Title
Mechanisms of apoptosis induced by oxygen stresses in PC12
cells. 1. Activation of caspase-9 and -3 during H2O2-induced
apoptosis of PC12 cells independent of ceramide formation. 2.
Increased phospholipase D2 activity during hypoxia-induced
death of PC12 cells: its possible anti-apoptotic role. 3. Crucial
role of calpain in hypoxic PC12 cell death: Calpain, but not
caspases, mediates degradation of cytoskeletal proteins and
protein kinase C-α and -δ.( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
山川, 春樹
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第498号
Issue Date
2002-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14622
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員
[23]
山 川 春樹(岐阜県)
博 士(医学) 甲第 498 号 平成14年
3 月 25_日学位規則第4条第1項該当
Mechanisms of apoptosisinduced by oxy9en StreSSeSin PC12ce"s. 1.Activation of caspase-9and-3during H202-induced apoptosis of
PC12cellsindependent of ceramide formation.
2.lncreased phospholipase D2activity during hypoxia-ind■uced death Of PC12ce"s:its possible anti-aPOPtOtic ro[e.
3.Crucia[role ofcaTpainin hypoxic PC12ce"death:Calpain.but
not caspases.mediates degradation of cytoskeleta[proteins and PrOtein kinase C-q and-8.
(主李)教授
坂 井 昇(副査)教授 中 島 茂 教授 藤 原 久 義
論 文 内 容 の 要 旨
虚血性脳血管障害の病態は未だ十分には解明されておらず,虚血による酸素,エネルギー不足のみならず閉塞
血管再海流時に生じる活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)によっても甚大な神経細胞死が惹起され
る。脳虚血開始とともに主として酸素不足に起因する急速なエネルギー代謝障害によって進展する神経細胞の形 態的変化は主に脳梗塞中心部で見られ,主としてネクローシスの形態をとることが報告されている。しかし,海 馬CAlの遅発性神経細胞死や局所脳虚血巣め辺縁部ペナンプラ領域の神経細胞死などではアポトーシスの形態を 示す。さらに,一定期間の脳虚血に続発する血液再潅流時にはt過酸化水素(H202)をはじめとする各種の内因 性ROSが発生し,細胞死誘導のセカンドメッセンジャーとして働くことが知られている。この様に,酸素は虚血 性脳血管障害の病態形成に重要な役割を担っている。従って,中枢神経細胞が低酸素によって不可逆的変化を受 ける以前の段階,すなわち脳虚血急性期において虚血巣辺縁部にアポトーシスが発生してくるならば,核やDNA
の断片化に至る細胞内因子問のカスケードを制御することによって虚血性神経細胞傷害を軽減しうる有効な治療
法の糸口となる可能性がある。そこセ,中幕者は広義の酸素ストレス(0Ⅹygen StreSS)に対する神経細胞死の メカニズム,殊にアポトーシスシグナルを明らかにすることを目的として,培養神経細胞モデルとして利用され ているPC12細胞を用いて検討した。 論文1)では,ROSの一種であるH202による細胞死のメカニズムを検討した。H202は濃度および時間依存的 に細胞死を誘導し,核の凝縮,濃染および染色体の断片化からその死はアポトーシスであることが示された。 H202投与によりミトコンドリアからのチトクロームcの遊離と,それに引き続いてカスバーゼ9,3の活性化が認 められた。カスバーゼ3の活性はH202投与後12時間をピークとして上昇し,カスバーゼ阻害剤(z-VAD二z-DEVD)によって有意にアポトpシスが抑制された。また,Bcl-2過剰発現細胞ではこれらのアポトーシスシグ ナルは有意に抑制された。一方,B202投与ではスフィンゴミエリナーゼは活性化されず,セラミド産生は認めら れなかった。 論文2)では低酸素刺激によるアポトーシスに対するリン脂質シグナリング酵素ホスホリパ,ゼD(PLD)の 影響を検討した。PC12細胞を1%02の条件下で培養すると経時的にアポトーシスが誘導されるが,PLD活性は 12時間をピークに一過性に上昇した。このPLD活性は,不飽和脂肪酸であるオ.レイン酸やPLDlの活性化因子GTー45-PγSの添加で呼影響を受けないことから,PLD2に由来することが明らかになった。しかし,PLD2の蛋白質レ
ベルでの発現量は低酸素刺激では変化しないことから,PLD2は量的ではなく質的な調節を受けていることが示 された。ホスファチル基転移反応により,PLD活性によるホスファチジン酸の産生を抑制する1-ブタノールの存 在下では低酸素刺激による細胞死は有意に増強された。一方,細菌由来PLDの前投与,あるいはマウスPLD2過 剰発現PC12細胞ではアポトーシスは有意に抑制された。 論文3)では低酸素刺激アポトーシスにおけるカルシウム依存性プロテアーゼ,カルパインの役割を解析した。 低駿東条件下では,Ca2+キレ一夕ーEGTA投与により細胞死が有意に減少した。この際,カスバーゼ阻害剤(z-VAD)とカルパイン阻害剤(カルペプチン,Calpeptin)は同程度の細胞死抑制効果を示したが,両者間に相加作 用は認められなかった。この時,カルペプチンはカスバーゼ3のプロセッシングには全く影響を与えなかった。 一方,ヱーVADはカルパインの基質としてよく知られているフォドリンの分解に対しては無効であった。細胞骨格 アクチンの量は,細胞の死滅に従って漸次減少するが,この変化はカスバーゼ阻害剤の影響は受けず,カルパイン阻害剤によってのみ部分的に抑制された。更に,プロテインキナーゼC-α.-∂は低酸素負荷によって経時的な
分解を受けるが,この反応は細胞外Ca2+のをキレートすることによって抑制され,アクチンと同様,Z-VADでは なく,カルパイン阻害剤によって抑制された。 以上の結果から,ROS刺激ではスフィンゴミエリナーゼ,セラミド系は活性化されないが,ミトコンドリアを介 するアポトーシスが生じることが明らかとなった。既に,低酸素刺激ではセラミドがミトコンドリアを介するア ポトーシスシグナルの引き金となることが示されており,両刺激ではミトコンドリアへ至るシグナルが異なって いることが明らかとなった。一方,低酸素時にはPLD2がアポトーシス誘導の初期段階で何らかの抑制機構を果 たしていることが示された。また,低酸素刺激では細胞内Ca鈷濃度の上昇が細胞死実行の引き金となっており, カスバーゼのみならずカルパインも蛋白質分解酵素として機能し,両者は独立して活性化されている可能性が高 い。論文書査の結果の要旨
申請者 山川春樹は酸素ストレスで誘発されたPC12細胞のアポトーシスを中心とした細胞死のメカニズムを 生化学的に検討し,以下の点を明らかにした。①ROS刺激におけるアポトーシスシグナルはミトコンドリアを介 するが,スフィンゴミエリナ、-ゼーセラミド系は関与していない。②低酸素刺激時のアポトーシスではPLD2が その初発段階で重要な抗アポトーシス作用を示す。③低酸素刺激時の細胞死の実行過程では少なくともカスバー ゼとカルパインの2種類の異なった蛋白質分解酵素が独立して活性化される。本研究の成果は脳神経外科学およ び脳卒中学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]Mechanisms of apoptosisinduced by o耳ygen StreSSeSin PC12cells.
1.Activation of caspase-9and-3during H202-induced apoptosis of PC12cellsindependent of ceramide formation.
Neur0logicalResearch2000;22:556-564
2.Increased phospholipase D2activity during hypoxia-induced death of PC12cells:its possible anti-apoptotic role.
Neuroreport2000;11:3647-3650
3.CruCialrole of calpainin hypoxic PC12celldeath:Calpain,but not caspases,mediates degradation Of cytoskeletalproteins and protein kinase C-a and-6.
NeurologicalResearch2001;23:522-530