31, 1,1例であった.GIST 5例は大きさ 30-97mmであっ た. 術後入院期間は平 20.6日で, 6例 (18.2%) にこみ 上げ,膵液瘻 5例 (15.2%),食欲不振 3例 (9 %)がみられ た. 退院後吻合部狭窄 (狭窄) 15例 (45.5%), 逆流性食道 炎 (逆食)7例 (21%),残胃潰瘍 (潰瘍)1例,(3%)残胃癌 2例 (6%)みられた.狭窄は全例ブジーで改善した.逆食 は術後内服なし 14例中 3例 (21%), H2R 阻害剤内服 8 例中 2例 (25%) 認められ PPI 内服で改善した. 【まと め】 神経温存噴門側胃切除, 食道残胃吻合術後約半数 に狭窄を認めたがブジーで改善, 逆食が 21%, 潰瘍が 3%見られたが PPI 内服で改善した. 神経温存で胃酸 泌が維持されるため術後 H2R 阻害剤,PPI で制酸が必要 と える. 狭窄, 逆食, 胃潰瘍はコントロール可能であり 経口摂取が十 な術式と える. 9.当院における胃腫瘍に対する EMR,ESD の治療成 績の比較 萩原 ,佐藤 洋子,安岡 秀敏 石田 克敏,大塚 敏之,長坂 一三 (利根中央病院 内科) 【目 的】 早期胃癌, 胃腺腫などの胃上皮性腫瘍に対し, ESD は広く普及してきている. 当院では以前, 胃上皮性 腫瘍に対して EMR を行っていたが, 治療成績は満足い くものではなく, 2007年 11月より ESD を導入するに 至った. そこで今回, 当院における EMR と ESD の治療 成績の比較検討を行った. 【対象と方法】 術前診断で, 胃癌治療ガイドライン内病変および適応拡大 化型病変 と診断した早期胃癌, または胃腺腫に対して, 2004年 6 月から 2007年 10月まで当院にて EMR を施行した 40 症例 46病 変 と, 2007年 11月 か ら 現 在 に 至 る ま で に ESD を施行した 22症例 27病変を一括切除率, 治癒切除 率, 遺残再発率, 偶発症発生率, 入院期間等につき比較検 討を行った. また, 腫瘍径別, 胃の領域別にみた EMR, ESD の一括切除率の比較, EMR の遺残再発病変の特徴 について検討を行った. 【成 績】 患者背景は EMR, ESD 群それぞれ平 年齢 (歳)73.1±8.2(53∼92),71.4± 8.5 (54∼82).性比 (男/女) 27/13,16/6.肉眼型 (0-Ⅰ/Ⅱ a/Ⅱb/Ⅱc/Ⅱa+Ⅱc/adenoma) 4/13/1/4/5/19, 3/12/1/ 2/5/4. 領域 (U/M/L) 3/22/21, 2/13/12. 平 腫瘍径 (mm) 9.0±5.2 (2∼20), 13.1±6.9 (3∼29) (P<0.05). 平 切除粘膜径 (mm) 14.1±4.7 (8∼25), 24.9±10.0 (12 ∼50) (P<0.05).治療成績は EMR,ESD 群それぞれ一括 切除率 43.5% (20/46),100% (27/27)(P<0.05).治癒切除 率 41.3% (19/46), 92.6% (25/27) (P<0.05). 遺残再発率 21.7% (10/46),0% (0/27)(P<0.05).偶発症発生率,入院 期間は EMR, ESD 群それぞれ後出血 2.2% (1/46), 0% (0/27). 穿孔 0% (0/46), 0% (0/27). 平 入院期間 (日) 10.0±3.6 (5∼23),11.1±2.4(10∼21).腫瘍径別にみた一 括切除率は EMR, ESD 群それぞれ, 腫瘍径≦5mm 60% (9/15),100% (4/4)(P<0.05).5mm 腫瘍径≦10mm 40% (6/15),100% (8/8) (P<0.05).腫瘍径> 10mm 31.3% (5/ 16),100% (15/15)(P<0.05).領域別にみた一括切除率は EMR,ESD 群それぞれ U 領域 33.3% (1/3),100% (2/2). M 領域 31.8% (7/22), 100% (13/13) (P<0.05). L 領域 57.1% (12/21), 100% (15/15) (P<0.05). EMR の遺残再 発病変 10例の検討では再発までの平 期間は 11±4.1 (3∼ 16) ヶ月, 遺残再発例の平 腫瘍径は 11.3±5.3mm であり非遺残再発例の 8.3±5.0mmに比較し大きい傾向 にあった. 追加治療は 2例が外科手術, 7例が内視鏡治療 (EMR, EMCT , APC) を行った. 現時点で胃癌死した症 例はない. 【結 論】 当院において ESD は EMR と比 較し有意に一括切除率, 治癒切除率は高く, 遺残再発率 は低かった. また穿孔, 後出血の偶発症に差を認めず, 入 院期間にも差を認めなかった. 腫瘍径別, 領域別の検討 でも ESD は EMR と比較し有意に一括切除率は高かっ た. 当院において EMR の遺残再発例は腫瘍径が大きい 傾向にあり, 胃癌死した症例はないもののなんらかの追 加治療を必要とした. 10.当院における早期胃がんに対する内視鏡的粘膜下層 剥離術(ESD)の治療成績 家崎 桂吾,吉永 輝夫,神田 大輔 矢田 豊,畑中 ,高橋 和宏 口 次男 (群馬県済生会前橋病院 消化器科) 消化管早期悪性腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD) は, 従来法の内視鏡的粘膜切除術 (EMR) と比べ て, 一括切除率の高さや, 病理診断の正確性から内視鏡 治療の主流になりつつあり, 2006年 4月より胃がん対す る ESD が保険収載された. 当院では 2003年より ESD を導入して症例を積み重ねているが, 今回 ESD の治療 成績について報告する. 検討対象は導入時 (2003年 10 月) から 2008年 10月までの 5年間に胃上皮性腫瘍性病 変に対して ESD を施行した 206例 (211病変) 中, 病理 学的に早期胃がんであった 163例 (185病変) とした. 術 者は演者一人で, 看護師 2名で行なった. 185病変中, 一 括切除率は 97.3% (180/185), 局所完全切除率は 86.0% (159/185) であった. 偶発症の発生率は後出血 3.0% (5/ 163),穿孔 6.1% (10/163)であった.13例に同時多発胃が んが認められた.切除病変を「胃癌治療ガイドライン」に 従って 類すると, ガイドライン病変 113病変, 適応拡 大病変 48病変, 適応外病変 (未 化型を含む) 24病変で あり. 一括切除率はそれぞれ 98.2% (111/113), 100% (48/48), 84.5% (21/24). 局所完全切除率は 91.2% (103/ 195
113),68.8% (33/48),54.1% (13/24) であった.ESD 治療 を行い当院で経過観察されている 147例中 132例 (再 ESD4例を含む) は胃温存され再発なく経過しているが, 5例は他病死した. 術後の経過観察中に 5例に異時性胃 がんの発生が認められ ESD が施行され経過観察されて いる. 適応拡大病変非治癒切除例 11例中 4例に追加手 術が施行され 1例にリンパ節転移が認められた. 適応外 病変非治癒切除例 9 例中 5例に追加手術が施行され 2例 にリンパ節転移が認められた. 経過観察されている症例 にいまだ胃がん死は認めておらず, 早期胃がんに対する ESD は術後も高い QOL を保て有用と思われる. 11.食道癌 ESD 治療の経験 田中 成岳,加藤 広行,酒井 真 佐野 彰彦,猪瀬 崇徳,家田 敬輔 宗田 真,中島 政信,深井 康幸 宮崎 達也,増田 典弘,福地 稔 尾嶋 仁,桑野 博行 (群馬大院・医・病態 合外科学) 【目 的】 食道癌は自覚症状を伴った進行癌で発見され ることが多く, これらに対し外科的手術を中心として, 放射線療法や化学療法が行われていた. 近年, 検診の普 及や特殊光などの内視鏡診断機器の開発がすすみ, 比較 的早期に発見される症例が増加してきている. これら早 期癌に対して, 従来は内視鏡的粘膜切除術 (EMR) が中 心で行なわれてきていたが, 手技の向上や処置器具の改 良により, 現在は一括切除可能な内視鏡的粘膜下層剥離 術 (ESD) が広まりつつある. そこで, 今回当科で経験し た食道癌に対して ESD を施行した症例を retrospective に検討することとした. 【対象と方法】 対象は 2004年 から 2008年までに当科で ESD を行なった食道癌患者 21名, 23病変. 性別は男性 20名, 女性 1名. 平 年齢 66.8歳 (41-81歳). 癌占拠部位は Ce: 2例, Ut: 4例, Mt: 11例, Lt: 5例, Ae: 1例であった. 肉眼型は 0-Ⅰ 型 : 1例, 0-Ⅱa型 : 4例, 0-Ⅱb型 : 11例, 0-Ⅱc型 : 7 例であり,病変の大きさは長径平 31.7mm(3-90mm,中 央値 28mm), 短径平 16.0mm (4-40mm, 中央値 12mm) であった. ESD は初期の 3例に対しては内視鏡室におい て鎮静剤を用い, 心電図モニターとパルスオキシメータ によるモニタリングをしながら施行した. その後は事前 に麻酔科受診を行い, 手術室にて麻酔科医による全身麻 酔管理下に施行した. 手技に関して, 粘膜挙上は当初グ リセリンを用いていたが, ここ最近の 7症例ではムコ アップを 用している. また, 切開剥離は Hook knife と IT knife eq を用いていたが最近の 7症例では主に Flush knife eq を用いて施行している. 【結 果】 23 症例中 19 症例で一括切除が可能であった (82.6%). ま た, 23例中 3例で粘膜挙上が不完全であり, ESD 試行後 の APC による焼 と術後に放射線療法の追加治療を 行った. 手術手技時間は平 で 180.9min (85-420min, 中 央値 112mm), 出血はほとんど認めなかった. 合併症は全 症例中 4例に認め, その内訳は縦隔気腫が 3例, 胸水貯 留と筋層損傷が各々1例ずつであったが, 切開剥離に Flush knife を用いた最近の症例では合併症を認めな かった. また, 縦隔炎などの重篤な合併症は認めず, 術後 入院期間は平 8日 (2-15日) であった. 病理学的検索 では, 相対適応に入る深達度 m および sm1症例を 4例 に認め,脈管侵襲に関しては ly(+)症例を 1例,ly(+)v (+) 症例を 1例認めた. なお, 局所病変の評価において は, 現在のところ再発を認めていない. 【結 語】 早期 食道癌に対する ESD は比較的侵襲が低く, 根治性も得 られる治療法と えられる. 今後, 壁深達度など治療前 の診断精度の向上に心がけ, なる症例の蓄積を行って いきたいと える. 12.義歯による消化管異物に対しスネアを い内視鏡的 に摘出した1症例 橋爪 真之,小畑 力,山田 俊哉 齋藤 秀一,木村 幸,佐川 俊彦 新井 弘隆,高山 尚,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 消化器病センター) 義歯または抜けた歯による消化管異物は時折経験する が, 義歯に近い状態の義歯による消化管異物の経験は ほとんどない. 今回われわれは, 義歯に近い大きな義 歯による消化管異物に対し, スネアを い安全に摘出す る 事 に 成 功 し た 症 例 を 経 験 し た の で 報 告 す る. 【症 例】 40歳, 女性. 【既往歴】 てんかんの既往があった が, ここ半年は抗てんかんを服用していなかった. 【現 病歴】 夕方に突然, てんかん発作が出現し義歯を誤飲 してしまったため近医を受診, 異物除去目的に当院救急 外来紹介受診となった受診. 胸部 X 線検査, CT にて下 部咽頭∼上部食道にかけて異物が確認された. 最初は鰐 口鉗子で摑み出そうとしたが, 力が伝わらず除去できな かった. そのでスネアを引っ掛ける事で咽頭・食道を傷 つける事なく除去できた. 上部消化管異物の多くは内視 鏡的除去術が可能であるが, 異物の大きさや形状によっ ては工夫が必要と えられた. 196 第 27回群馬消化器病研究会