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高齢者の社会関係・健康観・幸せ感に関する日系カナダ人と日本人との比較研究

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Academic year: 2021

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Title

高齢者の社会関係・健康観・幸せ感に関する日系カナダ人

と日本人との比較研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

天沼, 香

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1241号

Issue Date

2000-03-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15029

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名 ′(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 天 沼 香(東京都)

士(医学) 乙第1241号 平成12 年 3 月15 日 学位規則第4条第2項該当

高齢者の社会関係・健康観・幸せ感に関する日系カナダ人と日本人との

比較研究 (主査)教授 岩 田 弘 敏 (副査)教授

水 弘 之 教授 犬 塚 論 文 内 容 の 要 旨 わが国における高齢者の介助,介護は伝統的に家族に委ねられてきた。しかしながら現在,少子高齢化,核家 族化が進行する日本社会にあっては,家族関係は脆弱・希薄となり,在宅介護より施設介護依存の傾向が強まり つつある。今後は公的介護支援体制を一層,充実させていかなくてはならなくなってきている。 このように,「介護」の質量にわたる充実が急務であることは当然ながら,それとともに高齢者が健康で生 き生きとした生活を享受するためには,何が必要なのかを考究することは,切実な社会的要請である。 こうした状況をふまえ,申請者らは形質的には日本人でありながら,カナダ社会に適応し,諸々の文化変容 を遂げている日系カナダ人の高齢者を対象として,介護に関する問題のみならず,対象者が健康で生き生きと自 立した生活を営んでいる本質の一端を明らかにするために,社会医学と歴史人類学の学際的視座をもって実態調 査を行った。その実態と比較するために,日本の一部地域でも同様な調査を実施した。 対象と方法 日系カナダ人の対象者は,その集住地域の電話帳から150名を無作為抽出し,詞査に同意を得た113名である。 対象者個々に面接し,質問用紙に回答してもらうとともにparticipant observationを行った。日本の一部地域と

しては,岐阜県東白川村お声び岐阜市とその近郊を選んだ。東白川村の対象者は老健法に基づく検診に集まった

高齢者から,地区に偏りなく選んだ100名である。個別に保健推進委員が質問用紙を配布,後日,回収するととも に聞き取り調査を行い,回答が得られたのは95名であった。岐阜市とその近郊在住の対象者は,某女子大学学生 の祖父母から選ばれた223名である。質問用紙を配布し,200名から回答を得た。これらの調査は1997年7月から 同年10月にかけて行った。 調査項目は,対象者の基本的属性現時点における諸状況,家族関係,社会関係,健康状態,食生活,住生活等 である。 データの集計および分析は,それぞれ Excel,Stat Viewを用い,検定はカイ2乗検定およびt検定で行っ た。 結果 本調査により次のような結果を得た。 1.日系カナダ人の高齢者の学歴は,大学卒業者が20%を越すなど,日本人の高齢者に比して有意に高かった (東白川村の高齢者の大学卒の比率は1.1%)。 2.日系カナダ人の高齢者は,仕事以外に趣味,社交など幅広く生きがいを見いだしていた。これに対して日本 人の高齢者では,仕事を生きがいとする率(東白川村 40.2%,岐阜市23.2%)が高かった(日系カナダ人のそ れは9.6%)。

(3)

-137-3.日系カナダ人では高齢者との同居者が,配偶者を除くと低率(既婚の息子0.9%,孫0%等)であったが,日 本人では高率(東白川村一既婚の息子36.8%,孫22.1%,岐阜市一既婚の息子35.0%,孫27.6%等)であった。 4.趣味,スポーツ,その他諸々の会合への参加頻度は,東白川村の高齢者において圧倒的に高かった。 5.健康観に関しては,自らを健康そのものとする率が日系カナダ人において高率(41.0%)であった。これに 対して日本人では低率(東白川村-15.3%,岐阜市-12.9%)であった。 6.現在の住居の住み心地に関しては,日本人に比して日系カナダ人では大変に満足している率が高く,それは 人生における幸せ感と関連していた。 7.自らが介護を必要とするようになった場合,公的サービスに依存しようと考えている日系カナダ人の高齢者 は79.6%であったのに対して,東白川村の高齢者は8.4%,岐阜市周辺の高齢者は16.0%と低率であった。逆に, 子供に依存しようとしている日系カナダ人の高齢者は19.5%であったのに対して,東白川村の高齢者では35.8%, 岐阜市周辺の高齢者では54.0%であった。 考察 以上の結果から,高齢者が生き生きと健康で自立した生活を営むためには,公的介護サービス体制の整備,生 きがいを持っこと,社会との接点を保持すること,社会的ネットワークを構築,維持すること,とりわけ他者と の間に緊密な関係を築き,深めること,自ら進んで幸せであろうとすること,禁天的な健康観を持つこと,美味 しい食事,快適な住生活を心がけること等が肝要であると推察された。 論文審査の結果の要旨 申請者 天沼 香は,日系カナダ人の高齢者の家族間係,社会関係t健康観,幸せ感,介護に関する意識等に ついての実態調査を,日本の一部の地域との対比で行い,高齢者が健康で生き生きと自立した生活を享受するた めに必要な,いくつかの知見を得た。これらは,わが国における高齢者対応に示唆を与えるものであり,老年予 防医学上,価値あるものと認める。 [主要論文公表誌] 高齢者の社会関係・健康観・幸せ感に関する日系カナダ人と日本人との比較研究 平成12年年3月 岐阜大医紀 48(2)

参照

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