の 最終処分場の候補地もまだ決まっていない状況に ある. 4)環境の杜ふれあい(還元施設)  この施設は,那覇・南風原クリーンセンターの 図2 那覇エコアイランド(最終処分場)の位置

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設置に係る地域還元施設として設立され,体育室, トレーニングルーム室,サウナ,岩盤浴などのス ポーツ,レクレーション,健康増進機能や研修室, 会議室,談話室などのコミュニティー機能,環境 学習のためのコーナーなどを備えた施設である.  これらの施設は,那覇・南風原クリーンセンター のごみ焼却により発電された電力を利用している. 当 施 設 は 建 設 費 約12 億 1000 万 円( う ち 約 1 億 2900 万円は補助金等)をかけ那覇・南風原クリー ンセンターの近隣に建設され,2007 年 7 月 1 日よ り供用が開始された.この施設は還元施設という こともあり,那覇市・南風原町に住む人は安い値 段で施設の利用ができる.そのため,毎日多くの 人が利用に訪れ,しばしば駐車できないこともあ る.2011 年度の利用者は,171,040 人に上り一日に 約552 人の人が利用している.  ここまでに記した3 つの施設は,那覇市・南風 原町環境組合が管理運営を行っているが,中間処 理施設としてもう1 つ資源化物処理施設である「エ コマール那覇リサイクル棟」がある.この施設は, 那覇市が管理運営している。以下に,この施設に ついて記す. 5)エコマール那覇リサイクル棟(資源化物処理施設) この施設は,那覇市が管理運営しており那覇・南 風原クリーンセンターと同じ敷地に位置する.以 前の資源化物処理施設である那覇市リサイクルプ ラザに設置されていたリサイクル施設機器の老朽 化に伴い,新しい施設として建設され,2011 年 4 月より供用が開始された.エコマール那覇リサイ クル棟では,資源化物であるペットボトル類,カ ン類,ビン類,古布類,草木類を選別し,圧縮梱 包などを行いリサイクル原料として出荷している.  ここでは,人の手によって選別が行われ,機械 によって圧縮される.分別されたごみの中にも, ビンやペットボトルのなかに食べ物や飲み物など が入ったままのものや,様々なごみが混ざってお り,人の手による選別が必要になる.その作業場 ではマスクや防護メガネをつけ,悪臭の中で作業 が行われている.その過程でリサイクル原料とし て出荷できないものは,那覇・南風原クリーンセ ンター(焼却炉)へ運ばれ焼却される.  ここで集められた資源かモノは,ほとんどが本 土のリサイクル工場へ送られ,ペットボトルは作 業服等へ,カン類は車のホイールや様々なアルミ 製品などにリサイクルされる.資源化物として, 紙類も回収が行われるが,紙類はエコマール那覇 リサイクル棟へは運ばれず,施設の近隣にある回 収業者へ直接運ばれる.その後,中部にある製紙 工場でトイレットペーパーへリサイクルされる. 6)エコマール那覇プラザ棟  以前は那覇市リサイクルプラザと呼ばれ,現在 のエコマール那覇リサイクル棟の役割である資源 化物の選別,出荷が実施されていた.現在のエコ マール那覇プラザ棟では,ごみ減量を推進するた めに市民相互間のリサイクル情報の提供や環境講 座,施設案内,ごみツアーなどの様々な講座を毎 月開催している.また,食器の無料貸出しや市民 から引き取った学生服,エコマール那覇リサイク ル棟で選別しまだ着られる衣類などを無償で提供 している. 3. 収集処理体制  表1 に示したように,那覇市の一般廃棄物は 「 もやすごみ 」・「 もやさないごみ 」・「 有害・危険 ごみ,その他 」・「 粗大ごみ 」・「 資源化物 」 の5 種類に分別され排出される.那覇市の一般廃棄物 のうち一般家庭から排出される家庭系ごみは,直 営及び委託・許可業者によって収集運搬され,直 営の24 コースと委託 3 業者の 59 コースに分かれ て収集されている.「 もやすごみ 」・「もやさない ごみ」は那覇市の指定袋で出し,「 有害・危険ごみ, その他 」・「 かん・びん・ペットボトル 」 は透明又 は半透明の袋,「 紙・布 」 はひもに縛り,収集日の 朝8 時 30 分までに門口またはごみ置き場に出すと されている.2001 年度からは那覇市全域でごみ収 集車両が安全に通行できるところについては,門 口収集を実施している。「 もやすごみ 」 は週2 回, 「 もやさないごみ 」「 有害・危険ごみ,その他 」 は 隔週,「 粗大ごみ 」 及び 「 資源化物 」 においては週 1 回定日収集しており,コースによってその収集 日は異なる.1 回に出すごみの量は各家庭ごみ袋6 つまでと決められている.那覇市・南風原町環境

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施設組合によると,以前は,新聞紙等の紙をごみ として出す場合は,ひもで縛るのではなく新聞紙 専用の紙袋で出しても良かったが,その袋の中に 猫の死骸が入れられ排出されたことがあったこと から,中身が見えるようひもで縛ることが決めら れているという.  事業系のごみは,廃棄物処理法により「事業者は, その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任 において適切に処理しなければならない」と規定 され排出者責任が原則とされている.そのため那 覇市では事業系ごみは,事業者自らが処理するか 若しくは市が許可を与えている一般廃棄物収集運 搬業者に委託して処理することになっている.事 業系ごみは,「もやすごみ」・「もやさないごみ及び 粗大ごみ」・「資源化物」の3 つに分別することに なっている.  一度に多量に排出される家庭系ごみ及び事業系 ごみについては,排出者自らが処理するか,直接, 那覇・南風原クリーンセンターへ搬入し手数料を 支払ってもらい処理を行なっている.これらの方 法が出来ない場合には,許可業者との契約の上で 収集運搬させるようにしている.  家庭系ごみ,事業系ごみ,資源化物は自己搬入 が可能となっており,重さに応じて処理料を支払 うことでごみを処理することが可能である.また 那覇市では,お年寄りや体の不自由でごみを所定 の場所に出せない方を対象としたアシスト収集と いうものを行なっている.アシスト収集は,団地 等に住む体の不自由な方々の家を回り玄関に出さ れたごみを回収していくものである.その際家に いる方に声かけをすることで安否確認も同時に行 なっている. 4.那覇市における一般廃棄物の排出量と処理方法 1)那覇市における一般廃棄物排出量  那覇市の人口は年々増え続けており,2010 年現 在の那覇市の人口は316,004 人に達している(外国 人登録を含まない).  2010 年度における那覇市の一般廃棄物の総排出 量は,98,000 トンであり,1 人 1 日当たりのごみ総 排出量は850 gとなっている.これは,2009 年度1 人 1 日あたりのごみ排出量全国平均 994 gを 下回り,沖縄県平均の832 gをやや上回る値となっ ている.  ごみ総排出量とは,行政回収,自己搬入量等の すべてのごみを合計した数量を示している.また, ごみ排出量はごみ総排出量から資源化物量を除い た数量をいうのである.  図3 は「那覇市の人口とごみ総排出量の推移」 を表している.グラフから人口が増え続ける一方 でごみ総排出量については,微増が見られる年も あるが近年は減少傾向にある.          ( 第 3 次那覇市一般廃棄物処理基本計画より作成 ). 表1 家庭系ごみと事業系ごみの分別区分と収集体制 例   示 収集体制 もやすごみ 生ごみ,紙くず,プラスチック,ゴム・皮革製品等 直営 もやさないごみ 金属類,陶器類,ガラス類,小型電気製品等 そ大ごみ 家具類,寝具類,板切れ,金属・プラスチック類,ガスコンロ,資源化できない大きさの木・幹等 委託  資源化物 缶,びん,ペットボトル,紙,布,草木 有害・危険ごみ, その他 蛍光管,割れガラス,カミソリ,カッター,刃物類等,乾電池   許可 もやすごみ 生ごみ,資源化できない紙類,従業員の生活活動に伴うプラスッチク等 もやさないごみ 許可 及び粗大ごみ 資源化物 資源化できる紙類,従業員の生活活動に伴う缶,びん,ペットボトル 家 庭 系 ご み 事 業 系 ご み 金属製のキャップ,陶磁器 区 分

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 1999 年のごみ総排出量 132,489 tから徐々に減 少傾向にあるが,これは2000 年から開始された 門口収集,2001 年に事業系ごみ処理手数料の引き 上げ,2004 年に開始された家庭ごみ有料化(収集 袋の指定)による効果だと考えられる.2003 年に 事業系ごみが増加し全体の排出量が増加した理由 としては,翌年の2004 年からの事業系ごみの処理 手 数 料 が42 円 /10kg から 63 円 /10kg に引き上げ られるのに伴い,引き上げ前に多くのごみが排出 されたことが考えられる.2004 年から 2006 年に かけては微増しているが,これは2005 年に草・木 の定期門口収集が開始されたことにより資源化物 として排出されるごみが増加したことが考えられ る.2007 年から 2008 年には,約 10,000 トンの減 少がみられるがこれは人口の減少も理由の一つに 考えられるが,2008 年に事業系ごみ処分手数料が 90 円 /10kg へ引き上げが行なわれたこともごみの 減少に繋がったと考えられる.2008 年は,景気悪 化の影響により全国でごみ総排出量の減少が見ら れたようある.沖縄県全体,那覇市においても同 様に景気悪化の影響により2008 年のごみ総排出量 が大きく減ったと考えられる.それ以降のごみ総 排出量は微増減で横ばい状態となっている.ごみ 総排出量の割合としては,2001 年には家庭系ごみ が68.8%を占めたが,2003 年の 61.6%を除いてそ の他は,65%前後を占めている.また,事業系ご みは2001 年の 31.2%,2003 年の 38.4%を除いては 35%前後を占めている.  表2 は 2010 年におけるごみの種類別排出量を 示したものである.ここでは,集団・拠点回収量 (441 t)は含まない.ごみ排出量 97,559 tのうち 87,407 tがもやすごみとなり割合にすると 86.9% 図3 那覇市の人口とごみ総排出量の推移 (環境省一般廃棄物処理実態調査結果資料より作成). 290,000 295,000 300,000 305,000 310,000 315,000 320,000 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 事務系ごみ(t) 家庭系ごみ(t) 人口(人) (人) (t) 表2 2010 年におけるごみの種類別排出量 もやすごみ 32,625 94.8% 54,782 86.8% 87,407 86.9% もやさないごみ,危険ごみ 175 0.6% 1,649 2.6% 1,824 1.8% そ大ごみ 12 0.0% 1,033 1.6% 1,045 1.1% 資源化物 1,600 4.6% 5,683 9.0% 7,283 7.5% 合  計 34,412 100.0% 63,147 100.0% 97,559 100.0% 事業系ごみ (t) 家庭系ごみ (t) ごみ排出量 (t)                ( 環境省一般廃棄物処理実態調査結果資料より作成 ).

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を占める.もやさないごみ及び危険ごみは1,825 t (1.9%),粗大ごみ 1,045 t(1.1%),資源化物 7,282 t(7.5%)という割合と成っている.また,事業 系ごみの94.3%,家庭系ごみの 86.8%をもやすご みが占めている.  那覇市・南風原町環境施設組合では年に 4 回, もやすごみの質(種類)分析を行っている.排出 される時期によっては,もやすごみの質の割合が 異なってくるが,2010 年 4 月,7 月,10 月,2011 年 1 月(年 4 回)に実施された,もやすごみの質 分析の平均(図4 左)では,紙・布類が 44.1%と 最も多く,次にビニール・合成樹脂類が25.3%と この2 種類でもやすごみの約 70%を占めている. 時期によってはこの2 種類で約 80%を占めること もある.また,木・竹・ワラ類が14.2%,厨芥類 (生ごみ)が1.3%,不燃物類が 7.4%,その他 7.7% となっている.しかし,これはごみを乾燥させた 後に計量が行なわれ算出された割合となっており, 生ごみのような厨芥類は水分を多く含んでいるた め乾燥前と乾燥後ではごみの割合が大きく異なっ ている.また,ごみを三成分(水分・灰分・可燃 分* )に分ける(図4 右)と,水分が約 50%を占め, もやすごみの約50%は水分である.このことから, 厨芥類は乾燥前には大きな割合を占めることがわ かる.  もやすごみに多く含まれる紙・布類の分別を徹 底し資源化する.また,厨芥類の減量化・資源化 を促進することが今後のごみ減量化・資源化に繋 がる. 2)那覇市における一般廃棄物処理方法  那覇市では,前述のように南風原町と共同でご みの処理が行なわれている.ここでは,那覇市に おける一般廃棄物の処理方法についてみてみる. 家庭及び事業所から排出されたごみは,もやすご み,もやさないごみ(有害・危険ごみ,その他を 含む),粗大ごみは分別収集され那覇市・南風原町 環境施設組合が管理運営する那覇・南風原クリー ンセンターで中間処理が行われる.当施設では, 焼却処理設備,破砕選別設備,灰溶融設備,発電 設備また排ガス処理設備が併用されている.  図5 は,那覇市のごみ処理フローを表している. もやすごみは,「那覇・南風原クリーンセンター(焼 却炉)」のプラットホーム(ごみ集積所)へ直接搬 入され焼却される.もやさないごみ(有害・危険 ごみ,その他を含む)及び粗大ごみ( タンスや自 転車など) は,那覇・南風原クリーンセンター内 の破砕選別施設へ運ばれ破砕後,鉄やアルミ類が 資源として回収され,残った破砕・選別処理残渣 はもやすごみとともに焼却炉で焼却処理される. 焼却灰は,灰溶融炉で溶融されメタルとスラグを 生成し,資源化物として販売されている.また, 焼却処理にともなって発生する廃熱を利用し発電 が行われており,発電で得られた電力はクリーン センターと還元施設である 「 環境の杜ふれあい 」 で使用され,余剰電力は沖縄電力へ売電されてい る. 図4 2010 年 4 月 20 日~ 2011 年 1 月 19 日のもやすごみの種類(質)組成平均(左)と もやすごみ三成分の平均(右) (那覇市環境政策課資料より作成).

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 資源化物は,資源化処理施設である「エコマー ル那覇リサイクル棟(旧那覇市リサイクルプラザ)」 に運ばれ,選別や圧縮作業が行われる.選別の際 に出た資源化物として出荷できない資源残渣も焼 却炉で焼却されている.紙類は,資源化物として 回収されるとエコマール那覇リサイクル棟へは運 ばれず,中間処理場近くにある「ふじ産業」へ運 ばれ,業者が引き取りリサイクルされる.  図6 は,図 5 のごみ処理フローに最終処分量を 加えたものである.2010 年では,中間処理を経て 97,559 tのごみから 11,246 t(11.5%)の資源化 物を回収し,3989 t(4%)が那覇エコアイランド で最終処分され,82,423 t(84.5%)のごみの減量 化が行われた.  現在の焼却施設である那覇・南風原クリーンセ ンターの稼働以前(2005 年まで)は,紙・布・カ ン・ビンはリサイクルに,燃やすごみは焼却処理, 粗大ごみやもやさないごみ及び焼却残渣は最終処 分場(旧最終処分場:南風原町)に埋め立てる処 理方式を行っていた.しかし,現在の那覇・南風 原クリーンセンターの稼働にともない,以前は 「 もやさないごみ 」 であったプラスチック・ゴム・ 皮革が 「 もやすごみへ 」 変更になった.また,草・ 木は 「 もやすごみ 」 から 「 資源化物 」 へ変更とな り無料で定期収集が行われるようになった.  さらに,以前は直接埋め立てられていた 「 粗大 ごみ 」 と 「 もやさないごみ 」 は,破砕選別設備に より,鉄やアルミ類を回収したあとさらに焼却さ れている.そしてさらに焼却して残った焼却灰を 溶融しメタルやスラグを生成している.  このように中間処理において,破砕選別により 鉄やアルミなどの資源化物を回収し,また焼却灰 図5 ごみ処理フロー(2010 年) (第3 次那覇市一般廃棄物処理基本計画による).

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を溶融することで鉄や銅を含むメタルや土木用資 材として使用できるスラグを生成することで,最 終処分量の大幅な減量化につながっている.  2006 年 4 月より稼動している現在の焼却炉であ る那覇・南風原クリーンセンターは,1 日に最大で 450 tの処理能力を持つ.それ以前の焼却炉であっ た「環境センター」は1 日に最大で 300 t(150 t ×2 基)の処理能力しかなく,人口増加に伴いその 処理能力を超えるごみが排出され,ごみの焼却処 理が間に合わず,周辺住民からは悪臭やハエ,野 犬の被害が耐えなかったという.そのため,焼却 処理せずにそのまま最終処分場(陸上)へ約150 トンものごみが埋め立てられたという.以前の最 終処分場は現在,野球用のグランドとして一般解 放されている.しかし,グランドの下に埋め立て られたごみからは,現在もガスや汚水が出続けて おり,グランド周辺にはガスを外に出すための筒 が何本も立てられている.また,汚水処理のため に浸出水処理施設が設置されており,1 日に 600 立 方メートルの処理能力をもつ.施設の方の話によ ると,数年前に大雨が降った際には一時的に汚水 をためるプールから水が溢れ出すことがあり,新 しくプールを増設したそうである.埋め立てが終 了した後にも雨が降るたびに汚水は排出され,長 年にわたって汚水処理の管理を行なっていかなけ ればならないのである. 3)那覇市の資源化物のリサイクルとその行方  資源化物は,びん,カン,紙類,布・古着,ペッ トボトル,草木の 6 種類に分けられる.以下には, 資源化物それぞれのリサイクルや収集後行方につ いて記す. ①びん  びんは大まかに分けて,「生きびん」と「使い捨 てびん」に分けられる.「生きびん」は,リターナ ブルびんとも言われ,割れたり欠けたりしなけれ ば洗って何十回でも使うことが出来るびんのこと である.生きびんは,びんの中でも 10%程しかな く 10 本中 1 本と少ない.アースの会の方の話によ ると,生きびんは洗浄 ・ 消毒するだけなので環境 に優しいとされているが,輸入品やびんの材料の 問題で生きびんとして使えるびんの多くが使い捨 てびんになっているそうである.また,生きびん は業者が回収・洗浄消毒,びん詰めを行なうため, たとえ「生きびん」として使えるびんでも,びん の形状が異なると一連の作業が困難なため,回収 図6 那覇市ごみ処理フロー(2010 年) ( 第 3 次那覇市一般廃棄物処理基本計画による).

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が難しくなっているという.生きびんの代表的な ものは,一升びん,ビールびん,牛乳びんなどで ある.  「使い捨てびん」は,ワンウェイびんとも言われ 使用するのは一度のみで,使ったびんはリサイク ル工場で洗浄し細かく砕かれ(カレット),ガラス 製品へリサイクルまた道路の舗装に使われる材料 や建築用断熱材,歩道用のタイル等に使用される.  エコマール那覇リサイクル棟では回収されたび んが,手作業で種類分けや茶色・無色・その他の 色に色分けされリサイクル工場へ運ばれる.那覇 市で回収された生きびんは浦添市にある「平良空 瓶店」へ運ばれ,そこから各メーカーに運ばれる. 使い捨てびんは,県内のリサイクル事業者(再生 処理事業者)へ運ばれる.茶色・無色は中城村に ある「クリーンアイランド」へ運ばれそこから県 外へ出荷される.その他の色は県内の「街クリーン」 という業者へ運ばれる. ②カン  カンは磁選機という磁石の力を利用した機械で, アルミ缶とスチール缶に分け,プレス機で1000 個 を 1 つのかたまりにしてリサイクル工場へ運ばれ る.またアルミ缶は,県内の製鉄所に集められそ こから県外のリサイクル工場へ運ばれる.アルミ 缶は,新しいアルミ缶やタイヤのホイールカバー, アルミサッシの窓枠などにリサイクルされる.ス チール缶は,県内の製鉄所「拓琉金属」で,くぎ や針金,鉄筋などにリサイクルされる. ③ペットボトル  ペットボトルは,ポリエチレンテレフタレート (PET) という合成樹脂の一種を材料として作られて おり,日本で最も使われている飲み物の容器であ る.那覇市では,2003 年 4 月から資源化物として 回収が始まった.  エコマール那覇リサイクル棟では,集められた ペットボトルの中から汚れたペットボトルなどを 取り除き,リサイクルできるペットボトルを選別 し圧縮してベールというかたまりにしている.  圧縮されたペットボトルは,福岡県北九州市に ある「西日本ペットボトルリサイクル」へ運ばれ る.そこでは,洗浄しフレーク状( 細かく砕いた もの) にされ,フレークを再度溶かし,ペレット(小 さな粒状)というPET 樹脂に戻される.この再生 PET 樹脂から,卵のパックや文房具,さらにポリ エチレン綿となって服などにリサイクルされる. ④紙類  資源化物の紙は,エコマール那覇リサイクル棟 へは運ばれず,直接南風原町の「ふじ産業」へ運 ばれる.そこから,うるま市にある県内唯一の紙 のリサイクル工場である「昭和製紙」へ,さらに 九州方面のリサイクル工場へ運ばれ,再生紙にリ サイクルされる.  紙類は,段ボール紙,新聞・チラシ,雑誌・雑 紙,紙パックの4 種類に分けて回収される.段ボー ル紙は再び段ボールにリサイクルされ,新聞・チ ラシは段ボールやお菓子,洗剤の箱にリサイクル される.雑誌・雑紙はお菓子や洗剤の箱,新聞紙, 週刊誌,印刷用紙などにリサイクルされ,紙パッ クはトイレットペーパーにリサイクルされる. ⑤古布・古着  エコマール那覇リサイクル棟に集められた古布 や古着は,アースの会の方々の手によって選別さ れ,まだ再使用可能な衣類などはエコマール那覇 プラザ棟にて一般の方々へ提供している.また, 那覇市にある「環境クリーン開発」に運ばれ,そ こからマレーシアで古着やぞうきん等に再利用さ れている.このリサイクル方法についてアースの 会の方は,「マレーシアで再利用されていることは 良いことだが,一方でそれらが使えなくなれば, ごみとなりマレーシアにごみを運んでいると同じ 事であり,私達がもっと意識を変えてまだ使える ものは最後まで大切に使うべきだ」と話していた. ⑥草木類  集められた草木類は,ビニールひもや袋などを 取り除き,「街クリーン」へ運ばれ,工場でおがく ずや肥料に作り変えられる. 4)資源回収実績  那覇市の資源化処理施設は,2011 年 4 月から「エ コマール那覇リサイクル棟」へと生まれ変わり, 新しい施設で選別・資源化物の回収が行なわれて いる.表4 に記されているのは,2010 年まで使用

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されていた旧資源化施設である「那覇市リサイク ルプラザ」の資源化物回収実績である.なお2010 年度における資源化物の搬入量は7,282 トンであ る.そのうち6,457 トンを資源として回収しており, 資源回収率は88.7%となっている. 5)那覇市の一般廃棄物減量のための対応  一般的に,ほとんどの市町村ではごみを減らす ための取り組みとして,3 Rを実施している.3 R とは,Reduce( 発生抑制:詰め替えの出来る商品 を選ぶなどごみを減らすこと),Reuse( 再利用: まだ使えるものは修理したりして繰り返し使う), Recycle( 再生利用:資源としてまた利用する ) を言 う.那覇市では,この3 Rにもう 1 つのRである Refuse( 断る:不要・余計なものは断る ) を加え,「4 R」を推進している.全国の多くの市町村で3 R を推進しているが,最近では環境問題への意識が 高まり4 Rを推進する市町村が増えている.沖縄 県内においても那覇市以外に浦添市なども 4 Rを 推進している.  那覇市では,ごみ減量化また再生利用推進のた めに,市のホームページや広報紙,ラジオ,チラ シなどを利用しごみ減量化・再生利用,適切なご みの出し方などに関する周知などの広報活動を行 なっている.また,市内の小学4 年生を対象とし た買い物ゲームやリサイクルプラザ内での講座な どの環境教育を委託し,教育活動も行なっている. さらに,家庭用生ごみ処理機購入支援事業や資源 化物集団回収支援事業などの奨励金制度を行なっ ている.その他,クリーンアップ作戦やイベント を開催するなどして啓発活動を行なっている.そ して,全国でも多くで実施されている指定ごみ袋 や粗大ごみ処理券の購入制度の導入などによる家 庭系ごみの有料化である.那覇市では,2002 年 4 月より家庭系ごみの有料化を実施している.2000 年からは,これまでの所定の場所にごみを出して 回収するステーション方式から各家庭の家の前に ごみを出し収集する門口収集に変わった.これに より,各家庭のごみの量がすぐにわかり,ごみを 出す側もごみが多いと見栄えが良くないためごみ を減らす意識をし,ごみの減量化に繋がっている という.  事業系ごみに関しては,事業者へのパンフレッ トを作成し,分別の徹底や資源化を啓発している. さらに,市内の大規模事業所へは那覇市職員によ る訪問により直接ごみの適正処理指導を行い,毎 年事業所内でのごみ量把握,資源化のため「一般 廃棄物減量化計画書」の作成・届出を促している. 近年では,ごみ問題が大きな環境問題として取り 上げられるようになり全国的にもさまざまな対策 が採られている.現在では当然だとなっている, レジ袋の有料化やごみ回収袋の有料化などは,人々 がごみを減らす意識をすることにつながりごみ排 出の減量に大きな効果を与えている.       ( 第3 次那覇市一般廃棄物処理基本計画による ). 表3 資源化施設(旧那覇市リサイクルプラザ)からの資源回収実績 年度 2006 2007 2008 2009 2010 紙  類 2,516 1,234 1,325 1,432 1,063 古  布 34 29 155 284 286 アルミ缶 69 69 70 84 83 スチール缶 1,435 967 620 721 621 鉄 く ず 114 77 175 136 81 カレット 3,374 3,416 3,358 3,399 3,483 生きびん 43 37 66 67 70 ペットボトル 902 803 826 826 771 草  木 1,815 2,564 2,611 2,620 0 資源化合計(t) 10,302 9,196 9,206 9,568 6,457 処理量(t) 11,506 12,328 10,100 10,549 7,282 資源回収率 89.5% 74.6% 91.1% 90.7% 88.7%

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Ⅴ おわりに  本稿では,那覇市における一般廃棄物がどのよ うに移動・処理されているのか,さらに一般廃棄 物の現状を明らかにすることを目的として考察し てきた.  那覇市の一般廃棄物の総排出量は,2000 年には 54.8 万トンの排出量であったが 2006 年には 52.04 万トンと減少傾向にある.この背景には,1997 年 における廃棄物処理法)の改正,2000 年にはダイ オキシン類の規制強化や「循環型社会形成推進基 本法」などの整備がすすんだことがあげられる. 沖縄本島の一般廃棄物の収集・処理体制は,市町 村独自で設置するよりも,事業組合を立ち上げて 収集・処理する市町村が多く,全国的に同様の傾 向にある.那覇市の場合も一般廃棄物の収集・処 理体制は南風原町と環境施設組合を設立している. ちなみに沖縄県において,市町村単独で取り組ん でいるところは2 自治体となっている。このよう に組合設立が多い背景として,一般廃棄物の処理 施設を建設するには,財政的な問題や,「迷惑施設」 ということから地域住民から建設への賛同が得ら れない,また土地の確保が困難などの問題などが あげられる.  近年,那覇市のごみの排出量は減少傾向にある が,改善できる点も多く散見される.例えば那覇 市の一般市民の中で,ごみ問題に関心を持ち積極 的にごみ減量化へ取り組んでいる人もいれば,一 方でそうでない人も多くいる.行政サイドや学校 教育現場を中心に多くの市民にごみ問題に関心を もってもらうためにより一層の取組みが必要だと 思われる.例えば,小学4・5 年生が総合学習の授 業の一環で行なう一般廃棄物施設の見学・学習を 中学・高校・大学での授業にも取り入れるのも一 案だと思われる.人々の生活活動に伴って毎日排 出されるごみがどのように処理されているのかを まず知ることが,ごみ問題へ関心を持つ一歩にな るのではないだろうか.  また,テレビなどのメディアを使いごみ問題を 我々の身近な問題だということをアピールする必 要がある.学校で使用する教科書のほとんどが1 年間使用すると不必要となり処分されることが多 い.そのなかには,ほとんど使用せずに捨てられ るものも多くあり,まだまだ使えるものばかりで ある.例えば,NPO を中心として学校教育で使用 済みの教科書や副教材などを必要に応じて引き取 り,教科書を必要とする人に提供することなども ごみを減らすことに繋がる方策だと思われる.こ のような取り組みを那覇市や他の市町村において も政策として行なっていくべきだと考える必要が あるだろう.  1 人 1 人がごみを出す前にただの「ごみ」として ではなく,それを人に譲る事や他の利用方法,資 源化物として出すことはできないかなどを考える ことが重要である.少しずつ意識を変えることが ごみを減らすことに重要であると感じられる.  本稿を作成するにあたり,沖縄県環境文化環境部の 関係者の方々,聞きとり調査や各種資料をご提供頂き ましたにご協力いただきました関係市町村,清掃事務 組合,清掃組合,行政事務組合の方々,アンケート調 査にご協力頂きました方々に厚くお礼を申し上げます. ( 受付 2013 年 6 月 19 日 )  ( 受理 2013 年 6 月 30 日 )  注 1)東京ゴミ戦争とは,東京都における廃棄物(ごみ)の 処理・処分に関する紛争(ゴミ問題)のこと.特に1950 年代後半から1970 年代にかけて江東区と杉並区の間で 起きたごみの処理・処分に関する紛争のことをさすこと が多い.当時の美濃部東京都知事が「ごみ戦争宣言」を 行ったことで「ゴミ戦争」の名がクローズアップされ, これ以後,類似の事案についてごみ戦争と言われるよう になった. 2)循環型社会形成推進基本法とは環境基本計画(環境基本 法第115 粂に基づき,政府全体の環境の保全に関する総 合的かつ長期的な施策の大綱を定めるもの)の理念であ る「環境の恵沢の享受と継承等」,「環境への負荷の少な い持続的な社会の構築等」,「国際協調による地球環境保 全の積極的推進」に則り,循原型社会形成のための基本 的な枠組みを定めているものである. 3)廃棄物処理法とは廃棄物の定義,廃棄物処理業者に対す る許可,廃棄物処理施設の設置許可,廃乗物処理基準な どを規定している.廃棄物の排出を抑制し,廃棄物の適 正な分別・保管・収集・運搬・再生・処分等の処理をし,

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生活環境を清潔にすることによって生活環境の保全及び 公衆衛生の向上を図ることを目的としている. 4)資源有効利用促進法とは事業者による製品の回収・リサ イクルの実施などリサイクル対策を強化するとともに, 製品の省資源化・長寿命化等による廃棄物の発生抑制(リ デュース)対策や,回収した製品からの部品等の再使用 (リュース)対策を新たに講じ,また産業廃棄物対策と しても,副産物の発生抑制(リデュース ) リサイクルを 促進することにより,循環型経済システムの構築を目指 すものである. 5)グリーンエコシューマーを増やすための活動をおこなっ ている NPO 団体の一つで,委託事業として「エコマール 那覇リサイクル棟(資源化処理施設)」の運営をおこなっ ている. 文 献 粟島英明(2002): 長野県における一般廃棄物処理と廃棄物 移動,経済地理学年報,48,71-88. 粟島英明(2009):ゴミの行く末をたどる,月刊地理,54 - 8, 古今書院,60-70. 佐々木緑(2009):現代日本のゴミ,月刊地理,54 - 8,古 今書院,60-70. 波江彰彦(2008):大都市における家庭系ごみ排出の空間構 造とその時間的変動-1980 ~ 2000 年度の大阪市を事例 に-,経済地理学年報,54-3.161-187. 波江彰彦(2009):近現代のごみ処理-大阪市の事例を中心 に-,月刊地理,54 - 8,古今書院,34-42. 元木理寿(2007):熊谷市におけるゴミ集積所の分布とその 実態,ORC 平成 18 年度報告書,110-112. 元木理寿(2009):環境の時代の「ごみ」問題へのアプロー チ,月刊地理,54-8,古今書院,43-51. 廃棄物・3R 研究会編 / 山本耕平編〔2007〕:『循環型社会 キーワード事典』中央法規,68p.70p,72p,74p,76p, 78p. 小川 護(2010)「沖縄本島における一般廃棄物の処理と課 題」,南島文化32 号 ( 沖国大南島研紀要 ) 115-133. 沖縄県文化環境部環境整備課(2007):『廃棄物対策の概要』. 志垣政信(2002):『絵とき 廃棄物の焼去技術 改訂 3 版』 オーム社. 田中 勝(2005):『新一廃棄物学入門』中央法規出版 . 山谷修作(2007):『ごみ有料化』丸善 . 本多 淳(1998):『ごみ対策が危ない』省エネルギーセンター . http://www.jichiro.gr.jp/jichiken/report/rep_okinawa31/ jichiken31/5/5_1_j_09/5_1_j_09.htm 宮平日出夫(2006):「那 覇市のごみ問題と現業職員」第31 回地方自治研究全国 集会おきなわ自治研 (2013 年 5 月 2 日閲覧 ) http://www.ryucom.ne.jp/users/rec/gomigen/01.html「ごみ減量 ネットワークなは」HP(2013 年 5 月 2 日閲覧 ) http://www.jcpra.or.jp/special/mytown/all/list.php?fid=2&jis_ id=47000 「23 年度リサイクル実績沖縄県」(2013 年 5 月 2 日閲覧) http://www.jwnet.or.jp/waste/yougo_shori.shtml「日本産業廃棄 物処理振興センター」(2013 年 5 月 4 日閲覧 ) http://www.spc.jst.go.jp/hottopics/0910recycle/r0910_urabe.html 「日本の一般廃棄物の処理・リサイクルの動向」(2013 年 5 月 4 日閲覧 ) http://www.kita-alps.omachi.nagano.jp/gyoumu/gomisyori/1202_ kouenkai.pdf「日本環境衛生センター」(2013 年 5 月 2 日 閲覧) http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/6939/kankyou. html「南風原町東新川及び宮城における施設立地に関す る問題と課題」(2013 年 5 月 2 日閲覧 ) http://www.dc.ogb.go.jp/Kyoku/information/happyoukai_26/pdf/ gaiyou_19.pdf「那覇・南風原クリーンセンターにおける 資源・エネルギーの有効活用」(2013 年 5 月 2 日閲覧 ) http://www.okinawa-chandler.jp/report/%E6%B2%96%E7%B8% 84%E7%9C%8C%E5%86%85%E3%81%AE%E6%9C%80% E7%B5%82%E5%87%A6%E5%88%86%E5%A0%B4%E6% 95%B4%E5%82%99%E7%8A%B6%E6%B3%81.pdf「 県 内 の最終処分場整備状況」(2013 年 5 月 2 日閲覧 ) http://www.nies.go.jp/kanko/news/28/28-2/28-2-04.html「 国 立 環境研究所」 http://www.city.urasoe.lg.jp/images/library/File/envseisaku/ dai3ji_haikibutu_shorikeikaku/00_shorikihonkeikaku.pdf「 第 三次浦添市一般廃棄物処理基本計画」(2013 年 5 月 2 日 閲覧) http://www.chubu-kitakan.jp/top.html「中部北環境施設組合」 (2013 年 5 月 2 日閲覧 ) http://www.kurahama.or.jp/index.html「 倉 浜 衛 生 施 設 組 合 」 (2013 年 5 月 2 日閲覧 )

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