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近現代史教育のカリキュラムレベルにおける質的変革の論理 : ドイツ連邦共和国ザクセン州の場合

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(1)

社会

系教科教育学会

『社会系教科教育学研究』第22

号 2010

(pp.51-60)

近現代史教育のカリキュラムレベルにおける質的変革の論理

ドイ

国ザ

合一

The Reform of Modem History Education at the Curriculum Level:

The Case of Saxony

n Germany

服 

部 

一 

(山

大学)

1。はじめに

我が国の中等歴史教育では近現代史の教育が重

視される傾向にある。現在に近い過去の学習は現

在の認識や未来の形成にとって有意義と考えられ

ている。高校の世界史Aや日本史Aは近現代史中

心の科目として構成されているし,中学校の歴史

的分野でも近現代史重視が打ち出されている。十

分な時間をかけて近現代史について取り扱えるよ

うにすることがねらわれている。尤も,年代史中

心や出来事史重視の従来枠組を維持したままであ

れば,近現代史の取り扱いを量的に拡大しても,

学習者が現在についてわかったり未来について考

えたりできる保証はない。取り扱いの実質をその

ような狙いに応えられるものへ改めることこそが

重要である。近現代史教育の量的拡大に留まらな

い質的変革の追究はこれまでのところ,授業のレ

ベルを中心にすすめられてきている

(池野

[1997],

児玉2005],他)

。本稿では,それらの成果を踏

まえ,基本枠組をつくるカリキュラムのレベルで

質的変革の可能性を探りたい。近現代史教育改革

とは何をすることか,それはなぜ必要であり,ど

うすれば可能となるか,他国における先行のカリ

キュラム改革事例の分析によって迫ろう。

分析対象として取りあげる事例は,ドイツ東部

のザクセン州における近年の後期中等歴史系教科

の改訂である。 

ドイツ諸州の中等歴史教育でも,

現在との関連(Gegenwartsbezug)

」や 匚

未来へ

の志向

(Z

unfts

nt

nm

g)

」のため,近現代史

の教育が重視されている。それはとりわけ後期中

等歴史教育において顕著である。そのなかでも近

現代史教育の変革をすすめているヶ−スとして注

目されるのが同州の歴史/ゲマインシャフト科

(Geschichte/Gemeinschaftskunde)

の場合である

ザクセ

ン州の歴史/ゲマインシャ

ト科は職業

ギムナジウム(Berufliches Gymnasium)

1}

の必修

の歴公統合教科

である

。この教科は東西統合後の

教育改革において独

自の

レア

プランが

っくられ

いままに導入され

。パー

トナー

州であるバー

・ヴュルテンベルク

州の第11

学年の歴史科

・ゲ

マインシャフ

ト科(Geschichte mit

Gemeinschafts-kunde),

第12

・ 13

学年の歴史科(Geschichte)

ゲマインシャフ

ト科(Gemeinschaftskunde)

を参

考にす

ることとされた

。漸く独自の

レアプランが

作成

され

たのが1999

年で

ある

。歴史/ゲ

マインシャ

ト科は近現代史中心の教科と

して明示化され

その後

,この教科の

レアプランは,

2002

年の

一部

修正を経て,

2006

年に全面的に改訂された

。近現

代史中心は維持

され

,内実は抜本的に改め

られ

本稿では

,近現代史教育の量的拡大による

旧版カ

リキ

ュラム

して1999

年版歴史/ゲマインシャ

ト科

を取

りあげ

,質的変革による新版

カリキ

ュラ

して2006

年版歴史/ゲマインシャ

ト科

を取

りあげる

における近現代史教育改革の

。それ

らを分析

し,カ

論理や要件

リキュラム

を探

レベル

ろう。

自国理解

しての

旧版

近現

代史

先ず,

1999

版歴

史/

ンシャ

ト科

いて取

りあ

,その

全体

と単

元の

を捉

,近

代史

育の

課程

を明

らか

しよ

(1)

全体

る現存

成一

近現

家の

来歴

家史

に基

く年代

的構

1999

年版歴

史/ゲ

マイ

ンシャ

ト科

では

,匚

史の

察の

ロッパ

史や

世界

に埋

まれ

いる19

・ 20

紀の

ドイ

ツ史

なす」

とも

51

(2)

表1 1999 年版歴 史ノ ゲ マインシ ャフ ト科の必修単元 と基本構成 学年 必 修単 元( 学 習 領 域) 対 象 主 要 内容 基 本 構 成 第 11 学 年 1  職 業 ギ ムナ ジウ ム での 歴史 / ゲマ イ ン シ ヤ フ ト 科 の教 育 へ の導 入 古 代 ∼ 現 代 ド イ ツ 史 ・ ヨ ー ロ ッ パ 史 ・ 世 界 史 上 の 様 々 な 政 治 政 治 史 の概 観 的 学 習 国 近 家 現 の代 来 国 歴 家 学 史 習 に 基 づ く 年 代 史 的 楷 成 に よ る 現 存 2  啓 蒙 主 義 とフ ラ ン ス革 命 を 事 例 と す る 市 民 革 命 市 民 革 命期 絶 対 王 政 ・ 啓 蒙 主 義 とフ ラ ン ス革 命 ヨ ー ロ ッ パ 史 ・ 世 界 史 の な か の ド イ ツ 国 民 国 家 の 成 立 史 の学 習 3  ド イ ツ 国 民 国 家 の形 成 ド イ ツ 統一 期 国 民 主 義 運 動 や1848/49 革 命 とド イ ツ帝 国 創 建 4  経 済 と社 会 的 変 化 ド イ ツ統 一 前 後期 経 済 変 化 と 社 会 問 題 第 12 学 年 5  帝 国 主 義 によ る緊 張 の場 の な か の ド イ ツ 帝 国 ド イ ツ帝 国 期 ド イ ツ 帝 国 の 政 治 と 第 一 次 世 界 大 戦 ド イ ツ 帝 国 史 の学 習 雍ヨーロツ の ド イ 言 の 学習 6  ド イ ツ にお け る民 主 主 義 的 秩 序 の 試 み − ワ イ マ ール 共 和 国 期ワイ マ ール 共 和 国 ワ イ マ ー ル共 和 国 の 成 立 ・ 展 開 と崩 壊 化 ワ イ マ ール 共 和国 史 の 学 習 7  第 三 帝 国 と 第 二 次 世 界 大 戦 第 三 帝 国 期 ナ チ ズ ム支 配 の 成 立 ・ 展 開 と 第 二 次 世 界 大 戦 第三 離 斑史とヨ ー ロ ッ パ 冷 戦 化 の 学 習 8  第 二 次 世 界 大 戦 の終 結 とブ ロ ッ ク形 成 一 歴 史 補 説 東 西 冷 戦 開始 期 東 西 ブ ロ ッ ク の形 成 第 13 学 年 9  国 際 的 ブ ロ ッ ク形 成 とそ の克 服 の 脈絡 に お け る ド イ ツ とヨ ーロ ッパ 東 西 ド イ ツ 分 断・ 統 合 期 ド イ ツ 分 断 と ド イ ツ 統 合 ・ ヨ ー ロ ッパ 統 合 東 西ド イツ分断・ 統 合 史 の 学 習 10  政 治 体 制 と 政 治 参 加 統 合 ド イツ 期 統 合 ド イ ツ の 政 治 体 制 と 地 球 的 課 題 ド イ ツ 国 民 国 家 の 現 状の 学 習

詣 諭 罷 昌 参 学 隍 姦 詐 齟 覬 茫六 義 な苣ヤGymnasium C治山chte/Gemeinschaftskv丿nde, 1999, S.8-21をもとに に, 匚“政 治 体 制 ・ 政 治 過 程 ” ど 国 際 政 治 ” と い う 領 域 が 重 要 な 位 置 を 占 め る 」 と さ れ る (Sachs.[1999 : 6D 。 そ の よ う な1999 年 版 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 につ い て , 全 体 構 成 か ら分 析 を は じ め よ う。 1999 年 版 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャ フ ト 科 で は , 各 学 年 末 な ど に復 習 や 発 展 的 学 習 の た め に一 定 の 時 聞 か 用 意 さ れ て い る が, 全 体 の 基 軸 を つ く っ て い る の は10 個 の必 修 の単 元 ( 学 習 領 域 ) で あ る 。 表 1 に は必 修 単 元 を 列 記 す る と と も に, レ ア プ ラ ン の 記 述 か ら 読 み と れ る 各 単 元 の 対 象 と 主 要 内 容 を 示 し , そ れ らを も と に 基 本 構 成 につ い て 整 理 し た。 導 入 学 習 で あ る単 元 1 で は 古 代 か ら現 代 まで の 様 々な 政 治 につ い て 扱 わ れ る。 そ れ につ づ く 9つ の 必 修 単 元 で は 取 り 扱 い が 近 現 代 史 に 限 定 さ れ て い る。 こ れ ら で は大 凡 , ド イ ツ 国 民 国 家 の 歴 史 を 中 心 に近 現 代 史 が 時 期 別 の 編 成 で 扱 わ れ て い る。 ド イ ツ の 国 家 史 的 な 時 期 区 分 に基 づ き , ド イ ツ 統 一 期 や ド イ ツ 帝 国 期 な ど の 諸 時 期 が ヨ ー ロ ッパ や 世 界 の 関 連 す る 歴 史 を 交 え つ つ 取 り あ げ ら れ る。 様 々な 時期 は 順 進 的 な 順 次 性 に従 っ て扱 わ れ る 。 ド イ ツ 統 一 期 や そ の 背 景 の 市 民 革 命 期 か ら , 最 現 代 で あ る 現 在 の 統 合 ド イ ツ 期 に至 る まで , 時 系 列 的 に配 さ れて い る 。 各 時 期 を 担 当 す る各 単 元 で 主 と し て 学 ば れ る も の は, 国 家 の成 立 や 体 制, 動 向 , そ れ ら に 関 わ る 対 外 関 係 な ど で あ るo 例 え ば, 近 代 ド イ ツ 統 一 期 につ い て 扱 う 単 元 2で は, 国 民 主 義 運 動 や1848 ・ 1849年 の 革 命 と ド イ ツ 帝 国 創 建 に よ る 国 民 国 家 の誕 生 が主 要 な 内 容 と な って い る。 各 対 象 時 期 の国 家 の歴 史 が 主 要 な 内 容 と し て 学 ば れ, そ れ ら の学 習 は対 象 時 期 の 時 系 列 的 な 取 り 扱 い に 沿 っ て す す め ら れ て い く。 ヨ ー ロ ッパ 史 ・ 世 界 史 の な か の ド イ ツ 国 民 国 家 の 誕 生 , 紆 余 曲 折 の 展 開, そ し て 現 状 とい う 変 遷 が一 連 の 歴 史 の 大 き な 流 れ と し て 習 得 さ れ る こ と に な る。 こ の 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャ フ ト 科 は, 国 民 国 家 史 と い う 国 家 の 近 現 代 史 を 中 心 に し て 国 家 史 的 時 期 区 分 と 時 系 列 的 配 列 で 構 成 さ れ て い る。 そ う し た 年 代 史 的 な 構 成 の 下 , 現 存 の 国 家 体 制 の 来 歴 が 中 心 内 容 と し て 筋 道 立 て て 学 ば れ る 。 近 現 代 の 様 々 な 時 期 に よ って 年 代 史 的 に 対 象 を つ く り , 国 民 国 家 と し て の 自 国 の 存 在 を 時 間 的 に提 示 し , 順 次 辿 ら せ る こ と で 学 ば せ る。 こ の全 体 構 成 は 近 現 代 国 家 史 に基 づ く年 代 史 的 構 成 に よ っ て 現 存 国 家 の 来 歴 を 学 ば せ る も ので あ る。 既 存 の 国家 を 前 提 化 し , そ の 在 り 様 を 国 民 国 家 史 の 時 間 の パ ノ ラ マ に 従 っ て 受 け 容 れ ら れ る よ う に す る も の と い え よ う。 (2)単 元 構 成 一対 象 時 期 の 出 来 事 史 的 構 成 に お け る 現 象 展 開 理 解 単 元 の 構 成 につ い て , 授 業 時 数 が最 多 で あ る 単 元 9 匚国 際 的 な ブl=コッ ク 形 成 と そ の克 服 の 脈 絡 に お け る ド イ ツ と ヨ ーロ ッパ」 に 即 し て 考 察 し たい 。 1999 年 の レ ア プ ラ ン に は 各 必 修 単 元 の 大 小 の 内 容 項 目 と 各 小 項 目 の主 要 事 項 が記 さ れ て い る。 表 2 52

(3)

に は 単 元 9 の 大 小 の 内 容 項 目 を 記 載 順 に並 べ る と と も に, 項 目 ・ 事 項 か ら読 み と れ る 対 象 と 考 察 内 容 を 示 し, そ れ ら を も と に学 習 組 織 を 整 理 し た。 単 元 9は 現 存 国 家 に 繋 が る 東 西 ド イ ツ分 断 ・ 統 合 期 を 対 象 と し て い る。 そ の 構 成 は 主 要 な 出 来 事 の 継 起 に よ る 時 系 列 的 な 構 成 で あ る。 東 西 ド イ ツ 分 断 ・ 統 合 期 に つ い て, 4つ の 大 項 目 に よ り , ド イ ツ の分 断 化 の 開 始 ・ 展 開 と そ の後 の 統 合 化 ま た 関 連 す る ヨ ーロ ッ パ の 統 合 化 と い う 出 来 事 の 継 起 と し て 構 成 し て い る。「 教 材 の 構 成 原 理 は 歴 史 上 の 出 来 事 や 過 程 の 年 代 史 で あ る」(Sachs.[1999 : 6]) とレ ア プ ラ ンで 述 べ ら れ て い る 通 り , 全 体 レ ベ ル で は 様 々 な 時 期 の 時 系 列 的 構 成 を と り, こ の 各 単 元 レ ベ ル で は 様 々 な 出 来 事 の時 系 列 的 構 成 を と っ て い る。 こ れ は 現 在 の 問 題 意 識 と 関 係 な く古 い ほ う か ら 学 習 を す す め る も の で あ り, 過 去 そ の も のを 知 ろ う と す る歴 史 的 視 点 に よ る も ので あ る。 出 来 事 の 考 察 は, 諸 局 面 か ら な る一 連 の推 移 を 辿 っ て い く と い う も の で あ る 。 例 え ば, 厂両 ド イ ツ 国 家 の統 合 化 」 に つ い て , ペ レ ス ト ロ イ カ な ど に代 表 さ れ る 国 際 的 背 景, DDR の 体 制 危 機 , 大 量 逃 亡 や 月 曜 デ モ な ど に よ る 平 和 革 命 , 人 民 議 会 選 挙 か ら 2 +4 条 約 な ど に 至 る東 西 統 合 の 実 現 を 順 に お さ え て い く(Sachs. [1999 :20D 。 他 の 大 項 目 で も同 様 に諸 局 面 の 経 過 や 事 実 関 係 を 詳 し く 追 っ て い く こ と で ド イ ツ の 東 西 分 断 化 や ヨ ー ロ ッ パ の 統 合 化 を 学 ぶ 。 分 断 化 の 開 始 を は じ め と す る 出 来 事 の 流 れ に 基 づ く出 来 事 史 的 構 成 の 下 , そ れ ら の 諸 局 面 か らな る推 移 を 辿 って い く考 察 に よ り, 単 元 9は 現 行 体 制 が 成 立 す る 東 西 分 断 ・ 統 合 期 を

分断 化 とその克 服であ る統合化 によ る出来事 の連

関 として理 解す る ものとなっ てい るO

このよ うに各単 元で は, 対 象とな る近現代 史上

の一 時期を 出来事 の継 起によ って出来 事史的 に構

成し, そ れら の推 移を辿 らせ, 対象時 期 の現 象展

開を 理解さ せ る。 過去 の社会を わ かる学習で はな

く 出来事を知 る学 習で あり, 出来事 によ る歴 史 の

流 れとして各 時期 を受 けと めさせ る学 習で ある。

(3)自国 理解 教育 による無批 判的 政治的 判断教 化と

しての近現 代史 教育

1999年版歴 史/ ゲマ イン シャフト科 で は, 全体

レベ ルにお いて,近 現代 のド イツ国民 国家 の歴史

を国家 史中心 の時期 区分 と時系列 的な配 列 によっ

て年代 史的 に構成 する。 ヨーロ ッパ史・ 世界史 の

なか のドイ ツ国民国 家 の成 立,展 開,現 状 という

現 存 国家 の来 歴を筋 に沿 って理 解させ る。 個 々の

時期を 扱う単 元レベ ルで は, 対象 時期を 出来事 の

継起 により 出来事史 的に構成 す る。 諸局 面か らな

る推移 を辿 らせ, 現 象展 開を 筋 に沿 って理 解さ せ

る。 このよう に時期 ごと の小 さな歴 史 の流 れを辿

らせ, それ らを積 み重 ねて いく ことで近現 代史 の

大 きな歴 史 の流 れを辿 らせ, 時間軸 に沿 ってド イ

ツ国民国家 の一 連 の歴 史を理 解さ せる。 内容 にお

い て,国家 史上 の様 々な時期 と 出来 事で対 象をつ

くり, 自国の近現 代史 を大小 の流 れか らな る一つ

のま とまりあ る事 実 その もののよ うに学 ばせ るO

国家 史 の様々な 時期 と出来事 によ る自国 の近 現代

史 の時系列 的編成 を とる。 ま た, 方 法にお いて,

学習 者 は大 小 の流 れを辿 り, 過去 からの筋道 を掴

み, 国民国 家史 中心 の一つ の歴 史像 を学 んで 現存

表2 単元 9 厂国 際的なブ ロック形成と その克服 の脈絡にお ける ドイツと ヨーロッ パ」 の構成 内 容 項 目 対 象 考 察 内 容 学習 組 織 対 象 考 察 学 習 1 連合 国 の 占 領 政 策 と ド イ ツ 2 国 家 制 の形 成

ドイツ 滾 滾 戦 後 の占 領 と東 西 ド イ ツ 国 家 の 成 立 ド イ ツ の東 西 分 断 化 の 推 移 の理 解

JIF

諸 局 面 か ら な る 推 移 の 理 解 対象時 鸚 蚩 欝 指 解 2 2つ の ド ィ ツ 国家 西 側へのド イツ連邦共 和国の統 合 ド イツ連邦共 和国の西 側ブロ ックへの統合 東 側 へ のD D R の 統 合 D D R の東 側 ブ ロ ッ ク へ の 統 合 対 決 と紛 争 制 御 東 西 冷 戦 の激 化 と緊 張 緩 和 ド イ ツ ード イ ツ 関 係 の展 開 東 西 ド イ ツ関 係 の安 定 化 3 両 ド イ ツ 国 家 の 統 合 化 国 際 的 枠 組 条 件 東 西ド イ ツ の 統 合化 国 際 的 背 景 の変 化 東 西 ド イ ツ の統 合 化 の 推 移 の 理 解 D D R にお け る体 制危 機 D D R の体 制 危 機 1989 年 の平 和 革 命 逃 亡 ・ デ モ とベ ル リ ン の壁 の 撤去 統 合 化 の諸 段 階 東 西 統 合 の実 現 4 ヨ ーロ ツ パ の統 合 理 念 と 史 的 展 開 ヨづコツ パ の統 合 化 西 ヨ ー ロ ッパ の統 合 化 ヨー ロ ツノ{ の統 合化 の 推 移 の 理 解 国 際 政 治 に お け る 経 済 要 素 ・ 権 力 要 素 と し て の ヨ ーロ ッ パ E U の 拡 大 化

言 甞 岔 回 詐 言 昌虻 錙 雛 乱 岫 甞 詣 れ お 瑁た加Gymnasium Ga廟丿chte/Gemeinsc.力aftskunde, 1999, S.19-20をもと

(4)

国家の在

り様

を理解する

。豊富な知識

を得ても自

国の存在

を相対化することは難

しく

,受容

し,適

応へ

と向か

。過去か

らの

時間的な流れの

受容的

な理解に

よる既存国家への

同化が

中心となる

この近現代史教育の狙

いはナシ

ョナルなアイデ

ンテ

ィティの教育といえよ

。レア

プランには教

目標が具体的に明示されず

,匚

見識が

あり批判

的で自律的で責任感の

ある行動」の能

力育成など

理念と

して掲

げられ

ている(Sachs.[1999 : 6])

けれ

ども

,実の

ところ,

ドイツ国民国家と

しての

自国の時間的体

系を体現す

るもの

して近現代史

を伝授

,国民と

しての共通の教養や記憶

を求め

。過去によって意味づけられ

るもの

して現存

国家

を受け容れ

させ

,その国家の国

民と

して自己

の存在

を意味

づけさせる

。だか

らこそ,現行体制

の成立過程

を直接的に学ばせる単元9が最重要視

され

るのでは

ないか

。同

じ歴史を共有する国民と

しての意識をもって共同

し未来に向か

うよ

うに仕

向ける国民意識形成が実際の

目標

となっていよ

1999

年版歴史/ゲマインシャ

ト科は国民と

ての帰属意識の形成

を目指

,様々な時期と出来

事に

よる自国の近現代史の時系列的編成

をと

時間軸に沿

った理解

を求め

,緩やか

ではあっても

既存国家への同化に導く

。 

ドイツ国民国家と

して

自国の時間的体

系を受容的に理解する自国理解

の教育であり

,過去理解志向的な近現代史教育で

ある

。これ

は現在の在

り様

を時間的体系にお

いて

歴史的に正統視

・自明視させるものであるため

既存の社会の秩序の維持や改

変にかかわる学習者

の政治的判断を無批判的なものに

一元化

し教化す

ことになる

。ザクセン州では前期中等教育段階

の中間学校

で通史を学ばせるにも拘わらず

(Sachs

。[1992])

,後期中等教育段階の職

業ギム

ナジウム

で再び近現代史

を学ばせ

うと

してお

近現代史教

育の重視は明らかである

。とはいえ,

1999

年版歴

史/ゲマインシャフ

ト科は

,旧来的な

通史的年代史的歴史教育での

近現代史教育と質的

に違わ

,近現代史教育の量的拡大に

留まって

。その本質は自国理解教育という無批判的政治

的判断教化

しての近現代史教育ととらえられ

う。

-3

。自他社会研究教育

としての新版近現代史教育

次に

,新

しい2006

年版歴史/ゲマインシャ

科について取

りあげ

,その近現代史教

育の

課程編

を明らかに

しよ

う。

(1

全体構成一社会

問題に基づ

く主題別構成による

近現代社会の学習

2006

年の

レアプランでは

,匚

過去や現在におけ

る時々に特有の前提条件と変化過程の理解

を高め

ること

「専門分野固有の活動方法を活用する能

力を強化する

こと

「過去や現在における政治的

事態

とその解釈に

ついて根

拠のある判断をつくる

能力を高める

こと

「自分の

生活世界にとっての

政治

と歴史の意味に対

して洞察

を得ること

,そ

,歴史的な経験

を背景に

して現在のための行為

可能性を吟味する能力を高めること」が

目標

して示され

ている(Sachs.

[2006 : 14-15])

。関連

諸学問の方法

を活用する

ことによ

,過去

と現在

の時々の条件枠組や改変を捉

えた

,政治的な事

を評価

づけた

,それ

らを踏ま

えて新たな在

り方について考えることが

目指

されている。そのために新たに

できるように

「現在に根

しよ

うと

すアプロ

ーチ(gegenwartsgenetischer Ansatz)

(Sachs.

[2006 : 15

)が採用されているという

現在の

問題関心から学習できるようにするために

どの

ようにつくられて

いるのか

,先ずは全体構成

を見よう。

第11

∼13

学年の各学年には必修の

単元

(学習領

域)が設定され

ている

。その他に学年ごとに選択

必修の単元も用意

され

ているが

,配当時間は

ごく

僅か

である

。必修の単元に限定

して取

りあげたい。

表3には各学年の必修単元

を列記す

るとともに

レア

プランの記述か

ら読み

とれ

る各必修単元の

象と主要内容

を示

,基本構成に

ついて整理

した

必修単元は計6つである

。これ

らでは

「支配と

政治秩序構想

,自由の理解と政治参加の努

力,自

他のアイデンティティ

,紛争

と解決,労働

と生活

という主題が取りあげられる(Sachs.

[2006 :

15]

。それ

らは

「現在の社会や今日の

論争

を規定

しているだけでな

,過去の時代の思考や行為も

規定

してお

,未来においても重要であろうこと

予期されうる」ものとされ,

「鍵問題

(Schliisselprobleme)

」と呼ばれている(Sachs.

54−

(5)

表.3 2006年 版歴史ノゲ マイン シャフ ト科の必 修単元と基 本構成 学 年 必 修 単 元( 学 習 領域) 対 象 主 要 内容 基 本 構 成 第 11 学 年 11-1  民 主 制 下 と独 裁 制 下 の 青 年 や青 年 文 化 統治 の問 題 青 年 の問 題 統 治 にか か わ る身 近 な 問 題 近 現代 における諸 個人 一 社 会 近 現 代 に お け る 社 会 の 存 在 の 認 識 統 治 に か か わ る 身 近 な 問 題 に 基 づ く 近 現 代 に お け る 社 会 の 存 在 の 学 習 ( 政 治 関 与 問 題 ・ 課 題 追 求 問 題 の 意 識 化 ) 轍 構 成 に 綴 大化 11-2  民 主 制下 と独 裁 制 下 の メ デ ィ ア メ デ ィ ア の問 題 近現代 におけ る諸 個人 − メ デ ィ ア ー社 会 第 12 学 年 12-1  政 治 を つ く る 集 団 的 な 政 治 的 自 律 の 問 題 政 治 関 与屋) ゜ 近 現 代 にお け る国 家 政 治 シ ステ ム 近 現 代 にお け る 社 会 の 存 在 形 成 の 枠 組 の認 識 政 治 関 与 の問 題 に 基 づ く近 現 代 に お け る 社 会形 成 の枠 組 の学 習 政 治 関 与瓏・ 課 題 追 求 問 題 に基 づ く近 現 代 に お け る社 会 形 成 の学 習 12-2 ヨーロッパ におけ るナショ ナ ル・ ア イデ ンテ ィテ ィ 集 団 的 な 自 己 定 義 の 問 題 近 現 代 にお け る社 会 統 合 第 13 学 年 13-1  国 際 紛 争 と 解 決 の 可 能 性 平 和 の 問 題 政 治 課 題 追 求 の 問 題 近 現 代 にお け る安 全 保 障 近 現 代 にお け る社 会 の 存 在 形 成 の 遂 行 の認 識 課 題 追 求 の問 題 に基 づ く近 現 代 にお け る社 会 形 成 の遂 行 の学 習 13-2  ヨ ー ロ ッ パ に お け る 生 活 と 労 働 福 祉 の問 題 近 現 代 にお け る生 存 ・ 生 活 保 障 輿 豐 舞 綴lS 鍛? 鸚k 舷 司 詛 廠訌 笳 徑 誚 豐 淙 羅 氈 ヤ J臨 ゜ ″neinschaftskunde, 2006, S 18'20 ゛ 22-25 ° 27-30 [2006 : 15])。 過 去 ・ 現 在 ・ 未 来 の 社 会 の 形 成 に 通 底 す る鍵 的 な 課 題 や 論 点 で あ り , 広 い 意 味 で の 社 会 の 問 題 で あ る 。 必 修 単 元 の11-1 と11-2で は , 統 治 に 関 連 す る青 年 生 活 ・ 文 化 の問 題 や メ デ ィ ア の 問 題 につ い て 扱 う。 12-1と12-2で は , 集 団 的 な 政 治 的 自 律 と そ れ を 支 え る集 団 的 な 自 己 定 義 と い う 政 治 関 与( 自 治) に か か わ る 問 題 に つ い て 扱 う0 13-1と13-2で は , 平 和 と 福 祉 と い う 政 治 課 題 の 追 求 に か か わ る問 題 につ い て扱 う。 人 々 の 統治 , 人 々 に よ る政 治 関 与, 人 々 のた め の課 題追 求 とい う 様 々 な 側 面 か ら 社 会 の在 り 方 を め ぐ る 問 題 を 取 り あ げ る か た ち に な って お り , 現 在 的 関 心 に 基 づ く 学 習 が 用 意 さ れ る。 そ れ ぞ れ に 問 題 を 扱 う 各 必 修 単 元 で は, 主 題 別 で 今 現 在 も 含 め た近 現 代 の 社 会 の 学 習 を 行 うo 例 え ば, 第12 学 年 で は 2つ の 単 元 に お い て , 集 団 的 自 律 の 問 題 と 集 団 的 自己 定 義 の 問 題 を主 題 化 し , ス テ ート と ネ ー シ ョ ン と い う 国 家 の 2 つ の 側 面 に 向 き あ い , 近 現 代 史 上 の多 様 な 政 治 シ ス テ ム や 社 会 統 合 につ い て 学 習 す る。 そ う し た 社 会 の 学 習 は 主 題 別 の 学 習 の 単 な る 寄 せ 集 め で は な い 。 第11 学 年 と 第12 ・ 13学 年 と で 段 階 化 さ れ て い る(Sachs. [2006 : 15])。 第11 学 年 で は , 学 習 者 自身 を 含 め た 青 年 の 生 活 ・ 文 化 の 在 り 方 や 身 の ま わ り の も の で あ る メ デ ィ ア の 在 り 方 と の 関 連 か ら 統 治 の 問 題 を 扱 い , 社 会 の 存 在 を 把 握 し , 自己 の 政 治 的 行 動 や 今 後 の 経 済 的 生 活 ま た メ デ ィ ア の 意 義 や 危 険 性 に つ い て 考 え る。 学 習 者 は政 治 関与 の 問 題 や 政 治 課 題 追 求 の 問 題 を 意 識 化 す る こ と に な ろ う。 導 入 的 学 習 を 踏 ま え, 第12 学 年 で は政 治 関 与 の 問 題 を -扱 い , 国 家 政 治 シ ス テ ム と 社 会 統 合 と い う 社 会 の 形 成 の た め の 枠 組 に つ い て 捉 え , 第13 学 年 で は 課 題 追 求 の 問 題 を 扱 い , 安 全 保 障 と 生 存 ・ 生 活 保 障 と い う 社 会 の 形 成 の 遂 行 に つ い て 捉 え る 。 身 近 な 物 事 と の 関 連 に よ る 取 り 扱 い か ら 問 題 そ の も の の 取 り 扱 い へ と 展 開 さ せ , 問 題 に よ る近 現 代 社 会 の 学 習 を 主 題 別 に繰 り 返 し つ つ , 社 会 の 存 在 の 認 識 か ら 存 在 形 成 の枠 組 と 遂 行 の認 識 へ 拡 げ て い く。 2006 年 版 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 で は, 社 会 の形 成 に 向 け て 現 在 的 関 心 か ら 学 習 を 行 え る よ う に広 い 意 味 の 社 会 問 題 を 対 象 と す る 。 問 題 を 主 題 に し , 現 在 を 含 め た 近 現 代 に お け る 社 会 の 在 り 様 や つ く ら れ 様 の 学 習 を 目 指 す 。 ま た , 年 代 史 的 構 成 を と ら ず , 主 題 別 で 構 成 す る。 近 現 代 社 会 の学 習 を 社 会 の 存 在 につ い て の学 習 か ら , そ れ を 踏 ま え た 存 在 形 成 に つ い て の 学 習 へ と 拡 大 し て い く。 社 会 の 問 題 に 基 づ く主 題 別 構 成 に お い て 近 現 代 社 会 学 習 の 拡 大 化 を 狙 う よ う に な っ て い る。 (2)単 元 構 成 一 対 象 問 題 の 遡 及 的 主 題 史 的 構 成 に お け る 通 時 的 社 会 分 析 単 元 の 構 成 に つ い て , 最 終 の 必 修 単 元 で あ る 13-2「 ヨ ー ロ ッパ に お け る 生 活 と労 働 」 を 事 例 に 考 察 し た い 。 2006年 の レ ア プ ラ ン は様 式 を 変 え , 単 元 ご と に 活動 目 標 の か た ち で学 習 活動 を 配 列 し , 各 活 動 の主 要 項 目, 関 連 事 項 ・ 学 習 方 法 な ど を 記 し て い る。 同 単元 の 活 動 目標 と主 要 項 目 を 列 記 し , レ アプ ラ ン の 記 述 か ら対 象 と考 察 内 容 を 読 み と り, 学 習 組 織 を 整 理 し た も の が , 表 4で あ る。 こ の 単 元 は 福 祉 の 問 題 を 対 象 と し , 3段 階 で 取 り扱 う 。 現 在 か ら , 過 去 , 再 び 現 在 へ と取 り 扱 い 55 −

(6)

表 4  単 元13-2 「 ヨ ー ロ ッ パ に お け る 生 活 と 労 働 」 の 構 成 学 習 活 動 と 主 要 項 目 対 象 考察 内 容 学習 組 織 対 象 考 察 学 習 1)社 会 の 展 開 に と っ て の 労 働 の 意 味 を わ か る こ と ( 構 造変 化 )

§l

現在 の労 働と失 業・ 失 業 不 安 現 在 の生 存 ・ 生 活 リ ス ク 労 働 の 意 義 と経 済 社 会 構 造 変 化 によ る 危 機 生 存 ・ 生 活 保 障 へ の 着 眼 化 現 在 の 問 題 問 題 の 把 握 対 象 問 題 の遡 及 的 主 題 史 的 構 成 に お け る 通 時 的 近 現 代 社 会 分 析 2)19世 紀 に お け る工 業 化 の社 会 的 ・ 政 治 的 影響 を わ かる こ と( 労 働・ 居住 ・ 生 活 の 状 況/ 市 民 階 級 の躍 進 / 労 働 者 階 級 の成 立 と政 治的 解 放) 19 世 紀 のド イ ツ・ ヨーロ ッパ にお け る 生 存 ・ 生 活 リ ス ク と対 応 過 去 の各 時 期 にお ける生 字・ 生 活 リ ス ク と 対 応 工 業 化 に よ る 経 済 構 造 変 動 ・ 階 級 分 化 と 労 働 者 の 問 題 発 生 ・ 組 織 化 生 活 リ ス クの 発生 ・ 社 会 問 題化 と 解 決 ア プ ロ ー チ の 分 析 吟 味 参 照対 象 と し て の 過 去 の 各 時期 の 問題 や 解決 各 時期 の状 況 や 解 決 の対 比 的 分 析 吟 味 3)第 二 次 世 界 大 戦 ま で の ド イ ツ に お け る社 会 的 問 題 の 解 決 ア プ・ − チ を わ か る こ と ( 国 家 / 経 営 者 / 教 会 / マ ル ク ス主 義 の社 会 構 想 / 労 働 運 動) 19 ∼20 世 紀 前 半 の ド イ ツ にお け る対 応 生 存 ・生 活 リ ス ク の 社 会 問 題 化, 問 題 解 決 の 政 策 ・ 実 践 ・ 運 動 4)1945題 につ い て 考 え を き め る こ と ( ド イ年 以 後 の ド イ ツ に お け る 社 会 問 ツ 民 主 共 和 国 にお け る 経 済 政 策・ 社 会 政 策 ノ ド イ ツ 連 邦 共 和 国 に お け る 経 済 的 社 会 的 展 開 ) 20世 紀 後 半 の 東 ド イ ツ に お け る 対 応 社 会主 義 に よ る 国 家 的 対 応 と 福 祉 国 家 に よ る 国家 的 対 応 の 意 義 ・ 問題 , 今 後 の 福 祉 国 家 20世 紀 後 半以 降 の 西 ド イ ツ ・ 統 一 ド イ ツ に お け る 対 応 5)EU に お け る 労 働 や生 活 の 諸 条 件 , 経 済 政 策 ・ 社 会 政 策 に と っ て の あ り う る 諸 結 果 を わ か る こ と ( 国 別 の 諸 条 件 の比 較 / E U 政 策 の チ ャ ン ス と 問 題 ) 現在のドイツとヨ ー ロ ッ パ の 生 存 ・ 生 活 リ ス ク と 対 応 現 在 の 生 存・ 生 活 リ ス ク と 対 応 E U の域 内 格 差, 諸 国 の 労 働・ 生 活 や 社 会 政 策, 今 後 の 展 開 と対 応 の可 能性 や 課 題 ヨーロ ッ パ に お け る 今 後 の 解 決 アプ ロ ー チ の可 能 性 や 課 題 の分 析 吟 味 と今 後 の生 活 の展 望 現 在 の 問 題 や 解 決 分 析 と 今 後 を めぐ る 吟 味 検 討 6) グ ロ ー バ ル 化 す る世 界 に お け る生 活 展望 に つ い て 考 え を 吉 め るこ と 現 在 に お け る 経 済 の グロ ー バ ル化 グロ ー バ ル化 経 済 に お け る今 後 の生 活 迴 座燮 C貽?j 曜tsministerium丿 琵 胼1恰、 麹 々ワ?泌、 咎 ざ 胎 砂

仁(私印nasium Geschichte/Gemein,ぶchaftskunde、2006, S.27 ・ 28-30を も と に 筆 者 作成 対 象 ・ 考 察 内 容 ・ 学 習 組 織 の欄 は 筆答に よ る 霹 を 表茫) を 展 開 さ せ る ‰ 第 1 段 階 の 1 )で は , 現 在 の 労 働 や 失 業 ・ 失 業 不 安 に つ い て 取 り あ げ る。 第 2段 階 の 2)∼ 4)で は , 現 在 の 問 題 を 考 え る た め の 参 照 対 象 と し て ,19 世 紀 の 労 働 者 の 組 織 化 に よ る対 応 ,19 ∼20 世 紀 前 半 の政 策 ・ 実 践 ・ 運 動 と い っ た 多 様 な 主 体 に よ る 取 り 組 み,20 世 紀 後 半 の 社 会 主 義 と 福 祉 国 家 と い う 2類 型 の 国 家 的 対 応 な ど につ い て 取 り あ げ る。 過 去 の 各 時 期 の 生 存 ・ 生 活 リ ス ク や 対 応 を 取 り あ げ る。 翻 っ て 第 3段 階 の 5)・ 6)で は ,21 世 紀 の ヨ ーロ ッ パ や 世 界 に お け る リ ス ク や 対 応 を 中心 に取 り あ げ る。 現 在 の 問 題 を 起 点 と し , そ こ か ら 遡 及 し て 近 現 代 の 過 去 の 問 題 , さ ら に 現 在 の 問 題 へ と主 題 史 的 に 構 成 し , 現 在 の 問 題 に つ い て 過 去 の 問 題 を 参 考 に し て 取 り 組 め る よ う に す る。 遡 及 的 主 題 史 的 な 構 成 の 下 , 対 象 の考 察 は 分 析 とそ れ を 踏 ま え た 吟 味 検 討 が 中 心 で あ る 。 第 1 段 階 で は, 労 働 を 意 義 づ け , 経 済 社 会 の 構 造 変 化 に よ る危 機 を 把 握 す る。 現 在 の 生 存 ・ 生 活 リ ス ク や 今 後 の 生 存 ・ 生 活 保 障 へ の 着 眼 化 を 踏 ま え , 第 2 段 階 で は , 例 え ば, 国 家 的 対 応 で あ る 社 会 主 義 に よ る 解 決 の試 み や 福 祉 国 家 に よ る 解 決 の 試 み, そ れ ら の 意 義 , 限 界 や 問 題 を 分 析 吟 味 す る。 過 去 と の 対 比 に よ り 第 3段 階 で は, E U の 域 内 格 差 や 自 国 を 含 め た諸 国 の 労 働 ・ 生 活 や 社 会 政 策 を 捉 え , -国 家 の 枠 組 が 大 き く変 容 し つ つ あ る な か で の 今 後 の 展 開 や 対 応 を 予 想 吟 味 し , グ ロ ー バ ル 化 経 済 に お け る 生 活 の 在 り 方 も考 え る。 こ の歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 で は, 社 会 の 形 成 に 関 与 す る た め の 前 提 と な る 匚分 析 と 熟 考 」 を 重 視 し て お り (Sachs.[2006 : 16]), 問 題 を 取 り あ げ る が , 判 断 を 求 め る と し て も 個 人 と し て の 判 断 で あ る。 第 一 義 的 に は近 現 代 の多 様 な 社 会 を 対 比 し 分 析 し て 対 象 化 し 客 観 視 す る こ と を 狙 う 。 匚社 会 科 学 的 な 認 識 方 法 や そ の た め に 必 要 な 専 門 的 活 動 方 式 」 に よ って 過 去 や現 在 に き り こ む 課 題 探 究 的 考 察 を 重 ん じ て い る(Sachs. [2006 : 15D 。 レ ア プ ラ ン の 各 単 元 に つ い て の 記 載 様 式 の変 更 も学 習 者 自 身 の 探 究 的 な 考 察 の 重 視 と 結 びつ い た もの で あ ろ う 。 単 元13-2 で は, 現 在 の 生 存 ・ 生 活 保 障 に 着 眼化 し, そ の 考 察 の た め の 参 照 対 象 を 産 業 化 以 後 の 過 去 に 求 め, リ ス ク の発 生 ・ 社 会 問 題 化 と と も に各 時 期 の解 決 ア プ ヨ ー チ を 分 析 し , そ れ ら と の 対 比 にお い て 自 国 やEu の今 後 の 展 開 ま た解 決 ア プ ロ ー チ の 可 能 性 や 課 題 を 検 討 す る と い う 福 祉 問 題 の研 究 学 習 が 組 織 さ れ る。 各 単 元 で は , 近 現 代 史 上 に お け る現 在 の問 題 と過 去 の問 題 と で 遡 及 的主 題 史 的 に 対 象 を 構 成 す る。 分 析 吟 味 を 中 心 に対 象 の考 察 を 求 め, 現 在 の 問 題 意 識 か ら 過 去 の 状 況 や 解 決 の 取 り 組 み を 扱 い, そ れ らを 参 考 に し て 現 在 の状 56 −

(7)

況や解決の取

り組み

を分析

吟味させる

。近代化以

,現在の問題に関連

・類似する問題が発生

・深

刻化

,対応のために繰

り返

し取

り組まれ

てきて

いるが故に

,そのような問題

を通

して近現代の

様な社会の在

り様やつくられ様にア

プロ

ーチさせ

。通時的に対比

させる

ことで現在の社会

を新た

な形成に

向けて分析的に見定め

られ

るようにす

過去や現在における政治秩序

・社会の問題との

り組み

において

,熟考的自省的な歴史意識が育

まれ

」(Sachs.

[2006 : 14

)とレア

プランで述

られ

いる

ように

,現在の問題

意識か

ら産

業化

国民国家形成以後

を振

り返

,それによって現在

の社会

を捉

え返す

という通時的社会分析

を行わせ

o敢

えて遠回

りして過去

を介す

ことで現在の社

会に向きあわせ

,自分の社会

を外部者の眼

で見る

ように客観視

させ

,受け容れて

よいか

を自分の頭

で考

えるように促すわ

けで

ある。

2006

年版歴史/ゲマインシャ

ト科は

,各単元

で現在的視

点に基

づく対象問題の遡及的

主題史的

構成をとり

,通時的対比的な分析吟味によ

り現在

も含めた近現代の

多様な社会

を認識させる

。分析

吟味に軸足をおき

,現在の社会

を同

じ近代化以後

の過去の社会

を介

して読み

解かせ

ることで

一旦

きはな

して醒めた眼で捉えられ

るようにする

(3

自他社会研究教育に

よる間接的な批判的政治的

判断形成

としての近現代史教育

2006

年版歴史/ゲマインシャフ

ト科は

,全体

ベルにおいて

,社会づくりのための鍵的な課題や

論点という社会の問題

を対象に

,主題別構成を

とる

。問題に基

づいて社会の在

り様

とともにつ

られ様の認識

を可能にする

。近現代の社会の歴史

を単

一化

して学ばせることもで

きようが,社会の

歴史を主題別に複数化

,分析的に近現代社会

り返

し学ばせ

,社会の存在の認識か

ら存在形成

の枠組や遂行の

認識へ

と拡げていく

。各単元

レベ

ルでは

,現在

を起

点とし,歴史を手段化

し,現在

の問題

とその参照対象である近代化以後の過去の

問題とで遡及的主題史的構成

をとる

。分析吟味中

心の考察により

,近現代に

おける現在の

自社会

過去の他社会

を対比的に研究

させ

。現在的関心

らの問題による主題史的構成で通時的社会分析

を単元ごとに求め,問題に基づ

く全体の

主題別構

成において様々な問題に即

して近現代を繰

り返

縦断

しつつ

,近現代社会の認識

を拡大

させて

いき

社会の存在

と形成

を研究

的に学ばせ

。内容にお

いて

,社会の問題で対象

をつくり,近現代の

自他

社会を主題ごとに通時的に認識できるように編成

しており

,それ

は社会の

問題による近現代の

自他

社会の主題別通時

的編成である

。方法に

おいては

学習者に現在的視

点か

らの時間的な対比による分

析吟味

を求め

,通時的研究にあた

らせ

,既存の社

を相対視できるようにする

。社会の存在や形成

の対比的分析吟味に

よる対象化か中心である

この教科の学

習は

,社会の

問題

を扱

うとは

いえ,

社会問題史の社会研究という性格が強い

。前掲の

教科目標が示

している通

,新た

な社会

づくりに

向け

,近現代の過去の

多様

な社会を見極め

,時間

的対比を通すことで現在の社会

を省み

,絶対化せ

ず相対化

しク

リアに認識できるよ

うにす

ること

それ

によって今在るもの

を当然視せずに

一度疑問

し新た

な在

り方について考えるように間接的に

促す

ことが

目指

され

ている

。目標

は社会形成のた

めの反省的な社会認識の形成である

。問題を扱

ことで社会の在

り様だけでなく社会の

つくられ様

まで認識内容

を拡

げているものの

,社会の

形成

遂行的にではな

く研究的に学ばせる

。社会の新た

な形成の

ために社会

をわかることを狙う

しい歴史/ゲマインシャフ

ト科は既存社会認

識の

形成

を目指

,社会の問題による近現代の

他社会の主題別通時的編成

をと

,漫然

としてい

ては見

えてこないもの

を過去との対比に

よって見

えるように

,分析吟味に

おいて現在の社会の在

り様や

つくられ様

を対象化させ

るものである

。現

在の自社会を鵜呑みせずに過去の他社会を介

して

い視野か

ら見

つめ

なおす

自他社会の通時的研究

の教育が2006

年版歴史/ゲマインシャフ

ト科の近

現代史教

育であ

,それ

は現在認識志向的なもの

である

。この近現代史教育は,眼

前の物事に安易

に迎合せずに

一度疑問の眼を向けることで新たな

り方を自分の頭で考

えるよ

うに促すもの

であ

実質において批判

的な政治的判断の間接的形成で

ある

。中間学校の新

しい歴史科

では通史的年代史

的枠組

のなかに縦断的な主題史の学習を組み込ん

でお

り(Sachs.

[2004 : 4-5]),

業ギムナジウム

― 57

(8)

のこの歴史 /ゲ マイ ンシ ャフ ト科で は社会 問題 に

よる主 題史 的な 社会研究 を近現 代史 中心で全 面的

に展 開 させ る3)O そ れ は旧 来 的な通 史的 年代史 的

歴史 教育 のなかで の近現 代史教 育 とは質的 に大き

く異 な るもので ある。 近 現代史 重視 とい って も,

近現 代史を 自ず から存 在す る一 つ のまとま りあ る

ものの ように教え ない。 社会 の新 たな在 り方 を考

え るよう に促す べく,近 代化以 後 の多 様な 社会を

主題 別 に分 析的 に学 ばせる ことに よって 眼前 の社

会を 見え やす くし, 社 会の認識 形成 におい て間接

的 に批判 的政治 的判断 を促す ので ある。

4。 社 会 科 学 化 に 基 づ く 政 治 的 判 断 形 成 の変 革 1999 年 版 と2006 年 版 の 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 は, 近 現 代 史 教 育 と し て の 内 実 を 大 き く違 え て い る。 質 的 変 革 の 論 理 と 要 件 を 探 り だ そ う。 そ れ ら は 表 5 の 通 り, 目 標 ・ 内容 ・ 方 法 に お い て 相 異 な って い る。 目 標で は, 国 民 意 識 形 成 か ら, 社 会 認 識 形 成 へ 改 め ら れ て い る 。 現 存 の 国 家 の 維 持 発 展 の た め, 同 じ 歴 史 を 共 有 す る 国 民 と し て の 帰 属 意 識 を も た せ る こ と か ら, 新 た な 社 会 づ く り に 向 け , 社 会 の 在 り 様 や つ く ら れ 様 を 省 み ら れ る よ う に す る こ と へ 変 更 さ れ て い る。 内 容 で は, 国 家 史 上 の 様 々 な 時 期 と 出 来 事 に よ る 自 国 の 近 現 代 史 の 時 系 列 的 編 成 か ら , 社 会 の 様 々 な 問 題 に よ る 近 現 代 の 自 他 社 会 の主 題 別 通 時 的 編 成 へ 改 め ら れ て い る。 中心 内 容 が 自 国 の 近 現 代 史 か ら, 近 現 代 の 自 他 社 会 へ 換 え ら れ, 対 象 構 成 が 様 々 な 時 期 と 出 来 事 に よ る 国 家 の 時 間 的 存 在 提 示 か ら, 様 々 な 問 題 に よ る 社 会 の 通 時 的 研 究 機 会 へ 変 更 さ れ て い る。 ま た , 方 法 で は, 過 去 を 辿 り 時 間 的 な 流 れ を 理 解 す る こ と で 過 去 に よ って 意 味 づ け ら れ る 現 在 を 受 け 容 れ る こ と か ら, 現 在 よ り 遡 り 時 間 的 に 対 析 吟 味 す る こ と へ と改 め ら れ て い る。 既 存 国 家 へ の 同 化 か ら 既 存 社 会 の 対 象 化 に 改 め ら れ, 現 状 を 自 明 視 せ ず に見 つ め な お す こ と が 重 視 さ れ て い るo こ う し た 目 標・ 内 容 ・方 法 原 理 の変 換 に お い て, 近 現 代 史 教 育 が カ リ キ ュ ラ ム レ ベ ル で 質 的 に改 め ら れて い る 。 1999年 版 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 は, 自 国 の 時 間 的 体 系 を 理 解 さ せ る 自 国 理 解 教 育 と し て の 近 現 代 史 教 育 で あ る。 国民 国 家 と し て の 来 歴 を 理 解 さ せ, 現 存 国 家 へ 同 化 す る よ う に仕 向 け る。 2006年 版 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 は, 現 在 の 自 社 会 を 過 去 の 他 社 会 と の 通 時 的 対 比 に よ り 分 析 吟 味 さ せ る 自 他 社 会 研 究 教 育 と し て の 近 現 代 史 教 育 で あ る。 同 じ 産 業 化 ・ 国 民 国 家 形 成 以 後 の 社 会 と 対 比 的 に 研 究 さ せ , 新 た な 形 成 に 向 け て 眼 前 の社 会 を 異 化 し 明 晰 に捉 え ら れ る よ う にす る。 2006 年 の全 面 改 訂 に お い て 近 現 代 史 の 重 視 は 維 持 さ れ つ つ も, 近 現 代 史 や そ の 教 育 の 中 身 は 根 底 的 に改 め ら れ て い る。 こ の 教 科 に よ る 「 歴 史 的 政 治 的 陶 冶 の 促 進 」(Sachs. [2006 :1 判 ) の 方 向 が 問 題 視 さ れ, そ の転 向 が 図 ら れ た こ と は 間 違 い な い 。 1999年 の レ ア プ ラ ン は, 自 国 中心 の 近 現 代 史 を 辿 る 構 成 に お い て 匚ゲ マ イ ン シ ャ フ ト 科 の主 題 や 課 題 設 定 は 論 理 上 の視 点 に応 じ て 歴 史 的 素 材 に 組 み 込 ま れ る 」(Sachs. [1999 : 6]) と し , 歴 史 の主 導 性 を 意 図 し て い た。 こ の 教 科 の 歴 史 的 政 治 的 陶 冶 を , 国 家 の 歴 史 を 教 え る こ と, す な わ ち, 現 存 の 自 国 の 歴 史 的 正 統 性 を 受 け 容 れ さ せ る 無 批 判 的 判 断 教 化 を 中 心 に 行 う も の と な っ て い た 。 2006 年 の レ ア プ ラ ンで は, 匚歴 史 科 と ゲ マ イ ン シ ャ フ ト 科 と い う 両 教 科 の 一 体 化 は 」 匚過 去 へ の 問 い を 現 在 に と って の 結 論 に 直 接 的 に 結 び つ け る チ ャ ン ス で あ る」(Sachs. [2006 :1 引 ) と考 え て い る。 社 会 の 形 成 に向 け た現 在 的 関 心 の主 導 性 を 意 図 し,

比 するこ とで過去 を参照 し現 在を照 らし だして分    社会 の認 識 のため に歴史 の教育を 手段化 し意義づ

表5 1999年版歴史ノゲマインシャフト科と2006年版歴史ノ ゲマインシャフト科の近現代史教育

1999 年 版 歴 史ノ ゲマ イ ン シ ャ フ ト 科 2006 年 版 歴 史 / ゲ マ イ ン シ ャフ ト 科 目 標 原理 国 民 意 識 の形 成 社 会 認 識 の形 成 内 容 原理 国 家 史 の 様 々 な 時 期 と 出 来 事 に よ る 自 国 の 近 現 代 史 の時 系 列 的 編 成 社 会 の 様 々な 問題 に よ る 近 現 代 の 自他 社 会 の 主 題 別 通 時 的 編 成 方 法 原 理 過 去 か ら の 時 間的 流 れ の受 容 的 理 解 に よ る 既 存 国 家 へ の同 化 現在 か らの時 間的対 比に基 づ く分 析 吟味 による既 存社 会の対 象化

自国 の 時 間 的 体系 理 解 の教 育( 自 国 理 解 教 育) と し て の 近 現 代 史 教 育 : 国 家 の 歴史 を 教え る こ と 自他 社 会 の 通 時 的 研 究 の 教 育( 自他 社 会 研 究 教 育) と し て の近 現 代 史 教 育 : 社 会 を 歴史 で 教え る こ と 無 批 判 的政 治 的 判 断 の 教 化 批 判 的 政 治 的 判 断 の 間 接 的形 成 政 治 的 判 断 形 成 ( 歴 史 的 政 治 的 陶 冶 ) 58 ( 筆 者作 成)

(9)

けなお

している

。社会

を歴史で教

えること,すな

“未来に

向けての

現在か

らの過去

との

対話”

において今の国家を含めた社会に

一旦疑問の眼

向けられ

るようにする間接的な批判的判断形成

中心に歴史的政治的陶冶

を構想

している

旧東側のザクセン州では東西統合後

,東

ドイツ

時代の中等社会系教科の克服が

目指

された

。尤

も,

ドイツ民主共和国への適応の教育か

ら抜けだす

とはできても

,一気に適応の教育その

ものか

ら抜

けだす

ことは難

しか

った

。特に前期中等教育段階

では

ドイツ連邦共和国への適応の教育が社会系教

科の基調となった

(服部

[2009b

,参照)

。後期

中等教育段階にあたる職

業ギムナジウム

の歴史

ゲマインシャ

ト科の

レア

プランは1999

年になっ

てつくられたが

,それ

も国民国家の歴史の教授

目的化

し現存の

国家に順応できるようにす

るもの

であった

しか

し,国家が意義

あるものだか

らと

いって

,今の在

り様を鵜呑みに

させる無批判的判

断教化はやは

り問題と捉

えざる

をえない

。それは

既に在

るものを絶対化

・自明視

させ

,現状に自発

的に従

うように仕向け

,新たな社会

づくりを阻ん

しま

。社会が大きく変動

し国民国家の枠組す

ら変容

しは

じめ

,また極右政党が

州議選

で躍進す

るほどに政治への信頼が

揺らぎ政治文化が不安視

され

ている今日

,有効ともいえない。社会の新た

な形成に向けて在

り様

を見

つめ

なお

した

り在

り方

を問いなお

した

りできるようにする批判的判断の

形成に寄与

しうる教科が求め

られ

。同州で2005

年前後に諸段階

・諸教科のカ

リキュラム

改革がす

すめられるなか

,歴史/ゲマインシャフ

ト科の

2006

年改訂では

,無批判的政治的判断教化か

ら批

判的政治的判断形成へ

と基本役割の歴史的政治的

陶冶

を方向転向することが課題化され

たと捉

えら

る。

その課題に応

える近現代史教育改革は

,社会科

学の論理で目標

・内容

・方法原理を組織する

こと

で可能となっている

。社会科学は現在的関心に基

づき既存の社会の

存在や

形成

を研究

し相

対化する

そのような社会科学の論理に基づくか

らこそ

,目

を既存社会の認識形成へ換

,学習者が社会の

存在や形成に対峙

しそれ

らをわかる

ことを狙う

内容を社会の問題に

よる近現代の

自他社会の

主題

-別通時的編成へ換え

,問題によって多様

な社会を

研究

,現在の問題関心に従って社会の在

り様や

つくられ様

を敢

えて過去

を通す

ことで距離

をとっ

て捉えるよ

うに導

。また,方法を対比による分

析吟味中心の対象化へ換え

,現在の社会

を自明視

せず疑問視できるようにする

。これ

らでは社会の

存在の認識に留めず

,社会科学の論理をすすめる

ことによ

,問題に基づく構成において社会の形

成の認識ま

で拡げて

いる

。社

会科学の論理

で目標

内容

・方法原理を組織する社会科学化でもって再

編する

ことによ

,国家の歴史

を教

える

ことか

社会

を歴史で教

えることへの転換が可能に

なって

いる

。近現代史の前社会科学的認識教育である自

国理解教

育という無批判的判断教

化か

,近現代

史の社会科学的認識教育である自他社会研究教

という間接的批判的判断形成へ

,カリキ

ュラム

ベルで近現代史教育の実質転換が導かれ

ている

この近現代史教

育の改革は

,社会科学化に基

,自国理解教育か

ら自他社会研究教

育へ質的に

変革するものである

。それ

によって無批判的政治

的判断の教

化か

ら脱

,間接的形成ではあるけれ

ども批判的政治的判断の形成を可能に

,既存国

民国家のための近現代史教育ではなく民主主義社

会形成のための近現代史教育をう忝だ

している

。むす

び一脱権

力化と

しての近現代史教育改革

近現代史教育の改革とは何

をす

ることか

。それ

なぜ必要であ

,どうすれば可能

となるのか

以上の考察に基づけば

,次の

ように答

えられ

よう。

一に

,近現代史教育改革とは,本質において

時間的体

系理解の教

育という無批判的政治的判断

の教化か

ら脱却

させ

ることである

。ザクセン州で

,国民国家と

しての自国の時間的体系を理解

せる自国理解教育か

らの脱却は

,問題に即

して自

社会を同

じ近現代史上の他社会と通時的に対比

せ認識

させ

る自他社会研究教育への変革と

して行

われた

。国家の歴史

を学ばせる近現代史教

育か

社会

を歴史で学ばせる近現代史教育への転換

であ

。この通時的社会研究の教

育は現在認識中心の

育であ

,未来形成中心の教育とまではいえな

いが

第二に,時間的体系理解の近現代

,過

去理解中心の教

育とは一線

を圓

史教育は

している。

,無

59−

表 4  単 元13‑2 「 ヨ ー ロ ッ パ に お け る 生 活 と 労 働 」 の 構 成 学 習 活 動 と 主 要 項 目 対 象 考察 内 容 学習 組 織 対 象 考 察 学 習 1)社 会 の 展 開 に と っ て の 労 働 の 意 味 を わ か る こ と ( 構 造変 化 ) §l の 噐 現在 の労 働と失 業・失 業 不 安 現 在 の生存 ・ 生 活リ ス ク 労 働 の 意 義 と経 済 社会 構 造 変 化 によ る 危機 生 存 ・ 生 活 保障 へ の 着 眼 化

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