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処分性と税務行政 : 登録免許税拒否通知事件再考 利用統計を見る

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処分性と税務行政 : 登録免許税拒否通知事件再考

著者名(日)

高木 英行

雑誌名

東洋法学

55

2

ページ

73-103

発行年

2011-12

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000833/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

(2)

第一章   はじめに   市民がある行政活動に関して抗告訴訟を提起する場合、裁判所によりその訴えが適法と認められるためには、そ の 行 政 活 動 に つ き「処 分 性」 (行 政 事 件 訴 訟 法 三 条 二 項) と い う 訴 訟 要 件 が 認 め ら れ な け れ ば な ら な い。 伝 統 的 な 考 え 方 に よ れ ば、 処 分 性 が 認 め ら れ る 行 政 活 動 と は、 行 政 法 総 論 で 言 う「行 政 行 為 (行 政 処 分) 」 の こ と で あ る と さ れ 1) る 。それゆえこの「処分性公式」の下では、市民が行政行為に該当しない行政活動につき不服ありとして抗告訴 訟を提起したとしても、裁判所により不適法と判断され、却下判決が下されることになる。   し か し 近 年 最 高 裁 は、 一 連 の 判 決 を 通 じ て 処 分 性 要 件 を 柔 軟 に 解 釈 し、 従 来 で あ れ ば 処 分 性 が 認 め ら れ て こ な かったような行政活動に関しても、それを認める動向にある。これら「処分性拡大判例」に関しては、その賛否を 中心に、すでに学説上多くの議論が展開してきてい ( 2) る 。もっとも賛否両論から一歩離れて、これら判例の整合的な 《 論    説 》

処分性と税務行政

――

登録免許税拒否通知事件再考

――

 

  

 

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説明や理論的な含意を探る議論は、いまだ十分に展開しているとは言えないように思われ ( 3) る 。   と は い え 学 説 の な か に は、 「仕 組 み 解 釈」 と い う 観 点 か ら、 こ れ ら 判 例 を 一 貫 し て 説 明 す る 議 論 も あ 4) る 。 た だ し この議論を受け入れるにしても、この解釈手法の前提として裁判所が念頭に置いている「仕組み」とはいったい何 であろう ( 5) か 。また関連して、これら判例を通じても処分性公式が放棄されていないと解する ( 6) と 、裁判所は行政行為 をそれとして認識する仕方を変更しているようにも思われ ( 7) る 。そしてそうであるなら、処分性拡大判例は、伝統的 な行政法総論の基軸をなしている「行政行為」概念そのものに対して、何がしかの理論的な再検討を迫っている可 能性があ ( 8) る 。   以上のことから、処分性拡大判例の意義を理解するためには、そこで用いられている仕組み解釈にあらためて着 目し、その「解釈手法」としての整合的な説明に努めるとともに、その手法の背景にある「認識枠組み」にまでさ かのぼって、それら判例の理論的な含意を研究していく必要がある。もっとも本稿では、もっぱら筆者の能力の限 界や紙幅の都合から、それら判例すべてを研究対象とすることはできない。またこれまで筆者は、いくつかの判例 については、不十分ながらも、この種の研究を進めてきたところでもあ ( 9) る 。   そ こ で 本 稿 で は、 処 分 性 拡 大 判 例 の な か で も、 登 録 免 許 税 拒 否 通 知 事 件 最 高 裁 判 決 (平 成 一 七 年 四 月 一 四 日 民 集 五 九 巻 三 号 四 九 一 頁、 以 下「本 判 決」 ) に 対 象 を 絞 り、 こ の 判 決 に つ い て、 筆 者 の 従 来 の 研 究 内 容 を も 踏 ま え な が ら 考察していくこととした ( 10) い 。以下第二章では、本判決の概要を紹介する。第三章では、多数意見・反対意見それぞ れの仕組み解釈を比較検討した上で、両意見が結論の相違へと至った論理的な分岐点を確認する。さらに第四章で は、本判決をめぐる学説の理解や、他の処分性拡大判例との比較を手掛かりに、本判決の仕組み解釈の背景にある 認識枠組みに接近していく。そして第五章では、以上の考察結果を整理して、今後の研究課題を指摘する。

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第二章   判決の概要   被上告人 (原告、被控訴人) は、阪神・淡路大震災により損壊した所有建物を取り壊し、新たな建物を建築した。 被 上 告 人 は 当 該 建 物 に つ き 所 有 権 保 存 登 記 申 請 を し、 登 録 免 許 税 (以 下「登 免 税」 ) を 納 付 し た。 上 告 人 (被 告、 控 訴 人) 神 戸 地 方 法 務 局 西 宮 支 局 登 記 官 が 申 請 ど お り 登 記 し た と こ ろ、 そ の 後 被 上 告 人 は、 み ず か ら に 登 免 税 の 免 税 措 11) 置 が 適 用 さ れ る こ と に 気 付 い た。 そ こ で 被 上 告 人 は、 上 告 人 に 対 し、 登 録 免 許 税 法 (平 成 一 四 年 法 律 第 一 五 二 号 に よ る 改 正 前 の も の。 以 下 同 じ。 以 下「登 免 税 法」 ) 三 一 条 二 項 に 基 づ き、 過 大 に 登 免 税 を 納 付 し て し ま っ た 旨 を 申 し 出 る と と も に、 税 務 署 長 へ と 同 法 三 一 条 一 項 の 還 付 通 知 を す べ き 旨 の 請 求 (以 下「還 付 通 知 請 求」 ) を し た。 し か し 上 告人は、被上告人に対し、登免税の過誤納の事実が認められず、税務署長へと還付通知をすることができない旨の 通 知 (以 下「拒 否 通 知」 ) を し ( 12) た 。 こ れ を 受 け 被 上 告 人 は、 上 告 人 に 対 し て は 拒 否 通 知 取 消 訴 訟 を、 国 (被 告、 控 訴 人) に対しては不当利得返還請求訴訟を、併合して提起し ( 13) た 。   一審・原判決とも、 (X)拒否通知に処分性が ない 4 4 として取消訴訟を「不適法」と解する一方、 (Y)還付通知請 求 に 排 他 性 が な い 4 4 と し て 不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟 を「適 法」 と 判 断 し 14) た 。 し か し 最 高 裁 は、 (X) 拒 否 通 知 に 処 分 性 が あ る 4 4 と し て 取 消 訴 訟 を「適 法」 と 解 す る と と も に、 (Y) 還 付 通 知 請 求 に 排 他 性 が な い 4 4 と し て「還 付 金 請 求 訴 訟」 ―― 一 審 判 決 や 反 対 意 見 の 不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟 に 対 ( 15) 応 ―― に つ い て も、 「適 法」 と 判 断 し た (た だ し 原 告 に は その他の点で訴えの利益がないとして上告棄 ( 16) 却) 。以下最高裁の判決理由を要約する。 ①   国 税 通 則 法 (以 下「通 則 法」 ) 上 登 免 税 の 納 税 義 務 は 登 記 時 に 成 立 し、 そ の 納 付 す べ き 税 額 も そ の 成 立 と 同 時 に

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特 別 の 手 続 を 要 せ ず 確 定 す る (自 動 確 定 方 17) 式) 。 そ れ ゆ え 登 免 税 の 納 税 義 務 者 は、 過 大 に 登 免 税 を 納 付 し 登 記 を 受 け た場合、当然に還付請求権を取得し、五年間は還付金請求訴訟を提起しうる。 ②   登免税法三一条一項によれば、過誤納事由がある場合、登記機関は職権で遅滞なく税務署長に還付通知をせね ばならない。これは登記時に登記機関が登免税の税額認定をして、その納付事実の確認を行うことに対応する規定 で あ る。 こ の 規 定 の 目 的 は、 登 記 機 関 が 職 権 で 税 務 署 長 に 過 誤 納 金 の 存 在 や 額 (以 下「過 誤 納 金 額 等」 ) を 通 知 し て、還付を円滑かつ簡便に行うことにある。同条二項は、登記を受けた者が登記機関に申し出て、この通知をすべ き旨を請求しうることとし、もって簡易迅速な還付を受けられるようにしている。 ③   還付通知請求に一年の期間制限が定められているのは、この簡便な手続の利用期間を画する趣旨に過ぎない。 だから期間経過後は還付請求権が存在していても一切その請求権を行使できず、登免税の還付を請求するにはこの 手続によるしかないといった手続の排他性を定める趣旨ではない。 ④   ③の解釈は、登免税の納付不足額徴収に係る消滅時効が通則法上五年間であることとの権衡を考えても妥当で ある。確かに申告納税方式の国税の場合、更正の請求に一年の期間制限があるが、これはその方式の背景にある自 己責任の考え方によるもので、自動確定方式の登免税とは前提が異な ( 18) る 。 ⑤   したがって、登免税法三一条二項が手続の排他性を認めない以上、登免税を過大納付して登記を受けた者は、 拒否通知の取消しを受けずとも、通則法五六条に基づき過誤納金の還付を請求しうる。それゆえ登免税法三一条二 項 が、 過 誤 納 金 の 還 付 に つ き 手 続 の 排 他 性 を 定 め て い る と い う 理 由 で、 拒 否 通 知 に 処 分 性 を 認 め る こ と は で き な い。 ⑥   しかし上述からすると、登免税法三一条二項は、登記を受けた者に対して、簡易迅速に還付を受けうる手続を

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利用することができる地位を保障している。そして拒否通知は、登記機関が還付通知を行わず、還付手続を執らな い こ と を 明 ら か に す る も の で、 そ の 結 果 登 記 を 受 け た 者 は 簡 易 迅 速 に 還 付 を 受 け う る 手 続 を 利 用 で き な く な る。 よって拒否通知は、この手続上の地位を否定する法的効果を有するものとして、処分性が認められ ( 19) る 。   なお泉德治裁判官の反対意見がある。 (X)拒否通知の処分性を認める点では多数意見と同じものの、 (Y)還付 通知請求の排他性を認め、不当利得返還請求訴訟を認めない点では多数意見と異なる。以下要約する。 ( 1 ) 自 動 確 定 方 式 で あ っ て も、 税 額 の 認 識 を め ぐ り 関 係 者 間 で 相 違 が 生 じ う る。 そ こ で 登 免 税 法 は、 登 記 機 関 に 対 し て、 《納 付 手 続》 (同 二 六 条) に お け る 税 額 認 定 権 限 を 付 与 し、 そ れ と 表 裏 を な す《還 付 手 続》 (同 三 一 条) に お いても過誤納金額等の認定権限を付与する。それゆえ登記を受けた者は、登免税の過誤納金の還付を受けようとす る場合、その旨を登記後一年内に、登記等の専門的行政機関である登記機関に申し出て、その認定を受ける必要が ある。この過誤納金額等の認定に対しては、国税に関する専門的審査機関である国税不服審判所長に審査請求しう るものと解され、現に実務運用でもそうである。また過誤納金額等の認定に係る取消訴訟は、この審査請求を経た 後 で な け れ ば 提 起 す る こ と が で き な い (通 則 法 一 一 五 条 一 項) 。 以 上 の こ と か ら、 登 免 税 法・ 通 則 法 の 定 め る こ れ ら 手続を経ずに、直接不当利得として過誤納金の返還を請求することはできない。 ( 2 ) 一 年 の 還 付 通 知 請 求 期 間 規 定 の 趣 旨 は、 日 常 大 量 に 反 復 し て 納 付 さ れ る 登 免 税 を め ぐ る 法 律 関 係 を 早 期 に 確 定させることにある。五年間の消滅時効完成まで不当利得として過誤納金の返還を請求しうるとすると、この短期 の期間制限を設けた意味がなくなる。 ( 3 )( 2 )は、登免税の過誤納金の還付につき不当利得返還請求訴訟を想定した加算金規定が通則法にないこと、

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自動確定方式の採用と還付通知請求の排他性とは矛盾しないこと、さらに申告納税方式における一年間の更正の請 求制度との比較を通じても裏付けられる。 ( 4 ) た だ し 特 段 の 事 情 が あ る 場 合、 還 付 通 知 請 求 期 間 を 徒 過 し た 段 階 で、 不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟 を 認 め て も よ い 余地があるが、本件にはこの事情がない。したがって被上告人の拒否通知取消訴訟は適法であるが、不当利得返還 請求訴訟は不適法である。 第三章   解釈の筋道   本 章 で は、 多 数 意 見・ 反 対 意 見 の 解 釈 手 法 に つ い て、 (X) 拒 否 通 知 の 処 分 性 を め ぐ る 解 釈 論 と(Y) 還 付 通 知 請求の排他性をめぐる解釈論との、両議論の関連性に着目しながら分析していく。そしてこの分析を通じて、両意 見が結論を分けた論理的な分岐点を確認する。 一.多数意見   まず①は、登免税が自動確定方式であることから、還付金請求訴訟が適法であることを裏付ける。しかしそうす ると、還付金請求訴訟と還付通知請求との相互の関係が問題となる。そこで②は、還付通知請求が簡易迅速な還付 を目的とするもので、還付金請求訴訟との関係では追加的・補足的な争訟手 ( 20) 続 に過ぎない旨を示唆する。さらに③ は、一年の還付通知請求期間規定が、この追加的・補足的な争訟手続の利用期間を画する趣旨に過ぎず、当該手続 を利用せねば過誤納金額等を争えないという意味での「手続の排他性」を意味しないと指摘する。そして④は③を 裏付ける議論をする。

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  以上①~④を踏まえ⑤は、過誤納金額等の争いに関わって還付通知請求に排他性が認められない以上、 この排他 性 を 理 由 と し て 拒 否 通 知 に 処 分 性 を 認 め る こ と は で き な い と す ( 21) る 。 し か し こ の こ と か ら 直 ち に、 (X) 拒 否 通 知 の 処分性を認めないとの結論が導き出されるわけではない。というのも、①~⑤で(Y)還付通知請求に排他性がな い こ と が“還 付 通 知 請 求 の 簡 易 迅 速 な 手 続 的 性 格” を 根 拠 に 論 証 さ れ て い る と こ ろ、 こ の 同 じ 議 論 が ま た 根 拠 と なって、⑥で(X)拒否通知の処分性を認めるとの結論へと至るからである。   つまり多数意見は、還付通知請求が過誤納金の還付を受けるための簡易迅速な手続 にすぎないゆえに その手続の 排他性を否定する一方で、還付通知請求が過誤納金の還付を受けるための簡易迅速な手続 であるからこそ 、拒否通 知にはその手続利用に関する地位を否定する法的効果があるとして、処分性を肯定するのであ ( 22) る 。このように多数 意 見 の 解 釈 手 法 は、 還 付 通 知 請 求 に 関 し て、 (あ) 過 誤 納 金 の 還 付 を 受 け る と い う【実 体 的 な】 利 益 を は か る た め の争訟手続である限りにおいては、 “消極的に”位置付けてその「排他性」を否定するものの、 (い)簡易迅速な手 続 を 利 用 す る と い う【手 続 的 な】 利 益 を は か る た め の 争 訟 手 続 で あ る 限 り に お い て は、 “積 極 的 に” 位 置 付 け て そ の「処分性」を肯定するというものである。 二.反対意見   まず( 1 )は、登免税法の解釈から、登記機関の過誤納金額等の認定権限を導く。また登免税法及び通則法、さ ら に こ れ ら を め ぐ る 実 務 運 用 ―― と く に 昭 和 五 四 年 二 月 二 一 日 付 け 民 三 第 九 四 五 号 民 事 局 第 三 課 長 依 命 通 知 (以 下 「昭 和 五 四 年 通 23) 達」 ) ―― を 根 拠 に、 過 誤 納 金 額 等 の 認 定 に 関 し て は、 そ の 拒 否 通 知 に 係 る 審 査 請 求 と そ の 後 の 取 消 訴訟を通じて争うべきとし、このことから不当利得返還請求訴訟を不適法と解する。すなわち(X)拒否通知とい う個別の行為形式につき処分性――すなわち取消訴訟の排他性――を認めることによって、不当利得返還請求訴訟

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の不適法を導き出す。   こ れ に 対 し( 2 ) は、 一 年 の 還 付 通 知 請 求 期 間 規 定 の 趣 旨 の 解 釈 に 基 づ き(Y) 「還 付 通 知 請 求 の 排 他 性」 を 正 当 化 し、 ( 3 ) は そ の 排 他 性 を さ ら に 裏 付 け る 議 論 を す る。 す な わ ち(Y) 還 付 通 知 請 求 と い う 全 体 と し て の 争 訟 手続に排他性を認めることによって、不当利得返還請求訴訟の不適法を導き出す。かくして反対意見は、 (X) (Y) そ れ ぞ れ の 論 点 を め ぐ る 理 解 を 論 拠 と し て、 不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟 の 不 適 法 と い う 結 論 を 導 き 出 す と い う 構 図 と なっている。なお( 4 )は特段の事情がある場合の例外論である。   ここで反対意見の解釈手法を、多数意見(あ) (い)と照応させて特徴付けると、 (ア)還付通知請求が過誤納金 の還付を受けるという【実体的な】利益をはかるための唯一の争訟手続であるとして「排他性」を肯定するととも に、 (イ) そ の【実 体 的 な】 利 益 に 着 目 し て 拒 否 通 知 の 法 的 効 果 を 認 め、 そ の 通 知 の「処 分 性」 を も 肯 定 す る と い うものである。 三.比較検討   多数意見と反対意見の解釈手法を比較検討し、両意見が結論を分けた論理的な分岐点を確認しよう。まず多数意 見(あ)は、還付通知請求とは別建ての還付金請求訴訟を確保するための議論であ ( 24) る 。これに対し同(い)は、還 付金請求訴訟とは別建ての還付通知請求を確保するための議論であ ( 25) る 。いわば(あ)排他性否定論と(い)処分性 肯 定 論 と は、 そ れ ぞ れ、 登 免 税 を め ぐ る 争 訟 手 続 が《還 付 通 知 請 求》 と《還 付 金 請 求 訴 訟》 と の「複 線 的 な 仕 組 み」であるとの理解に基づいてい ( 26) る 。   これに対し反対意見(ア)は、過誤納金額等の認定をめぐる争訟手続を還付通知請求のみに限定するための議論 であり、また同(イ)も同様である。いわば(ア)排他性肯定論と(イ)処分性肯定論とは、それぞれ、登免税を

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めぐる争訟手続が《還付通知請求》のみの「単線的な仕組み」であるとの理解に基づいている。   し た が っ て 多 数 意 見・ 反 対 意 見 と も、 還 付 通 知 請 求 と 還 付 金 請 求 訴 訟 (な い し 不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟) と の 選 択 関 係をめぐり、登免税法及び通則法等の関係法令に基づいて仕組み解釈を行い、その結果処分性を肯定しているとい う点では共通するものと言えよう。そして両意見で結論の相違へ至った論理的な分岐点は、行政主体と登記を受け た 者 と の 間 で の、 登 免 税 の 過 誤 納 金 額 等 の 認 定 を め ぐ る《租 税 争 訟 手 続 の 仕 組 み》 に 関 し て、 “複 線 的” に 捉 え る のか、それとも“単線的”に捉えるのかという、認識枠組み面での相違にあることがうかがわれよ ( 27) う 。 第四章   認識枠組み   前章では、多数意見であれ反対意見であれ、それぞれの仕組み解釈の背景には、租税争訟手続のあり方をめぐる 認 識 枠 組 み 上 の 相 違 が あ る こ と を 確 認 し た。 本 章 で は、 以 上 の 議 論 と は 異 な っ た 角 度 か ら、 あ ら た め て 本 判 決 (以 下 断 り が な い 限 り「多 数 意 見」 の み を 指 す) の 仕 組 み 解 釈 に 係 る 認 識 枠 組 み を 解 明 し て い ( 28) く 。 す な わ ち 今 度 は、 処 分 性公式との関 ( 29) 連 、とりわけ「法的権限」要件並びに「法的効果」要 ( 30) 件 との関連に着目し、学説の理解や、他の処分 性拡大判例との比較をも手掛かりとしながら、その解明をおこなう。 第一節   法的権限   本節では、処分性公式のなかでも、行政機関が行政処分を行うに足る権限を持っているかどうかを問う「法的権 限」要件に関する議論をめぐって考察していく。ここではとくに‘過誤納金額等の認定権限の所在’をめぐる議論

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に注目す ( 31) る 。 一.過誤納金額等の認定権限の所在   まず仲野武志 ( 32) 氏 は、登免税の「構造」が、税務署長、納税義務者、さらに法律により租税の賦課徴収事務の一部 を 委 任 さ れ て い る 許 認 可 庁 か ら な る「三 面 関 係」 に あ る と 指 摘 す 33) る 。 そ し て こ の よ う な 三 面 関 係 の 本 質 が、 「賦 課 権限を行使する必要のない自動確定の租税であることを前提に、許認可等の拒否を義務履行確保手段となしうる当 該 行 政 庁 に 任 意 納 付 の 収 納 権 限 を 付 与 す る 一 方 、 強 制 徴 収 及 び 還 付 に 関 す る 権 限 を 税 務 署 長 に 留 保 し て お く 点 に あ 34) る 。」とする。またこのような三面関係は、 「徴税の便宜のために法定された『権限の融合 ・ 連結』に由来」する ことから、解釈に当たっては、税務署長と納税義務者からなる「二面関係と比べて私人を過度に不利な立場」にお かないことが要請されるという。   さらに仲野氏は、登免税法の還付通知請求に関して、還付の可否を判断するのは税務署長であって、登記機関は ―― 判 断 資 料 を 保 持 し て い る と は い え ―― そ の「補 助 機 関」 と 同 等 の 位 置 づ け に あ る に す ぎ な い と 指 摘 す ( 35) る 。 ま た、 登 免 税 法 の 還 付 通 知 請 求 と 同 様 に、 「経 由 強 制」 を 採 用 す る 他 の 法 律 (卸 売 市 場 法 一 六 条 二 項 や 測 量 法 二 四 条 二 項 等) を 参 照 検 討 し た 上 で、 そ れ ら で は 経 由 機 関 が「意 見 を 附 し て」 最 終 審 査 機 関 に 進 達 す べ き 仕 組 み と さ れ て い る に過ぎず、経由機関には「審査権限」が認められていないと指摘する。そしてこのことから、同じく「経由機関」 た る 登 記 機 関 に も、 「還 付 の 可 否 に 関 す る 審 査・ 応 答 権 限」 が 認 め ら れ る べ き で は な い と 主 張 ( 36) し 、 本 判 決 の 理 解 を 批判す ( 37) る 。   これに対して小林幹雄 ( 38) 氏 は、登免税法上、税務署長に対しては、税額の認定や過誤納金額等の認定に係る権限、 またそれら認定のための質問検査権も与えられていない点を指摘す ( 39) る 。それゆえ、登免税法上の「法の構成」とし

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ては、登記機関がそれら認定をもっぱらにし、その登記機関からの通知を受けて、税務署長が徴収や還付を行う建 前 で あ る と す る。 た だ し、 関 係 法 律 (登 免 税 法 二 九 条 二 項 や 通 則 法 五 六 条) の 解 釈 か ら す れ ば、 登 記 を 取 り や め た 者 が税務署長に領収書等を提出して過誤納金の還付請求をする場合など、例外的に税務署長であっても、容易に過誤 納金額等を認定できる場合もあるという。またこの場合、税務署長には還付の義務があり、実務でもそのように行 われているとする。しかしこういった例外的場合でなければ、登免税が自動確定方式であると言っても、質問検査 権のない税務署長としては、対応が困難であると指摘する。したがって、自動確定方式であるがゆえに、当然に登 記を受けた者は税務署長に対して還付請求権を行使しうるとの本判決の理解に対しては、疑問があるとする。   以 上 仲 野・ 小 林 両 説 は、 一 見 し て 異 な っ た 議 論 を 展 開 し て い る し、 ま た (X) 拒 否 通 知 の 処 分 性 の 争 点 を め ぐ る 本判決の判断に対しても、反対・賛成と意見を異にしている。もっとも両説とも、その議論の前提において、登記 機 関 と 税 務 署 長 と の 間 で の 権 限 行 使 を め ぐ る《制 度 的 な 関 係 性》 (以 下「仕 組 40) み」 ) に 着 目 し て 議 論 す る 点 で は 共 通 していよう。ただし小林説が、 登記機関 4 4 4 4 が過誤納金額等の認定権限を行使した場合には、税務署長はその行使結果 を尊重して還付権限を行使するという組織をめぐる仕組みの理解に立つ一方で、仲野説は、登記機関にはあくまで も 任 意 納 付 の 収 納 権 限 し か な く、 過 誤 納 金 額 等 の 認 定 権 限 は 税 務 署 長 4 4 4 4 に あ る と い う 組 織 を め ぐ る 仕 組 み の 理 解 に 立 っ て い る。 つ ま り 両 説 は、 《過 誤 納 金 額 等 の 認 定 権 限 の 所 在》 と そ れ に 関 わ る 組 織 を め ぐ る 仕 組 み に つ い て、 対 称 的 な 理 解 を 提 示 す る の で あ る。 そ こ で 以 下、 さ し あ た り 小 林 説 の ほ う の 仕 組 み を 指 し て、 〈権 限 行 使 の 敬 譲〉 の 仕組みと言及することとしよう。 二.権限行使の敬譲   ところで、権限行使の敬譲の仕組みは、他の処分性拡大判例の議論のなかでも見いだされるところである。例え

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ば食品衛生法事件 (最判平成一六年四月二六日:民集五八巻四号九八九頁) は、 食品衛生法違反通知 (以下 「違反通知」 ) に係る法的権限を肯定するに当たって、添加物含有食品等輸入規制を管轄する検疫所長が対象食品に関してその通 知 を 出 す と 、 税 関 長 が そ の 認 定 判 断 権 限 の 行 使 結 果 を 尊 重 し て 輸 入 不 許 可 権 限 を 行 使 す る と い う 仕 組 み を 踏 ま え て い 41) た 。 こ れ に 対 し 本 判 決 は、 登 記 機 関 が 拒 否 通 知 を 出 し て も 税 務 署 長 は 還 付 を 行 い う る と い う 仕 組 み に 着 目 している。したがって本判決は、拒否通知に係る法的権限を認めるに当たって、権限行使の敬譲の仕組みを踏まえ て解釈しているとは言い難い。   し か し な ぜ 両 判 決 で 相 違 が 生 じ た の か、 こ の 点 あ ら た め て「自 動 確 定 方 式」 と い う 租 税 手 続 の 性 質 に 注 目 し よ う。一般に自動確定方式では、税額が法律上一義的に確定しており、行政機関はすでに確定された税額についての 「認 識」 を「表 示」 す る 権 限 を 行 使 す る に す ぎ な い。 そ れ ゆ え 税 額 の 認 識 の 表 示 を め ぐ っ て、 関 係 す る 行 政 機 関 が 複数あったとしても、それぞれ法律上“同格な”立場に立って権限を行使する。つまり、税額認定につき専門性の ある一方の行政機関がその判断権限を行使し、その行使結果に対して他方の専門性をもたない行政機関が敬譲的な 態度をとって自らの権限を行使するという仕組みは、自動確定方式にはなじまないのである。   これに対し食品衛生法事件では、食品衛生法違反認定をめぐる権限行使につき、その専門性を持った検疫所長が 判 断 を 行 い、 そ の 判 断 結 果 を 踏 ま え て、 (そ の 違 反 の 有 無 の 判 断 に つ き) 専 門 性 の な い 税 関 長 が 輸 入 許 可 に つ き 判 断 するという、食品輸入手続が問題となる。そしてこういった専門性をめぐる“非対称性がある”組織間関係の下で は、検疫所長が出した違反通知 (であってそれ自体としてみれば行政処分ではないもの) につき法的権限があるものと 認 め る た め に は、 税 関 長 が 行 う 輸 入 不 許 可 処 分 (で あ っ て そ れ 自 体 と し て み て 行 政 処 分 で あ る も の) に 係 る 権 限 と の 関係で解釈する必要が出てくる。

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  以上のことから、権限行使の敬譲という組織をめぐる仕組みの有無をめぐって、食品衛生法事件と本判決との間 で 認 識 枠 組 み 上 の 相 違 が 生 じ た 論 理 的 な 原 因 は、 租 税 手 続 (自 動 確 定 方 式) と 食 品 輸 入 手 続 と の 性 質 上 の 相 違、 ま たこの相違に由来する行政機関間での専門性をめぐる「非対称性」の有無にあるのではないかと思われ ( 42) る 。 三.組織をめぐる法令上の仕組み   もっとも以上の相違点と並んで、次の相違点にも留意せねばならない。すなわち食品衛生法事件では、行政過程 の局面において権限行使の敬譲の仕組みを肯定するのに対し、本判決では法令の局面においてその仕組みを否定す る。とはいえ本判決でも、現に行政実務では、拒否通知をめぐる権限行使と連動して還付をめぐる権限行使もなさ れている点を重視するのであれば、登記機関と税務署長との間で、権限行使の敬譲の仕組みがあると言えたのかも しれない。しかし本判決は、そのような行政過程の仕組みではなく、あくまでも自動確定方式から導き出される法 令上の仕組みに立脚して、拒否通知に係る法的権限を肯定してい ( 43) る 。   また、反対意見や小林説でも議論されていたように、登記機関と税務署長をめぐる各種の関係法規定を分析する ならば、本判決では法令上の仕組みとしての権限行使の敬譲が語られ、拒否通知に係る法的権限が肯定されるべき であったのかもしれない。それにもかかわらず本判決は、権限行使の敬譲の仕組みを否定し、自動確定方式のコロ ラリーとして、拒否通知に係る法的権限を肯定している。このように本判決に関しては、行政過程の仕組みという 観 点 か ら、 ま た は 法 令 上 の 仕 組 み と い う 観 点 か ら、 異 な っ た 議 論 の 成 り 立 つ 余 地 が あ る こ と に も 留 意 が 必 要 で あ る。   か く し て こ こ で 確 認 す べ き こ と は、 一 口 に「仕 組 み」 と い っ て も、 「法 律 に よ る 行 政」 と い う 観 点 か ら す れ ば、 性質が異なりうるということである。それゆえこれまで筆者は、二つの仕組みをあえて区別し、前者を「行政過程

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の構造」として、後者を「法令上の仕組み」として論じてきた。この区別からすれば、本判決は、食品衛生法事件 のような〈権限行使の敬譲〉といった「行政過程の組織構 ( 44) 造 」にまで依拠することなく、登免税法や通則法に基づ く〈自動確定方式〉から導き出される「組織をめぐる法令上の仕組み」にとどまった上で仕組み解釈をおこない、 拒否通知に係る法的権限を認めているものと言えよう。 第二節   法的効果   つぎに本節では、処分性公式のなかでも、行政処分によって市民の法的地位が直接具体的に変動するかどうかを 問う「法的効果」要件に関する議論をめぐって考察していく。ここではとくに“登記を受けた者の手続的利益”を めぐる議論に注目する。 一.登記を受けた者の手続的利益   まず橋本博之 ( 45) 氏 は、本判決が「立法政策上簡便な手続としてプラスアルファ的に法定された請求手続には、当該 手続の利用可能性という観点から独自の法的効果が想定できるとし、租税法上の実体的な法律関係とは切り離して 処 分 性 を 論 じ る こ と」 を 可 能 に し た 点 に 着 目 す ( 46) る 。 ま た 本 判 決 に つ き、 「実 務 上、 拒 否 通 知 が 行 政 不 服 申 立 て の 対 象として扱われていることを根拠に」処分性を肯定することが想定されえたにもかかわらず、還付通知「請求手続 上の有する手続上の法的効果に着目したロジックを展開した」点が注目に値するとい ( 47) う 。さらに本判決は、このよ う に「簡 便 な 手 続 の 創 設 と い う 法 的 仕 組 み の 手 続 的 意 義 を 重 視 す る こ と」 に よ っ て、 「択 一 的 な 訴 訟 類 型 配 分 論」 で は な く、 「二 つ の 救 済 ル ー ト を 同 時 に 開 く と い う 訴 訟 類 型 配 分」 を し て い る と の 理 解 を 示 ( 48) す 。 そ し て 橋 本 氏 は、 以 上 の よ う な 本 判 決 の 解 釈 手 法 に つ い て、 「公 定 力 排 除 訴 訟 と し て の 取 消 訴 訟 の 排 他 的 管 轄、 と い う 古 典 的 ド グ

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マ」 を 薄 め た も の と し ( 49) て 、 ま た「訴 訟 類 型 配 分 型 の『仕 組 み 解 釈』 の 新 し い 方 向 性 を 示 す も の と し て」 、 肯 定 的 に 評価する。   こ れ に 対 し 山 本 隆 司 ( 50) 氏 は、 一 般 に「準 法 律 行 為 的 行 政 行 為」 に つ き、 「私 人 の 法 的 地 位 を 規 律 す る 効 果 ま で は 認 め が た い が、 私 人 の 法 的 地 位 に 対 し 何 ら か の 法 的 効 果 を 持 つ 行 為 で あ れ ば、 処 分 性 が 認 め ら れ る。 」 と 理 解 す 51) る 。 そ の 上 で、 本 判 決 が 言 う と こ ろ の「法 的 効 果」 が、 「法 定 の 手 続 に よ る 還 付 が 拒 否 さ れ た 事 実 を 意 味 す る に す ぎ な い。 」 も の で、 「『拒 否 通 知 が 行 わ れ た こ と』 と ほ と ん ど ト ー ト ロ ジ ー」 で あ り、 準 法 律 行 為 的 行 政 行 為 (拒 否 通 知) に つ き 処 分 性 を 認 め る「根 拠 と な る『法 的 効 果』 と し て の 意 味 は 持 た な い」 と 批 判 す ( 52) る 。 以 上 橋 本・ 山 本 両 説 と も、本判決の判断――(X)拒否通知の処分性の争点をめぐるそれ――に対して賛否の結論に相違はあるものの、 本判決の特徴を法的効果との関連において捉え、かつ、手続の文脈に着目して議論する点では共通点がうかがわれ る。   ただし本判決の特徴としては、次の点も認められよう。すなわち橋本氏が示唆するように、本判決は昭和五四年 通達に依拠して、その限りでは 行政実務のありよう 4 4 4 4 4 4 4 4 4 から被侵害利益を導き出し、法的効果の肯定へとつなげている わ け で は な い。 確 か に 本 判 決 で は、 昭 和 五 四 年 通 達 が、 明 示 的 (反 対 意 見) に で あ れ、 黙 示 的 (多 数 意 見) に で あ れ、参照されていると言えなくはな ( 53) い 。しかし本判決は、あくまでも登免税法や通則法といった法令上の定めから 被侵害利益を導き出し、法的効果の肯定へとつなげていると解するのが自然であろ ( 54) う 。かくして、本判決の仕組み 解 釈 の 意 義 を 理 解 す る に 当 た っ て は、 〈手 続 的 観 点 に 着 目 す る と と も に 法 令 上 の 定 め に 準 拠 す る〉 と い う 法 的 効 果 をめぐる議論が、どのような意義を持っているのかを理解することが重要となる。そこで以下では、本判決の法的 効果をめぐる議論を、他の処分性拡大判例におけるそれとの間で比較検討してみよう。

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二.紛争の早期成熟   まず法的効果をめぐる解釈手法である。例えば、食品衛生法事件では、違反通知と輸入不許可処分との間で、医 療 法 事 件 で は、 医 療 法 勧 告 (以 下「勧 告」 ) と 保 険 医 療 機 関 指 定 拒 否 処 分 (以 下「指 定 拒 否」 ) と の 間 で、 土 地 区 画 整 理 法 事 件 (最 判 平 成 二 〇 年 九 月 一 〇 日: 民 集 六 二 巻 八 号 二 〇 二 九 頁) で は、 土 地 区 画 整 理 事 業 計 画 決 定 (以 下「計 画 決 定」 ) と 換 地 処 分 と の 間 で、 い ず れ も、 先 行 す る 係 争 行 為 と 後 続 す る 行 政 行 為 と の 間 の「連 辞 関 55) 係 」 に 着 目 し て、 そ の 意 味 で は「連 辞 的 解 釈」 を 採 っ て い ( 56) る 。 こ れ ら 判 決 を 踏 ま え る と、 本 判 決 で も、 「拒 否 通 知」 と「不 還 付」 と の間での連辞的解釈が可能であったように思われる。しかし本判決は、拒否通知そのものの意義に着目して法的効 果を肯定している。   つ ぎ に 法 的 効 果 を 肯 定 す る 前 提 と し て の 法 的 地 位 で あ る。 例 え ば、 食 品 衛 生 法 事 件 で は“輸 入 許 可 を 受 け る 地 位” 、医療法事件では“指定を受ける地位” 、土地区画整理法事件では“換地処分を受けない地位”というように、 いずれも、後続行政行為に係る「実体的地位」を問題としている。これら判決を踏まえると、本判決でも、拒否通 知 の 法 的 効 果 を め ぐ っ て、 還 付 に 係 る 実 体 的 地 位 (還 付 を 受 け る 地 位) に 依 拠 し た と し て も お か し く は な か っ た だ ろう。しかし本判決は、手続的地位 (簡易迅速な手続を利用する地位) に依拠して法的効果を肯定している。   さらに解釈手法の背景にある認識枠組みである。例えば、食品衛生法事件では、輸入不許可処分を受けるまでも なく違反通知段階で、医療法事件では、指定拒否を受けるまでもなく勧告段階で、土地区画整理法事件では、換地 処分を受けるまでもなく計画決定段階でというように、いずれも、後続行政行為を待つまでもなく、先行係争行為 段階で、 行政主体と関係市民との間の紛争が早期に成熟しているといった、 手続をめぐる制度的な関係性 (仕組み) が踏まえられている。これら判決を踏まえると、本判決でも、行政主体と登記を受けた者との間で、不還付を待つ

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までもなく、拒否通知段階で、過誤納金額等の認定をめぐる紛争が早期に成熟しているとの仕組みが考えられえた の で は な い か。 し か し 本 判 決 は、 先 に 論 じ た よ う に、 登 記 を 受 け た 者 が 登 免 税 の 過 誤 納 金 額 等 の 認 定 を 争 う に 当 たって、還付通知請求と還付金請求訴訟のどちらをも利用しうるといった、租税争訟手続の複線性の仕組みを踏ま えて議論している。   以上要するに、他の処分性拡大判例を踏まえれば、本判決は〈紛争の早期成熟〉という認識枠組みに立脚した上 で、拒否通知と不還付との間の連辞的解釈という解釈手法を採り、その際には、過誤納金等の還付を受けるという 実体的地位の侵害を理由として、法的効果を認めることもできたところ、このような議論をしなかったのはなぜで あ ろ う か。 そ の 一 つ の 論 理 的 な 原 因 と し て 考 え ら れ う る の は、 そ も そ も 判 例 学 説 上、 税 務 署 長 に よ る 還 付 金 の 還 付・不還付は行政処分ではないとされていることが挙げられよ ( 57) う 。もっとも、還付・不還付に際してなされる判断 は行政処分と変わりないとの指摘もあ ( 58) り 、この点を踏まえるならば、上に挙げた原因は形式的なものに過ぎず、さ らなる原因の探究が求められることとなる。 三.手続をめぐる法令上の仕組み   思うに本判決は、本件事案において、仮に〈紛争の早期成熟〉が認められるとしても、それが「行政過程の仕組 み」 に 過 ぎ な い と 評 価 し、 ま た こ の 種 の 仕 組 み に 基 づ い て 処 分 性 を 解 釈 す る こ と は、 “法 律 に よ る 行 政” と い う 原 則からすれば、できるだけ避けるべきとの配慮をしたのではないか。現にこの裏返しとしてか、先にも述べたよう に、本判決は拒否通知段階での争訟提起について、行政実務上認める昭和五四年通達には明示的に言及せず、また 〈自動確定方式〉という租税手続から導き出される「法令上の仕組み」を重視して解釈をしている。   しかし他方で、後者の仕組みに基づくことになると、登記を受けた者は登記機関からの拒否通知を受けたとして

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も、それでも税務署長からの還付を受ける地位が認められうる以上、法的地位の侵害、すなわち法的効果が認めら れ な い こ と に な っ て し ま う。 そ こ で 本 判 決 は、 “法 令 上 の 仕 組 み に 立 ち つ つ も 法 的 効 果 を 認 め る” と い う 二 重 の 要 請を充たしうる認識枠組みとして、別途〈租税争訟手続の複線性〉という「法令上の仕組み」に着目し、還付通知 請求に随伴する手続的地位の侵害を理由として、法的効果を認めたのではないか。逆から言えば本判決は、手続的 な 観 点 に 着 目 す る こ と を 通 じ て、 “法 令 上 の 仕 組 み に 立 ち つ つ 法 的 効 果 を 認 め る” 余 地 が あ る 以 上、 他 の 処 分 性 拡 大判例とは異なり、行政過程の仕組みにまで踏み込む必要がないと判断したのではないか。   以上、いまだ試論の域を超えない議論ではあるが、少なくとも本判決について、前節の「仕組み/構造」の二分 論を用いて整理するならば、次のようにまとめることができよう。すなわち本判決は、昭和五四年通達によっても 裏付けられるような、行政実務により形成された〈紛争の早期成熟〉という「行政過程の手続構造」にまで踏み込 ん で 仕 組 み 解 釈 を し て い る わ け で は な く、 む し ろ 租 税 手 続 (自 動 確 定 方 式) や 租 税 訴 訟 (争 訟 手 続 の 複 線 性) に 関 わって、登免税法や通則法から導き出される「手続をめぐる法令上の仕組み」に踏みとどまって仕組み解釈をして いる、 ( 59) と 。 第三節   小括   本章では、本判決の仕組み解釈が処分性公式――とりわけ法的権限要件と法的効果要件――との関連でどのよう に議論されうるのかを、学説の理解や他の処分性拡大判例との比較を踏まえ、また認識枠組みにさかのぼって検討 してきた。その結果、本判決の仕組み解釈は、その解釈手法及び認識枠組み両面において他の処分性拡大判例と異 なること、またそれら相違の論理的な原因をも考察してきた。

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  まず「法的権限」要件をめぐっては、本判決では〈自動確定方式〉といった租税手続固有の制度が介在して問題 となっていることに注目した。そして本判決では、この制度が介在することによって、食品衛生法事件のような、 専門性に係る「非対称性」を前提とした〈権限行使の敬譲〉の認識枠組みに依拠されることなく、拒否通知に係る 法的権限が肯定されたのではないかと指摘した。また本判決は、権限行使の敬譲が「行政過程の組織構造」に過ぎ ないことから、これを基礎に仕組み解釈をするのではなく、あくまでも自動確定方式から導き出されうる「組織を めぐる法令上の仕組み」にとどまって仕組み解釈をしたのではないかとも指摘した。   つ い で「法 的 効 果」 要 件 を め ぐ っ て は、 理 論 上、 本 判 決 が 他 の 処 分 性 拡 大 判 例 の よ う に、 〈紛 争 の 早 期 成 熟〉 の 認識枠組みに立脚した上で、拒否通知と不還付との間の連辞的解釈を採り、その際には、過誤納金等の還付を受け るという実体的地位の侵害を理由として、拒否通知の法的効果を認めることも ありえた 4 4 4 4 のではないかと指摘した。 し か し 実 際 に は、 本 判 決 は、 〈租 税 争 訟 手 続 の 複 線 性〉 の 認 識 枠 組 み に 立 脚 し た 上 で、 還 付 通 知 請 求 と 還 付 金 請 求 訴訟との間の選択的解釈を採り、その際には、過誤納金等の簡易迅速な還付を受けうるという手続的地位の侵害を 理由として、法的効果を認めている。これら相違の原因として、本判決では、不還付そのものの処分性が認められ ていないことのほかにも、あえて紛争の早期成熟という「行政過程の手続構造」に依拠せずとも、租税争訟手続の 複線性という「手続をめぐる法令上の仕組み」に依拠すれば、法的効果を認定できるとの考えがあったのではない かと指摘した。   以上両要件をめぐる仕組み解釈について、認識枠組みにさかのぼって、かつ、他の処分性拡大判例とも照らし合 わせて分析してみると、本判決では、 「行政過程の構造」にまで立ち入るまでもなく、 「法令上の仕組み」に踏みと どまって仕組み解釈をして、処分性を肯定しようという裁判所の意図が浮かび上がってくるように思われる。それ

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ゆえ、本判決を一連の処分性拡大判例のなかに位置づけようとする場合には、こうした本判決の「判断の特徴」を 踏まえる必要があろう。また本判決の理解に当たっては、拒否通知の処分性といった行政争訟一般の議論と、自動 確定方式や還付通知請求の排他性といった租税争訟固有の議論との間の論理的な関係にも、十分に留意する必要が あ る。 す な わ ち、 本 判 決 が 行 政 法・ 租 税 法 の 交 錯 事 例 で あ る と い う 意 味 に お い て の、 「事 案 の 特 殊 性」 に つ い て で あ 60) る 。 第五章   むすびにかえて   本稿では、処分性拡大判例で採られる仕組み解釈という解釈手法の背景には、いかなる認識枠組みがあるのかと の問題意識に立った上で、登録免許税拒否通知事件最高裁判決を素材に考察してきた。まずは多数意見・反対意見 の仕組み解釈を比較検討し、その論理的な分岐点を分析した。その結果、両意見では、還付通知請求と還付金請求 訴訟との選択関係をめぐって解釈手法に相違があること、またこの相違の背景には、登免税の過誤納金額等の認定 を め ぐ る 租 税 争 訟 手 続 に つ き、 「複 線 的 な」 仕 組 み と 捉 え る か (多 数 意 見) 、「単 線 的 な」 仕 組 み と 捉 え る か (反 対 意 見) といった、認識枠組み上の相違があることを確認した。   その後本稿では、本判決について、あらためて処分性公式との関連において、その仕組み解釈の認識枠組みを分 析 し た。 と り わ け、 「法 的 権 限」 要 件 を め ぐ っ て は、 過 誤 納 金 額 等 の 認 定 権 限 の 所 在 に、 ま た「法 的 効 果」 要 件 を め ぐ っ て は、 登 記 を 受 け た 者 の 手 続 的 利 益 に 着 目 し、 両 要 件 の 解 釈 の 背 景 に あ る 認 識 枠 組 み を 探 究 し た。 そ の 結 果、 本 判 決 は、 両 要 件 を め ぐ っ て、 他 の 処 分 性 拡 大 判 例 が 採 る〈権 限 行 使 の 敬 譲〉 や〈紛 争 の 早 期 成 熟〉 と は 異

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な っ た 認 識 枠 組 み を 採 用 し て い る こ と を 確 認 し た。 ま た こ の よ う な 相 違 が 生 じ た 論 理 的 な 原 因 と し て、 本 判 決 で は、 後 続 す る 行 為 形 式 で あ る「不 還 付」 に つ き 処 分 性 が 認 め ら れ て い な い こ と の ほ か に も、 〈自 動 確 定 方 式〉 や 〈租 税 争 訟 手 続 の 複 線 性〉 と い っ た、 租 税 法 に 特 有 の 議 論 な い し 仕 組 み が 介 在 し て い る こ と が あ る の で は な い か と 指摘した。   さらに本判決は、あくまでも「法令上の仕組み」――「組織をめぐる法令上の仕組み」 ・「手続をめぐる法令上の 仕組み」――の範囲内に踏みとどまって仕組み解釈をして、処分性を肯定しているのであって、他の処分性拡大判 例 の よ う に、 「行 政 過 程 の 構 造」 ――「行 政 過 程 の 組 織 構 造」 ・「行 政 過 程 の 手 続 構 造」 ―― に ま で 立 ち 入 っ て 仕 組 み解釈をして、処分性を肯定しているわけではないことをも確認した。そして本判決について、他の処分性拡大判 例 と の 間 で 比 較 分 析 し、 か つ、 こ れ ら 判 例 群 の な か で の そ の 位 置 づ け を 考 え る 場 合 に は、 以 上 の よ う な 本 判 決 の 「事案の特殊性」や「判断の特徴」を十分に踏まえねばならないことを指摘した。   さて本稿の考察結果を受け、今後の研究課題である。筆者は本稿も含め、一連の処分性拡大判例について、一定 の問題意識に立ち、連続的かつ個別的な研究を進めてきた。しかしながら、以下の点については、いまだ十分な論 証がなされているとは言い難く、さらなる検討の必要がある。   (一) こ れ ら 判 例 が「処 分 性 公 式」 を 踏 襲 し て い る と い う 前 提 仮 説 と、 そ れ に 基 づ く「行 政 行 為」 概 念 へ の 理 論 的 含 意 に 係 る 予 想。 (二) 処 分 性 公 式 が「法 的 権 限」 、「法 的 根 拠」 、「法 的 効 果」 の 三 要 件 か ら な る と の 解 釈 論 的 理 解 な い し 整 理。 (三) 処 分 性 判 例 に つ い て「連 辞 的 解 釈」 と「連 合 的 解 釈」 と い っ た 解 釈 手 法 を め ぐ る 分 類 軸 を 立 てて、それを基礎に説明を試みること。とりわけその際に「言語学」の概念を援用することの妥当性と有用性。   さ ら に(四) 処 分 性 拡 大 判 例 に つ い て、 「制 度 的 な 関 係 性」 と い う か た ち で の 認 識 枠 組 み を 媒 介 と し た 分 類 軸 を

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立てて、それを基礎に説明を試みること。とりわけその際、法令ないし行政過程のそれぞれの局面に由来する形式 面 の 相 違 (仕 組 み と 構 造) や、 手 続・ 組 織・ 規 範 と い っ た 行 政 上 の 諸 要 素 に 応 じ た 内 容 面 の 相 違 (紛 争 の 早 期 成 熟 や 形 態 変 換、 権 限 行 使 の 敬 譲、 行 政 規 則 の 外 部 化) に 着 目 し て、 議 論 を 展 開 し よ う と す る こ と。 加 え て こ れ ら 議 論 に 当 たって、 「構造主義」的思考に依拠することの妥当性と有用 ( 61) 性 。   以 上 の 点 に つ い て は、 引 き 続 き、 近 時 の 処 分 性 拡 大 判 例 (と り わ け 保 育 所 廃 止 条 例 事 件) を 素 材 に 研 究 し て い く 必 要 が あ る。 ま た“処 分 性 拡 大 判 例” と い っ た 一 部 の 判 例 群 か ら、 “処 分 性 判 例” へ と こ れ ま で の 研 究 を「一 般 化」 を試みていく必要もある。とりわけ近時、最高裁が処分性を正面から否定した判例も見いだされるところでもある (民 間 移 管 施 設 受 託 事 業 者 不 選 定 通 知 事 件: 平 成 二 三 年 六 月 一 四 日: 最 高 裁 H P) 。 し た が っ て 今 後 は、 こ う い っ た 処 分 性否定判例と処分性拡大判例との間の論理的な相違についても、上記(一)~(四)に照らして整合的に論じてい か な け れ ば な ら な い だ ろ う。 さ ら に 処 分 性 を め ぐ る 先 行 学 説 の 議 論 に つ い て も、 上 記(一) ~(四) を 踏 ま え つ つ、考察していく必要があるのはもちろんである。これらの点についても、今後の研究課題としたい。 (注) ( 1 )  最 判 昭 和 三 九 年 一 〇 月 二 九 日(民 集 一 八 巻 八 号 一 八 〇 九 頁) 。「公 権 力 の 主 体 た る 国 ま た は 公 共 団 体 が 行 う 行 為 の う ち、 そ の 行 為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」 。 ( 2 )  最 近 の 関 連 す る 論 考 と し て、 例 え ば 神 橋 一 彦「法 律 関 係 形 成 の 諸 相 と 行 政 訴 訟」 法 教 三 六 九 号(二 〇 一 一 年) 九 六 頁 以 下 や 中 川丈久「行政実体法のしくみと訴訟方法」法教三七〇号(二〇一一年)六〇頁以下等を参照。 ( 3 )  例 え ば 水 野 武 夫「行 政 訴 訟 の 新 展 開」 『現 代 法 律 実 務 の 諸 問 題』 (第 一 法 規、 二 〇 一 〇 年) 七 〇 四 頁 ~ 七 〇 五 頁 は、 本 判 決 等 を

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挙 げ な が ら、 処 分 性 を め ぐ っ て 最 高 裁 が、 学 者 に よ っ て は「理 論 的 に 説 明 が つ か な い よ う な 判 決 を 出 し て」 お り、 い ま や「誰 も こ れ が 正 解 だ と い う こ と は い え な い よ う な 状 況」 に あ る と の 認 識 を 示 し た 上 で、 「将 来 的 に ど の よ う に こ れ を 整 理 し て い く か と い う のは、これからの課題」と指摘する。また同「行政訴訟教育の混沌」自正六二巻九号(二〇一一年)三七頁も参照。 ( 4 )  仕組み解釈については、例えば橋本博之『行政判例と仕組み解釈』 (弘文堂、二〇〇九年)一頁以下参照。 ( 5 )  関連して神橋一彦「行政訴訟の現在と憲法の視点」ジュリ一四〇〇号(二〇一〇年)四八頁参照。 ( 6 )  例 え ば 塩 野 宏『行 政 法 Ⅱ[第 五 版] 』(有 斐 閣、 二 〇 一 〇 年) 一 八 頁 や 中 川・ 前 掲 注( 2 ) 七 一 頁 参 照。 た だ し 塩 野 氏 は、 処 分 性 拡 大 判 例 の な か で も 医 療 法 事 件(最 判 平 成 一 七 年 七 月 一 五 日: 民 集 五 九 巻 六 号 一 六 六 一 頁、 最 判 平 成 一 七 年 一 〇 月 二 五 日: 判 時 一 九 二 〇 号 三 二 頁) に つ い て、 ま た 中 川 氏 は、 同 じ く 本 判 決 と 保 育 所 廃 止 条 例 事 件(最 判 平 成 二 一 年 一 一 月 二 六 日: 民 集 六 三 巻 九 号二一二四頁)について、例外的に処分性公式が適用されることなく、処分性が認められた判例であると理解する。 ( 7 )  拙稿④・後掲注( 9 )二二頁脚注( 2 )参照。 ( 8 )  拙稿⑤・後掲注( 9 )一一〇頁~一一二頁参照。 ( 9 )  拙 稿「経 済 行 政 過 程 に お け る 行 政 指 導 と そ の 処 分 性」 佐 藤 英 善 先 生 古 稀 記 念 論 文 集『経 済 行 政 法 の 理 論』 (日 本 評 論 社、 二 〇 一 〇 年) 二 三 三 頁 以 下【以 下「拙 稿 ①」 】、 同「処 分 性 に 係 る 仕 組 み 解 釈 と そ の 認 識 枠 組 み」 早 法 八 五 巻 三 号(二 〇 一 〇 年) 六 八 九 頁 以 下【 「拙 稿 ②」 】、 同「処 分 性 に 係 る 仕 組 み 解 釈 に 関 す る 一 考 察」 洋 法 五 三 巻 三 号(二 〇 一 〇 年) 六 一 頁 以 下【 「拙 稿 ③」 】、 同「処 分 性 の 解 釈 と 行 政 過 程 の 構 造 分 析」 洋 法 五 四 巻 三 号(二 〇 一 一 年) 一 頁 以 下【 「拙 稿 ④」 】、 同「処 分 性 の 解 釈 と『仕 組み』の含意」洋法五五巻一号(二〇一一年)九一頁以下【 「拙稿⑤」 】。 ( 10)   ま た 本 稿 は、 租 税 争 訟 領 域 に お け る 処 分 性 問 題 と い う 枠 組 み で も っ て 関 連 判 例 を 考 察 す る と い う こ と も し な い。 こ の 観 点 か ら の論考としては、例えば掘口和哉「処分性の問題」税務弘報五五巻一一号(二〇〇七年)一三八頁以下参照。 ( 11)   阪 神・ 淡 路 大 震 災 の 被 災 者 等 に 係 る 国 税 関 係 法 律 の 臨 時 特 例 に 関 す る 法 律(平 成 七 年 法 律 第 四 八 号 に よ る 改 正 後 の も の) 三 七 条 一 項。 阪 神・ 淡 路 大 震 災 の 被 災 者 が、 そ の 震 災 に よ り 損 壊 し、 取 り 壊 し た 建 物 等 に 代 わ る も の と し て、 新 築 し た 建 物 等 の 所 有 権 保存登記等については、登免税を課さないとする規定。

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( 12)   拒 否 通 知 の 具 体 的 な 理 由 は、 被 上 告 人 が、 大 蔵 省 令 で 登 記 申 請 時 に お け る 手 続 要 件 と し て 定 め ら れ て い る 被 災 証 明 書 を、 添 付 す る こ と な く 登 記 申 請 し た と い う 点 に あ る。 本 件 で は、 こ の 証 明 書 が、 租 税 法 律 主 義 の 下 で「課 税(免 税) 要 件」 に 当 た る か 否 か も 争 わ れ て い る と こ ろ、 本 稿 の 考 察 主 題 と は 直 接 関 わ り な い 論 点 で あ る の で、 本 稿 で は 検 討 を 割 愛 す る。 こ の 点 例 え ば 北 佳 子「判 批」みんけん五二七号(二〇〇一年)五〇頁~五二頁参照。 ( 13)   拒 否 通 知 の 処 分 性 を め ぐ っ て は、 従 来 か ら も 下 級 審 裁 判 例 や 学 説 で 数 多 く の 議 論 が あ っ た。 そ の 整 理 と し て 例 え ば、 小 林 宏 之 「登 録 免 許 税 法 三 一 条 二 項 の 法 的 性 質 と 納 税 者 の 権 利 救 済」 法 律 論 叢 八 〇 巻 二・ 三 合 併 号(二 〇 〇 八 年) 一 一 一 頁 以 下 や 奥 谷 健 「判批」判評五六五号(二〇〇六年)一七〇頁~一七一頁等参照。 ( 14)   なお、一審判決では被上告人の不当利得返還請求が認容されたが、原判決ではそれが棄却されたという違いもある。 ( 15)   な お 原 判 決 が、 過 誤 納 金 の 返 還 を 求 め る 訴 訟 形 態 に つ き「不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟」 と 構 成 し て い る の か「還 付 金 請 求 訴 訟」 と 構 成 し て い る の か が 曖 昧 で あ る 点 に つ い て は、 上 告 理 由 の な か で も 指 摘 さ れ て い る と こ ろ で あ る。 ま た 髙 世 三 郎「判 批」 最 判 解 説 五 九 巻 五 号 一 一 二 頁 は、 一 審 判 決 に つ き、 登 免 税 の 還 付 請 求 を 登 免 税 相 当 額 の 不 当 利 得 返 還 請 求 と し て 捉 え て い る と 理 解 す る と と も に、 同 一 一 八 頁 は 不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟 構 成 よ り も 還 付 金 請 求 訴 訟 構 成 の ほ う が 妥 当 で あ る 旨 の 示 唆 を し て い る。 さ ら に 多 数 意 見 が「還 付 金 請 求 訴 訟」 構 成、 反 対 意 見 が「不 当 利 得 返 還 請 求 訴 訟」 構 成 で あ る こ と に つ き、 仲 野 武 志「判 批」 法 学 七 〇 巻 二 号 (二〇〇六年)二〇五頁も参照。 ( 16)   す な わ ち 原 判 決 で は、 拒 否 通 知 取 消 訴 訟 に つ き 不 適 法 却 下、 還 付 金 請 求 訴 訟 に つ き 請 求 棄 却 だ っ た と こ ろ、 後 者 の 判 決 に つ い て は 上 告 さ れ ず に 確 定 し た。 し た が っ て、 被 上 告 人 が 還 付 を 受 け う る 地 位 に な い こ と は 既 判 力 を も っ て 確 定 し て い る の で、 た と え 本 件 訴 え で 被 上 告 人 が 拒 否 通 知 を 取 消 す 旨 の 判 決 を 得 た と し て も、 還 付 を 受 け う る 地 位 を 回 復 す る 余 地 が な い。 そ れ ゆ え に、 処 分 性 欠 如 を 理 由 に 不 適 法 却 下 し た 原 判 決 は、 そ の「不 適 法 却 下」 と い う 結 論 に お い て 是 認 さ れ う る と す る。 な お こ の 点 を 踏 ま え、 太 田 幸 夫「判 批」 平 成 一 七 年 度 主 民 判 解(判 タ 一 二 一 五 号) 二 五 七 頁(二 〇 〇 六 年) は、 拒 否 通 知 の 処 分 性 を 認 め る 判 示 部 分 が「傍 論」であると指摘する。 ( 17)   税 額 確 定 方 式 と し て、 ① 申 告 納 税 方 式、 ② 賦 課 課 税 方 式、 ③ 自 動 確 定 方 式 が あ る。 ① や ② は、 納 税 者 の「申 告」 あ る い は 課 税

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庁 の「賦 課 決 定」 と い っ た、 意 思 作 用 な い し 判 断 作 用 の 法 的 効 果 と し て 税 額 が 確 定 す る 方 式 で あ る の に 対 し て、 ③ は こ れ ら 作 用 を 介 在 さ せ る こ と な く、 実 定 租 税 法 上 の 定 め に 基 づ い て 当 然 に 税 額 が 確 定 す る 方 式 で あ る。 ③ が と ら れ る 理 由 と し て、 こ の 方 式 が 対 象 と す る 租 税(源 泉 徴 収 に 係 る 国 税、 印 紙 税、 登 免 税 等) は、 課 税 標 準 の 金 額 や 数 量 が き わ め て 単 純 か つ 明 確 に 把 握 す る こ と が で き、 ま た 税 額 の 算 出 も 容 易 で あ る こ と か ら、 そ れ ら 作 用 を 介 在 さ せ る 必 要 が な い と い う こ と に あ る。 三 方 式 を め ぐ る 一 般 的 な 説 明 と し て、 例 え ば 首 藤 重 幸「租 税 確 定 手 続 法」 北 野 弘 久 編『現 代 税 法 講 義[第 五 版] 』(法 律 文 化 社、 二 〇 〇 九 年) 三 四 三 頁 以 下 参 照。 ま た 自 動 確 定 方 式 を 採 る 登 免 税 の「法 的 構 造」 に つ い て は、 谷 口 勢 津 夫「登 録 免 許 税 法 の 法 的 構 造 と 権 利 救 済」 新 井 隆 一 先 生 古稀記念論文集『行政法と租税法の課題と展望』 (成文堂、二〇〇〇年)所収三五〇頁~三五四頁参照。 ( 18)   な お こ の 点、 小 林 幹 雄「判 批」 税 大 ジ ャ ー ナ ル 四 号(二 〇 〇 六 年) 一 一 二 頁 や、 同「登 録 免 許 税 及 び 自 動 車 重 量 税 の 過 誤 納 金 の 還 付 手 続 き の 研 究」 経 営 経 理 研 究〔拓 殖 大 学〕 八 九 号(二 〇 一 〇 年) 四 八 頁 ~ 四 九 頁 脚 注( 70) は、 自 動 確 定 方 式 の 登 免 税 を い く ら と 認 識 し て 納 付 す る の か に つ い て も、 申 告 納 税 方 式 に お け る 国 税 の 場 合 同 様、 自 己 責 任 の 問 題 と 言 え る の で は な い か と 批 判 す る。 ( 19)   この点夙に北・前掲注( 12)五八頁参照。 ( 20)   橋本・前掲注( 4 )二〇頁や同七二頁は、本判決が還付通知請求を「プラスアルファ」の手続と解釈したものと指摘する。 ( 21)   こ の 点 例 え ば、 橋 本・ 前 掲 注( 4 ) 一 九 頁 ~ 二 〇 頁 や 同 七 一 頁 ~ 七 二 頁、 髙 世・ 前 掲 注( 15) 一 二 三 頁 ~ 一 二 五 頁 や 同 一 三 四 頁~一三五頁等参照。 ( 22)   こ の 点 例 え ば、 宮 崎 雅 子「判 批」 五 九 一 号(二 〇 〇 六 年) 六 〇 頁 ~ 六 一 頁、 橋 本・ 前 掲 注( 4 ) 二 〇 頁 や 同 七 一 頁 ~ 七 二 頁、 髙世・前掲注( 15)一三五頁~一三六頁等参照。 ( 23)   従 来 の 行 政 実 務 が 拒 否 通 知 を 行 政 処 分 扱 い し て き た こ と に つ い て は、 例 え ば 髙 世・ 前 掲 注( 15) 一 三 四 頁 や 太 田・ 前 掲 注 ( 16)二五七頁等参照。 ( 24)   橋 本・ 前 掲 注( 4 ) 一 九 頁 は、 本 判 決 で は 還 付 通 知 請 求 と 還 付 金 請 求 訴 訟 と の「相 互 排 他 性」 と い う 解 釈 問 題 が 背 景 に あ り、 かつ、本判決は前者の排他性を否定することによって、両手続を「両立」させる解釈をとっていると指摘する。

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( 25)   首 藤 重 幸「判 批」 平 成 一 七 年 度 重 判(ジ ュ リ 一 三 一 三 号、 二 〇 〇 六 年) 四 〇 頁 は、 本 判 決 の 手 続 的 地 位 論 に 関 し て、 拒 否 通 知 に よ っ て も 税 額 が 公 定 力 を も っ て 確 定 さ れ る も の で は な い こ と か ら、 拒 否 通 知 の 処 分 性 を 承 認 し た と し て も 還 付 金 請 求 訴 訟 が 妨 げ ら れ な く な り、 還 付 通 知 請 求 と 還 付 金 請 求 訴 訟 の「選 択 的 な 両 立」 が 図 ら れ て い る 旨 指 摘 す る。 同「税 務 訴 訟 の 性 格 と 課 題」 遠 藤 賢 治 ほ か 編『事 件 記 録 に 学 ぶ 税 務 訴 訟』 (判 例 タ イ ム ズ 社、 二 〇 〇 八 年) 所 収 一 九 八 頁 や 同「税 務 訴 訟 に み る 公 定 力 理 論 の 検 証 と 克服」税務弘報五九巻六号(二〇一一年)八五頁も参照。 ( 26)   例 え ば 金 子 宏「最 近 の 租 税 判 例 を 読 ん で」 税 研 一 三 一 号(二 〇 〇 七 年) 一 〇 頁 は、 本「判 決 の 基 礎 に は、 納 税 者 の 権 利 保 護 の ためには複数の救済手段 ( multiple ways ) を認める必要がある、 という実践的考慮があったのではなかろうか。 」 とした上で、 「理 論 を ど の よ う に 構 成 す る か は、 研 究 者 に 残 さ れ た 課 題 で あ る。 」 と 指 摘 す る。 そ の ほ か 同 旨 の 指 摘 と し て 仲 野・ 前 掲 注( 15) 二 ○ 四頁、斎藤誠「判批」租税百選〔第四版〕 (二〇〇五年)一七三頁、橋本・前掲注( 4 )二〇頁も参照。 ( 27)   関 連 し て、 多 数 意 見 と は 別 の 論 理 構 成 で も っ て、 登 免 税 の 争 訟 に 係 る 複 線 的 な 仕 組 み を 認 め る 谷 口・ 前 掲 注( 17) 三 六 九 頁 ~ 三七〇頁参照。 ( 28)   なお、多数意見と反対意見との間の解釈手法・認識枠組みの相違に関しては、後掲注( 59)参照。 ( 29)   な お、 本 判 決 が 処 分 性 公 式 を 踏 ま え て い る と の 理 解 に つ い て は、 例 え ば 塩 野・ 前 掲 注( 6 ) 一 一 三 頁 参 照。 反 対 の 理 解 と し て、中川・前掲注( 2 )七一頁も比較参照。 ( 30)   筆 者 は 処 分 性 公 式 に つ い て、 「法 的 権 限」 、「法 的 根 拠」 、「法 的 効 果」 の 三 要 件 か ら な る も の と 整 理 し て 理 解 し て い る。 こ の 点 さしあたり拙稿②・前掲注( 9 )七〇九頁~七一〇頁脚注( 8 )参照。 ( 31)   な お 本 文 以 下 の よ う に、 仲 野 説 と 小 林 説 と を 対 比 し て 論 ず る も の と し て、 酒 井 克 彦『行 政 事 件 訴 訟 法 と 租 税 争 訟』 (大 蔵 財 務 協会、二〇一〇年)七二頁以下もある。 ( 32)   仲野・前掲注( 15)二〇三頁参照。 ( 33)   仲 野 氏 は、 「三 面 関 係」 が「許 認 可 等 に 担 税 力 の 間 接 的 表 現 を 見 出 す 類 型 の 国 税」 の 場 合 に と ら れ う る こ と、 ま た 登 免 税 法 の ほ か に も 自 動 車 重 量 税 法 が こ の 種 の 関 係 に 該 当 す る こ と を 指 摘 す る。 後 者 に つ き 詳 し く は、 小 林(二 〇 一 〇 年) ・ 前 掲 注( 18)

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一六頁~二〇頁、三五頁~三六頁参照。 ( 34)   引用に当たり原文中で参照されている条文表記は省略。 ( 35)   仲野・前掲注( 15)二〇四頁参照。 ( 36)   仲 野・ 前 掲 注( 15) 二 〇 六 頁 ~ 二 〇 七 頁 参 照。 谷 口・ 前 掲 注( 17) 三 六 五 頁 ~ 三 六 六 頁 も、 登 記 機 関 に お け る 形 式 審 査 主 義 か ら、登記機関の認定権限の限界を指摘する。この点仲野・前掲注( 15)二〇八頁も参照。 ( 37)   拒 否 通 知 の 処 分 性 を 否 定 す る 仲 野 氏 に よ れ ば、 拒 否 通 知 は「法 的 意 味 を も た な い 事 実 行 為」 と い う こ と に な る。 仲 野・ 前 掲 注 ( 15)二〇八頁参照。 ( 38)   小 林(二 〇 〇 六 年) ・ 前 掲 注( 18) 一 〇 六 頁 以 下 参 照。 ま た 小 林(二 〇 一 〇 年) ・ 前 掲 注( 18) 一 五 頁 ~ 一 六 頁、 二 九 頁 以 下 も 参照。 ( 39)   同旨、酒井・前掲注( 31)七四頁~七五頁参照。 ( 40)   拙稿①・前掲注( 9 )二四三頁参照。 ( 41)   医 療 法 事 件 に お い て も、 都 道 府 県 知 事 が《自 治 事 務》 の 履 行 と し て の 医 療 法 勧 告 権 限 を 行 使 す る と、 そ の 行 使 結 果 を 踏 ま え て、 都 道 府 県 知 事 が《機 関 委 任 事 務》 の 履 行 と し て の 保 険 医 療 機 関 指 定 拒 否 権 限 を 行 使 す る と い う、 権 限 行 使 の 敬 譲 の 仕 組 み に 基 づ い て い る と 言 え る か も し れ な い。 関 連 し て 仲 野 武 志「判 批」 自 研 八 二 巻 一 二 号(二 〇 〇 六 年) 一 四 九 頁 参 照。 ま た 建 基 法 事 件 に お い て も、 特 定 行 政 庁 の 二 項 道 路 一 括 指 定 を め ぐ る 権 限 と 建 築 主 事 の 建 築 確 認 を め ぐ る 権 限 と の 間 で、 権 限 行 使 の 敬 譲 の 仕 組 み を 議 論 す る 余 地 が あ る よ う に も 思 わ れ る。 田 村 泰 俊「行 政 事 件 訴 訟 法 に お け る 訴 訟 ル ー ト 選 択 の 混 乱 と 処 分 性 の 問 題」 明 学 七 六 号 (二 〇 〇 三 年) 一 三 二 頁 ~ 一 三 三 頁 参 照。 さ ら に 権 限 行 使 の 敬 譲 は、 処 分 性 と い っ た 行 政 救 済 法(行 訴 法) の 論 点 理 解 の 文 脈 で 議 論 さ れ う る ば か り で な く、 行 政 組 織 法 の 一 般 的 な 仕 組 み と し て も 議 論 さ れ う る こ と に つ い て は、 例 え ば 原 田 尚 彦『行 政 法 要 論[全 訂第七版補訂版] 』(学陽書房、二〇一一年)五二頁参照。 ( 42)   もっとも、そもそも還付・不還付に処分性が認められないことについては本文後述。 ( 43)   な お、 食 品 衛 生 法 事 件 の 横 尾 和 子 裁 判 官 反 対 意 見 は、 「行 政 過 程 の 組 織 構 造」 と し て の 権 限 行 使 の 敬 譲 を 踏 ま え て 判 断 す る 多

参照

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