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(最終講義)基礎と臨床 : 気道上皮細胞の研究から

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最終講義 〔東女医大誌 第61巻 第6号頁505∼511平成3年6月〕

基礎と臨床一気道上皮細胞の研究から一

東京女子医科大学 第一内科 タキ ザワ タカ オ

滝 沢 敬 夫

(受付 平成3年4月26日) 1.はじめに(本講義の背景) 私が東北大学から本学に招かれましたのは昭和 48年4月であります.当時,新らしい建物として は川向うの心研,消化器センター,脳神経センター のみであり,私が着任した本院内科は,新本館と 称される老朽化した6階建の建造物で,そのなか で文字通り各科がひしめいている状況でありまし た. 現在の威容からは凡そ想像もつかないところ で,僅か20年間における本学の躍進は誠に瞠目す べきところでありますが,このような上昇,隆盛 期に本学教官として働くことができましたこと は,私の誇りでもあり,また大変幸せであったと 心から感謝する次第であります. 一方,この期間は,医学,医療の領域におきま しても,進歩のもっとも著しい時期であり,年毎 に加速される技術革:新の波は怒濤のように臨床の 現場へもおしよせてまいりました. 表1は現在,私どもの教室で実施している肺機 能検査の諸綱目を示したものであります.このう ち私が入局しました昭和27年当時,実施されてい た肺機能検査は僅かに肺活量測定のみでありま す.1秒量,1秒率の概念ですら,当時は画期的 な新知見であったのであります. 誠に隔世の感が深いのでありますが,これに 伴って医師の習得すべき知識,技術が飛躍的に増 大してぎたことは申すまでもありません.卒前医 学教育も全く同じでありまして,今日,医学部学 表1 現在実施している肺機能検査の諸綱目 1.スパイログラム %肺活:量 一秒量 一秒率 薬剤効果 2.▽一V曲線 V50 V20 V50バr25 3.呼吸抵抗(3HZ) 4.肺気量 %全肺気量 残気率 5.ガス分析 」N2 6.拡散機能 DLco %DLC。 DLC。/VA 7.換気力学 最大吸気位胸腔内圧 静肺コンプライアンス 肺粘性抵抗 肺コンプランアンス 周波数依存症 8.クロージングボリウム CV CV/VC CC/TLC 9.ガス交換諸賢 A・aDO2 VD/VT 10.運動負荷試験 02debt O2 cost 11.呼吸中枢感受性 CO2(吸入) 02 (低酸素負荷) 12.呼吸筋テスト 吸気筋 呼気筋 生が学習すべき知識量は私どもの学生時代に比べ 凡そ数10倍にも膨脹していると推測されるのであ ります. 知識量のこのような増大は,臨床医学でも基礎 医学でも全く同様でありますが,医学教育の主目 的が臨床医の育成におかれております以上,学生 教育においても専門教育,とくに臨床教育に重点 のおかれる傾向が急速に増大してまいりました.

Takao TAKIZAWA〔Department of Medicine I, Tokyo Women’s Medical College〕:Clinical extension

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基礎医学教育を低学年におろすいわゆる”襖型 教育”は,さらに,早期臨床経験early clinical exposureによるmotivationの問題ともからめ て,臨床医学教育の低学年への移行に拍車をかけ, 基礎医学教育カリキュラムも削減される傾向が強 くなってまいりました. この趨勢は今後,ますます強くなると考えられ, 教育の場においても基礎と臨床との関係が大きな 転機を迎えるに至っていることは衆目の一致する ところでありましょう. 私が最終講義のテーマとして”基礎と臨床”を とりあげました理由は,臨床医学における基礎医 学の重要性を,改めて学生諸君に認識してもらい たいことと,基礎医学と臨床医学との関係を,現 状あるいは将来に視点を置いて,改めて問い直し たいと考えたからであります. 以下,気道上皮細胞に関する教室の一連の研究 から,基礎的研究が臨床的研究へと展開されてゆ く過程を示したいと思います. II.気道上皮細胞とその機能 写真1にビーグル犬気道上皮,1μm切片の光顕 像を示しました.気腔内腔に面して無数の線毛が 配列,多年線毛上皮の形態を有しております. さて,呼吸器は外界に通じている唯一の内部器 官であります.したがって気道上皮細胞は気道内 腔に存在します外気から体組織を隔てるbarrier としての役目を果すものと考えられてまいりまし 表2 気道上皮細胞の機能

鐸^開脚欝押目;擁響『細越巌

写真1 ビーグル犬,気管上皮細胞の1μm切片光顕像 線毛細胞,盃細胞,基底細胞など数層の細胞から形 成されている. 1.生体を外界から隔てるバリアー 2.粘液線毛輸送 1)線毛運動 2)腺分泌 3)水分,イオンの吸収と分泌 3.細菌などの付着 4.代謝機能 1)アラキドン酸代謝産物 2)サーファクタント様物質 3)ケミカルメディエーター 4)細胞遊走因子 5)EpDRF 6)酵素によるタンパク,ペプチドの不活性化 5.アルブミン輸送 た.ところが細胞生物学,分子生物学をめぐる知 見の進歩に伴ない,気道上皮細胞は単にbarrier としてのみならず,それ自体,多彩な機能を有し, 気道におけるホメオスターシスの維持やある種の 病態発現に深く関与していることが明らかにされ るに至りました. 表2は昨今,注目される気道上皮細胞の機能を 一括したものであります.気道クリーニングと直 接関連します粘液線毛輸送系をはじめとして,細 菌の付着,アラキドン酸代謝や細胞内情報伝達系 と関連する種々の代謝機能,さらにアルブミン輸 送などをあげることができます. これらの機能のうち,本日,私は粘液線毛輸送 について,それも主としてイオントランスポート の観点から検討した成績を中心に,気道上皮細胞 の基礎と臨床に言及したいと考えました. III.気道の粘液線毛輸送とその制御 気道における粘液線毛輸送系は外界から吸入さ れた異物や細菌を気道液とともに排出する肺の生 体防禦機構の一つであり,線毛細胞遊離縁に密生 する線毛ciliaの鞭打ち運動と粘膜表面を被覆す る気道液層との協調作用によって営まれています (写真2).すなわち,線毛の鞭打ち運動は有効打 と回復打とに大別され,そのビート数は37℃で1 秒間,15∼20サイクルであり,有効打の方向に気 道液表層の粘液を輸送しております. 1.線毛運動 写真3は気管支擦過で得られたヒト気道線毛

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表3 気道線毛運動を制御する諸因子

写真2 マウス気管粘膜の透過型電子顕微鏡像

線毛を被覆して気道液がみられる.

輩儀

(A)Extracellular

1)。Temperature(↑), Ions[℃a2+(↑), Mg2+, Na+

(→),“C1一(→)],pH, pO2, etc. 2)Neurotransmitters 。Epinephrine(↑),事Norepinephrine(→), ゆACh(→) 3)Chemical mediators Histamine(→),5・HT, ◎Adenosine(↓), PAF, MBP(↓), PGE2(↑), F22(→),12, TxA2, LTB4, C4(↑), D4(↑), E6 4)Pept三des ・SP(↑),8NKA(↑),℃GRP(↑),傘VIP(↑), NPY,。BK(↑),.FMLP(↑),℃RF(↑), .ACTH(↑),串ANF(↓) 5)Drugs Theophylline(↑), Isoprotereno1(↑) (B)Intracellular 1) Cyclic nucleotides 串cAMP(↑), cGMP 2) 廓Ca2+(↑) 3).PKC(↓) 4)AA metabolites 。PGs(↑),・LTs(↑) ,鰯1.餐響瀞’ 写真3 線毛運動のビデオスチル(ヒト気道線毛) 上段:有効打の終了時点,下段:上段の時点より1/ 15秒後の線毛像で,回復打の終了時点を示す. ( )内の矢印は(↑)が線毛運動尤進,(↓)が抑制をあ らわす.・印はその作用を私どもの教室で確認したもの. で,正常の動きを示す線毛の鞭打ち運動を私ども が開発した高速ビデオシステムでモニター上に把 えた映像の1コマであります.上段は線毛が有効 打を打ち終えようとするところ,下段はその1/15 秒後,有効打を打ち終えた線毛が回復打によって 再び立ち上ったところを示しております.このよ うな線毛の運動は細胞外,および細胞内の種々の 因子によって制御されています. 細胞外因子としては温度,イオン,pHなどのほ か,種々のneurotransmitter, adenosineなどの

chemical mediator,また, substance P(SP)や

neurokinin A(NKA)などのpeptides,テオフィ

リンなどの薬剤があげられます(表3).一方,細 胞内制御因子としてはcyclic nucleotide, Caイオ

ン,proteinkinase C(PKC),アラキドソ酸代謝 物をあげることができます.()内の矢印は上向

きが線毛運動二進,下向きが抑制作用をあらわし ております.また*印はその作用が私どもの教室

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←MUCOCI口ARY CLEARANCE Na+ Cl一 cilbry epitheliu巾 glycoprotein・riCe‘‘gel phase waterly‘6sol Phase 図1 気道粘液線毛輸送の模式図 気道上皮細胞を覆う気道液層は表層のゲル層と下層 (深層)のゾル層の2層から形成される.

MUCOSA

CE:LL

SUBMUCOSA

F\

ノぢ㍉

1□

B A I G H

□i

F C D P E V E 1 A G H

:∴翻璽蕊/

K+ Cl一 柵一一Loop dluretic5 Na千 ∼ 噂∼へ∼Vレー一一〇uabain 、、A㍉一一_,K+ 図2 気道上皮細胞におけるイオントランスポートの メカニズム アラキドソ酸代謝の結果,細胞内PGE2の産生が充 進ずると細胞内cAMPが増加し,これはC1一の分泌 を充進,漿膜側から管腔側への水分の輸送を促進す る. 2.イオントランスポートと気道液 気道上皮細胞表面を被覆する気道液層は図1の 2層に大別されます.すなわち,表層に位置し, 粘稠性に富むゲル層と,その下層(深層)にあっ

て流動性に富むゾル層であります.ゲル層は

glycoproteinに富み,その主成分は気管支腺由来 の粘液と考えられるのに対し,ゾル層の成分は気 管支上皮細胞を介し,C1一の能動輸送,すなわちイ オントランスポートに伴って漿膜側から粘膜側, つまり管腔側へ移動する水分が主体と考えられま す. すなわち,上皮細胞を介するイオントラン.ス ポートはこれに伴って二次的な水分移動を惹起 し,気道液のレオロジカルな性状に影響を与える とともに,ゾル層の深さを蜆定していると考えら れます.線毛はこのゾル以内で鞭打ち運動を行い, その上に表在するゲル層を輸送していることにな ります. 図3 Ussing chamber模式図

A:気道上皮,B:メディウム, C・F:agar bridge, D:飽和KCI液, E:Calomel half cells, G:生理食

塩水,H:塩化銀,④:電流計,⑰:電圧計. 図2に気道上皮細胞におけるイオントランス ポートの機序を模式化して示しました.四角に画 かれた細胞モデルについて左側面が粘膜側,右側 面が漿膜側をあらわします.一般に細胞内Na濃

度は17∼35mMと低く,気道液中のNaは上皮細

胞粘膜面に存在するNaチャンネルを通じて細胞 内に受働的に吸収されます.細胞内にとりごまれ

たNaはNaポンプを介して漿膜側に除去されま

す.Naポンプの本体はNa−K−ATPaseであり, ウァバイン感受性であります.一方,漿膜側より 細胞内に流入したCl一は粘膜側のC1チャンネル を介して管腔側に分泌されますが,この際生じる 電気化学的勾配によって二次的な水分移動が惹起 され,気道液,液性成分(ゾル層)の増加がもた らされることになります.このClチャンネルの機 能はcyclic AMP,およびCa依存性であります.

イオントランスポートの研究にはUssing

chamber(図3)を使ってのshort circuit tech− niqueが用いられます.方法は省略しますが,私ど もはこれまで,これらの方法を駆使して気道上皮 細胞を介するイオントランスポートについて多く の検討を重ねてまいりました.表4は教室の成績 を中心に,自律神経伝達物質,sensory neurope− ptides,アラキドン月代三物,炎症性メディエー

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表4 気道炎症や気管支喘息の病因に関与する諸種 物質がshort−circuit current(Isc)およびイオン 輸送に与える影響(イヌ気管上皮細胞) ISC Cl分泌 Na吸収 1。自律神経伝達物質 Acetylcholine ↑ ↑ → Norepinephrine ISoprotereno1 ↑ ↑ → II。 Sensory neuropeptides

VIP ↑ ↑ → SP ↑ ↑ →

NKA

↑ ↑

NKB

/ /

CGRP

/ / IILアラキドン酸代謝産物 PGE2 ↑ ↑ PGF2σ ↑ ↑ ↑ TxA2 → → LTC4 ↑ ↑ → LTD4 ↑ ↑ → IV,炎症性メディエーター Histamine ↑ ↑ ↑ Bradykinin ↑ ↑ →

PAF

↑ ↑ →

MBP

↑ ↑ → 10 ISC (μA!cm2) 5 0 ↑ PGE2

PGF2α IND なわちCrの管腔側への分泌にどのような影響を 与えているかを示したものであります. IV.基礎から臨床ヘーインドメサシン吸入療法 への展開一 1.作業仮説の設定 学生諸君は,細胞単位でのこのような出来事が, どのようにして臨床に結びつくのか不思議に思わ れるかもしれません.しかし漿膜側から管腔側へ のC1一,ひいては水分の移動が充進ずると,必然的 に気道液量が増加,気道液量の増加は臨床的に喀 疾量の増加となってあらわれることを予測するこ とはできるであろうと思います. このことから逆に大量の喀疾を有する患者で は,気道粘膜上皮細胞におけるCl一の分泌が充進 しているのではないか,したがってこの過程を抑 制すれぽ喀品品の減少をはかりうるのではないか と考えるζとができます. 表4においてCl一の分泌を充進ずる因子はプロ スタグランディン,とくにPGE2があります.した がって内因性PGE2の産生を抑制し, Clチャンネ 一5 0 5 10 ’「ilme(mh) 図4 インドメサシン(IND,3×10『6M)の粘膜側投 与の効果(in vitro) PGE2(10}5M), PGF2α(10−5M)投与の場合と対比 し,IND投与ではIscは急速に減少し, Cl の管腔側 への移動が抑制されている. time O点で各薬剤が投与された. ルの機能を低下させれぽ,水分の管腔側への移動 を減少させうるのではないかと考えられます.

この作業仮説の下にcydooxygenase阻害剤で

あるインドメサシン(INDO)を用い内因悔PG産 生を抑制することを試みました. 2.in vitroの実験 イヌ気管培養上皮細胞を用いての実験成績を図 4に示しました.すなわち,上皮細胞の粘膜側に

PGE2, PGF2α, INDOを投与, short circuit

current(lsc)を連続的に測定しますと, PGE2, F2αの投与ではIscの増加がみられるのに対し, JNDO投与ではIscは急速に減少し, C1一の管腔側 への移動の抑制されていることが明らかで,上記 の作業仮説を裏づけました. 3.臨床への展開一インドメサシン吸入療法の 開発一 そこで1日100ml以上の喀疾を喀出している表 5の25症例についてdouble blind placebo・

controlled studyを実施しました.症例をインド メサシン(INDO)群13例, placebo群12例の2群

に分け,INDO群にはINDO3.5×10 2Mを

NaCO32.7×10−2Mとともに減菌蒸溜水に溶解 し,ネブライザーにて1回2m1,1日3回の吸入を 2週間行いました.一方,placebo群には溶解液の みを使用しております.

INDO吸入後における喀疾量の経時的変化を

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表5 症例の内訳 インドメサシン群 プラシーボ群 (n=13) (n=12) 年 齢 60±4 62±4 (29−78歳) (39−77歳) 性 別 男 性 8 9 女 性 5 3 診 断 CB 6 6 DPB 3 2 BE 4 4 CB:慢性気管支炎 DPB:びまん性汎細気管支炎 BE:気管支拡張症 200 § き150 § 暑 £】oo 舞 房 50 oJ 1舳a卍8∼’㎝ 一7 0 7 14 0a蟹s Pla68bo ln」omethacin 図5 インドメサシン吸入後における毛見量の経日的 経過 INDO投与群ではplacebo群に比べ喀疾量は有意 に減少. 図5に示しました.placebo群では有意の変化を 認めませんが,INDO群では喀疾量の有意の減少 が明らかであります.

表6にINDO吸入前後における諸種の検査値

を示しました.1日喀疾湿重量はINDO群で有意

に減少,%SC(%of solid composition)は有意

に増加しております.この%SCとは喀疾のdry weight/wet weightでありますから,その増加は 喀疾中の水分量が減少したことを反映し,本療法 の理論的根拠と合致するものであります. 一方,感染の指標としての血沈,白血球数,喀 疾細菌叢には吸入前後で全く変動がみられず,ま

た表に示したように,10glo CFU bacteria/g,す

なわち喀疾1g中の細菌のcolony forming unit も,吸入前後で変動しておりません.つまり

INDO吸入による喀疾減少効果が気道感染の改

善に起因するものでないことは明らかでありま

す.また呼吸困難についてはBorg’s ratio scale

を用いて評価しておりますが,placebo群では吸 入前後で変化がみられないのに反し,INDO群で は7.1±0.5から4.5±0.4と有意の改善が認められ ました.喀疾量の減少によって喀出努力が減少し たため,あるいは喀疾による気道閉塞が改善した ためと考えられます.

これらの成績からINDO吸入による喀疾減少

効果は,気道上皮細胞の分泌機構に対する直接作 用によるものと理解できるのであります. さらにこの作用を確認するため,INDO吸入前 後の喀疾を採取し,その上清についてcyclooxy− genase代謝産物であるPGE2, PGF2α,6・oxy− PGF1α, thromboxan B2の濃度をradioim・ 表6 各種測定パラメーターに対するインドメサシン吸入の影響 インドメサシン群 プラシーボ群 投与前 投与後 投与前 投与後 喀疾 湿重量(9/day) ユ89±19 95±2ユ皐綿 173±22 170±22 %SC 2.2±0.7 4.3±0.’9料 1.9±0,6 2.3±0.5 Lo9、。CFU/9 7.5±0.7 7.8±0.6 8.3±0.8 8.1±0.4 Borg’s ratio scale 7,1±0.5 4.5±0,4*零 6,6±0,4 6.4±0.5

血沈(mm/h) 22±3 22±3 19±3 24±5 白血球数/mm3 6600±400 6500±400 7200±400 6900±500 %SC:percent solid composition(乾燥重量/湿重量)

CFU:colony・forming units

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40 30 20 薯 昼Io 誓。 藝 畠 40 曇 易’30 20 1o

lndome曲acin

O P6E2 P6F2α 6−o瓦。−P6F盲α TxB2 図6 インドメサシソ吸入前後におけるcyclooxy・ genase代謝産物の喀疾上清中の濃度(radioim・ munoassay法) Placebo群に比しIND群でアラキドン酸代謝産物 の濃度は有意に低下. □:吸入前値,笏:吸入開始7日目,圏:』吸入開始 14日目。 Pboebo

munoassay法で測定したのが図6であります。 open barは吸入前の値,斜線barが吸入開始7日 目,closed barが吸入14日目の値であります. placebo群に比較し, INDO群ではアラキドン酸 代謝産物の濃度はいずれも有意に低下しておりま す.INDO吸入療法の効果が気道上皮細胞のイオ ントランスポートを介するものであることを裏づ けております. V.終るにあたって 以上,気道上皮細胞をとりあげ,イオントラン スポートに関する基礎的研究が,インドメサシン 吸入療法という治療的研究へと展開してゆく過程 を示しました. 臨床医学の進歩は基礎医学の進歩と不可分離で あることを示唆する一例ということができます. 昨今,医学教育に:おいてclinical orientedの基 礎医学教育の重要性が強調されております.つま り基礎医学教育において,細分化され,しかも尖 鋭化した基礎的研究を,そのまま学生に教えるの ではなく,臨床医学とのかかわり合いにおいて, 臨床医学の学習に必要な物の見方,および考え方 を体得させようとするものであります. このことは医学教育のカリキュラムにおいて, 臨床医学教育の比重が増大し,基礎医学教育の比 重が軽減しつつあることに対応するものともいえ ましょうが,一方,細胞生物学から分子遺伝学を 中心とした医学方法論の展開に基づいて,もはや 基礎,臨床の壁はなくなり,基礎的研究も臨床的 研究も一体化の方向に進みつつあることを反映す るものといえましょう. 昨年から本学において実行に移された医学教育 改革において積極的に統合カリキュラムを採択し ようとした意図の一つもここにあるといえましょ うが,顧みてその目的のきわめて遠く,道の険し いことを自省せざるをえないようであります. 本学病院が日本最:大の規模と設備を有し,診療 面での評価のきわめて高いことは自他ともに許す ところでありましょうが,本学が来たるべき21世 紀において,日本の,そしてまた世界のmedical centerを目ざす以上,基礎的研究の充実をはかる ことが不可欠といえましょう.本学を巣立ちゆく 諸君がその一端を担いえますことを念願して私の 最終講義を終りたいと存じます. (1991年3月9日,於弥生記念講i堂) 文・ 献 1)滝沢敬夫:気道上皮細胞の形態と機能.日胸会誌 28:1547−1555, 1990 2)滝沢敬夫:気道の粘液線毛輸送.アレルギー 39:1549−1555, 1990 3)玉置 淳:気道分泌とイオントランスポート.肺 と’〔> 36:195−203,1989 4)玉置淳:インドメサシン吸入療法.日胸会誌 28:1426−1431, 1990

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