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学力別クラス編成が中学生の学校適応感に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)学力別クラス編成が中学生の学校適応感に及ぼす影響. 学校教育学専攻 学校心理学コース. M09044D 下 地 英 樹. I 問題と目的. が有効であるかを検討することを本研究の目標と.  学校で発生する様々な問題を適切に対処するた. する。. めに、児童・生徒の学校適応状態とその水準をよ. II 方法. り正確に理解し、アセスメントにもとづく援助サ.  私立中高一貫校であるA中学校を対象に、学力. ービスの提供が求められている。これまでの学校. 別クラス編成が行われる前の中学1年3月、編成. 適応感の研究は学校環境の特徴や何が重視されて. 後の2年生5月、生徒支援がある程度すすめられ. いるのかは十分に考慮されていなかった。岡田. た2年生の10月に学校適応感調査を行った。測定. (2004)は学校の特徴を把握した上で学校適応感を. には大久保(2005)の青年用適応感尺度を用いた。. 理解する必要があると指摘している。そこで本研. クラス編成で生じる4群(成績上位クラスから移. 究は、適応感の規定因は学校ごとに異なるという. 動なし群、成績上位クラスから下位への移動群、. 前提に立ち、学習活動を重視する私立中学校にお. 成績下位クラスから移動なし群、成績下位クラス. ける規定因を検討する。特に、進学校でおこなわ. から上位への移動群)ごとに、どのように適応感. れている学力別クラス編成は生徒の学習活動に対. が変化しているのかを比較した。また、部活動や. するひとつの評価として生徒に様々な心理的影響. 学校行事への積極的な参加状況を4郡ごとに検討. を与えていると考える。中でも成績下位クラスに. した。最後に、学習活動に問題があり、適応感得. 編成された生徒は、劣等感・自尊感情の低下等の. 点の低い生徒に対して個別の支援を行い、支援内. マイナスの影響を与えているのではないか。学力. 容を例示し、適応感得点の変化とあわせて支援内. 別クラス編成がどのような影響を生徒に与え、特. 容を検討し、どのような支援が有効なのか、どの. に適応感が低下した生徒に対してどのような支援. ような点に留意すべきなのかを考察した。. 一76一.

(2) 皿 結果と考察. それほど低くはなかったが、根本的な学力不足と.  3回にわたる学校適応感調査の推移を分析した. いう問題牟あり、進学校ではその支援が重要と考. 結果、『課題・目的の存在』・『居場所の実感』・『被. えたので本研究の個別支援の対象とした。支援内. 受容・信頼感』の3因子が抽出された。しかし、. 容は学習時間と部活動時間の調整を試み、両立を. 郡ごとの違いは『被受容・信頼感』因子において、. はかるものであったが、根本的な解決には至らな. 群の交互作用で傾向差が見られるのみであった。. かった。. 一方、部活動や学校行事における係・委員を勤め. 1V 総合考察. た状況を郡ごとに分析すると、成績上位から下位.  今回の研究では中学1年次から2年次に進級す. への移行群と下位クラスから移行なし群の得点が. る生徒に対して適応感調査をおこなった。その結. 有意に少ないという結果が得られた。さらに、学. 果、学力別クラス編成は生徒の適応感に大きな影. 校行事への積極適な参加状況を遠足・文化祭・体. 響を与えないという結果となった。しかし、中学. 育祭で比較すると、より多くの活動時間を要する. 1年次・2年次は少しの努力で成績が大きく変動. 文化祭への積極的な参加が特に低くなっていた。. し、次年度のクラス編成も容易に変更が可能な段. このことは、学習活動を優先事項ととらえる生徒. 階である。反対に中高一貫の高校生は成績やクラ. が、時間的負担の大きい学校行事を避ける気持ち. ’スの固定化がすすみ、一般的に努力がすぐに成績. が生じていると考えられる。このことから、学校. ・クラス編成に繋がらないと言えよう。そのよう. 適応感の向上を目指す支援は、学習活動の問題点. な段階の生徒に対して、クラス編威の影響は今回. を解決すると同時に、学校のさまざまな活動に積. の調査結果とは異なるのではないかと考える。. 極的に参加するための時間管理をすすめることが.  また、個別支援を通して、学校行事への積極的. 重要であると考えられる。. な参加を促進するためには、学習活動時間との調.  個別の支援の方策を検討するため、当該学年か. 整が重要である。今回の研究では、問題のある生. ら3名のそれぞれ違った問題を持っ生徒を対象に. 徒を対象とする第三次的支援をおこなったが、ク. 支援をおこなった。A男は時間管理を中心に効率. ラス単位での第二次的支援方法も今後検討される. 的な学習方法の確立をめざし、部活動に参加する. べき課題である。. ことができた。B男は学校の諸活動に対し無気力 な姿勢があり、個別の面談の中で興味関心を示す. 主任指導教員  浅川潔司. ものを探した。それぞれの支援の結果、適応感得. 指導教員  秋光慶子. 点で上昇が見られた。C女は適応感調査の得点は. 一77一.

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