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四国中・西部におけるみかぶ緑色岩類の火成活動と変成作用

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      鈴  木   尭  士        (文理学部地質学教室)

 Volcanism and Metamorphism of the Mikabu Green-Rocks         in Central and Western Shikoku

       Takashi Suzuki

     Institute ofGeologjijFacidりof Lit era£lireandSd・ice

 Abst】:act z The Mikabu green rocks in Central and Western Shikoku, are thought to be a typical ophioliticsuite compleχ which may have been products of submarine fissure eruption ゛inpaleo-oceanic ridge at the earlier geosynclinal stage. The Mikabu sequence shows what may be called“igneous stratigraphy” and it is conceivable, on the basis of variation of their chemical compositions, that these rocks underwent magmatic differentiationat great depth including perhaps the upper mantle. The layered gabbroid masses of the Okuki area; which are recognized at the lower part of the typical gabbroic rocks of the Mikabu green-rocks, show layering approχimately parallel to the anticlinalform. Intrusion and upheaval of the layered gabbroid masses in a fluidal state or / and crystal-mush state, may have accentuated the overturned form of the Okuki and Yamagami anticlines.

 The terrains near the Mikabu green-rocks of Central and Western Shikoku are divided into four raetamorphic zones on the basis of systematic variations of mineral assemblage in basic rocks : Zone PP (prehnite-pumpellyite zone)→Zone l (pumpellyite zone)→Zonell (pumpellyite-actinolitezone)→ ZoneⅢ(epidote-actinoli te zone) in the ascending order of metamorphic grade. An actinoliteisograd (the boundary between Zones l and n)is located nearly parallelto the southern margin of the Mikabu

green-rocks. Pumpellyite is abruptly disappeared in their central part or northern margin (the boundary between Zones n and ffi).

 Obliqueness of metamorphic grade to geological structures and relation between subduction zone and metamorphic zonation are somewhat discussed.

目 I.まえがき H.火成活動  (1) ophiolite  (2) ophiolite suite としてのみかぶ緑色岩類 .変成作用  (1)序  (2)変成分帯  (3)変成分帯に関しての各地域の特徴 I 次   a)南小川一大杉地域   I))本山一田井一地蔵寺地域   c)思地一池川地域   d)御三戸−小田地域   e)大久喜地域   O 八幡浜地域 Ⅳ.要約   参考文献 ま え が き  いわゆる“みかぶ緑色岩類”は,三波川結晶片岩帯と秩父累帯との境界付近という特殊な地質環 境のところに,東は標式地の群馬県多野郡御荷鉾(みかぼ)柚付近から,フォッサマグナを越え, 中部地方,紀伊半島,四国地方を経て九州東部にまで分布する塩基性ないし超苦鉄質の複合岩体で ある. .みかぶ緑色岩類については,古くは小藤文次郎(1888)によって論じられ,本岩類を含めていわ * 地学関係5学会連合学術大会(昭和46年10月22∼24日,於九州大学)にてその一部を講演.

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 40         高知大学学術研究報告  第21巻  自然科学  第3号 ゆる“みかぷ系”という言葉が初めて用いられた.そり後,矢部長克(1920),鈴木醇(1932),藤 本治義(1939)らによってみかぶ系の独立性について論じられたレ戦後になると,小島丈児(1950, 1953)はこのみかぷ系にづいての再検討を行い,三波川変成岩地域と秩父非変成地域との境界部付近 に顕著な擾乱帯によって特徴づけられる“みかぶ構造帯”というものを提唱した.鈴木尭士C1964) ぱみかぷ”という用語の混乱を避けるため,「三波川結晶片岩帯と秩父累帯の境界付近に分布す る塩基性ないし超塩基性(超苦鉄質)複合岩体を“みかぶ緑色岩類”と称する」とし,用語の限定 使用を提唱した.  その後,オフィオライト(ophiolite)の研究,地向斜大成作用の研究,プレートテクトニックス に関係した海底の岩石研究などにより,みかぶ緑色岩類はにわかに注目されるようになってきてい

る(鈴木, 1967 ; 鈴木,杉崎,田中, 1971; Suzuki, Kashima, Hada and Umemura, 1972 ; 岩

崎, 1969 ;Ernst, 1972).  筆者は1955年以来,四国中・西部のみかぷ緑色岩類について,その分布,産状,構造,岩石,成 因などについて検討を加えてきた..  本研究は,四国中・西部におけるみかぶ緑色岩類について, ophioliteの立場から,主としてその 分布,火成層序,形成メカニズムを,変成作用の立場から,変成分帯を総括し,その研究結果を報 告する.なお,本研究に用いた薄片は約1,500枚であるし  本研究を行うにあたり,終始研究の便宜をお計りいただき,激励を賜わった高知大学の沢村武雄 教授に心から感謝し,厚く御礼申しあげる.また,.有益な御指導と御助言を賜わった広島大学小島 丈兄教授に心から感謝の意を表する.また,有意義な御助言と御討議をいただいた埼玉大学関陽太 郎教授,広島大学秀敬助教授,愛媛大学宮久三千年教授,鹿島愛彦助教授,カリフォルニア大学 W. G. Ernst教授,高知大学波田重煕講師,梅村隼夫氏に厚く謝意を表する.なお,昭和鉱業株 式会社および金属鉱物探鉱促進事業団の関係各位にも研究上.種々の便宜を計られ,厚く御礼申しあ げる.  また,本研究は,当教室の卒業生,在学生の協力なしにはとても完成し得なかったと思う.青野 千秋,鶴田一好,吉田亘弘,桃原正憲,和田晃,有道雅信,内林精二,谷通敏,加藤邦雄,七崎則 哉,三本健四郎,井口章一,梅田孝行,菅信彦,武島正幸,山下延夫,矢野哲太郎の諸氏には,野 外調査,室内作業で協力をいただいた.合せて心から厚く御礼申しあげる.  本研究を行う費用の一部として文部省科学研究費を使用した. II.火 成\活 動  (1) Ophiolite  ophioliteと呼ばれる地向斜緑色岩類は,世界のすべての摺曲山眼に莫大な量を示して分布する ものであり,地向斜骨組み論,プレートテクトニックス,造山論,地質構造論,マグマ分化論,鉱 床成因論など,日常我々が議論している地質学的なすべての分野にこの岩石がひっかかりを有して いるといっても過言ではないと思う.しかし. ophioliteの成因については問題があまりにも多い. すなわち. ophioliteについての定義や,それに対する見解は必ずしも一致していないのが現状で ある.  そこでまずophioliteの定義について少し歴史的にふり・返ってみる. ophioliteという言葉はす でに19世紀にA. Brongniartという人によって名付けられたとされている(Murawski, 1963).・も ともと, ophioliteは,アルプスの塩基性ないし超塩基性複合岩体に対して名付けられ,一般に

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1927)はスイスアルプスでBundner Schiefer 中に貫入した超塩基性岩,緑色岩およびラディオラ

リアチャートが必ず伴うことに注目し,これらを総称してophioliteと名付けた. Stille(1913,

1940)は「地向斜形成時の初期火成活勁によって特徴づけられる塩基性マグマが,広大な海底噴出

した岩石類」をophiolite またぱGrunes Gestein” と呼んだ. Kay (1947, 1951)は「Kraton

からかなり離れたeugeosynclineにおいて,初生的に形成された火成活動をophiolitic volcanism」

と呼んだ. Aubouin (1965)によると,「ophioliteは地向斜形成時にeugeosynclinal furrowに多

mに噴出した塩基性,超塩基性ないし超苦鉄質複合岩体である」としている.また,ヽWyllie (1967) は「ophiolite suite を構成する岩石は鉄苦土に富んだ海底溶岩流複合岩体である」としている.  このようにもともとアルプスにおいてのみ用いられていたこのophioliteという言葉か,最近で は北欧,キプロス,ギリシャ,サウディアラビア,オーマン,オーストラリア,日本,アメリカ, カナダなどでも用いられ,広義に使用される傾向にある(最近ではアルプスのophioliteをとく に“alpine ophiolite”として区別している).また,スイズ,オーストリアを含め地中海地域の ophioliteは上部ジュラ紀の活勁に限定されているか,他の地域のものは時代的にまちまちである.  一方,組織構造からはophioliteをー・定の岩石記載学的タームでは定義できないのが現状であり, 幅広い化学組成を待った複合岩体ということになっている.  Aubouin (1965)はこれを3つのグループに分けた.すなわち,  1)細粒岩:玄武岩,スピライト,枕状溶岩  2)中粒岩:粗粒玄武岩,抑緑岩  3)粗粒岩:かんらん岩,那岩,輝岩質かんらん岩,斑れい岩,閃緑岩,石英閃緑岩  また,彼はophiolite suite の生成環境について,次のようにのべている.すなわち,  1) ophioliteはeugeosynclinal domain 中にのみ存在する.

 2)この中のeugeanticlinal ridge

の周辺部から流出し,その結果,流出したマグマはeugeosyn-clinal furrow に向かって流れる.

 3)一般にラディオラリアチャート(radiolarite)を伴う.  4)岩質の変化が垂直方向にも,横方向にも著しい.

 Wyllie (1971)はophiolite suite を197叫代の一つの大きなトピックスとしてとらえ,現在造

山帯にみられるophiolite suite は高温で中央海嶺で形成された大洋地殼であり,その後低温状態

で造構的にsubduction zone に迎ばれ造山帯に統合したと解釈しI ophioliteをプレートテクトニ

ックスに関連づけて論じている.

 このようにophioliteに関して必ずしも統一した見解が打出されていない現状ではあるが,以下,

四国中・西部のみかぶ緑色岩類を種々の観点からophiolite suite と見なし,火成活勁の特徴を考

察してみる.

 口 Ophiolite suite としてのみかぶ緑色岩類

 Aubouin (1965)によるとophioliteは地向斜形成初期にeugeosynclinal domain中に噴出し

た塩基性,超塩基性ないし超苦鉄質複合岩体であり. ophioliteマグマ活動は,玄武岩質な化学組

成をもった強力な海底割れ目噴火の産物であるとしている.一般に, ophioliteは野外観察におい

て,下部に粗粒な超苦鉄岩ないし斑れい岩が,その上位に中粒・の輝緑岩が,最上部に細粒な玄武岩

ないし塩基性火砕岩が続く,いわゆる規則的な火成層序(igneous stratigraphy; Reinhardt, 1969)

がみられるのが特徴とされている.また,細粒相は一般に岩休の表而を甲ら(carapace)状に覆 い. radiolarite,石灰岩,泥質岩と互層する.

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 42         高知大学学術研究報告  第21巻  自然科学  第3号 徴をも,つとも兼ね備えているのぱみかぶ緑色岩類”であると・考える.みかぶ緑色岩類は三波川結 晶片岩帯と秩父帯との境界付近に特徴的に分布する塩基性,超塩基性ないし超苦鉄質の複合岩体で ある(第23図参照).本岩類は後で詳述するように三波川変成作用をある程度受けているとはいえ, 源岩の残留鉱物・組織がよく保存されているため,源岩の区別が比較的容易である.  四国におけるみかぶ火成活動は地向斜形成初期の海底火成活勁の産物であると考えられる(鈴

木, 1966,. 1967;岩崎, 1969;鈴木,杉崎,田中, 1971: Suziiki Kashima Hada and Umemura,

1972).その理由として, (1)細粒相の塩基性火砕岩中にdoubly graded bedding および斜交層理

が認められること. (2)火砕岩,塩基性凝灰岩および玄武岩と石灰岩およびチャートかしばしば互 層し,両者が整合関係にあること. (3)火砕岩中に枕状溶岩がしばしば認められること. (4)火砕 岩および細粒岩と中・粗粒岩とが分布・構造・化学組成上,密接な関連性を持つこと,などがあげ られる.  また,みかぶ火吹活動にはophiolite特有の規則的な火成層序(igneous stratigraphy)が認め られる.第1図には四国中・西部における代表的なみかぶ緑色岩類の火成層序を示した.地域的に     m 2 0 0 10 0

9 昨紅白

Torniauvinia EHIME Okuhi EHIME  Ods Minamiogawa    KEY    一 日ORE [[I]PELITIC ROCK IⅢ11CHERT 麗LIMEsTONE にヨ:]PYROCLASTICFLOW DEPOSIT [nl]BASALTIC OR TUFFACEOUSROCK m OIABASIC ROCK ぼこ]GABBROIC ROCK [yyl GABBROID MASS

Fig. 1. 四国中・西部における代表的なみかぶ緑色岩類の火成層序(igneous stratigraphy).     東より西に(図の右より左に),南小川,大杉,小田,大久喜,富士山の各地域におけ     る火成層序を示す. 多少の相違はあるにせよ,玄武岩ないし塩基性火砕岩が甲ら状に複合岩休の最外部に分布し,岩体 の中央部には粗粒な斑れい岩が認められ,中間相として輝緑岩が分布し,互いに漸移しているのが 共通的な特徴といえる.第1図には超塩基性ないし超苦鉄質の岩石については省略してあるが,そ れらは斑れい岩の下部に分布するか,上.記岩類中に貫入している.また,四国中・西部においてみ かぶ緑色岩類の最下底が数ケ所で見出1された.すなわち,高知県中央部の思地一池川地域,愛媛県 小田地域,大洲市富士山地域,八幡浜市南部である(第1図参照).これら地域で共通しているこ とは,下部の泥質岩を主体とする地層の上に整合的にみかぶ緑色岩類が分布していることである.  一方,愛媛県大洲市および五十崎町大久喜地域に分布するみかぷ緑色岩類の野外での岩石・構造 の詳細な検討および化学分析結果から,マグマ分化作用か明らかになり,これら岩類の生成機構 に関して新しいーつのモデルを編み出した(鈴木他, 1971 ; Suziiki et al., 1972).すなわち,化 学組成上から深海ソレアイトの組成に類似した岩石で(Hashimoto, Kashima and Saito, 1970;

(5)

S 3 S S V W ︹ i i o u e a v 9     a 3 H 3 A V 1

/ ̄ ̄ ̄-\

朋万

x a o t i     3 1 0 X 8 ! M O t i   D i s v a v m w o a   3 i n v s \ V I 3 3 3 U 9   M O m i d   v i D D a a a   d d n i a i l V W 0 H H 3 A l n d   i U i 工 G   N 3 3 b O     i U 3 H 3   a 3 1 1         i i n v d             −             A 3 ) t

回ト][Ξ]m

訴願

      --m^MM ︵ 9'0ie7 ”J9'000T :£'0N︶±12-砿UM\T\  '︵ui 9 -569 o ui g -Qsn ・■Z'°H︶柵’P昨砿松抑べ利包娠λ’−恥.:/n^=uaq2)?ci・3^MK。/?/; r.-if-'/http://www.S厩槨珊さ図柊       .図庖些羽蚕Q蛎涸抑ベベ6.切ぷ ○○○一 X   ゝ   ゝ     ゝ OOの ヘ 4'∵八 .・4 可 哺 可 dlMn3111\IV IIAIVaVIAIVA :/) L1_  \ 4 可 ・● ○○一 F −

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 44      高知大学学術研究報告  第21巻  自然科学  第3号

鈴木他, 1971) ,甲ら状の玄武岩を主とする細粒相が中・粗粒相に比べて,アルカリ. Total FeO,

TiO2, P2O5 itが多く. MgO, CaO aが少ない.以上の事実およびSI値から,細粒相がより

分化作用のすすんだ産物と考えられる.生成機構としては,地下深所(マントル上部?)でマグマ 分化作用が起こり,より分化作用のすすんだ上部マグマが先行レ 玄武岩を主とする甲らを形成 し,時間間隙なしに引き続きより下部の重力分化作用の産物であるマグマが上昇し,中・粗粒相を 形成したと解釈した.一方,大久喜地域での4本の深層ボーリングおよび地表調査の結果,上記の

みかぶ火戊活勁の他に,層状斑れい岩複合岩体(layered gabbroid masses)が確認された.すな

わち,大久喜鉱床下盤の斑れい岩体のさらに下部に,大久喜背斜および山神背斜の構造にほぽ平行 する層状の斑れい岩質複合岩体が見出された.本岩休は中心から周辺に向かって,斜長石質斑れい 岩(feldspathic gabbro; L IV)→漸移岩帯(LⅢ)→黒色斑れい岩(Ln)→石英斑れい岩(LI) が層状に分布している(第2図).大久喜背斜部のコアー試料の化学分析結果から,本岩中でも マグマ分化作用の結果と考えられる化学組成変化が認められ,分化作用初期に斜長石の晶出沈積に より,斜長岩質岩石が形成され,最終生成岩として石英斑れい岩が生じたと考えられる(Suzuki et al., 1972).これら二つの火成活動の初生マグマがcom昭maticであったかどうかつまびらか でないが,層状斑れい岩複合岩体上部周辺相が石英斑れい岩の細粒相(急冷相)と思われる石英粗

Nぱ3O'W

  OKUKI ANTICLINE ’  .が`4-か〆゛゛`べ〆〆〆s^_ ^^・゜-・へ .’      χ Si8 30'E IM0.1 Fig. 3. 大久喜地域断面図(Fig. 2)の東北東約5kmの南北断面図.   本図は地表調査およびボーリング資料(No. 1 : 1151.6m)をもとに作成した.こ   のポーリングの結果,大久喜背斜帯の東方延長部の構造か確認された.

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 粒玄武岩から成っていることから,層状斑れい岩複合岩体が時間的により後期に活動したものと思  われる.   四国におけ乙みかぶ緑色岩類の構造は一般にゆるやかな複背斜構造を呈しており,これが地向斜  期に隆起帯を形成し,この隆起帯に沿っての海底割れ目火成活動であると考える(Suzuki et al..  1972).   しかし,大久喜および山神背斜は層状斑れい岩複合岩体の上昇により,南へのVergenzを示す横  臥摺曲を形成し,ゆるやかな複背斜構造という一般的特徴とは異なっている.本岩体の内部構造が  大久喜および山神背斜にマッチしていることから,這入・上昇がliquidかcrystal-mushの状態  であったと考えられる.本岩体の這入に伴うさらに一層の衝き上げにより,大久喜背斜の両翼に摺  曲軸面にほぽ平行する断層が形成され,大久喜背斜構造が強調されたと推定される.したがって, ゛大久喜以外の地域でみかぷ緑色岩類の下部にこのような層状斑れい岩複合岩体が存在するかどうか  疑問である.   Ernst (1972)は四国におけるみかぶ緑色岩類(大杉地域を中心にして)を典型的なophiolite複  合岩体とみなし,古生代最末期にこのsuiteが日本犬陸縁に沿う大洋地殻の1断面を代表している  と考えた.また> mobilistとしての立場から,この時期におけるアジア岩石プレートと太平洋岩石  プレートとの接合線が現在のみかぶ緑色岩類の北縁部と考え,このプレート迎動がその後も引き続  いた結果,ベニオフ・ゾーンの北上をうながし,中央構造線が新しいベニオフ・ゾーンを代表し  ているとみなしている.さらに,この迎動の結果,三波川―秩父地域全体にわたって,高圧低温  subductionタイプの三’波川変成作用が生じたと考えている.   このようにみかぶ緑色岩類の火成活動については不明確な点も多いが,地向斜火成活動,海洋底  岩石,マグマ分化作用,さらに,プレートテクトニックスとの関連性からとくに注目されており,  今後さらに検討を進めていかなければならない.       III.変 成 作 用  (1)序  三波川変成作用の影響が秩父帯の岩石にまで及んでいることはすでによく知られているところで ある.そこで,高知県および愛媛県下で,みかぶ緑色岩類の分布する地域を中心とし,一部三波川 帯,秩父帯に属する岩石を含めて塩基性岩類の変成鉱物の消長および組合せについて検討し,いく つかの事実を見出Iしたので,ここに報告する.さらに,変成鉱物組合せから三波川帯と秩父帯との 間に非連続性が認められるか?東西方向への鉱物組合せの変化が認められるか?地質構造とアイン グラッド面との関連性はどうか?,温度構造と岩層の隆起との関連性はどうか?などについても検 討してみた.  四国におけるみかぶ緑色岩類および秩父帯の岩石についての組織的な変成分帯の研究としては,

高知県中央部のBanno (1964),土讃本線沿いのErnst et al- (1970),愛媛県西部の橋本・鹿島

 (1970),四国全体のHashimotoet al.(1970)をあげることができる.  以下,四国中・西部におけるみかぶ緑色岩類付近の変成分帯について,まず最初総括的にのべ, 次いで各地域についてその特徴を記載し,最後に若干の考察を加える.  (2)変成分帯  わが国において,広域変成作用のきわめて低変成度のいわゆる緑色片岩相またはそれ以下の部分 の研究は最近とくに進歩した(Seki, 1961 ;関, 1964 ; 関他> 1964 ; 関, 1966 ; Seki。z 「。, 1969;

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 46      高知大学学術研究報告  第21巻  自然科学  第3号

Seki,1969 ; 松田・栗谷川,1965 ; 濡木,1969 ; 椙本・鹿島,1970 ; Hashimoto, Sait0,1970 ; Hashimoto d 「・,1970 ; Emst d 「・,1970 ; 昌津・田渕・楠田,197いNishimura,1971).  関(1966)はpumpellyiteを含む鉱物組合せと変成作用のタィプとの間の関連について考察し、 三波川型と呼ばれる次の増進分帯を提唱した.  pumpellyiteが安定でactinoliteが不安定な帯(P帯)→pumpellyite,actin01iteが共に安定な 帯(PA帯)→pumpellyiteは不安定で、actinoliteが安定な帯(A帯)である.と同時にFranciscan 型(Z帯→P帯→PG帯),New Zealand 型(Z帯→pP帯→PA帯→A帯),丹沢型(Z帯→PP 帯→A帯)を含め四つの型に分け(なおZ帯とはzeolite帯,PP帯とはprehnite,pum油11yite 帯のこと,PG帯とはpumpe1Iyite・g│Iaucop│hane帯のこと),丹沢型→New ZeaIand型→三波川  Zone l: (関のいうP帯にほぽ相当する)  このZoneは秩父累帯北帯の北縁部とみかぶ緑色岩類の南縁部を一部含んでいる.稿本・鹿島  (1970)のpumpellyite zone にほぽ相当する.  塩基性岩中における安定な変成鉱物組合せの主なものは次の通りである.   pumpellyite − chlorite

  pumpellyite ― chlorite − stilpnomelane ヤ  albite

  pumpellyite ― chlorite − epidote       十 quartz

      −

  chlorite − stilpnomelane      calcite   sericite − chlorite       ]   leucoxene   sericite 一 epidote 一 chlorite         hematite

 このZone l の最も大きな特徴は変成再結晶安定鉱物としてのactinoliteが存在しないことと epidote, chloriteが量的に少ないことである.また,まれにはprehniteも存在し,後述するよう に高知県中央部思地南方の秩父累帯北帯で. pumpellyite・prehniteが安定に共存する塩基性岩も見 C PUMPELLYITE ZONE F C a ¶     │| PUMPELLYITE一ACTINOLITE ZONE C ● 1    │││ EPIDOTE-ACTINOLITE

Fig. 4ごZone I , Zone n およびZoneⅢにおける塩基性岩の変成鉱物組合せを示す     A−C−F−Na20・R2O3図.

ZONE

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出され. Zone l の南にはPP・帯の存在が予想される*. Na-amphiboleは少量ではあ’るが各所で 見出される.       /    ”  ペレ     >  このZoneの変成鉱物の組合せをA−C−F−Na20・R2O3図で示すと第4図左のようにな,る.  Zone II : (関のいうP・A帯にほぽ相当する)      ’I・.    ’‘  このZoneの分布域は地域によって多少差があるが,ほぽみかぶ緑色岩類の南縁部から中央部に かけてある.すなわち, Zone l の北側にあって. Zone l とはかなりはっきり’したー・線をなす isogradで境され,これは橋本・鹿島のいうactinolite isogradに相当する.  このZoneの特徴はactinoliteが出現し. epidoteやpumpellyiteと安定に共生しているTこと である.  このZoneの塩基性岩における安定な変成鉱物組合せの主なものは次の通りである.   actinolite − chlorite − pumpellyite

  actinolite ― epidote二pumpellyite      albite

  pumpellyite ― actinolite一chlorite − epidote ・    才 quartz        ブ’

  pumpellyite ― actinolite ― chlorite − stilpnomelane   土 calcite        ダ

 ÷  actinolite− chlorite − epidote      apatite

 ふ sericite− chlorite一 epidote       才   hematite

  actinolite 一 chlorite

 このZoneの変成鉱物組合せをA-C- F−Na20・R2O3図で示すと第4図中央のようになる.

 pumpellyiteとepidoteがactinoliteと共存しない丹波高原(Hashimoto, Saito, 1970)とは

鉱物組合せの上で異なっているが,紀伊半烏とはきわめて類似している(関他. 1964).

 Zone lからZone H への増進変成作用のときおきたと考えられる化学反応は,

  25 chlorite +86 calcite 十 169 quartz

       o 10 pumpellyite +23 actinolite÷86 C02 +42 H20

が考えられる(Nishimura, 1971によるy

 ・また,橋本・鹿島(1970)はZ‘one l とZone n の境界において, actinoliteとepidoteの荏成

に関して,次の変成反応を拾定し, actinoliteisograd を定義した.すなわち,     ・

  3 chlorite +10 calcite +21 quartz c;〉

       3actinolite +2 epidote +8 H20+10C02

 こQ Zone はNa-amphiboleがかなり広範囲に分布し. Banno (1964)により lawsonite,

jadeitic pyroxene の存在を報告したのもこのZoneである.

 Zone 111: (関のいうA帯にほぽ相当する)  このZoneはZone n のさらに北側に・あって,みかぶ緑色岩類の北縁部から三波川南縁部にか けての地域にあたる.  このZoneの特徴はpumpellyiteが不安定になり, actinolite―epidote―chloriteが典型的な変 成鉱物組合せとなる.  このZoneの塩基性岩における安定な鉱物組合せの主なものは次の通りである., *.しかし,PP帯はHashimoto et al.・(1970), Ernst (1971)の四国変成相図に示すような広域的な分布  を示すものではなさそうである.

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48 , 高知大学学術研究報告  第21巻  自然科学  第3号

 ∴ヽactinolite 一 chlorite 一 epidote ・ /        albite       ト.   コ   actinolite ― chlorite一epidote 一 stilpnomelane    quartz        . 丿   actinolite 一 chlorite       .士 apatite

  epidote ― actinolite 一 calcite

l  sphene

  epidote 一 chlorite 一 sericite       leucoxene

 このZoneの変成鉱物組合せをA − C − F −Na20・R203図で示すと第4図右のようになる.こ ’のZoneのactinoliteは量的にも,結晶粒の大きさも増大する..  へ        I

 Zone n からZone,Ⅲへの増進変成作用はpumpellyiteが不安定になり, actinoliteとepidote' の量が増大するものと考える.. ゛       ゛・∧・

 しかし. Zone in中の2,3のサンプル中にpumpellyiteを見出した. Banno (1964)は高知県 吾川郡大川村戸中および根来佐古の三波川帯プロパー三繩眉下部層中にpumpellyiteの存在を認 め,筆者のいうZone H, Ⅲを一括してA2帯としている.また,秀(1961)は高知県白滝地域に おいて・無点紋帯をla帯とlb帯に分け,南部のla帯.にはpvimpりllyiteが産出し・lb苓は・pum-pellyiteがほとんど産出しない地域としている.‥しかし,耳rnstet al..(1970)は同地域の無点紋 帯からはpumpellyiteを全く見出しておらず,秀のla帯,lb帯の細分にはむしろ否定的マ,秀の いうla帯,lb帯を含めて単にI帯としてまとめている*.一方;土讃本線沿いの三波川帯南縁部

でErnst et al. (1970)により. pumpellyiteの存在が報告されて・いる力句量的にきわめて少な

い.      バ  ヅ.  このように,四国中・西部においては,みかぷ緑色岩類の中央部または南部でpumpellyiteが 急激に消滅することは確実で,それ以北においてはきわめて例外的に産出する.この原因とし了二 つ考えられる.すなわち,       犬 ●● ・(1)みかぷ緑色岩類の北部から三波川南縁帯にかけて,塩基性岩の化学組成が異なり,北部のも のは主としてCaに乏しいためpumpellyiteが例外的にしか産出しないという変成鉱物の組合せ のちがいを変成度の上昇ではなく,化学組成の差に求める考え方.  (2)北部に向かうにつれて,変成炭が上昇し,そのためpumpellyiteが不安定暉なり,例外的に しか産出しないという累進変成作用の結果に変成鉱物組合せのちがいを求める考え方.  筆者μ以下のべる理由からバ2)の考え方を支持する.すなわち,  (1) Zone m とした地域では> epidote―chlorite―actinoliteの鉱物組合せのほ力j epidote一 actinolite―calcite, epidote一chlorite―actinolite―calciteの組合せがしばしば認められる.一方, Zone H とした地域でのnon・pumpellyite rock は例外なしにepidote―chlorite―actinoli teの鉱

物組合せである.このことはpumpellyite―actinoliteで代表されるZone n でのnon-pumpellyite rockは主としてCaに乏しいためpumpellyiteが形成されず. epidote―chlorite―actinoliteの

組合せになったと判断するのが妥当と考える.こ.のことはZoneⅢ,でのCaに富む岩石では,   15 pumpellyite +9 quartz +4C02cて〉25 epidote

      +3 actinolite +4 calcite +37 H20・

で示されるようにpumpellyiteの分解により, epidote, actinolite, calciteが形成されI ZoneⅢ に属する岩石がZone Hのものに比べて,より累進変成作用のすすんだ産物であるという考え方 を支持している.  (2)みかぷ緑色岩類の南部または中央部で. pvimpellyiteが急激に消滅するのを化学組成の差に * 広島大学秀助教授の最近の私信によると,白滝地域のla帯中で確実にpumpellyiteとして確認されたサ  ンプルほただ1’個で,lb帯中のものも現在再検討しているとのことである.御教示賜ったことを深く感謝す  る.       ,     ”

(11)

求める根拠もなく,前述した如く,四国中・西部では複背斜構造を呈しており,北翼部と南翼部で 化学組成が異なると考えるのは不自然である.また,・actinoliteの粒度も北部へ向かうにつれて増 大し,変成度の上.昇を物語っていると考えられる.  以上のことから> Zone m 中に見出された例外的なpumpellyiteの存在は,化学的条件もある かも知れないが,むしろ局地的なPT条件に支配されての形成と判断し,第24図に示すようにZone mをより変成度の高いepidote-actinolite帯・として. Zone n から区別した.  以下,上記の変成分帯基準にしたがって,四国中・西部の各地域における変成分帯(地質概要も 含む)についての特徴をのべる.  (3)変成分帯に関しての各地域の特徴  変成分帯に関する調査地域としては第23図に示す通り,高知県下では南小川一大杉,本山一田井 一地蔵寺,思地‐池川の各地域,愛媛県下では御三戸,小田,大久喜,八幡浜の各地域であり,四 国中・西部のみかぶ緑色岩類分布地域をほぼ網羅している.  以下,東部より西部にかけて順を追って各々の地域における塩基性岩中の各種の変成鉱物組合せ およびその消長の特徴について述べる.  a)南小川一大杉地域:  高知県東端部の南小川地域の地質については,沢村(1958)により報告されている.構成岩類と しては玄武岩質および塩基性火砕流堆積物がその主体をなし,粗粒な斑れい岩ないし輝緑岩がその 下位に存在するか,上記岩類中に貫入している.大杉地域の地質については,鈴木(1964aバ967), 岩崎(1969)。Ernstet al.(1970), Ernst (1972)に詳しく述べられている.本地域のみかぶ緑色 岩類は中央部に火砕流堆積物が向斜構造を形成してほぽ最上部に分布し,北部と南部にその下位の 玄武岩質,輝緑岩質および斑れい岩質緑色岩が背斜状に分布している.  大杉地域の変成分帯について,‘ Ernst e^ al. (1970)はr帯とI帯に分けた.南部のr帯は 残留含チタン普通輝石をpumpellyiteが置換し> actinoliteが欠如することが特徴とされ,少量の

lawsoniteの存在をも認めている.北部のI帯はpumpellyiteが次第に不安定になり> pale green

actinolite, epidote, chlorite, sodic plogioclase, spheneを主な変成鉱物として認めている.

Banno (1964)は大杉塩基性複合岩休中にjadeitic pyroxeneとlawsoniteの存在を報告している.

 今回の調査により,南小川一大杉地域には. Zone l ∼ZoneⅢに至る岩石が連続的に分布して いることが明らかになった.第5図に示すようにみかぶ緑色岩類の南縁部から秩父帯北帯にかけて はZone l に属する岩石が,みかぶ緑色岩類分布のほぽ中央部までpumpellyiteとactinoliteが安 定共存するZone n に属する岩石が,岩類の北部から三波外出:南縁部にかけてはZoneⅢに凪す る岩石が分布している.なお,第5図の×印はactinoliteの産出しないZone l の鉱物組合せの 岩石を示し,●印はpumpellyite-actinoliteの安定共存するZone H の典型的な鉱物組合せを示 している. また,0印は主としてepidote― chlorite―actinoliteの安定共存の岩石を示している か. ZoneⅢ中の岩石には,この他epidote―actinolite―calci teの組合せも含まれており,これ らは同じ印で記入した(以下,大久喜地域を除けば,各地域のマークは本地域と同様であり,変成 分帯に適さない鉱物組合せの塩基性岩はすべて省略した).また,大田口付近のZoneⅢ中には例 外的にpumpellyite― actinoliteの共存する塩法性岩が見出Iされたか,前述したように局地的な変 成条件を考えねばならないと思う.  ,本地域の塩基性岩中の構成鉱物の安定共生関係は第6図に示す通りである.本地域のその他の特

徴としてはZone l 南部でepidoteが産出せず. Na-amphiboleがZone H 南部に存在すること

(12)

50 一 高知大学学術研究報告  第2・1巻(・,自然科学 ,第3号       -Fig. 5.高知県南小川一大杉地域の塩基性岩における変成鉱物組合せの分布.   破線はみかぶ緑色岩類の分布域.       ’I

  X印はactinoliteの産出しないZone Iの鉱物組合せの岩石,●印は, pumpellyite,   actinoliteが安定共存する Zone IIの鉱物組合せの岩石,’○印は主としてepidote,   chlorite。actinoliteが共存する鉱物組合せの岩石を示す.ただし, ZoneⅢに属する   と考えられる岩石には, epiclote, actinolite, calcite.の組合せも含まれており,これ   も○印で示しとくに区別しなかった.

      OSUGI 一 MINAMIOGAWA AREA

へ∠

`|

` │││ Pumpellyite Epidote ---Actinolite Na-Amphibole 一一-Stilpnomelane Chlorite Sericite Albite Quartz Leucoxene Fig. 6.高知県南小川一大杉地域の塩基性岩における主要変成鉱物の消長.       実線は産出の多いもの,点線はまれなものを示す. 京陸峠  ゛ /  b)本山―田井一地蔵寺地域       一一  高知県長岡郡本山町および土佐町のみかぶ緑色岩類についての地質概略図はSuzuki (1962. Plate 17)によって示されている.本地域は第23図記示すように火砕流堆積物が多く,全体`としては複背 斜構造を呈し,小規模な向斜部に火砕流川.私物が分布している.田井南方相川で石英斑れい岩,地

(13)

主で角閃石岩(hornblendite)の小規模な貫入岩体がそれぞれ認められる.三波川帯,秩父帯の岩 層とは整合関係で,見かけ上,みかぶ緑色岩類が下位である.  本地域の変成分帯についての記載はこれまでないが,今回の調査により,本山=田井南部では   ‘”   Fig. 7;高知県本山―田井―地蔵寺地域の塩基性岩Rニおける変成鉱物組合せ/‥      ・●1 d  1・ j      r・       ■      ●・    ‥         マークはFigン5’と同七丿. ” ’III  I   I ..   ・・ .゛j       \     ノ       ・・    し ●・  フ .Jツ二` pumpellyite-actinolite共存帯がみかぶ塚色岩礁9即限付返までしか分布していないが,.地蔵寺地 域ではその北限にまでZone Hが北上していると考えられる{第7図}.この原因については詳ら かでないが,あるいは以下のべる思地一池川地域の隆起帯形成と,結びつくのかも知れない; ぞの 他・本地域の変成分帯の特徴として雌。stilpi!omelaneがZone H・ Ⅲを通してほとんど産串せ ず> aegirineaugiteとalbiteの共生がしばしば認め亥れることである.  本地域の塩基性岩中の構成鉱物安定共生関係      , は第゜8図砲示子通り七ある.       MOJOYAMA-JIZOJI AREA  c)'思地―池川地域:  高知県西部の本地域の地質については,橋 本清美(1955),石井他(1957),甲藤・川沢・ (1958),鈴木(1964 b),沢村他(1964), Suzuki  (1965),鈴木・須鎗(1965)などの報告かお る.本地域の構造は上八川一池川構造線(従来 のみかぶ構造線にほぼ相当する)を背斜の軸部 にして/背斜構造を形成し,みかぶ緑色岩類の' 分布および線構造の落としから地向斜形成期に すでにある程度のドーム状背斜帯を形成してい たと考えている(鈴木, 1967).したがって, みかぶ緑色岩類の分布も背斜帯の北翼と南翼に 薄層として認められるのみである.  ,Banno U9,64)は別子一伊野間に分布する結  ■F』..d.・‘ .`・  .11.   ・ . ・ 晶片岩類の詳細な岩石学的研究を行ない,・変成

││

│11

・Pumpeliyi↑e・ ミ Epidote ActinoIJte l N(】-Amphibole Aegerinec】ugite ゛ ゝ Chlorite Sericite ・、’. Albite ・ .` Quartz Leucoxene Sphene Fig. 8. 高知県木山一田井一地蔵寺地域の塩基性  岩吟布け声本要変成舘物9、消長・、  、y  / そ一一グ叫F泌・リツ=同じ.ブ、`j . ・.、・・   i F     -● ● ・     ふ

(14)

52 高知大学学術研究報告  第21巻 .,自然科学\ 第3号        -`xyk

ン   当妬ノ今yこジ゛

辻三

Fig. 9. 高知県思地一池川地域の        7−クはFig. 5

度の上昇に伴いZone A からZone E まで5帯に分けた.本地域に関係する分帯lとしてはI Zone

A (piunpellyite―epidote glaucophane subfacies)に一括されるが, Banno はさらにZone A.

        l  ●

をSubzone A1 (lawsonite―pumpellyite―epidote―glaucophane subfacies)とSubzone A1

 (pumpellyite―glaucophaneの組合せがなく, actinoliteか普遍的に出現するZone)に分けてい る. しかし,第9図に示すごとく, pumpellyiteは上八川一池川構造線付近を境にして急激に減少 し,三波川南縁帯の葛川層(みかぶ緑色岩類相当罰)および唐越層(鈴木, 1964 b)の緑色岩では actinolite―epidote chlorite―(glaucophane)の組合せが圧倒的に多くなる.このため,三波川 南縁帯をほぽZoneⅢとし,それ以南のpumpellyite一章ctinolite共存帯のZone H と区別した.  一方,秩父帯北帯の葛川相当層(みかぷ緑色岩類相当層)の鉱物組合せはZone n に属するも

のが主で, Zone l に相当する鉱物組合せも出現しはじめる.このことからactinolite isogradはほ

ぽ葛川相当層の南限に平行と考えられる.

 また,第24図には示したが, Zone l の南に分布する思地南方勝賀瀬川流域の緑色岩は, prehnite

とpumpellyiteの安定共存で特徴づけられ, Hashimoto et al.(1970)のいうごとく prehnite―

pumpellyite zone の存在が確認された*.  本地域の塩基性岩中の構成鉱物安定共生関係は第10図に示す通りである.  d)御三戸−小田地域:  愛媛県東部のみかぶ緑色岩類については,鈴木(1967)がその一部を報告している.すなわち, 御三戸地域については久万川沿いのデータを,小田地域については地質図を公表している.その後 の調査結果をも加えて,本地域のみかぶ緑色岩類も全体としては,複背斜構造を形成していること が明らかになった.  変成分帯に関しては公表されたものはないが,今回の調査により,御三戸地域でみかぶ緑色岩類 南縁部にZone H の鉱物組合せが,北部はZoneⅢの鉱物組合せが認められる(第11図).一方, 小田地域では,みかぶ緑色岩類はほぽ全域的にZone n の鉱物組合せから成り,総津付近の三波 * 忌地南部の秩父帯における変成分帯については,現在研究を続行中であるか,PP帯は幅がせまく,Ba・nno  (1964)も指摘しているようにさらに南部の黒瀬川構造帯に近づくと変成度は上昇すると思われる. j

(15)

塩基性岩における変成鉱物組合せ. と同じ.

バノプ:`

§    柿截    ●:申

OMOIJI − IKEGAWA

AREA

pp

11

Pumpellyite Prehnite Epi、dote Actinolite Na-Amphibole 一一-Stilpnomelane Chlorite Sericite . Albite Quartz Leucoxene Sphene Fig. 10. 高知県忌地一池川地域の塩基性岩にlおける主要変成鉱物の消長.      7−クはFig. 6と同じ. 川帯においては> pumpellyiteが不安定になりactinolite―とhlorite―epidoteの鉱物組合せ(Zone m)に変化しているものと思われる(第12図).狼ヶ城山南部にはZone l の鉱物組合せが出現し, 本地域でもほぽみかぶ緑色岩類の分布域南限にactinolite isograd の存在が予想されるlその他, 本地域の特徴としては,小田地域総津付近の緑色片岩中にstilpnomelaneが異常に多量含まれ, Na-amphiboleがしばしば認められることである.  本地域における塩基性岩中の構成鉱物の安定共生関係は第13図に示されている.

(16)

54 高知大学学術研究報告・ 第21巻 .自然科学,゛第3号 N

  筒城 。゜g ○● ○’ ヽφ_ニil  ○○ 簑川゜ ○ ○  ○ よ心一  ・λ  Si,164- ° 二箆山

‰ユ

Fig. 11.愛媛県御三戸地域の塩基性岩における変成鉱物組合せ       7−クはFig. 5と同じ.       ○   ○ j   o ○ ○ N       ○  ○ ふ" ≫l "゛χ ゜痕ヶ城山 ノノゾ       ズ Fig. 12.愛媛県小田地域の塩基性岩における変成鉱物組合せ       7−クはFig. 5と同じレ

(17)

MIMIDO- ODA AREA

││

│││

Pumpellyile Epidote Ac↑inoli↑e Na- Amphibole 一一- 一一-Stilpnomelane Chlorite Serici↑e Albl↑゛e Qu(】rtz Leucoxene Fig. 13. 愛媛県御三戸,小田地域の塩基性岩における主要変成鉱物の消長.       7−'クはFig. 6と同じ.  e)大久喜地域:  本地域にはみかぶ緑色岩類中の牛−スラーガー型の鉱床として大久喜鉱山かおり,従来から研究 のすすんでいる地域である.とくに,その鉱床成因を考察するうえから注目される研究か多い(伊 藤, 1954.;渡辺, 1957 ;今井, 1959 ; 堀越, 1959 ; Watanabe et al., 1970).  本地域のみかぶ緑色岩類も,前述したように,基本的には大久喜背斜によって特徴づけられ(第

2図,第3図参照), ophioliteの典型的な火成層序が見出された(Suzuki d al, mi'). 最近,

大久喜地域北部の三波川帯において,南へのVergenzを示す二つの横臥摺曲が見出され(秀,19 72),みかぶ緑色岩類が三繩層より層準的に上位であると判断され,三波川帯プロパーとの対比の 上で注目される.  本地域の変成分帯については,そのー・部が通産省(昭和44年度広域調査報告書, 1970)から報告 されているのみであるが,南部の秩父帯古生界の緑色岩に関して橋本・鹿島(1970)によって報告 された.本地域においては,稿本・鹿島が指摘するように,筆者のいうZone i とZone H を境

するactinolite isograd がほぼみかぶ緑色岩類南限近くに存在し,本岩類中央部はpumpellyite.

r審ト

● ●’○    丿4‘ / ●   ,● Fig. 14.愛媛県大久喜地域の塩基性岩における主要変成鉱物の分布       破線はみかぶ緑色岩類の分布域を示す.

(18)

56 高知大学学術研究報告  第21巷・自然科学  第3号

actinoliteの安定共存するZone n が,本岩類北縁部から三波川帯南縁部にかけてはZoneⅢの

鉱物組合せとなり,変成度が北に向かって上昇していると考えられる(第14図および第24図`).な

お,第14図にnon-an!phibole rock として示したものは. pumpellyiteが多く橋本・鹿島のいうパ

ンペリー石帯(筆者のいうZone l)に相当し,本岩分布妬北限を巡らねた線がactinolite isograd

(Zonel とZone H の境)と考えられる.   ≒  また, Watanabe et al.(1970)によって,Zone n の塩基性岩中にlawsoniteの存在が報告さ

TOMiSUYAMA

− OKUKI AREA

││

││卜

Pumpellyite ミ Epidote Actinolite Na-Amphibole Stilpnomelane Chlorite Albite Quartz Leucoxene Sphene Apatite Fig. 15.愛媛県大久喜地域の塩基性岩における主要  変成鉱物の消長.   マークはFig. 6と同じ.        -→        Depth │m)       0         500        looa

11

││「こ Pumpellyife Epidote Actinolite Na-Amphibole Stilpnomelane Ilj  −-Chlorite l l Albite Qu(】r↑z・ Colcite Leucoxene − ■ Apatite -  -  -  -  j -  t Sericite 「        NO. 1         ● Fig. 16.大久喜地域のボーリングNo. 1 (Fig. 3参  照)コアーにおける主要変成鉱物の消長.  ’.   横軸は深度を示し,マークはFig. 6 .と同じ.  れている. Na-ainphibole, sphene.  apatiteの量が他地域の岩石に比べ  て,多量に含まれるのも本地域の特  徴といえる.  本地域における塩基性岩中の構成  鉱物の安定共生関係は第15図に示さ  れてい芯.   一方,大久喜地域で. Zone n  から実施された3本の深層ボーリン  グのコアー試料を詳細に検討し,  isograd面の立体的な把握を試みた. ・すなわち,大久喜鉱山の東北東約5  kmの大久喜背斜東部延長地点から  実施されたNo. 1ボーリングコアー  試料(.深度1151.6m,第3図に示す)  ’と大久喜鉱山の東北東約1kmの小田  川沿いから実施されたNo. 2ボ一リ  レグコアー試料(深度1250.5m,第 丿図に示す),およびNo. 2の南約 . 1.5kmから実施されたNo. 3ボーリ  ングコアー試料(深度1000.6m,第  2図に示す)から得られた計218枚  の薄片を検討した.その結果, No. 1  においては,深度710 m でpum- pellyite が消失し,それ以深では  Zone m の典型的な鉱物組合せであ  るactinolite―町)idote一chlorite― ぺcalcite)に変化している(第16図).  また, No. 2でもほぽ同様の結果が 肯られた.すなわち, 920 m までは Zone n の鉱物組合せ,それ以深で Zone m に属すると考えられる組合 せに変化している(第17図).一方, 南部のNo. 3については孔底まで Zone H の鉱物組合せであることが 明らかになった(第18図).

(19)

一石ここ→

0         500        1000

│││

Pumpeliyi↑e Epido te Actinolite Na-Amphibole -   -   −       − S↑jlpnomelane 一 一 一 一 Chlori↑e Albite Quartz Caici↑e 一 一 -Leucoxene Apati↑e Sericito        NO. 2

Fig. 17.大久喜地域のボーリングNo. 2 (Fig. 2参照)コアーにおける主要変成鉱      物の消長.    、      横軸は深度を示し、マークはFig. 6と同じ. →     Depth (ml       500 1 0 0 0

Pumpeliyi↑e Epidote Ac↑inollte Na-Amphibole -一一 Stilpnomelane Chlori↑e AIbi↑e

Quartz

Calcite

Leucoxene

Apa↑i↑e Sericite        NO.3

Fig. 18.大久喜地域のボーリングNo. 3 (Fig. 2参照)コアーにおける主要変成昿       物の消長.

      枇紬は深度を示し,マークはFig. 6と同じ.

 以上のことから,次のことが予想される.すなわち,もしNo. 1およびNo. 2における下部の

岩石か前述したようにZone m に属すると考えれば,地表および大久喜鉱山坑内の検討結果と対

(20)

58 高知大学学術研究報告  第21巻  自然科学  第3号

ツド

Fig。 19.大久喜地域での地表調査,坑内調査およびボーリング資料から予想される立       体的な変成分帯図。 大 助r4      EP-ACTZONE      . Fig. 20.大久喜背斜と推定される模式的立体等温面図. 40°∼55°傾斜する等温而が予想される(第20図).したがって,上記の記載を前提にすれば,三波 川帯プロパーにおける眉序と変成度の平行性は三波川恥南縁部に至って失われるのかも知れない. しかし,ボーリングコアー試料を主にした立体的な等温而の予想はきわめて不完全であり,今後と も慎重に検討を加えていかなければならない問題である.’  f)八幡浜地域:  愛媛県最西端である本地域の地質については,平山・神戸(1957),宮久(1964),宮久他(1967), 鹿島・常盤井(1971)の報告がある.とくに宮久他(1967)は三波川変成岩よりも高い変成度を示 すと思われる角閃石岩などの出現から,“真穴構造帯”の存在を提唱している.現在,筆者も本地 域の地質について調査をすすめているが,まだ充分な結果か得られていない.したがって,塩基性

(21)

岩(一部超苦鉄岩も含む)中の変成鉱物組合せから,これまでに得られた変成分帯結果について報 告する.  第21図に示すように,ほぽ全域的に actinolite―epidote―chlorite の鉱物組 合せのZoneⅢに属すると思われる岩石 が広く分布し, pumpellyite―actinolite の安定組合せで代表される Zone n は 三瓶町以南に分布し,本地域のみかぶ緑 色岩類の分布が地理的に南下すると同様 にZoneⅢとZone H を境するisograd も南に張り出していると思われる.なお prehnite vein がZone m の南部付近か らしばしば観察されるが,これは他地域 では全く観察されなかったことで,その 原因は詳らかでないか注目に値する.  本地域における塩基性岩(一部超苦鉄 岩を含む)の構成鉱物安定共生関係は第 22図に示される.  倒 若干の考察  四国中・西部に分布するみかぶ緑色岩 類を中心として,塩基性岩中の変成鉱物 の消長を検討し,明らかになった点およ び問題点など若干の考察を加える.  a)三波川変成作用の影響は秩父帯に も連続的に及び,AE帯(ZoneⅢ)→P A帯(Zone H)→P帯(Zonel)→pp 帯(ZonePP)と南に向かって変成度が 次第に低下している.東西方向への変成 鉱物の組合せは本質的にほとんど変化な く, Zone n とZone l を境するactino-lite isograd はみかぶ緑色岩類の分布域 の南限にほぽ平行して存在している.新 Fig. 21.愛媛県八幡浜地域の塩基性岩(一部超苦鉄  岩を含む)における変成鉱物組合せ.   マークはFig. 5と同じ.      YAWATAHAMA AREA

││

111

Pumpellyite Epidote Actinolite Na-Amphibole ・ -一一 Stilpnomelane Chlori↑e Sericite AIbi↑e Quartz Leucoxene Sphene Fig. 22.愛媛県八幡浜地域の塩基性岩(一部超苦鉄  岩を含む)における主要変成鉱物の消長.   マークはFig. 6と同じ. たにZoneⅢをZone n から独立させた理由は,みかぷ緑色岩類分布域の中央部または北部で急 激にpumpellyiteが消滅し,それ以北では典型的■fi.  gieenschistfacies 鉱物組合せ(ZoneⅢ) に変化するためで, Zone m 中に見出される例外的なpumpellyiteは局地的な変成条件に支配さ れての形成と見なし,一般的には北部へ向かって漸次累進変成作用が進行したと判断した.・また, 大久喜地域では変成過程でのisograd而の立体的な把握を試み,地質構造とは大きく斜交し,南へ 傾斜する温度而を想定した.しかし,この問題は今後より多角的に検討を加えていかなければなら ないと思う.  b)各地域での変成鉱物には共通性が多いが,副次的変成鉱物の産出には多少の地域差が認めら

(22)

 60         高知大学学術研究報告  第21巻,自然科学  第3号

どの産出には地域的な特徴か認められる.これらの産出が局地的な化学条件なのか,あるいは変成

条件に支配されたのか今後詳細な検討が必要である.なお. Na-amphiboleはその光学性から,

ほとんどがb=Zの青閃石(crossite)と判断される.とくに. Zone H では中心(core)が,

crossiteで周辺(rim)がactinoliteに変化しているzoがngがしばしば認められるが,一つの予

想としては,変成の早期にcrossite―epidote―chloriteができ,引き続きPの降下and/or T の

上昇でpumpellyite―actinoliteの組合せに変化した様子がうかがえる..

 c) Ernst (1971, 1972)は四国の三波川変成作用に関して,岩石プレートのsubduction と

metamorp hie zonation とを結びつけ,みかぶ緑色岩類北縁部を古生代最末期のアジアプレートと

太平洋プレートとの接合帯(suture zone)と考えている.みかぶ火成活勁の性格と関連づけて, 三波川変成作用のもつ意味を新しい観点から考えていかねばならないと思う. IV.要  (1)四国中・西部のみかぷ緑色岩類は, ophiolite suite としての特徴を有しており, であると考えられる. 約 その分布,構成岩類,地質構造などから,典型的な 地向斜形成初期の海底海嶺状割れ目に沿う噴火生成物  (2)本岩類中には規則的な火成層序(igneous stratigraphy)が認められ,その化学組成の変化 から,地下深所でマグマ分化作用がおこったと考えられる.  (3)愛媛県大久喜地域では,斑れい岩のさらに下部に分布する層状斑れい岩体(layered gabbroid masses)の存在が明らかになり,それが大久喜・山神両背斜帯の軸部に貫入し,背斜帯の隆起,衝 き上げをうながしたと考えられる.  (4)四国中・西部のみかぷ緑色岩類を中心として,塩基性岩中の変成鉱物の消長および鉱物組合

せを検討しI ZoneⅢ(epidote―actinolite帯)→Zone n (pumpellyite―actinolite帯)→Zone I (pumpellyite帯)→Zone pp (prehnite― pumpellyite 帯)と南に向かって次第に変成度が低下し ていることが明らかになった.

 (5)みかぷ緑色岩類の分布域南限にぽぼ平行にactinolite isograd (Zonen とZone l の境界) が見出される. pumpellyiteは本岩類の分布域中央部∼北部で,急激に消滅する(Zone m とZone Hの境界).

 (6)変成度と地質構造の斜交性およびsubduction帯とmetamorphic zonationとの関辿性にも 若千ふれたが,これらの問題は今後とも詳細に検討していかねばならない.

参 考 文 献

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(26)

Fig. 1. 四国中・西部における代表的なみかぶ緑色岩類の火成層序(igneous stratigraphy).
Fig. 4ごZone I , Zone n およびZoneⅢにおける塩基性岩の変成鉱物組合せを示す     A−C−F−Na20・R2O3図.
Fig. 24.四国中・西部のみかぶ緑色岩類付近の変成分帯図.

参照

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