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モデリングとツールを駆使したこれからのソフトウェア開発技法-モデル駆動開発手法を中心として-:4.企業アプリケーション統合とビジネス統合のための開発ツールの動向

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Academic year: 2021

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(1)特集 モデリングとツールを駆使したこれからのソフトウェア開発技法−モデル駆動開発手法を中心として−. 4. 企業アプリケーション統合と ビジネス統合のための開発ツールの動向 Trends of Development Tools for EAI and BPIM 吉田 洋一. 日本アイ・ビー・エム(株) [email protected].  竹村 司. 日本アイ・ビー・エム(株) [email protected]. 要件は,企業の事業活動や環境の変化に対して迅速に. EAI と BPIM. 対応できることであるが,変化に応じて一連のビジネス.  今後の企業における IT ソリューション構築技術とし. アプリケーションを再構築することは論外であり,現在. て注目され,その使用事例が増えてきている技術とし. ある一連のビジネスアプリケーションをいかに活用(連. て EAI(Enterprise Application Integration)や BPIM. 携・組合せ)して変化に柔軟に対応することができるか. (Business Process Integration and Management)を挙. が重要である.そしてこのような要件を満たす IT の基. げることができる.本稿ではそれら技術に基づいたソリ. 盤技術として EAI や BPIM を挙げることができる.. ューション開発において主流となりつつあるモデル駆動.  EAI・BPIM 技術の詳細は昨今さまざまな書籍が出て. 開発の各標準化団体における状況や今後の方向性と,現. いるので,そちらを参照していただきたいが,簡単にそ. 在提唱されているモデル化手法およびそれらを具現化し. の違いを以下にまとめてみた.EAI は,企業で使用して. ているツールについて,EAI や BPIM 技術が出てきた背. いるさまざまなビジネスアプリケーション間のデータの. 景も踏まえて論ずる.. 連動・連携をメッセージフローとその中でのメッセージ データ処理(加工やログ)により行うことでビジネスア. 背景. プリケーション間の連携を実現している(図 -1 参照)..  現在多くの企業でその企業活動を支えるさまざまな.  その一方で BPIM では,企業における個々の業務を実. ビジネスアプリケーション(CRM ,ERP ,SCM など). 現しているビジネスアプリケーションを横断して存在し. を使用していることはいうまでもない.そしてそれらの. ている企業のビジネスプロセスを,プロセスフローとそ. ビジネスアプリケーションを支える IT の技術変革は年. の上を流れるデータ,そして各々のビジネスアプリケー. を追うごとに速くなってきている.それと同時に企業を. ションとビジネスフローを接続するためのアダプタによ. 取り巻くビジネス環境も IT 技術の進歩やグローバライ. り,ビジネスアプリケーション間の連携を実現してい. ゼーションの名の下に大きく変わろうとしている.この. る.(図 -2 参照).. ような IT 技術の変革は大きく分けて 2 つの問題を引き.  ユーザの目から見た EAI と BPIM の一番の大きな違い. 起こしている.1 つ目は最先端の IT 技術のスキルを持つ. は,BPIM が長期にわたるビジネスのプロセスフローを表. 技術者の不足であり,2 つ目は企業の中のさまざまな IT. 記できるのに対して,EAI は短時間で終わるアプリケーシ. 技術を使用したシステムの混在である.. ョン間のデータの連動・連携に特化していることである..  また,企業にとってビジネス環境の変革による経営環.  ここで 1 つ注目しなければならないのは,いずれも従. 境の変化や新規事業の展開に迅速に対応することが必須 となっている.ビジネス環境の変革の例としては,企業 間の合併また事業売却・統合,アウトソーシング(これ は IT 部門のアウトソーシングだけではなく,ある特定 のビジネスプロセスのアウトソーシングも含む),海外. メッセージフロー. 回線テスト アプリケーション. 顧客対応 アプリケーション. 移転や海外の企業とのアライアンスに伴うグローバルな 企業運営などが挙げられる.. サービス要員管理 アプリケーション. 受注 アプリケーション.  IT の技術なくして企業の事業活動を語ることはでき. サービス供給 アプリケーション. ないのも事実であるが,IT の投資に対するリターン(投 資対効果)もより厳しく評価されるようになってきてい. 図 -1  EAI におけるメッセージフロー. る.このような環境において IT システムに求められる. 22. 45 巻 1 号 情報処理 2004 年 1 月. −1−.

(2) 4. 企業アプリケーション統合とビジネス統合のための開発ツールの動向. プロセスフロー コール受付 回線供給作業 受注 設定. 回線テスト. アダプタ. アダプタ. アダプタ. アダプタ. アダプタ. 顧客対応 アプリケーション. 受注 アプリケーション. サービス供給 アプリケーション. サービス要因管理 アプリケーション. 回線テスト アプリケーション. 図 -2  BPIM におけるプロセスフロー. 来の IT 技術に比べて,企業における事業活動(ビジネ. ネスプロセスフローとその上で処理されるデータに着目. スプロセス)により近いということであり,それを設計. した分析および評価が主となり,その開発手順は一般的. する役割を持つ人は IT アーキテクトではなく,ビジネ. に以下のようになる:. スアーキテクトであるということである.次節ではその. ( 1 )業務の分析. 開発プロセスについて簡単に紹介する.. 複数の業務にまたがった As-Is ビジネスプロセスの 分析を行い,業務の連動等による効率改善が見込ま. EAI と BPIM における開発. れるビジネスプロセスを選定する..  まず EAI や BPIM 技術を使用したソリューションの. ( 2 )To-Be ビジネスプロセスフローの定義. 開発(実装・テストは含まない)の特徴について順に述. 改善を組み込んだ To-Be ビジネスプロセスフローを. べる.EAI の最大の目的は複数のビジネスアプリケーシ. 定義する.. ョンにまたがったデータの連動・連携であることは前節. ( 3 )データの処理と定義の明確化. で述べた.EAI 技術を使ったソリューション開発手順の. To-Be ビジネスプロセスフロー上で使用されるビジ. 概要は一般的に以下のようになる:. ネスアプリケーションにおけるデータの処理方法と データの定義を明確にする.. ( 1 )業務の分析 複数の業務にまたがったビジネスプロセスの分析を. ( 4 )ビジネスプロセスフローとビジネスアプリケー. 行い,データの連動によるビジネスプロセスの効率. ションの接続方法の確定. 改善が見込まれる部分を特定する.. To-Be ビジネスプロセスフローと個々のビジネスア プリケーションをどのように接続してデータをやり. ( 2 )データの連動を必要としている業務・ビジネス. とりするかを決定する.. アプリケーションの選定 ステップ 1 で見つかったデータ連携に関連する部分.  以上 EAI・BPIM に共通していえることは,さまざま. に関して,業務およびビジネスアプリケーションを. なフローやデータの定義体がソリューション開発プロセ. 選定する.. スにおける上流工程の成果物となっていることであり, これらがそのまま EAI・BPIM の実装基盤技術の上で実. ( 3 )ビジネスアプリケーション間の関連の明確化 ステップ 2 で選定されたビジネスアプリケーション. 装されることである.これらの定義体の設計においてモ. 間の依存関係や順序関係を,データの流れを通して. デル化・言語が必須と考えられ,現在さまざまな手法が. 明確にする.. 提案されている.それらの現状と方向について次章以降 で述べる.. ( 4 )個々のビジネスアプリケーションにおけるデー タの定義の明確化 選定されたビジネスアプリケーションにおいて使. EAI と BPIM の動向. 用されているデータの定義および依存関係を明確に. OMG での動向. する..  Object Management Group(OMG)が 提 唱 す る 開 発. ( 5 )個々のビジネスアプリケーションにおける処理 の明確化. 方 法 論 で あ る Model Driven Architecture(MDA) で. EAI を通して入ってきたデータの個々のビジネスア. は,アプリケーションの機能を Platform Independent. プリケーションにおける処理を明確にする.. Model(PIM) と 呼 ば れ る モ デ ル で 定 義 し, そ れ を.  以上のステップを踏むことでメッセージフローとフロー. Platform Specific Model(PSM)と呼ばれるモデルにマ. 中のメッセージデータの処理の定義を行うことができる.. ッピングし,PSM から実装を生成することを目指して.  BPIM 技術を使ったソリューションの開発では,ビジ. いる.これは,このような方法を用いることで,アプリ IPSJ Magazine Vol.45 No.1 Jan. 2004. −2−. 23.

(3) 特集 モデリングとツールを駆使したこれからのソフトウェア開発技法−モデル駆動開発手法を中心として− ケーションの機能定義(仕様)の可搬性,相互運用性,. における BPIM のモデル化に関する状況を簡単に述べる.. 再利用性を高めようというものである.このような動き.  . の中で,ビジネスプロセスの定義にも MDA の考えを取. Business Process Modeling Language. り入れて,ビジネスプロセスを実装するプラットフォ.  Business Process Modeling Language(BPML) で は. ームからは独立したかたち(PIM)で表現し,その後,. ビジネスプロセスをモデル化するためのメタ言語を決. PSM に変換してから実装環境へ配置(Deploy)しよう. めている .この中ではビジネスプロセスとは共通な公. という動きがでてきた.さらに実装から独立しているだ. 開インタフェースからなるとし,個々のプロセスの固. けではなく,IT 技術からも独立したビジネスプロセスを. 有の実装から切り離して考えている.このことにより.. Computation Independent Model(CIM)として表現す. BPML 上の公開インタフェースを ebXML のビジネスプ. る動向にある.. ロ セ ス や RosettaNet の Partner Interface Protocol と し.  UML 2.0 では,MDA をサポートすることを目的の. てそれぞれの実装に依存することなく記述することが可. 1 つとして,UML 1.X からさまざまな拡張や変更が行. 能となっている.. われたが,ビジネスプロセスやワークフローを表現す.  . ることを目的としてアクティビティ図も大幅に変更さ. Business Process Modeling Notation. れた.しかしながら,ビジネスプロセスを表現すると.  Business Process Modeling Notation(BPMN)はビジ. いう観点からはまだ UML 2.0 でも不足しているものが. ネスプロセスを図を用いて表現する上で必要とされるグ. あり,それを補う目的で OMG の Domain Technology. ラフィカルな表記法を決めているのと同時に,個々のグ. Committee の 1 つ で あ る Business Enterprise. ラフィカルな表記要素と BPML や BPEL4WS. Integration Domain Task Force の 中 で,Business. のマップも決めている .. Process Definition Metamodel というビジネスプロセス.  . のモデリングのためのメタモデルを決めようとしてい. Business Process Query Language. る.ここでは,企業内で実行されるビジネスプロセス.  Business Process Query Language はビジネスプロセ. や,異なる企業で実行されているビジネスプロセス間の. ス管理システムが提供すべきインタフェースを決めて. 協調動作を定義するための抽象的な言語を定義すること. いる.たとえば,プロセスを実行するプロセスサーバや. を目指しており,以下のような目的を掲げている. . プロセスを配置するプロセスレポジトリへのインタフェ. 1). ☆1. との間. 2). • さまざまなプロセス定義を統一するためのメタモデ. ースを定義している.プロセスサーバに対するインタフ. ルを定義する.. ェースは SOAP を用いて定義されており,プロセスサ. • UML を補完するビジネスプロセスのためのメタモ. ーバで実行中のプロセスの状態の照会や制御をすること. デルを定義し,ビジネスプロセスの仕様をシステム. ができる.また,プロセスレポジトリへのインタフェー. の仕様の一部とする.. スは WebDAV を用いて定義されており,プロセスレポ. • ビジネスプロセスの PIM を規定する.. ジトリで管理されているプロセスモデルの配置が管理で. • ビジネスプロセスの定義を XMI を用いて交換可能. きる.. にする.  2003 年 1 月 31 日にこのメタモデルに関する RFP が出さ. モデリング手法. れ,本稿執筆時点で 3 つのグループが提案を行っている.  また,ビジネスプロセス自体のモデリングではなく,.  本章では現在さまざまなところで提唱されているビジ. ビジネスプロセスのインタフェースの PIM を表現す. ネスプロセスのモデル化について紹介する.. ることを目的として同じタスクフォースから Business Process Runtime Interface PIM の RFP が 2002 年 6 月 28. Activity Decision Flow Diagram. 日に出され,本稿執筆時点で 2 社が提案を提出している..  Activity Decision Flow(ADF)図とは,アクティビテ ィや条件分岐を頂点とし,コントロールフローやデー. BPMI での動向. タフローを辺とするグラフである.この図は業務の流れ.  Business Process Management Initiative(BPMI)では,. の表現に適しているために,後述のさまざまな手法にお. 複数のアプリケーション,企業内の部門,そしてビジネ. いてもビジネスモデルのうちのビジネスプロセスはこの. スパートナーにまたがるビジネスプロセスの管理技術に. ADF 図やそれを拡張したものを用いて表現される.. 関する業界標準の策定を目指している.本節では BPMI. ☆1. Business Process Execution Language for Web Services(BPEL4WS)は,XML ベースのプロセスフロー定義言語で,複数の Web サービスを使用した ビジネス・プロセスをどのように組み合わせるかを定義できる.. 24. 45 巻 1 号 情報処理 2004 年 1 月. −3−.

(4) 4. 企業アプリケーション統合とビジネス統合のための開発ツールの動向. 注文. 受注. 引当. 支払. 請求. 出荷. 注文を 閉じる. バイヤ. エージェント. 入札. 入札の受付. サプライヤ. 承認要求. リクエストの承認. 商品の転送. 商品の送付. 受領 商品の受け取り. 注文. 図 -4 組織を横断するビジネスプロセスの例 図 -3 アクティビティ図によるビジネスプロセスの例. 起動されるビジネスプロセスの記述が可能となった.. UML 2.0. • 繰り返し.  UML を用いてビジネスをモデル化する場合,次のよ. ストリーム入力と 2 種類のファイナルノードを用い. うな図を用いることができる.. て,ある条件の下で繰り返されるビジネスプロセス. • クラス図. を表現できるようになった. • データストア. 組織の階層構造やビジネスオブジェクトを表現する ために用いる.. データストアを用いて,データベースのような永続. • アクティビティ図. 的なデータを表現できるようになった. . ビジネスプロセスを表現するために用いる..  ここで述べたように,UML を用いたビジネスモデリン.  UML 1.5 までの仕様ではアクティビティ図はステー. グではビジネスプロセスの記述が中心になり,企業の組. トチャート図の特殊なケースとして扱われており,コ. 織階層,ビジネスルール,ビジネスゴールなどは含まれ. ントロールフローとデータフローを表現するための簡便. ていない.これらを含めたビジネスモデリングを目的と. な手段でしかなかった.UML 2.0 では,アクティビテ. して,後述の Eriksson-Penker などにより UML プロファ. ィ図はペトリネットに基づいてより厳密に定義されてお. イルを用いて UML を拡張することが提唱されている. . り,ビジネスプロセスやワークフローを表現することを. BPML と BPMN. 目的として拡張されている.主な変更点は次のとおりで 3). 4). ある . .  まず BPML の特長は以下の通りである:. • アクションの追加. • 組織,IT システム,パートナーを横断するビジネス.   − イベントの受信. プロセスの表記.図 -4 に例を示す..   − オブジェクトの送信. • 制御フローとデータフローの分離. • Flow Final と Activity Final. • EAI におけるメッセージの送受信に関するシステム. • データストア. 間のメッセージの主導の表記. • ストリーム入力. • 条件分岐による動的制御フローの表記.  ビジネスプロセスは入力および出力パラメータを持つ. • 長期間プロセスにおけるプロセスデータの永続化と. アクティビティとして表される.アクティビティは複数. 状態管理. のアクションとその間を結ぶコントロールフローとデー. •ビジネスルールの表記. タフローで表される.各アクションは入力ピンと出力ピ. •ビジネスプロセスの入れ子の表記. ンを持ち,各ピンはコントロールピンかデータピンのい. •分散トランザクションにおけるトランザクションス. ずれかである.ピンはアクションに対するデータやコン. コープの表記. トロールの入出力を表す.コントロールフローはアクシ. •ビジネスプロセスにおける例外処理の表記. ョンのコントロールピン間を結び,データフローはアク.  BPMN では,BPML に対するグラフィカルな表記を目. ションのデータピン間を結ぶ.アクティビティ図を用い. 指すとともに,ビジネスプロセスの記述言語の業界標準. て表現したビジネスプロセスの例を図 -3 に示す.. となりつつある BPEL4WS へのマップも定義している..  UML 2.0 によるアクティビティ図の拡張により,以. その一方で組織,データ,機能の詳細等の表記に関して. 下のようなモデルの記述が可能になった. . はまだそのスコープに入っていない.BPMN は下記に. • イベントの受信. 示すようなサブモデルからなっている:. 特定のイベントやタイマーイベントが発生した場合に. • プライベート(内部)ビジネスプロセス IPSJ Magazine Vol.45 No.1 Jan. 2004. −4−. 25.

(5) 特集 モデリングとツールを駆使したこれからのソフトウェア開発技法−モデル駆動開発手法を中心として−. ツール 対象ユーザ. IBM WebSphere Business Integration Workbench Enterprise Architect ビジネスアーキテクト,コンサルタント           ソフトウェア・モデル作成者全般. 対象モデル. 組織,人材・役職・コスト,ビジネスプロセス,ビジネス データ. プロセス,ソフトウェアシステム全般. 内部モデル. ADF と企業組織のモデル化および分析ための拡張. UML とUML プロファイルによる拡張. 表記法 主な特徴. 独自                          UML とUML プロファイルによる拡張 UML プロファイルの作成・使用. ビジネスプロセス分析・シミュレーション機能,ワークフ ロー定義の生成. 表 -1 ツールの比較. 基本的にはある特定の組織内の内部プロセスを表現. • ビジネスビジョンの視点. する.一般的にワークフローとも呼ばれることが多. 企業のゴールの構造を記述し,ゴールを達成するた. く,BPEL4WS の 1 つの文書にマップすることが可能. めに解決しなければならない問題を明らかにする.. である.. ゴール/問題図を作成する.. • 抽象(公開)プロセス. • ビジネスプロセスの視点. 複数のプライベート(内部)プロセス間のやりとり. ビジネスの活動と生み出される価値を表現し,プロ. を表現する.この中では外部のプライベートプロセ. セスとリソースの間でのやりとりを明らかにする.. スと接続されるアクティビティだけが表記される.. プロセス図やアセンブリライン図を作成する.. • コラボレーション(グローバル)プロセス. • ビジネス構造の視点. 複 数 の ビ ジ ネ ス エ ン テ ィ テ ィ( 会 社・ 団 体 ) を. 組織の構造や製造される製品などのリソースの間の. またがるメッセージの交換を表記する.たとえば. 構造を明らかにする.クラス図やオブジェクト図で. ebXML や RosettaNet に代表される B2B のメッセ. 表現する.. ージプロトコルを表現することができる.. • ビジネスの振舞いの視点.  現在,ワーキングドラフトが BPMI のサイトで入手可能. 重要なリソースやプロセスの振舞いに着目する.ス. になっているので,興味のある方は参照していただきたい.. テートチャートやシーケンス図で表現する.  また,Eriksson-Penker は,既知のビジネスプロセスを. UML Profile を用いたもの. 分類しビジネスプロセスパターンとして整理している.. Eriksson-Penker.  .  UML を用いたビジネスモデルの表記法の 1 つとして. COMBINE プロジェクト. 5). Eriksson-Penker の方法がある .彼らは,ビジネスモ.  EC の出資のもとに行われた COMBINE プロジェクト. デリングによってビジネスの改善や改革が容易になり,. でも,Eriksson-Penker と同様に UML プロファイルを. 新しいビジネスの機会を見つけることが容易になること. 用いたビジネスモデリングの手法を提唱している .さ. を,ビジネスモデリングの意義と位置づけている.個々. らにこのプロジェクトでは,UML プロファイルを用い. のビジネスは目的や構造は異なるが同じような概念から. たビジネスモデルからコンポーネントベース開発のため. 成り立っていると考え,次の 4 つの概念をモデル化する. のコンポーネントを切り出す手法を開発し,その手法を. ことを提唱している.. サポートする開発環境を開発している.COMBINE の. 6). • リソース. 手法では,ビジネスプロセスモデルを即時(Immediate). 人やコンピュータなどのアクターやアクター間でや. プロセスと遅延(Delayed)プロセスに分類し,前者を. りとりされるビジネスオブジェクトなどのモデル.. コンポーネントとして実装し,後者をワークフローとし. • プロセス. て実装することを提唱している.. ビジネスプロセスのモデル. • ゴール. ツール. ビジネスプロセスの達成すべきゴールとゴールの階.  ここでは,ビジネスプロセスモデリングのための代表的. 層構造.. なツールを紹介する.これらのツールの特徴を表 -1 に示す.. • ルール.  . ビジネスプロセスを制約するルール.  Eriksson-Penker の方法では,UML プロファイルを用 いて UML を拡張しこれらの概念をモデリングしている.. IBM WebSphere Business Integration Workbench. また,彼らの方法論ではビジネスを多角的にとらえるため.  IBM WebSphere Business Integration Workbench は主. に次の 4 つの視点からモデル化することを提唱している.. にビジネスアーキテクトやコンサルタントがビジネス. 26. 45 巻 1 号 情報処理 2004 年 1 月. −5−.

(6) 4. 企業アプリケーション統合とビジネス統合のための開発ツールの動向. 図 -5 IBM WebSphere Business Integration Workbench によるビジネスプロセスの例. プロセスを設計・評価することを想定して開発されてい. まとめ. る.ADF を用いてビジネスプロセスフローおよびアク ティビティ間を流れるビジネスオブジェクトを定義し,.  今回 EAI や BPIM におけるモデル化の技術とそれを実. アクティビティを実行する組織や役割,費やす時間・コ. 装しているツールについて,いくつかの標準化団体にお. ストおよびビジネスオブジェクトを次のアクティビテ. ける方向性も交えて紹介した.この分野はワークフロー. ィに送るために費やす時間等を入力し,シミュレーショ. という観点から見ると歴史的に新しい分野ではないが,. ンを行うことで As-Is のビジネスプロセスのパフォーマ. ビジネスプロセスフローという企業におけるマクロなビ. ンスに関する詳細な評価,分析,レポート(プロセス全. ジネスプロセスのモデル化という観点から見るとまだ改. 体,プロセス経路およびアクティビティごとの平均所要. 善の余地があると考えられる.またビジネスアーキテク. 時間・コスト等の統計情報)作成を行うことができる.. トやコンサルタント等の IT に直接携わらない人が使うこ. さらに,As-Is と To-Be のプロセスを比較して,改善点. とのできるモデル言語とそれを支援するツールという意. に関する評価,分析,レポート作成を行うこともでき. 味では今後の大きな課題である.本稿ではまた,個々の. る.また作成した To-Be のビジネスプロセスモデルから. EAI や BPIM のソフトウェアベンダが持つモデル言語・. ワークフロー定義やビジネス指標を生成し WebSphere. ツールまでは紹介できなかった.またこの分野は各ベン. Business Integration Server で実行するとともに,姉妹. ダが積極的に投資をしている分野であるので本稿が実際. 製品である WebSphere Business Integration Monitor を. に出版されたときにはまた別の動きがあるかもしれない.. 用いてビジネスプロセスをワークフローの進捗やビジ. 本稿がきっかけで興味を持たれた方はインターネット等. ネス指標をモニタすることができる.さらに実際にモ. で最新の情報を確認していただくことをお勧めする.. ニタした結果を実績値として再びシミュレーションに.  なお,本稿で紹介したツールの評価版が以下のサイト. 使用して,ビジネスプロセスモデルのより正確な評価・. から入手可能である.. 分析を可能にしている.また,Rational Rose や XDE の.  . UML のクラス図,アクティビティ図,ユースケース図.  • IBM WebSphere Business Integration Workbench. のインポート・エクスポートの機能も備えている.IBM. http://www-3.ibm.com/software/integration/. WebSphere Business Integration Workbench によるビジ. wbimodeler/. ネスプロセスモデルの例を図 -5 に示す..  • Enterprise Architect http://www.sparxsystems.jp/ea_downloads.htm. Enterprise Architect.  .  SPARX SYSTEMS 社の Enterprise Architect は UML に よる分析設計ツールであり,UML の各ダイアグラムの 作成やダイアグラムからのコードの生成やリバースエン ジニアリングをサポートしている.このツールの特長は, UML プロファイルを用いた UML の拡張をサポートして いるという点である.この機能を用いて前述の ErikssonPenker のプロセス図やアセンブリライン図などを作成す ることができる.しかし,このツールはビジネスプロセ スモデル専用のツールではないためにビジネスプロセス のシミュレーションや分析を行うことはできない.. 参考文献 1)Arkin, A.: Business Process Modeling Language, Business Process Management Initiative(BPMI.org) (2002). 2)Business Process Management Initiative(BPMI.org): Business Process Modeling Notation, Working Draft(1.0)Edition(2003). 3)Object Management Group: UML 2.0 Superstructure Final Adopted specification(2003). 4)Baker, J. and Ghalimi, I.: BPML 101 Implementing the BPML Specification(2001). 5)Eriksson, H.-E. and Penker, M.: Business Modeling With Uml Business Patterns at Work, John Wiley & Sons Inc.(2000). 6)Tyndale-Biscoe, S., Sims, O., Wood, B. and Sluman, C.: Business Modelling for Component Systems with UML, Proceedings of the Sixth International ENTERPRISE DISTRIBUTED OBJECT COMPUTING Conference(EDOC'02), IEEE, p.120(2002). (平成 15 年 11 月 26 日受付). IPSJ Magazine Vol.45 No.1 Jan. 2004. −6−. 27.

(7)

図 -5  IBM WebSphere Business Integration Workbench によるビジネスプロセスの例

参照

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