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琵琶湖南湖漁場におけるテナガエビ(Macrobrachium nipponense)幼生の出現状況について

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Academic year: 2021

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(1)A. 近攻大学農学部紀要. 第31 号. 1 3. 1 3-1 8 1 9 9 8. 琵琶湖南湖漁場 におけ る テナガエ ビ ( Mac r or bac hi umni ppone ns e. ). 幼坐の 出現状況について 山 根. 猛. 近攻大学農学部水産学科. Appear anceofMac r or bac. hi um nt ppo ne ns el ar vaei nsout hbasn i f ih s i n. ggr oundofLakeBi wa. Tae ks hiYAMANE DL eI a r i me nL .o /Fi se hrie s ,Ki nk iUi nv e ni L y . ,Na k a〝 ∽f h i ,Na y l a6 31850 5JJ ,aa )n. Synopsi s. c r or ba c hi um n如 o ne ns el o c us e do ntea h s pe c to fa p. pe a r a nc. eo fMa a r va ei nt he I nt hi sp a pe r ,a t t e nt i o ni sf o undo fLk aeBi wa. As e r i e sos fa. mpl. i n gswa sdo nebt e we e nJ une -2 9a ndl lDe c e mbe r1 99 0 s o u山一 ba s if ni s hi nggr a edi a r a nc es. i t uao. t ino fl a r va e.I nt hi sr e gi on,S ma l ls c l s t ur i naf i s. hi n. ggr o un, dt oo bt a i nba s i cdt aaont hea ppe ba nc ec a us e dbyte ho s c i l l a t or yc ur r e nts e e mst hei r t a ntf a c t o rn it hes p a t i a l di s t r i bt ui o no fl a Ⅳa e. obeo neoft mpo i o ni sdo nei nte hf n妙 o ne ne ss o ut hba s i npo pul a t i s hi n g Ther e s ul t ss ugge s t e dt ht a apa ro t fr e pr ou dc t i o no fM. gr o und.. 結. 看. 琵琶湖か ご漁業の主対 象種であるテナガエビは移 動性 が少 な く 卜. 合わせて調べた。 方. 法. 3) ,すみ場 は限 られて お り,産 卵. は主 と して 7, 8月 に沿岸 の浅所 で行 われ る と報. 浜大津湖岸域の水深約 2mの漁場南西端 ( Fi g.1). 告 2) されてい る ものの,本種 幼生の 出現状況 につ. で,プ ランク トン ・ネ ッ ト (口径 ,450mm :目合 ,. いての記載はない。. 03 .mm) の手 曳 きに よる水平 曳 きで幼生 の採集 を. 琵琶湖南湖漁場は湖岸域の比較的浅 い場 に形成 さ. 行 った。 曳網距離は,採集場所の制約 か ら,岸 に平. れ る。個体の移動性 は少ない lー3)とい った論 旨に. 2m/ Sであ った。採集時 行 に40m,曳網速度 は約 0.. 沿 うな らば,種の再生産は漁場 内で行われている可. 0. 時 30分 , 1 3時 ,1 5. 時 30. 分 で ,水面下 0.5 刻は,1. 能性があ る。 テナ ガエビ幼生の時間 ・空間的分布は. m, 1m, 2m の三層で採集 した。 個体は中性ホル. 本種 の再生産機構 を解 明す る際 に重要 な因子 であ. %溶液で固定後,ビデオ装置 を介 して検鏡 マ リン 3. る。そ こで,琵琶湖南湖テナガエビか ご漁場南西端. し,成長の各ステー ジに分別す るとともにビデオ ・. において本種幼生の出現状況についての基礎資料 を. デジタイザで体長 を計測 した。期間は 1 990年 6月2 9. 得 ることを 目的に採集調査 した。. 日か ら1 2月 1 1日で,採集回数は合計 2 6回であ った。. なお幼生の出現 には産卵期の長 さ,産卵様式 ,産. また,同期間同一場所 において,テナ ガエビをか ご. 卵丑等の生物的要田 と採集場所付近 におけ る流動 と. で試験漁獲す る とともに,採集場所付近で操業す る. い った物理的要田が複雑 に関係す るこ とが予想 され. 漁業者の漁獲資料 も併 せて整理 した。. るので,水温 とともに流れ,風向 ・風速 について も. 0時 に温度計で測 現場の表面水温は採集 日の午前 1.

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(3) 琵琶湖南湖漁場 におけ るテナ ガエ ビ ( Ma c r o b 7 1 a C hi u mn如 o n c 7 We )幼生の出現状況について. ai s t i c aa l na l ys i sf ore a c ho ft Tab一 e2.Stt hetns e t a ge s .. 1 5. 各期の出現状況は風向 ・風速,そ して水温を合わ. o s. 2. 5 2. 7 3. 5 4. 1 5. 1 5. 6 5. 8 6. 0 6 8.. 28・ 04・ 47・ 74・ 57・ 94・ 60・ 82. 9. P t lv a ra. 24 ・. 23 4 56 78. 20・. g.3に示 す。採集 した個体の大部分は幼生 せて Fi St a ge Men a bodyl e ngt h Modll aca s s S. D. O-2) '(xl Fi g.3A) ことか ら本期に着 目する。 初期であった ( (. mm) ( mm) まず採集個体数の採集 日ごとの推移をみる。採集 1 2. 6 期間の初期では 日々の変動は大 きい ものの採集個体 数は多い。 8月になると採集品は減少 し, 9月初旬 以降採集 されていない。浜大津の平均風速 と最多風 向か らは特徴的な傾 向は兄い出せない ものの, 2. m/ S以上の風速が多数観測 されている ( Fi g.3B) 0 g.3C)は,採集期間中,約 2 2℃か ら3 2℃ Fi 水温 ( の範囲で変化 している。水温が3 0℃未満で幼生が多 数採集 されてい る。一方 ,産卵最盛期 7)の高水温 日では採集数は極端に減少する。 次いで,図中に番号 を付 した矢印で示す ところの 風速 ・風向が同 じとみなせるE l の採集資料 および採. +St a na dr ddi e vai ton. 集期間 を通 じて特徴的 と思われ る採集 日に着 目す る。 風向 ・風速が似通 っているものの採集個体数に大 0 0 6. と2 ( 風 向,N; 風速度 ,1. 3- 1. 8m/ S) 。産卵最盛 期 7)で風 向 ・風速は似通 っていたが採集数 が極大. 0 0. 4. SLOqu nN. Ca s e1-3) ;Ca s e1,矢印 1 きな差が現われた (. s e2,矢印 3と 6 ( 風向,SE; 風 と極小になったCa 逮 ,. 08- I2 .m/ S ) 。産卵最盛期 7)で風 向 ・風速 が 似通 って い る もの の採 集 個 体 数 は極 め て少 な い. Cas e3; 矢印 5と 7 ( 風 向,SSE; 風速 ,1. 3- 1. 8 。 また,特徴的な もの として,当該 日の採 集 m/ S) 総個体数は少ない ものの, 2m層 ( 湖底近傍)での. s e4; 矢印 4 ( 風 採集個体数が他の 2層 よ り多いCa 風速, 19 .m/ S ) 。採集個体数が採集期間中 向,NE;. e5; 矢印 8 ( 風 向,NNW ; 風速 , 最大 であ ったCas 14 .m/ S ) 。. Juy l 0. Jul y. Au9USt Hont hs. September. , Fi g.. 3Co. mpa r i s o. nofnumber sofl ar va ec a ught n. l oc i t y,wi nddi r e c t i on,andtmp e e r awi dve t ur e(. ℃)nt i hes o ut hba s i nf i s hi nggr o undo f LakeBi wa.. August Mont hs. Sepe tmber. Fi g. 4Va r i at i onsi nr at i o( tt oan l umbe r/t. henu. mber o fovi f er ousi ndi vi dua l s . i se hr n,㊨ , *; f ma. Fi e l dt e s t s. 幼生の出現 と密接 に関係す る抱卵個体数 を採集個 体数に対する割合で Fi g.4に示す。.

(4) 1 6. 山. 根. 採集個体数中に占め る抱卵個体の割合の高いのは. 8月初旬か ら中旬にかけてで ,漁英者 と同 じ日に試. 猛. 捉 されて採集点付近 に輸送 された可能性は きわめて 低い。. 験漁獲 を行 ってはいないが,試験漁獲の ものでは 8. 南湖では地形的特徴か ら風向 ・風速 によ り風成波. 月初旬に,漁業者 による漁獲物では 8月中旬に,抱. . 北寄 の風の場合,質 の発生は特徴づけ られ る J・5). 卵個体の出現の極大 を示す。 9月中旬には抱卵個体. 料は少数だが,平均風速 2m/ S以下で も水底近傍で. は消滅する。. Tabl e1) 0 は振動流が観測 された ( Cas e lの 当 日に流動 は測定 されていないが,本 考. 察. 種 は20℃以上で産卵 を始め 25℃か ら31℃が盛期 7) であ り, また本種 の適温範 囲 も広範 囲であ るIO・川. テナ ガエ ビ類幼 生 は四万十 川河 口域 ( 水深 :9. か ら,水温差 (I4 . ℃ ;矢印 1,256 . ℃ ;矢 印 2,. m)では,一定 の 日周鉛 直移動 バ クソを示 す 9) 。採. 2 40 . ℃)が出現立に大 き く影響 した可能性は極めて. 集場所の水深 と採集方法が異な るので直接比較で き. 低 い と思われ る。採集場所付近 では,当該 日と同様. ない ものの,本調査結果 とは一致 しない。本調査場. Tabl e 1) な風速 ・風向の時 に測定 された振動流 (. 40 5 所の水深は浅 く,プランク トン ・ネ ッ トの 口径 (. と似通 った流 れが発 生 して い る と見て差 し支 えな. mm),そ して採 集方法 を考慮 すれば,幼生 が 日周. e2,3については流動 の資料 はないが,南 い。 Cas. 鉛直移動す る として も,その影響は採集個体数 に明. 寄の風の場合,地形的 に波浪は発達 しないので振動. 確 に反映 しない可能性 があ る。. 流は大 き くない こ とが類推 され るが,Cas e3ほ幼. 南湖におけ るテナガエビ個体群の産卵様式 ,幼生 の発生丑,初期減耗等については不 明であ るが,揺. 生の集散 を考 える とき興味深い結果 といえよう。. Cas e4の場合,採集個 体数 は比較的少 ない。 さ. 集 を本種の産卵最盛期 に行 っているので,採集場所. らに上層での個体数が少ない ことか ら,湖底直上 に. におけ る初期幼生 と抱卵個体の出現状況は時間遅れ. 偏 って分布 していた可能性は無視で きないが,北寄. のあ る似通 った変動パ タンになるこ とが予想 された. の風であ った こか ら,振動流に よ り拡散 していた可. が,結果か らその ような傾向は うかがえない。. 能性が うかがえる。. さ らに,産卵最盛期 7)であ るに もかかわ らず,. Cas e5では これ ら幼生 の出現 にかかわ る抱卵個. 8月 4, 7, 1 1日に採集品が極端 に減少 しているの. 体数 (8月2 7日,採集個体数 ;5 7 個体 ,抱卵個体数,. 紘,た とえば,幼生のふ出立の減少 ,魚頬 に よる捕. 2個体 ;8月3 0日 ( Cas e5)採集個体数 ,2 41 個体 ;. 食,今回用 いた採集方法では採集で きない湖底直上. 抱 卵 個 体数 , 0個 体 ) の割 合 は 低 くな って い る. への滞留等,採集場所付近での生物過程 が採集品 に. ( Fi g.4)ので,幼生の存在丑 は産卵盛期 よ り少 な. 深 く関わ っている可能性はあ るものの資料 がないの. い と推察 され る。生物学的な要田 と幼生の出現丑 と. で言及で きない。. の関係については明確ではない ものの,結果か ら,. 産卵期の始 ま りは不 明だが,抱卵個体 と幼生の出 現状況か ら,本種の産卵期は 9月中旬まで とみて差 し支 えないだろう。抱卵個体の出現状況か ら推定 し た中林 らの報告 7)と概 ね一致す る。. 採集場所付近での振動流による場の撹乱が幼生の出 現 に影響 した可能性は極めて高い。 採集 された個体の多数は幼生初期であ りかつその ほ とん どは ステー ジ 1であ った。 これ らの個体 に限. 幼生の遊泳能 力は成体に比べて低 い と考 え られる. れば,採集 日と前 日の風向風速 ,そ して個体のふ出. ことか ら,幼生の時間 ・空間的分布 には採集地点付. 後の時間経過 ( 約 1日)か らみて,個体の分散の程. 近 におけ る流動環境が生物的要田 とともに重要 な田. 度は不 明であるものの,吹送流に よ り遠方か ら輸送. 子であ ることが予想 され る。 以下 に幼生の出現 と流. されて きた可能性 は極めて低い。採集地点付近で生. 動環境 との関係について若干の考察 を加 える。. まれた個体であ る と見な して差 し支 えない。. 採集場所は湖岸近傍で定常的な流れはない。流速. 風成波の測定は行 っていないので,採集点付近で. 計 を固定 しているので卓越流の流向,流速は測定で. の幼生の時間 ・空間分布 と風成波の関係,また,波. きないが,風 向 ・風速が同 じであれば,測定点での. と流れの相互干渉が幼生の集散 に及ぼす影響の程度. 振動流の流向 ・流速は近似的に同 じと見な して差 し. については明確ではない ものの,ステー ジ 1の幼生. 支 えない。. に限れば,風成波 に よって生 じる振動流が比較的狭. 南湖では湖流の流向は風向によ りかな り変化 し, S程 度 で その 中央部 に環 流 が形 成 され る 風速 5m/. い範囲での幼生の短期的な集散 に影響す る重要な環 境要因の一つであ る可能性 を結果は示唆す る。. S以 4㌧ 採集 日前 日お よび当該 日はすべて風速 2m/. 調査結果か ら,テナガエビ南湖個体群の一部は漁. 下 ( Fi g.3B)であ った こ とか ら,幼生 が環 流 に捕. 場 内で再生産 を行 っている可能性が極めて高い こと.

(5) 琵琶湖南湖漁場 におけ るテナガエ ビ ( Ma c r o b 和ぐ hi u m ni L I bo ne 7 2 S e )幼生の出現状況について. が理解 される。 要. 約. 琵琶湖南湖漁場 におけ るテナ ガエビ幼生の出現状 況について検討 した。時間 ( 約 1日) ・空間規模 が 比較的小 さい範囲 ( 採集場所付近)におけ る物理過 程 ,風成波に起因す る流動 ,が生物要田 とともに個 体の出現に影響す る可能性 が示唆 された。本種南湖 個体群の一部 は漁場 において再生産 す るこ とが明 ら か とな った。 謝. 辞. テナ ガエ ビの幼生 の種 の 同定 , お よび各発育 ス テー ジへの分別に際 し,懇籍な ご指苛 と助言 を賜わ った水産大学校林健一教授 に深謝 します。 また,揺 集のために施設の使用 を許可 していただいた滋賀県 立琵琶湖文化館林弘和館長,採集 に際 して種 々便宜 をはか っていただいた同館学芸員前畑政尊氏,秋 山 贋光氏,松 田征也氏,桑原雅之氏な らびに資料の採 集. ・整理 に御協 力いただいた本学学生鹿喰宣之氏に. 感謝 します。. 文. 献. 1)久保伊排男 :日水誌 ,1 5,5 61 -5 6 6( 1 9 5 0) 2)原 田英 司 :琵琶湖生物学 調査団一般調査 中間報告,甲 殻類,大型 甲殻頬班中間報告,近畿地方建設局,大阪,. pp・ 5 5 5-6 0 3( 1 9 6 6) MAS HI J ( 0: I. Cy Y L S t aC e anBi o l o gy,1 0,3 0 6-31 4( 1 9 9 0 ) 3)K, 2回土木学 会年 次 4)岩佐璃朗 .磯 久礼志 ・村 田直 人 :第 3 学術試演会許浜概要 典 H,p p. 4 71 -4 7 2( 1 9 7 7) 5)岩佐浪朗 ・井上和也 ・磯 久礼志 ・村 田直人 :海岸工学 試訴会論文典 ,2 5,pp, 5 71 -5 7 5( 1 9 7 8 ) ,35-43 6) 山根猛 .飯 砧勇之助 ・漸 波裕 司 :本誌 ,21 ( 1 9 8 8) 71 -575 7)小林 茂雄 .大野蕃 弘 :滋 賀水試 研報 , 8,5 ( 1 9 5 5 ) NS o oandY. UNO: Lame r ,7,2 7 8-2 8 7 8)KwoNCHI ( 1 9 6 9). 9)東京 水産大学 第 9回公開訴座編非番 貝全編 :日本の エ ビ ・世 界のエビ,成山笠 ,東京 ,p p. 3 5 -3 6( 1 9 8 4 ) 5 年度7 r r 菜報告別冊 ,p p.l ∼ 1 0)竹 田文弥 :兵純水訳昭和 4 3 0( 1 9 7 0) ll )大島展志 :攻殖 ( 上),p p. 6 5 -6 7( 1 9 7 4) ( 受理 :1 9 9 7 年 9月3 0日). 1 7.

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参照

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