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生活資源の地域性に関する統計的分析

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Academic year: 2021

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生活資源の地域性に関する統計的分析

2012SE271渡邊翔 指導教員:松田眞一

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はじめに

私は普段,車を使いガソリンをいれてお金を払っている. 多く使っているとどうしても,より安いガソリンスタンド を探してガソリンをいれてしまう.近年,ガソリンの価格 が大きく変動しており,自動車を多用する私たちの生活に 大きな影響を及ぼしている.また,コンビニでアルバイト をしていると公共料金の支払いで電気代やガス代などをよ く目にする.そこで私は,各都道府県にはガソリンをはじ めとする様々な生活資源の消費にはどのような性質や地域 性があるのかに興味をもち,分析することにした.

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扱うデータについて

扱う変数は,47都道府県別のガソリン,軽油,灯油, LPG,都市ガス,水,電気の生活資源関係の変数と解析 をしていく中で必要と思われた48変数を用意した.こ れらの変数の中で同じ生活資源の変数と似たような意味 合いを持つ変数に関して相関係数が0.80以上の相関が高 かった変数同士はまとめて26変数を今回扱う変数とした. (web[4]web[5]参照)  

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分析方法

分析方法は主成分分析,因子分析,クラスター分析を用 いる.(菅[1]菅[2]参照)

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主成分分析

第三主成分までで累積寄与率75.9%となるので,ここま でを分析する.紙面の都合上,各主成分の主な係数をまと めた表1のみを示す. 表1 各主成分の主な係数 第一主成分 第二主成分 第三主成分 乗用車ガソリン消費量 −0.266 乗用車軽油消費量 −0.299 乗用車LPG消費量 −0.265 ガソリン卸価格 0.076 乗用車LPG消費量 0.120 工業用水・淡水・工業用水道 0.457 軽油卸価格 0.148 灯油使用量 −0.276 工業用水・淡水・上水道 0.274 灯油卸価格 0.115 道路実延長 −0.378 自動車用LPG販売量 −0.190 公共下水道・供用排水区域 −0.270 自動車LPG販売量 0.124 製造業一事業所あたり出荷額 0.482 LPガス普及率 0.213 LPガス普及率 −0.151 電力産業部門使用量 0.354 都市ガス普及率 −0.227 都市ガス普及率 0.154 一商店あたりの販売額 −0.228 電力家庭部門使用量 −0.268 面積 −0.400 人口 −0.270 道路面積 −0.364 4.1 第一主成分(寄与率47.9%) ガソリン,軽油,灯油の卸価格とLPG普及率が正に向い ており,その他は負に向いているので,第一主成分は「総 合的使用量による地域差」と考えた.価格が正に向いてい るのは,需要が高くなるほど価格が低くなっていくので, 低くなるほど栄えているということになり,都会の都道府 県が多くなる.実際に反応している都道府県は,負の方向 から東京,愛知,北海道,神奈川と総合的使用量の多い都 道府県が集まっている. 4.2 第二主成分(寄与率17.0%) 正の方向に大きく反応している変数は,都市ガス関係の 変数で南には都市的で面積の小さい都道府県が多く,業務 的LPGの変数も反応している.また,負の方向に大きく 反応している変数は,面積関係とLPG関係の変数であり, 北には面積の大きい都道府県が多く,北に位置する都道府 県は年間平均気温も低く,灯油の使用量も多くなっている. このことから第二主成分は「日本を南北に分けたときの地 域差」と考えた.実際に反応している都道府県は,正の方 向から東京,神奈川,大阪,沖縄,京都,奈良となってお り,負の方向は北海道,茨城,長野となっている. 4.3 第三主成分(11.0%) 正の方向に大きく反応している変数は工業用水関係の変 数,製造業一事業所あたりの出荷額,電力使用量産業部門 である.web[3]より重工業において工業用水の使用が多 くなっている.また負の方向に大きく反応している変数は 乗用車LPG消費量や一商店あたりの販売額であり,タク シーすなわちサービス業や商業に関する変数である.これ らのことと,地域経済分析の付加価値額から第三主成分は 「産業構造による地域差」と考えた.実際に反応している 都道府県は正の方向から山口,愛知,大分,三重,千葉と 重工業が盛んな都道府県が集まっており,負の方向から東 京,北海道と商業または軽工業が盛んな都道府県が集まっ ている.

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因子分析

試行錯誤の末,北海道と沖縄を除いた45都道府県別デー タ,農業用下水道取水量を除いた25変数,指定因子数4 で分析を行う.紙面の都合上,第三因子得点と第四因子得 点のプロット図のみを図1に示す. 5.1 第一因子 主に使用量の多さを表す変数が大きく反応しており,人 口と第一因子得点との相関係数は0.95と非常に高い相関 が見られた.このことから第一因子は「人口の多さに関す る因子」と考えた.実際に反応している都道府県は正の方 向から順に東京,大阪,神奈川,埼玉,愛知と人口の多い 都道府県が集まっている. 5.2 第二因子 主に面積関係や道路関係の変数が大きく反応しており, 第二因子得点と道路面積との相関係数は0.88と高い相関 が見られた.このことから第二因子は「面積及び道路面積 1

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に関する因子」と考えた.実際に反応している都道府県は 正の方向から順に茨城,長野,福島,新潟,愛知となって いる. 5.3 第三因子 大きく反応した変数は工業用水・淡水・工業用水道,工 業用水・淡水・上水道,製造業一事業所あたり出荷額,電力 産業部門使用量となっている.第三主成分と同様に重工業 に関する変数が大きく反応しているので,第三因子は「重 工業の発達に関する因子」と考えた.実際に反応している 都道府県は愛知,兵庫,山口,静岡,神奈川と重工業の発 達している都道府県が集まっている. 5.4 第四因子 大きく反応した変数はガソリン卸価格,軽油卸価格,灯 油卸価格となっており,石油製品の価格に大きく影響して いることがわかる.このことから第四因子は「石油製品の 価格に関する因子」と考えた.実際に反応している都道府 県は正の方向から石川,静岡,群馬,富山,長野となって おり,製油所のない都道府県が集まっている. -2 -1 0 1 2 3 -2 -1 0 1 2 gas25tho.fa$scores[, 3] gas25tho.fa$scores[, 4] 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 山梨新潟 富山 石川 長野 福井 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 奈良 和歌山 兵庫 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 図1 第三因子得点と第四因子得点のプロット図

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クラスター分析

ウォード法を用いて標準化したデータと因子得点のクラ スター分析を行う.紙面の都合上,因子による分類のみを 載せることにする. 6.1 因子による分類 因子得点の各プロット図より各因子に関しての群分けと なったので,図2を左から5群に分け,次のような分類を した. 第一群 (東京)人口の多い都道府県 第二群 (神奈川から兵庫)重工業が発達している都道府県 第三群 (栃木ら佐賀)石油製品の価格が高い都道府県 第四群 (埼玉から長野)面積及び道路面積の大きい都道 府県 第五群 (奈良から高知)石油製品の価格が低い都道府県 東京 神奈川 大阪 愛知 山口 静岡 兵庫 栃木 群馬 秋田 鹿児島 徳島 山梨 和歌山 滋賀 愛媛 島根 長崎 石川 富山 福井 鳥取 佐賀 埼玉 千葉 岩手 福島 新潟 福岡 茨城 長野 奈良 香川 岡山 大分 青森 岐阜 広島 宮城 熊本 三重 山形 宮崎 京都 高知 0 10 20 30 40 50 60 70 Cluster Dendrogram

hclust (*, "ward")dist(gas25t.d)

Height 図2 因子得点によるデントログラム

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まとめ

大きく都道府県を分けると,東京は大都会で商業,サー ビス業において発達している.都会及び都会近郊の都道府 県は重工業の発達している都道府県が多い.一般的な都道 府県は面積及び道路面積による地域差と石油製品の価格が 低い都道府県とに分けられる.田舎の都道府県はあまりよ い結果が出ておらず,石油製品の価格も高い都道府県が多 い.本研究では生活資源の様々な使用データから以上のよ うな地域差を見出すことができた.

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おわりに

本来の目的でもあったガス代,水道代などの料金に関す る変数を収集することが困難であった.これらの変数を用 意できることができれば,各分析において大きな根拠とな るような値を示したかもしれない.また,日本の水使用割 合の最も多い農業用水に関する変数をあまり収集すること ができなかったのでそれらの変数をより多く集めて分析す ることにより,また違った地域差を見ることができたかも 知れない.

参考文献

[1] 菅 民郎:『多変量解析の実践(上)』,初版.現代数学 社,京都,1993. [2] 菅 民郎:『多変量解析の実践(下)』,初版.現代数学 社,京都,1993. [3] 経済産業省:ホームページ.http://www.meti.go. jp/.(2015/12) [4] e-Stat:政府の統計窓口.https://www.e-stat.go. jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do.(2015/10) [5] 総務省統計局:国勢調査.http://www.stat.go.jp/ data/kokusei/2010/index.htm.(2015/9) 2

参照

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