Title
Molecular cloning of a gene encoding acid α-glucosidase from
Tetrahymena pyriformis( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
Md. Shariful Alam
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第316号
Issue Date
1996-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14821
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 Md.SharifuIAlam(BANGLADESH) 博 士 (医学) 甲第 316 号 平成 8 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Molecular ctonIng Of a gene encoding acid c(-glucosidase from わけ∂わymen8pyr/わrm/5 (主査)教授 野 澤 義 則 (副査)教授 森 秀 樹 教授 近 藤 直 実 論 文 内 容 の 要 旨 テトラヒメナ細胞(乃加九ッmeJ氾pツr的mi5)は,細胞生物学晩 生化学的研究の実験モデル系細胞として の有用性が高く,なかでも発達したリソソーム系を有しており,含有される酵素群も高等動物のものに類似して いることから,リソソーム酵素の研究に広く利用されている。また,この細胞は培養液中にリソソーム酵素を放 出するため,すぐれた実験材料となることが知られているが,そのリソソーム酵素分泌のメカニズムは十分には 解明されていない。ところで,酸性a-グルコシダーゼ(acid a-glucosidase,EC3.2.1.3)はa-1,,4.ある いはα-1,6のグリコシド結合を分解する酵素であり,グリコーゲン分解に必須である。ヒトではこの酵素の欠 損により,リソソームにグリコーゲンの著明な蓄積がみられる致死的な疾患である糖原病Ⅲ型(Pompe病)と なる。培養液中に放出されるテトラヒメナα-グルコシダーゼは,酵素学的性状がヒトα-グルコシダーゼに非常 に類似していることが知られており,本酵素の構造を明らかにすることはテトラヒメナ細胞のリソソーム酵素分 泌のメカニズムのみならず.ヒトリソソーム酵素の翻訳後修飾の解析にも有用な知見をもたらすものと期待され る。そこで本研究ではt テトラヒメナ細胞の酸性α-グルコシダーゼの遺伝子クローニングを行い,以下の結果 を得た。 1)テトラヒメナ細胞培養液中から精製した酸性α-グルコシダーゼをリジルエンドペプチダーゼ (1ysylendopeptidase)で限定分解し,ペプチドはHPLCで分画した。他のピークと明瞭に分離された5つのピー ク(ピーク10,12,15,28,34)について,ペプチドシークエンサーでアミノ酸配列を決定し,その配列に基づ いてオリゴヌクレオチドプライマーを合成した。 2)ランダムなプライマーの組み合わせで.テトラヒメナ細胞のcDNAライブラリーを鋳型としてPCRを行い, 増幅されたDNA断片の塩基配列を決定した。塩基配列から想定されるアミノ酸配列をNCBI(NIH,Bethesda, MD,USA)のBLASTプログラムを用いて検索し.ヒト酸性a-グルコシダーゼと相同性の高いピーク15と28の プライマーから増幅された845bpのDNA断片を,ライブラリースクリーニングのプロープとした。 3)ライブラリースクリーニングの結果,5万個のテトラヒメナ細胞のÅgtlOcDNAファージプラークから, 3個の陽性クローンが得られた。CDNAが最も長いものを励oRIで切断し,得られた3本のDNA断片をpUCl18 プラスミッドへサブクローニングした。一方の励oRIクローニングサイトが消失していたために(ライブラリー 作成時に消失したと考えられる),全長のcDNAを回収するためにファージアームにあるHindⅢサイトを利用し, 3本のDNA断片を楓 pUC118プラスミッドへサブクローニングした。また,400bp以上の長い塩基配列を決定 するためには,ExonucleaseⅢとMung bean nucleaseを剛、てdeletionクローンを作成した。 4)全塩基配列を決定したところ,CDNAの全長は3019bpであり,923アミノ酸からなるオープンリーディン グフレーム(ORF)がみられた。このアミノ酸配列中に,精製酵素の限定分解により得られたペプチドのアミ ノ酸配列がすべて含まれていたことから,得られたクローンはテトラヒメナ細胞のα-グルコシダーゼをコード する遺伝子であると考えられた。なお.一般に停止コドンとなるTAA(17個)およびTAG(4個)は,繊毛虫 のcodon usageのルールに従いダルクミン(Q)として利用され.TGAのみが停止コドンとして機能している。 27
5)励oRIクローニングサイトが消失していた側にはポリA配列がみられ,3'-非翻訳領域は全長が含まれる ことが示された。一方,5,一側が一部消失している可能性も考えられたので,転写開始部位を明らかにするため に,mRNAを用いてプライマー伸長法を行った。繊毛虫や酵母で報告されているように,転写開始点は複数み られた。クロ,ニングした遺伝子の5'-末端に相当するATGから-30bpにも転写開始点が含まれており,CDNA の全長であることが示された。 6)アミノ酸配列のホモロジー検索の結果,さまざまな生物のα-グルコシダーゼおよびそれと非常に相同性 が高いことが知られているスクロースイソマルターゼ(sucrose-isomaltase)との類似性がみられた。なかでも, ヒトα-グルコシダーゼと最も高い相同性(34%のアミノ酸が一致,類似性は45%)が認められた。特に,活性 中心となるアスパラギン酸の周辺部(テトラヒメナ450-465;ヒト513-528)では16個のうち12個のアミノ酸が一 致していた。 7)アミノ酸はN末端開始メチオニンから,リジン,ヒスチジンの塩基性アミノ酸に続いて,約20個疎水性に 富んだアミノ酸が連続しており一 典型的なシグナルペプチドの構造が認められた。 8)ノザンプロットでは2.8Kb付近に明瞭なバンドがみられた。また.ゲノムDNAを用いたサザンプロットで は複数のバンドがみられ,この酵素がジーンファミリーを形成している可能性が示唆された。 以上の結果から,テトラヒメナ細胞の酸性α一グルコシダーゼは酵素学的性状のみならず,一次構造上からも ヒト酵素に非常に相同性の高いことが明らかとなった。またt 末端にシグナルペプチド様配列がみられ,本酵素 が翻訳後修飾を受けている可能性が示唆された。
論文書査の結果の要旨
申請者Md.SharifulAlamは.テトラヒメナ細胞の酸性a-グルコシダーゼの遺伝子クローニングを行い,ア ミノ酸の一次構造からも本酵素がヒト酵素に相同性の高いことを明らかにした。また,シグナルペプチド様配列 がみられ,テトラヒメナ酵素も翻訳後修飾を受ける可能性を示した。これらの研究成果はt テトラヒメナ細胞が リソソーム酵素の翻訳後修飾,および分泌機構の解明の有用なモデルシステムであることを示し,分子細胞生化 学の分野に新しい知見をもたらしたものと認められる。 [主要論文公表誌]Molecular cloning of a gene encoding acid a-glucosidase from TblTuhymenapyrぴoTmis
平成8年6月発行予定Journalof Eukaryotic Microbiology