氏
生年月日
名
学位論文審査結果の報告書
本籍(国籍)
学位の種類
学位記番号
学位授与の条件
(博士の学位) 号△文題目
而冊匝ヲ・平成
MD FAKHRUZZAMANB釦gladesh
肪年
博士(農学)
農第213号
学位規程第5条該当
1月
1日
審査委員
Study on 地e mode of action of waldi0皿ycln
(船ldiomycin の作用機構に関する研究)
(主査)内海龍太郎
(副主査)深溝慶
(副主査)川崎努
(副査)
(副査)
,/ー>、 ,,,,.ー、、、11匝・1ン
妬@
{割、玉、含Lt屯L11叩、rt 、ーミ气L-ー,f、エト↓﹂ L[ι、ー'トー L : 1f←q4;昆1﹁ 1t1 亀{、ミL生1ー︻﹁ト.1冒'tιよ1ιt1ι1.ーーk1﹁、Lトー'ー﹁''ーー、﹁ーーL 1︹1盲.nート'rt1ー,,一1!、ーー[ーーーーーートt 1 ーー微生物界においては、微生物が生存するためには、微生物細胞と環境との相互作用が重要
である。微生物間の共存や競合のためには、微生物は常に変化する環境変化に迅速に反応 する効果的な分子機構を保持している。細菌の2成分制御情報伝達システム(two-Comp0配ntsystem: TCS)は微生物が迅速に環境変化を感知して、環境ストレスに適応す るために、微生物が進化、発達させてきた。TCSは細菌細胞の細胞膜に存在しセンサー機能 を有するヒスチジンキナーゼ値玲とそれと対をなすレスポンスレギュレーター(RR)から 構成されている。環境変化(シグナル)に対応して、センサー肱の自己りン酸反応と自己 リン酸化された照から殿ヘのりン酸基転移反応が生じる。りン酸化された照は標的遺伝子 に結合してそれらの遺伝子発現を発現制御することにより、微生物細胞の環境変化、適応 を可能にしている。特に,walK (照ソWalR(服)TCSはグラム陽性細菌:βιαソノUS S肋hYis,ぶtaphy/0ωCC山 aureus,ι'nterococcus faeca/is,ιisteria 勿onocytogeaes,δ'treptococcuS 勿Ut五as, Streptococcus P刀eU勿0刀ja a刀d streptococcus pyoge刀eSに存在し、細胞壁イ弌謝や増殖、分 裂の制御に重要な役割をしている。そのために、waⅨ/walR TCSは新しい抗生物質の標的 として、注目されてきた。我々は先に、天然の土壌サンプルからWalK値K)阻害剤を見出す 手法: differential growth assayを開発した。 DiHferetlal growth assay 法を用いて、 土壊サンプル1万検体のスクリーニングを実施して、 3種の新規なWalK侃K)阻害剤: WalkⅡlycin B, si宮nermycin B and waldiomycin力ゞ見出された。
3種のMIK阻害剤の中で、新規なWalK阻害剤、 waldiomyclnに焦点を合わせて,研究を行っ た。 waldiomycinは釦gucyCⅡne 抗生物質のファミリーに属す新規なWalK阻害剤である。す でに、釦部CydiC抗生物質は、抗菌抗ウイルス抗ガン等の多様な生物学的性質を示す ことが知られているが、服阻害剤1舌性は報告されていない。本研究では、 waldi0Ⅲycinの WalK阻害作用機構を黄色ブドウ球菌を用いた勿 Pルm 血 W'卯研究を行い、釦部Wclic 抗生物質の新たな用途応用を目指した基礎研究を行った。 ク、 の ^ 46 -払、
第2章においては、 m ガtルにおけるWaldi鯉yC血の作用研究を行った。 waldi師ycinによる WalK (肱)阻害作用を明らかにするために、最初に、βaωソルSSU力tjh'εぶiιルyルCOCC山
五UreuS ιむterococcus faeCιh'S,釦d ぶtreptococcUぶ勿υta四Sの細胞内WalKドメインを大腸菌で、 発現精製した。これらの精製された細胞内WaⅨ蛋白質を用いて、 walKの照活性と精製WalRヘのりン 酸基転移反応を確認した。また、精製されたWalK を用いて、船ldiomyC血による50%阻害濃度
qC5ωを算出した。その結果, waldiomycinはβ五CjノノUS SU力h'h'S, si五P力y/OCoccos aure4夕, Ξπter0ιOccus j'aecah'S,δ'treptococcuS 勿Utι立S walKヌ寸して、それぞれ、 10.2,8.8,9.2, and 25.8 ・Mを示した。これらの結果は、 waldlomyC血はWalK阻害剤として、多くの菌種のWalK/walR情 報伝達システムを阻害をすることを示唆した。 第3章においては、血 W'ル(細菌細胞内における)叱ldi0血ycinの作用を明ら かにするために、ぶ捻ルyル卯CC山釦ル山を用いて実験が行われた。最初に、 Sルルyル卯卯卯 ιWe山のWaⅨ/walR情報伝達システムが実際に、 waldiomyclnによって、阻害されるかを明らかにす るために、りン酸化WalRが制御する遺伝子群(walRレギュロン)の発現制御をQ-RT-PCRS 法を用い て、明らかにした。その結果、ペプチドグリカン代謝・合成に関与する遺伝子群が特異的に抑制さ れた。また、細胞分裂が阻害されて、細胞凝集効果を示した。このような、細胞壁代謝に対する作 用は、界面活性剤Trltonx-100やlysost即hinによって誘導される細胞の自己溶解(オートリシン) に対して、耐性化をも誘導した。さらに、胎ldiomycin処理した細胞の特徴として、バイオフィル ム合成を促進する効果が観察された。これらの効果は松Ⅸを用いた変異株における、waⅨNalR情 報伝達システム阻害効果と一致する結果であった。 同上の実験を枯草菌においても行われた結果、 Mldiowcinは枯草菌のWalRレギュロンの発現 を阻害して、細胞分裂が阻害されて、フィラメント化細胞の出現を誘導した。また、蛍光抗体を用 いた顕微鏡観察の結果、waⅨは増殖分裂時において、隔壁に局在化することが知られている。本研 究において、 waldiomycin処理した細胞において、隔壁におけるW田Kの局在化現象は阻害されてい た。最後に、 phos-tag sDS PA儒ゲルを用いて、細胞内での、 waldiomycinによるWalKのりン酸化阻
害効果を明らかにした。
本研究では、主としてStιP力y/OCOCCUS ιUreuSを用いて、 waldiomydnのイ乍用機構について、
カフ WΥル・、血 W'ルにおける次のような結論を得た。
D waldlomycinは4種のβιC1ソノUぶ SU力h'h'S,ぶtaPιy/OCOCCUS ιUreuS ι'nierococcus fιeCιh'S,
即dstルPtococcuS 卯ル加の精製されたWaⅨヒスチジンキナーゼ1舌性を阻害するだけでなくPhos-tagsDS を用いた実験において、 in viv0においても、 walKのりン酸化を阻害することを明らかに
した。
ii) staPιy/OCoccus aUルUSにおいて、 waldiomycinによるWalR re部10n 遺伝子群 asaA, sceD, SsaA, SA23腿, SA2097, SA071のの制御と細胞壁代謝分裂制征畔乍用を明らかにした。また、
Waldi叩ycln 処理した細胞が示した、 Triton-×100やlysostaphinによる自己溶解活陛に対する耐性 化はこれらの細胞壁代謝阻害効果に起因する。 ⅡD waⅨの細胞内における局在化に対する松ldiomycinの作用を免疫蛍光観察により明らかにし た。細胞増殖分裂している細胞において、walKは細胞分裂面に局在することが知られている。 Waldiomycin 処理した細胞では、分裂面におけるWalKの局在化は阻害されていることが観察され 、- 0
IV)本研究におけるこれらの研究成果は、いずれも、 Mldl0Ⅲycin1がぶtaPιylococcus aure山細胞 内で、 walKに特異的に作用して、りン酸化を阻害して、 walK/walR 2成分情報伝達機構を阻害 し、細胞壁代謝分裂阻害による致死効果を示すことが明らかにされた。今後、 waldi叩yC血をもと にしたMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対する新規な釦部WdlC抗生物質の開発が期待さ れる。 よって、本論文は博士(農学)の学位論文として価値あるものと認める。なお、審査にあ たっては、論文に関する専攻内審査および公聴会など所定の手続きを経たうえ、平成器年2月5日、 農学研究科教授会において、論文の価値ならびに博士の学位を授与される学力が十分であると認め られた。