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Twitterの投稿活動におけるユーザ間コミュニケーションの影響

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DEIM Forum 2016 A6-3

Twitter

の投稿活動におけるユーザ間コミュニケーションの影響

柘植

佐藤

哲司

††

神門

典子

†††

筑波大学図書館情報メディア研究科

〒 305–8550 茨城県つくば市春日 1-2

††

筑波大学図書館情報メディア研究系

〒 305–8550 茨城県つくば市春日 1-2

†††

国立情報学研究所 情報社会相関研究系

〒 101–8430 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2

E-mail:

†{

tsuge,satoh

}

@ce.slis.tsukuba.ac.jp,

††

[email protected]

あらまし Twitter に代表される SNS の普及により,多くのユーザが SNS を利用するようになってきた.実際 Twitter

におけるユーザ数は毎年増え続け,今後も増加傾向にあるといえる.しかし,ユーザの増加に合わせて,ユーザの離

脱率も上昇しているとの報告がある.特に新規ユーザの離脱率が高いことがわかっており,投稿活動を停止するユー

ザの増加が懸念されている.そこで本研究ではユーザの投稿活動の変化に着目し,ユーザの投稿が活発になる点(投

稿活動の変化点)を抽出する.また変化点の前後の区間と,さらにそれ以前の区間において,ユーザを取り巻くネッ

トワークがどのような構造を持つのかを検証し,ユーザの活動におけるユーザ間コミュニケーションの影響を調査・

検証した.

キーワード Twitter, 投稿活動, コミュニケーション

1.

は じ め に

近年,Twitter(注 1)に代表されるSNS(Social Networking

Service) が注目を集めている.2014年9月31日時点での Twitter月間アクティブユーザ数は2億8千万人と報告されて おり,今後も増加傾向にあるといえる.しかし,実際には活動 していない非アクティブユーザ(注 2)も増加傾向にあり,アク ティブユーザは全ユーザ中わずか13%程度といわれている.ま た2012年に利用を開始した新規ユーザの内,2014年2月時点 で活動しているユーザは10.7%との調査結果があるように,近 年にアカウントを作成したユーザほど離脱率(注 3) が高くなる傾 向が見られ,今後の更なる離脱率上昇が懸念されている. 離脱問題の原因として,著者らは新規ユーザがTwitter上 でのコミュニケーションに失敗していると考えている.ネット ワークが貧弱な新規ユーザは,自身のTweetに対する反応が 小さい,また他者から伝播される情報も乏しいといった状況に 陥ってしまう.その結果,Twitter上でのコミュニケーション が潤滑に行えず,活動停止に至ると仮定できる.そこで本研究 では,ユーザの一日の投稿数に着目し,ユーザのコミュニケー ションの特徴,特に他ユーザとの関わりとユーザの投稿数にお ける関係性を明らかにすることを目的としている. Twitter 上でのコミュニケーションを理解するには,Twit-ter特有のユーザネットワークの特徴を把握する必要がある. Twitter上のコミュニケーションはユーザをノード,Retweet, Reply関係をエッジとした有向グラフで表される.有向グラフ である理由は,ユーザA,ユーザBの2ユーザ間のRetweet, (注 1):https://twitter.com/ (注 2):アカウントは存在するが,活動を行なっていないユーザ. (注 3):アカウントを作成した直後あるいは短期間の利用の後に,投稿をしなく なる現象を本論文では離脱と称する.離脱したユーザでも,閲覧は継続している ことも考えられるので,実際には完全に利用を停止したユーザとは言えない. Replyは,「ユーザA→ユーザB」と「ユーザB→ユーザA」 の2パターンが想定できるからである.一方,通常のTweetに ついては,対象となるユーザがおらずまた向き先も不明である ため,ユーザネットワークには影響を及ぼさないものとする. 本研究では,ユーザの投稿活動の活性化には他ユーザとのコ ミュニケーションが影響していると仮定している.Tweetのみ の投稿活動と,Retweet, Replyといったコミュニケーション 要素を含んだ投稿活動ではユーザの活動に差異が生まれると考 えられる.また単純なRetweet, Reply数といった特徴量だけ でなく,「誰」とコミュニケーションを行なっているかといった ユーザを取り巻くユーザネットワークも活動に大きく影響する と考えられる.この仮定が正しいことを検証するために,まず ユーザの投稿活動から活発となる変化点の抽出を行う.そのう えで変化点の前後区間とそれ以前の区間において,そのユーザ を取り巻くコミュニケーションネットワークの構造を比較した. ここでいうコミュニケーションネットワークとは,Twiiterに

おけるRetweet, Replyを指す.特にReplyはその性質上,行

なうユーザ間において相互Followを形成している可能性が高 く,コミュニケーションを計る上で有益である.具体的な方法 は以下の通りである.まず変化点を抽出したユーザ(A)と, 特定の区間においてAと一度でもRetweet,Replyをおこなっ たユーザ(1-hop先),さらにBと同一区間でRetweet,Reply を行なったユーザ(2-hop先)をすべて抽出し,ネットワーク を形成する.このネットワークにおいてAがどのような役割で あるかを検証する. 本論文の構成を以下に示す.まず2章では,関連研究につい てまとめる.3章では,ユーザの投稿活動から変化点を抽出す る方法,また変化点をもとにしたネットワークの特徴の調査方 法についてまとめる.4章では,実験に用いたデータセットに ついて述べるとともに,変化点の抽出結果,ユーザネットワー クの検証結果を詳説する.5章で結論と今後の課題を述べる.

(2)

2.

関 連 研 究

2. 1 ユーザの影響力に関する研究 Twitter上の特定ユーザの他ユーザに対する影響力に関す る研究は既に数多く行われている.Hannonら[1]はユーザプ ロファイルをもとにしたcontent basedの推薦手法を提案し ている.この手法ではユーザのTweet,Follower, Following, FollowerのTweet, FollowingのTweetといったプロファイル をもとにした特徴量を利用して,ユーザの特性を調査し,その 結果をユーザ推薦に用いている.Chaら[2]は,Twitterユー ザの影響力を3つの尺度(次数,Retweetされた数,Mention (注 4)された数)で評価し,それぞれの評価尺度において抽出 されるユーザの特徴についてまとめている.Mentionに着目 した研究としては,Wang [3]らの研究がある.Wang [3]らは TwitterのMention機能に着目した推薦手法を提案している. WangらはMention機能をユーザ推薦手法に取り入れ,この

手法において推薦ユーザのTweet拡散能力をSocial tie model

やUser influence modelといった独自のモデルによって特徴量

としている.Tweetの拡散率や拡散する範囲といったものを細

かく定義し,それにより「Tweetの拡散相手」として最も最適

であるユーザの推薦を実現している.Shaomeiら[4]は「Who

Says What to Whom」という観点で,「誰が誰のTweetを見

ているのか」,「誰がどんなTweetを見ているのか」を調査し ている.この研究において「誰」の部分はCelebrities, Media, Organizations, Blogsの4グループとし,それぞれのグルー プが注視しているグループとその内容についてまとめている. Eytanら[5]はTwitter上を流れる情報のカスケード(注 5)を追 跡することによって,Twitterユーザの特性および相対的な影 響力について考察している.この研究の結論として,巨大なカ スケードは以前にも同様な巨大なカスケードを発生させたユー ザによって生成される傾向が高いが,一方でそのようなユーザ から未来のカスケードを予測することは難しいことがわかって いる. 2. 2 ユーザプロファイリングに関する研究 Javaらの研究[6]では,Twitterのネットワーク特性を分析 し,人々のTwitterの利用目的について考察している.この研 究によって,人々は日常の情報発信・情報収集やコミュニケー ションのためにTwitterを利用し,またそのコミュニティには 複数のタイプがあることが明らかになっている.山口らの研 究[7]ではユーザの投稿パターンや投稿数の変化といったもの に着目し,Twitterの利用開始時期によって投稿パターンが異 なることが述べられている.また,投稿活動遷移に着目し,利 用継続時間の長短で抽出した2つのユーザグループに対して 分析を行っている.Kwakら[8]はTwitterユーザのランキン

(注 4):Mention とは Reply と同等機能で,Tweet

中の何処かで「@user-name」と記述すると,指定したユーザのタイムラインに Tweet を送れる仕組 みである.Reply が 1:1 の関係性であるのに対し,Mention は 1:N の関係で Tweetを拡散することができる (注 5):情報の伝搬を意味する.具体的にはユーザ A →ユーザ B →ユーザ C の ように RT や Mention 等によって情報が拡散する流れをカスケードと呼ぶ. グ方法について,ページランクやRetweetによる方法を提案・ 比較している.ここでは,Retweet Treesという手法を提案し, TwitterネットワークにおいてRetweetがどれだけ拡散するの かについても論じている.Wengら[9]はPageRankをトピッ クモデル用いて改良し,より正確なユーザネットワーク分析を 可能としている.ここではPageRankの遷移確率行列をLDA で抽出されたトピック毎に生成することでトピック志向型の PageRankを提案している.

3.

活動変化点におけるユーザネットワークの

変容

3. 1 投稿活動における変化点の抽出方法 投稿活動の変化点とは,その時点を前後にユーザのTweet投 稿数に変化が見られる点を意味する.具体的な例を挙げると, 変化点以前は一日平均10Tweetしていたユーザが,変化点以 降では平均50Tweetするようになったというような点である. このような点を抽出することにより,ユーザの投稿活動に影響 した要因を明らかにすることができると考えられる. 本研究では,ユーザの一日のTweet投稿数Aに多項分布を 仮定し,尤度比によって変化点の抽出を試みる.まず全区間(0 ∼N日)のAは,式(1)で与えられるとする(ann日目の Tweet投稿数). A ={a1, a2, ..., aN} (an∈ {0, ..., C}) (1) Cは全区間における一日の最大Tweet投稿数である.いま全 区間においてTweet数が1つの多項分布に従うと仮定し,1日 のTweet投稿数がcである確率をpcとすると,対数尤度関数 は式(2)となる.1つの多項分布に従うというのは,その区間 内に変化点が無いということである. L(A; p) = Nn=1 Cc=0 an,clog pc (2) ここでan,cはダミー変数であり,各anI-次元ベクトルとし て表現したものである. an,c=    1 (an= c) 0 (otherwise) (3) 式(2)に対してパラメータpの最尤推定量を求めると式(4) となる.この式ではpcとして,全区間においてTweet投稿数 がc回である日を全区間の日数(N)で除算している. ˆ pc= ∑N n=1a(n,c) N (4) 次に全区間において,ある時点で多項分布が変化した場合を 考える.このある時点が抽出したい変化点である.このときの 対数尤度関数は式(5)となる. L(A; p, q, S) = Sn=1 Cc=0 an,clog pc+ Nn=S Cc=0 an,clog qc(5) パラメータp, q, Sはそれぞれ,変化点以前の多項分布,変化 点以降の多項分布,変化点(区間の最初からの経過日数)を意

(3)

味する.このときのp, qの最尤推定量は式(6)と式(7)で ある. ˆ pc= ∑S n=1an,c S (6) ˆ qc= ∑N S an,c N− S (7) 式(2)と式(5)の比から変化点の抽出を試みる.まず以下 の式(8)の2倍は自由度2のカイ二乗分布に従うことがわかっ ている.一般に式(8)は尤度比と呼ばれる. X = L(A; ˆp, ˆq, S)− L(A; ˆp) (8) また全区間において変化点として最適な点はXを最大にする 点(Sˆ)である.すなわち式(9)を最大にするSˆが変化点候補 となる. ˆ S = arg max S {L(A; ˆp, ˆq, S) − L(A; ˆp)} (9) 次に帰無仮説L(A; ˆp, ˆq, S) = L(A; ˆp)を立てる.このとき変 化点候補Sˆがこれを有意水準0.5%で棄却する場合,この点を 変化点とする. 3. 2 変化点におけるユーザネットワークの検証 次にユーザの投稿活動が活発となる変化点に着目し,その変 化点の前後の区間と,さらにその前の区間においてユーザの ネットワークに違いがあるかを検証する.ネットワークを構築 する区間はそれぞれ以下の通りである(図1). ・変化点の前後(区間X): 変化点を中心として前後2週間 (計1ヶ月間) ・変化点以前(区間Y): 変化点の前2週間からさらに前4週 間(計1ヶ月間) 図 1 ネットワークの構築区間 ここでいうネットワークとは,具体的にはユーザをノードとし て,前述2区間においてRetweet, Replyが発生したノード間 にエッジを形成したものとなる.このネットワークはRetweet, Replyで別に作成し,それぞれの向きも考慮した有向ネット ワークである.ネットワークの対象ユーザは,変化点抽出を行 なったユーザ(A)から2-hop先までのユーザ,すなわちAと 直接Retweet, Replyを交わしたユーザに加えて,そのユーザ とRetweet, Replyをしたユーザまでとする. 3. 3 ネットワークの検証内容 今回は対象ユーザ(A)の変化点を基準として定めた2区間 のネットワークに対して,ネットワークの特性に差異が見れら れるか検証を行なう.他ユーザとのコミュニケーションが,ユー ザの投稿活動に変化を与えているとする場合,区間X, Yにお いてRetweet, Replyネットワークに違いが確認できるはずで ある.以上を踏まえた上で,ネットワークの比較項目は次の3 点とした. (1) ネットワーク全体におけるRetweet, Reply数 (2) ネットワークの相互性,推移性 (3) ネットワークの集中度 1つは単純なRetweet, Reply数である.変化点前後でAの 1-hop先, 2-hop先のユーザの投稿活動がどのように変化してい るのかを見るために,2区間のRetweet, Reply数を比較する. 相互性(reciprocity)とはネットワーク全体において相互に有 向辺を持つ2者関係がどれくらいの割合を示すかという指標で 式(10)で表される. reciprocity = a + b n(n− 1)/2 (10) a, bはそれぞれ相互に関係をもつノードのパターン数, 相互に 関係を持たないノードのパターン数であり,nはネットワーク に含まれる頂点数である.推移性(transitivity)はネットワー ク全体において推移的な関係が成り立っている比率を示す.ネッ トワーク内の頂点iと頂点jの間,および頂点jと頂点kの間 に関係があるとき,頂点ikにも関係がある場合これを推移 的(transitive)という.簡単に述べると「友達の友達が友達で ある」比率が推移性にあたる. 3つ目の比較項目はネットワークの集中度である.ネットワー クに含まれる各頂点の特性を示す指標として,点中心性指標 (次数中心性,媒介中心性など) がある.集中度は点中心性指 標において高い中心性が特定の頂点に集中している程度を示す. 具体的には,ネットワーク中で最大の中心性の値から他の頂点 の中心性の値を引いた差の和が集中度となる.今回検証する ユーザネットワークでは,集中度が高いほど特定ユーザのネッ トワーク全体における影響力が大きいということになる.集中 度Cxは式(11)で表される. Cx= ∑n i=1[Cx(i∗)− Cx(i)]

max∑ni=1[Cx(i∗)− Cx(i)]

(11)

Cx(i)をある点中心性指標において頂点iが示す値,またCx(i∗)

をネットワークにおける最大値とする.なお集中度は点中心性 指標毎に求めることが可能であるが,今回は次数中心性と媒介 中心性を用いて算出する.

(4)

4.

実データを用いた評価実験

4. 1 実験に用いるデータ

今回の実験に用いたデータセットはTwitter Search API(注 6)

を用いて収集されたTweetである.収集期間は2012年4月1 日から2013年6月4日の全430日間であり,この期間に日本 語で投稿されたTweetが収集されている.今回はこのTweet データ中において,2012年5月中に最初の投稿が確認できる ユーザを対象に変化点の抽出を行った.これは対象として新規 ユーザ,すなわちTwitterの利用を開始したばかりのユーザを 想定しているからである.注意点として,最初の投稿はあくま でも今回用いたデータセット内で確認できる一番最初の投稿で ある.つまり2012年4月1日以前からTwitterの利用を開始 しており,かつ2012年4月中は投稿がなかったユーザも含ま れている. 4. 2 変化点の抽出結果 図2,図3,図4に3パターンのユーザの変化点抽出の結果 を示す.各図ともに横軸が2012年5月1日からの経過日数で あり,青で描かれた線が一日のTweet投稿数,赤で書かれた線 がその日を変化点として場合の尤度比Xを意味する.すなわ ち,赤い線が最も高くなっている点が,そのユーザの投稿活動 の変化点となる.なおXを計る区間を1ヶ月とし,式(5)に おけるpcqcはそれぞれSの前後2週間における多項分布と している. 今回変化点を抽出したユーザは大きく以下の3パターン分け ることができる. (1) 投稿活動に著しい変化が見られるユーザ (2) 定期的な投稿をしているユーザ (3) 区間中に活動していない区間が見られるユーザ 1番目のユーザはある時点を境に明らかに投稿活動が活発に なったユーザである.こういったユーザの変化点の抽出は図2 に示したように,活発になる直前を正確に抽出することが出来 ている.対して,図3に示す定期的な投稿活動が見られるユー ザの変化点の抽出結果を見ると,Xの最大となる点が投稿活動 ピークとズレていることがわかる.本研究で抽出したい点は, 投稿が最も盛んである点(区間)ではなく,投稿の流れが変わ る点である.よってピークに至る手前を検出できていると考え ると,変化点の抽出に成功しているといえる.最後に図4は区 間中に活動休止期間を含むユーザ例である.このようなユーザ の場合,活動が活発となる点以上に,活動が停滞する点がXの 値が大きくなっている. (注 6):https://dev.twitter.com/docs/api/1/get/search 0 50 100 150 200 250 300 350 400 Number of days 0 100 200 300 400 500 600 700 Nu mb er of Tw ee ts Tweet counts X 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 X 図 2 投稿活動に著しい変化が見られるユーザの変化点抽出結果 0 50 100 150 200 250 300 350 400 Number of days 0 50 100 150 200 250 Nu mb er of Tw ee ts Tweet counts X 0 5 10 15 20 25 30 35 40 X 図 3 定期的な投稿をしているユーザの変化点抽出結果 0 50 100 150 200 250 300 350 400 Number of days 0 50 100 150 200 Nu mb er of Tw ee ts Tweet counts X 0 5 10 15 20 25 X 図 4 区間において活動休止が見られるユーザの変化点抽出結果 4. 3 ユーザネットワークの評価 ネットワーク調査対象は前節で挙げた3パターンのユーザの うち,(1)と(2)に分類されるユーザ9名とした.(3)を除く のは,(3)のようなユーザがそれほど多くない検出できなかっ たためである.また評価手法は3. 3節で述べた3指標となる.

(5)

4. 3. 1 Retweet, Reply数における検証結果

対象ユーザ9名に対して,区間X, Yのそれぞれにおいて

2-hop先のユーザまでのRetweet, Replyネットワークを作成

した.この時の平均のRetweet, Reply数は表1,表2のとおり となった.表1は対象ユーザ9名の各区間におけるRetweet, Reply数,表2は対象ユーザと各区間でRetweet, Replyをお こなったユーザの同区間におけるRetweet, Reply数の平均で ある. 表 1 X, Y区間における対象ユーザ 9 名の Retweet,Reply 数 Retweet Reply X Y X Y ユーザ A 4 1 44 22 ユーザ B 174 0 28 5 ユーザ C 54 57 380 370 ユーザ D 33 14 158 73 ユーザ E 21 0 54 8 ユーザ F 84 22 254 110 ユーザ G 194 15 288 79 ユーザ H 551 0 767 233 ユーザ I 85 80 101 32 表 2 X, Y区間における 1-hop 先ユーザの平均 Retweet,Reply 数 Retweet Reply X Y X Y ユーザ A 425 204 487 294 ユーザ B 18166 8085 770 407 ユーザ C 3737 1817 862 453 ユーザ D 11045 6859 527 296 ユーザ E 4886 2295 885 456 ユーザ F 532 517 698 366 ユーザ G 1132 593 515 282 ユーザ H 4179 1566 759 352 ユーザ I 552 283 528 294 4. 3. 2 相互性,推移性における検証結果 区間X,YにおけるReplyの相互性,推移性の値を表3に 示す.2-hop先までの推移性については,検証した9ユーザ全 員において有意差は見られなかった.このことから1-hop先の ユーザ同士のつながりがユーザの投稿活動には影響しないと考 えられる.対して相互性はユーザEとユーザIを除く6名にお いて区間Xにおける改善が見られた.特に1-hop先と2-hop 先における相互性の違いが2区間で大きく,相互的な関わりを 積極的に持つようなユーザを1-hop先に持ったことが活動の変 化に影響しているといえる.またユーザE, Iに関しては1-hop

先から2-hop先に対してReplyではなく一方的なMentionが

多く見られており,これが相互性の低下の要因となっているこ とがわかった. 表 3 X, Y区間における相互性,推移性 相互性 推移性 X Y X Y ユーザ A 0.879 0.761 0.004 0.002 ユーザ B 0.912 0.841 0.0 0.0 ユーザ C 0.848 0.844 0.019 0.020 ユーザ D 0.909 0.882 0.019 0.011 ユーザ E 0.460 0.554 0.001 0.001 ユーザ F 0.762 0.732 0.006 0.002 ユーザ G 0.824 0.749 0.014 0.007 ユーザ H 0.818 0.700 0.057 0.014 ユーザ I 0.569 0.669 0.001 0.001 4. 3. 3 ネットワークの集中度における検証結果 ネットワークの集中度は中心性指標として次数中心性と媒介 中心性を用いた場合のそれぞれで検証した.結果として,次数 中心性の集中度は有意差が見られず,媒介中心性の集中度につ いては一部のユーザを除いて区間Xにおいて低下が確認でき た.媒介中心性における集中度の低下は,ネットワークにおけ る各ノードの影響力の均一化を意味する.つまり特定のノード における独占的なエッジ形成ではなく,網目状に様々なユーザ 間にエッジが形成された状態ほど,ユーザの投稿活動に影響力 を持つ事がわかった.図5,図6は,媒介中心性において大き な改善が見られたユーザGのネットワークである. 表 4 X, Y区間における集中度 次数中心性 媒介中心性 X Y X Y ユーザ A 0.209 0.242 0.289 0.372 ユーザ B 0.683 0.605 0.359 0.625 ユーザ C 0.119 0.115 0.508 0.597 ユーザ D 0.285 0.386 0.375 0.495 ユーザ E 0.146 0.355 0.213 0.216 ユーザ F 0.090 0.138 0.415 0.410 ユーザ G 0.162 0.070 0.100 0.228 ユーザ H 0.105 0.125 0.133 0.141 ユーザ I 0.081 0.096 0.235 0.281 図 5 ユーザ G の区間 X におけるネットワーク

(6)

図 6 ユーザ G の区間 Y におけるネットワーク

5.

本論文では,ユーザの投稿活動の変化点に着目し,Tweetの 投稿数に多項分布を仮定することにより尤度比から変化点の抽 出を試みた.また変化点に基づいて,ユーザの投稿活動に変化 があった区間とそうでなかった区間の2区間を設定し,各区間 におけるユーザネットワークを比較した.結果として,ユーザ の投稿活動が活発である区間において,そのユーザとコミュニ ケーションを行なったユーザの活動も活発になっていること, また特定ノードにコミュニケーションが集中するのではなく, 均一なコミュニケーションが発生している環境が重要であるこ とがわかった.これはネットワークの媒介中心性における集中 度よって定量化することができ,集中度が低いネットワークほ どユーザの投稿活動に良い影響を与える. 本研究において,ネットワーク全体の特徴と,それのユーザ の投稿活動における影響力が明らかとなった.今後の課題とし て,ネットワークにおける各ノードの影響力について定量化す ることがあげられる.また今回は1ヶ月単位のネットワークと したが,より短期的なユーザ間コミュニケーションの影響力も 考察したいと考えている.

本研究は,NII戦略研究公募型共同研究およびJSPS科研費 25280110の助成を受けたものです.ここに記して謝意を示し ます. 文 献

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参照

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