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理化学研究所革新知能統合研究センターの挑戦

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Academic year: 2021

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(1)IPSJ Magazine. [巻頭コラム] 理化学研究所革新知能統合研究センター の挑戦 ▪杉山 将  理化学研究所革新知能統合研究(AIP)センターは,文部科学省 AIP プロジェクトの研究 拠点として 2016 年度に設置され,新たに開設した日本橋オフィスを中心に 2017 年度より 本格的に活動を開始しました.センター長の任を拝命してから 1 年近くが経ちましたが,人 工知能研究が世界的に盛り上がっているこのタイミングで新しいセンターの立ち上げに携わ れる喜びを感じつつ,世界的な激しい研究開発競争の中,どのようにして基盤技術研究の国 際的な競争力を高め,応用分野でその成果を社会還元し,関連分野の持続的な発展に資する 人材を育成していくか,戦略・体制作りに奔走しています.  我が国の人工知能に関する研究開発は,安西祐一郎・日本学術振興会理事長が議長を務め る人工知能技術戦略会議の指揮のもと,経済産業省所管の産業技術総合研究所人工知能研究 センター(AIRC),総務省所管の情報通信研究機構(NICT),そして文部科学省所管の理化学 研究所 AIP センターが連携し,中心となって実施するという体制が作られました.AIRC は産 業応用を軸足に人間の知能と親和性の高い人工知能の実現,NICT は自然言語処理・脳情報通 信融合研究を軸足にイノベーション創出の促進を目指しています.  AIRC,NICT との相補的かつ相乗効果を生み出す関係を構築すべく,AIP センターでは,数 理的な基礎研究に軸足を置き,AI 技術を用いた科学研究や AI 技術の社会実装に必要とされ る次世代の人工知能基盤技術の開発を目指すことにしました.具体的には,AIP センター内 に汎用基盤技術研究グループ,目的指向基盤技術研究グループ,社会における人工知能研究. 666. 情報処理 Vol.58 No.8 Aug. 2017.

(2) ■ 杉山 将 理化学研究所 革新知能統合研究セ ンター センター長/東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授. 2001 年 東 京 工 業 大 学 博 士 課 程 修 了.2014 年 東 京 大 学 教 授.2016 年より理化学研究所革新知能統合 研究センター長(併任) .機械学習 の 理 論 構 築, ア ル ゴ リ ズ ム 開 発, その実世界応用に従事.2016 年度 日本学術振興会賞,日本学士院学 術奨励賞を受賞.. グループの 3 つの研究グループを設置し,さまざまな企業・大学・研究所・プロジェクトと 連携して,次の 5 つの事業を推進することにしました. ・ 人工知能基盤技術:深層学習の仕組みの解明,および,新しい原理に基づく次世代知能技 術の開発 ・ サイエンス研究の人工知能による加速:再生医療,新素材開発,ものづくりなど国際競争 において日本が強い分野を AI 技術によりさらに強化 ・ 社会課題の人工知能による解決支援:医療・ヘルスケア,防災・減災,インフラ管理など 日本が直面している社会課題を AI 技術で解決 ・ 人工知能の普及が社会に及ぼす影響の分析:データの収集と流通,人工知能が社会で受け 入れられるための制度や倫理,人工知能研究の倫理を議論 ・ 高度人工知能研究開発人材・データサイエンティストの育成:企業の技術者や大学の学生・ 研究員と最先端研究を推進するとともに,米・英・独・仏・中・韓など諸外国の大学・研 究所との連携体制を構築  人工知能基盤技術を実用化するためには,関連するさまざまな分野の方と交流が不可欠で す.そのために,AIP センター日本橋オフィスに開放的なディスカッション空間を設けました. 情報処理学会の皆様にもぜひお越しいただき,議論に加わっていただけましたら幸いです.. 情報処理 Vol.58 No.8 Aug. 2017. 667.

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