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静電容量測定器の設計製作

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Academic year: 2021

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(1)

静電容量測.定器の設計製作

        永   野   由   二

       (教育学部 電気研究室)

Design and Construction of a Capacity Bridge

      YHii Nagano   (Electrical Lab. 1 Faculり。f Education, Kecht UTii"oeT・sttji^        緒     言  電子回路の要素のー-つであるコンデンサの静電容量を測定するための器具としては,測定器メー カーから市販されている万能ブリッジがある.しかし,これらは教育学部の学生等初心者にとって は,その取扱操作が複雑高級に過ぎ,測定原理の理解をやや困難としているように思われる.そこ で筆者は構造,取扱が簡単で学生でも容易に製作できるものがあれば教育上有効と考えて,簡易型 Capacity Bri・dgeを考案製作した.以下その原理,構造,精度等について述べる.       1.原     理  Capacity Bridge の原理的な接続図を Fig. 1.に示す。図において,  Ra> Rb:抵抗  C。:容量未知のコンデンサ  G:標準コンデンサ  osc:可聴周波発振器  DET-。平衡状態の検l出器(レシーバ)

 xAi Int  Ix≫ IsはそれぞれRa, Rn,   G,Gを流れる電流  C。,R。。 Rbの値を調整して,レシー ノ゛の音が消えたとき,すなわちBridge が平衡したとを, DETを流れる電慶は 零となるから。       ム=Ib  ,  I.=ム・ 心的Q Fig. 1

また. R^とC。における電圧降下は相等しい.几とC.においても同様であるから, <a= 2π×  (周波数)として,       瓦1ム=几/(CuCi)       Rb In=ム/(ωG)  両式を辺々割れば, G/G=rjra∴C。=C,Rz,/RJ‥‥‥‥‥‥ 田 CrjIvR≫Raの値が既知ならば,Gの値を(1)式より求めることができる.また,      RJRa=7z

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54 とおけば Cx^nCs  高知大学学術研究報告 第15巻  自然科学 H 第8号 一一     -一一 (2)  すなわち, Rbと尺Jとの比があらかじめわかっておれば, (2)式よりGの値を求めることが できる.以後この.をBridgeの倍率という. [トーー1−− L 2 へ Capacity Bridge の構造について

刀∂弛 /  心 Fig. 2. Q コ ゙ ゝ Z 1 4 ‘ ) Fig. 2.参照 R.AJ JK-Bの値は可変にする必 要かあるので,5〔k口〕の可 変抵抗器RV35YN型を用い た. Raとしてはこの可変抵 抗器の一部と3〔k加.の固 定抵抗を直列に接続したもの となっており. Rbとしては 可変抵抗器の一部と,5〔k詞 の固定抵抗を直列接続したも のとなっている.3〔k加と 5〔k12〕は1〔W〕型の炭素 皮膜抵抗器である.  標準コンデンサC,として は,0.001〔μF〕から2〔μt〕 まで11個のペーパーコンデン サを用いた.その内1〔μF〕 と 2〔μF〕は小型とするた

め,MPコンデンサ(Metalized Paper Capacitor)を使用しすこ. c.の切換スィッチとしては11

接点1段のロータリースイッチを使用した.       5.倍率のzlの決定  倍率,zの範囲としては0.7から3.0とした.可変抵抗器左廻し切りに近いところで0.7,右廻し切 りに近いところで3.0である.このため3〔k9〕と5〔k功 の固定抵抗器が必要であった.もし これが無ければ7zはOから・・となり平衡する範囲が狭くなり,零を検出することが困難となるで あろう.Gを多数用意したから7zの値は3以上,または0.7以下は必要を感じない.  ,zの値と抵抗値との関係は次のようになる.全抵抗をR7とすると,       Rt=Ra十Rb       R丿Rt=Rr/(R^十尺B)=n/<il十,z)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3)  ある,zに対する可変抵抗器の廻転位置は(3)式より算出される抵抗Rnの位置で決められる.  ,zのいろいろの値に対するnKl十,z)の値をTable 1. に示す.

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0.7 0.8 0.9 1.0 1.2 1.4 1.6 静電容量測定器の設’計製作   (永野) 0. 412 0.444 0.474 0.500 0.546 0.584 0.615 Table ・丿. ∃K Fig 1.8 2.0 2.2 2.4 2.6 2.8 3.0 3。 0.643 0.667 0.687 0.706 0.722 0.737 0.750 55  抵抗尺sを測定する代りとして, Fig. 3.に示すような方法で,zを決定した.直流電源より 杓・=10〔V〕の電圧を全抵抗尺rに加える. Rhに生ずる直流電圧1ろを真空管電圧計で計る. 次の関係かおる.  すなわち, 使用できる. VbIVt=r。/尺7 0.001 0.002 0.005 0.01 0.02 0.05 …(4) Table. 1.はそのまま 0. 0982 0. 1998 0. 5093 1.0085 2.0820 ある,zに対する位置は(4)式よりの回転位置で決められる. 4。標準コンデン・サについて  C,としては,その公称値と真値とができる限り近いものを多数個の市販品の中より選び出した ものである.真値の測定には横河電機製万能ブリッジを用い,その結果をTable 2.の更正値の欄 に記入してある.       Table 2●       単位:〔μF〕 0.00101 0.00203 0. 00518 0.01014 0.0200 0. 0489 0.1 0.2 L T i a < z i   S   曾   a 0 1 2

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56     -一一      -高知大学学術研究報告第15巻  自然科学 n 第8号     5 . Capacity Bi°idge の取扱方 未知の容量を測定せんとするときは次の順序で行う. Fig. 4.参照 1)可聴周波発振器(1000 c/s)を本器のOSC端子に接続する. 2)DET端子に受話器(Crystal Beceiver で可)を接続する.二ヶ用いると測定か容易であ  る. 3) CX端子に測定せんとする容量未知のコンデンサを接続する. 4)倍率用可変抵抗器のダイヤル(Fig. 4.のX)を目盛1の位置におく. 5) CSダイヤルを右回転,または左回転して,受話器の音が最小の位置に止める.   この位置をダイヤルの目盛から読みG〔μF〕とする. 6)Xダイヤルをゆっくり廻して,受話器の音が消える位置を求める.この位置を目盛から読   み.7とする. 7)求める容量は Cx ―nCs で計算する.

○・

s c

CS "o /\     % い ケ ハ  ≒ヅy Q゛1` ∫ Q  / /’とフ ゛?、 .S− 八 ど   ●

○DET○

OSC:発振器接続端子 ex :未知容量接続端子 X ;倍率器ダイヤル χ ︷・ 4ヽ 込 ● ヽヽ, % j 。・● -2●タ ゜ 6 ’ ゛∂ DET:検出器接続端子 cs :標準容nダイヤル Fi・■g.4.キャパシチープリッジのパネル図 8) Table'2.のGの更正値を用いれば,精度は更に向上する. 6 ,測 定.例

X︰︶

 本器を用いで,数個の普通市販のコンデンサを測定した結果をTable 3. に示す.試料の欄は公 称容量,測定値の欄は本器による測定値(G更正値は用いず),真値の欄は横河万能ブリッジを用 いて試料を測定した値,(これは本器の精度を調べるためであり,普通は必要でない.)誤差の欄は 測定値と真値との差.  Table 3.が示すように,本器による誤差率は5%以下であることがわかる.

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試      料 公 称 容  帽 0.001 0.002 0.005 0.01 0.02 0.05 0.1 0.2 L O . ︱ ( C ノ ″ 0 静電容量測定器の設・計製作   (永野)        Tadle 3. 測  定 0. 00085 0. 00220 0.0060 0. 0092 0.0178 0. 0480 0.100 0.195 0.490 0.950 2.000 値 莫 0.00086 0.00219 0.0063 0.0093 0.0177 0. 0464 0.096 0.193 0.496 0.957 2.070 値 誤 −0.00001  0.00001 −0.0003 −0.0001  0.0001  0.0016  0.004  0.002 −0.006 −0.007 −0.070 差 単位:〔μF〕 誤 差 % - 1.2  0.5 −4.8 -1.2  0.6  3.5  4.0  1.0 -1.2 −0.7 −3.4 57 率  Table 4.にGダイヤル数値をTab】e 2.より更正して測定計算した結果を示す.これによる と誤差率はl.\%以下であり,精度が向上する. Table 4. 単位 〔μF〕 試      料 公 称 容 m 計  算  値測      定 頁      値 誤      差    %誤  差  率 0.001 0.002 0.005 0.01 0.02 0.05 0.1 0.2 0.5  1  2 0.00086 0. 00223 0. 0062 0.0093 0.0178 0. 0469 0.098 0.195 0.499 0.958 2.08 0.00086 0.00219 0.0063 0. 0093 0.0177 0. 0464 0.096 0.193 0.496 0.957 2.07  0.0000  0.00004 −0.0001  0.0000  0. 0001  0.0005  0.002  0.002  0.003  0.001  0.01  0.0  1.7 -1.6  0.0  0.6  1.1  2.1  1.0  0.6  0.1  0.5        結     言  本器のダイヤル数はわずか2個である.(万能ブリッジにおいては10個)1したがって取扱容易で ある.内部結線も簡単で,ブリッジの回路が一目瞭然である.したがってブリッジの学習には好適 である.  精度をよくするためには,Xダイヤルの製作(穴あ肌目盛刻印)を正確に行うことである.  また測定のときXダイヤルの読みを正確にしなければならない.  本器の測定範囲を超えるもの(5〔μF〕以上)に対しては,別に5〔μF〕以上の標準コンデンサ を用意しておけば測定可能である.

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58 高知大学学術研究報告 第15巻  自然科学 n 第8号

         参 考 文 献

Sylvan Fich and Tames・ L. Potter : Theory of A−C circuits Maruzen

YEw:BV−Z−103B取扱説明書 酒井 洋:ブリッジ回路,日刊工業新聞社

参照

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