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日本自動車企業のリスクマネジメントに関する研究 : -SCを中心に考える-

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日本自動車企業のリスクマネジメントに関する研究

- SC を中心に考える-

楊 壮

要旨 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災(以下 3.11)は、千年に一度の未曾有の震災と 言われている。日本の観測史上最大となるマグニチュード 9.0 の巨大地震であり、日本の東 北地方沿岸で津波が発生した。この影響範囲と被害規模はどんな企業にとっても、「想定外」 のことである。東北地方は日本自動車産業のサプライチェーン(Supply Chain 以下:SC)に おける部品供給の重要な拠点の一つであり、今回の地震で深刻なダメージを受けた。例えば、 トヨタ自動車株式会社(以下:トヨタ)は被災地域にある部品サプライヤーから生産に必要 な部品が調達できないと、2011 年 3 月 14 日から 26 日まで国内にある全車両工場で生産を停 止することを発表した。減産台数は約 14 万台である(1) そして、トヨタは 2011 年6月に震災前の生産能力に回復した。日本のメディアは自動車生 産能力が震災前の水準に戻るのに半年以上かかるとみたが、その予想より早くなった。それ はトヨタが積極的に震災に対応したことと直接に関係がある。早く末端の部品サプライヤー の被災状況を把握して、代替品の調達を実行したことが震災後における早期の生産再開の重 要なポイントである。地震や津波、洪水のような自然災害は、グローバル SC に重大な影響 があり、それに対するリスクマネジメントは日本自動車企業にとって重要な課題の一つであ ることが明らかになった。本論は、大規模災害時の自動車メーカーにおける SC の問題を分 析し、リスクマネジメントの課題を明らかにした研究である。 1. 問題意識と先行研究 自動車は約 3 万点の部品で構成されるため、自動車産業は何層にも多重化された複雑かつ 巨大な SC が形成されている。3.11 の際には SC が寸断され、完成車メーカーの生産はストッ プして、大きなダメージを受けた。そして、完成車メーカーにとっては、いち早く SC を収拾し、 生産の再開を図ることが重要な課題である。 SC をめぐるリスクマネジメントは企業の生産停止と災害回復についての重要な経営管理の 手法である。また、大規模な自然災害のような「想定外」事故に対するリスクの対応策とし ては事業継続計画(Business Continuity Plan、以下 BCP)が有効である。日本の自動車産業 は日本経済を支える基幹産業であり、大規模な自然災害に対し、柔軟に SC のリスクに対応 することが課題である。また SC を強化することが課題であり、事前に BCP を策定しておく ことは、企業が災害から早く生産活動を再開させる不可欠な手段である。本論は日本の自動

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車産業の SC に着目して、生産停止を回避するためのリスク分析の研究を進めるものである。 米国のトレッドウェイ委員会組織委員会は『内部統制の統合的枠組み 理論篇』(2006)で、 リスクの評価が内部統制の重要な構成要素の一つと定義した(2)。内部統制の構成要素として は「統制環境、リスクの評価、統制活動、情報と伝達、監視活動」の5つがある(3)。3.11 に 日本自動車産業では SC に関連した様々な問題が起こった。震災による生産停止の原因は日 本の完成車メーカーで分析してみると、以下の4つの特徴を持つ企業が多い(4) 1. 代替の利かない生産拠点 2. 在庫を極力減らした徹底したジャスト・イン・タイムの供給体制 3. 2次、3次下請けなどの複雑で深い SC の階層 4. 特殊な部品や特殊な技術を持つサプライヤーへの高依存度 また、完成車メーカーと部品サプライヤーは防災訓練に当たりリスクマネジメントを強化 する必要がある。事前に各リスクを分析、評価し、BCP を策定する必要がある。大森京太は、 有事に強い SC の構築に関する研究の中で、3つの視点から分析している(5) 1. 平時における有事の備え:SC・ガバナンスの導入 2. 有事における復旧までの対策:SC・BCP の再構築 3. 業界団体・国および地域の取組み:世界標準化 一方、浅野憲周は BCP に焦点を当て、リスクを可視化して拠点の再配置を進めることの必 要性を明らかにした(6)。そこで、本論は日本自動車企業の災害の予防と災害時の対策を分析 すると共に、いち早く生産を再開させるための要因や戦略を分析する。自動車企業の中では トヨタと日産のサプライチェーンの特性を分析し、災害時にリスクマネジメントを強化する ことを通じて、素早く生産再開するための BCP の方法を明らかにする。 2. リスクマネジメントと自動車産業の SC 企業のリスクとは、企業経営活動の全ての面に関する、幅広く、複雑で、重要な課題である。 「リスク」という言葉は、その最も一般的な意味において、「将来の結果や事象に関連する不 確実性」と定義されている。これを特に企業活動に当てはめるならば、「リスク」とは、「利益・ 損失またはキャッシュ・フローにおいて、不確実な事象から生じる予期された変動」という ことができる(7)。企業は経営活動をする時に、各自然災害での事業の停止、財産と設備の損 失、製品のリコールと賠償、取締役並び役員の責任、取引先の破綻に伴う損失、就労先の災害、 環境責任等のリスクがある。従って、企業は経営や生産活動を推進するため、上記のリスク を管理する必要がある。つまり、リスクマネジメントはリスクの未然防止に向けてのリスク 評価・識別と目標の策定、実行の監視・監査が中心であり、いわゆる危機事態の発生を予防 するためのリスク統制の方法である。 一方、SC とは、原材料の調達から最終消費者に届けるまでの部品や完成品の調達・生産・ 販売・物流といった一連の業務の流れをとらえたものである。自動車産業の場合に、完成車メー カーだけでは、自動車の様々な部品を生産することができない。自動車産業のサプライチェー

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ンは図表 1 のように多くの Tier1、2、3 および4、5 の部品サプライヤーが連携して完成車メー カーに部品を供給し、ピラミッド型の SC が構成されている。つまり、総合組立産業である 自動車メーカーは、数多くの中小企業との取引を前提にリスクマネジメントを構築する必要 がある。 図表 1 自動車産業のサプライチェーン

注:各種資料をもとに 筆者作成

完成車 メーカー

Tier1 Tier1 Tier1

Tier2

Tier2 Tier2

Tier3 Tier3 Tier3

取引関係 注:各種資料をもとに 筆者作成 完成車メーカーは、SC 上の多種多様なリスクに直面する時に、自社だけの BCP をつくる だけでは不十分であり、ピラミッド型 SC 全体のリスクを管理する必要がある。例えば、3.11 の時、地震だけではなく、津波、火災、災害地の交通マヒなどさまざまな災害がドミノ現象 のように起きた。また、計画停電により東北地方と周辺地に長期的な影響が生じた。東北地 方にある自動車のサプライヤーの約 500 拠点が被災したが、完成車メーカーは深刻な生産・ 調達活動の停止が起こった。完成車メーカーの生産能力が復旧するには、震災から約1ヵ月 以上が掛かった。震災前の生産水準に戻ったのは、同年8月下旬頃である。つまり、SC のリ スク問題は自動車メーカー、部品サプライヤーが連携して問題を特定し、継続的に改善しな ければならない課題である。 最近では日本自動車産業の SC は国内だけに限らず、全世界に広がっている。それと共に、 SC の脆弱性は拡大することが認識されている。これも総合組立産業としての自動車 SC の特 徴の一つである。完成車メーカーは自社の SC を管理する時に、SC 上のリスクや問題点を事

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前に点検し、緊急災害時でも事業の継続や早期の回復が可能なシステムを構築することが重 要である。 3. SC における 3.11 の分析 日本の自動車産業の生産工程では、合理性、効率性のため、外注化が進展している。部品・ 素材の生産の多くを社外に発注し、電力、ガス、水道、通信などのライフラインの多くを外 部の供給者に依存している。自社で使用する機械の修理さえも、IT 化の進展もあって外部の 専門企業に依存することが増えている(8)。つまり、完成車メーカーは生産・経営活動の外部 依存度が高まっている。 90 年代以後、自動車産業は激しいグローバル競争に巻き込まれていた。原材料・コストの 低減や品質向上が追求されると同時に、製品の差別化生産・販売のため、完成品メーカーと 取引先企業の関係を多様化させることになった。そして、完成車メーカーは自社製品の開発・ 生産に集中し、生産活動の外部依存も進んでいるため、SC が長く複雑化している。企業の外 部依存度が高まると、災害・事故により被災が起きると自社の力だけでは生産復旧ができな い状況になった。依存先の他社が被災したら、自社の生産活動が停止する可能性も高い。 例えば、2007 年 7 月 16 日に起った新潟県中越沖地震(マグニチュード 6.8)の際に、日 本完成車メーカーは生産活動をストップしたことがある。地震で自動車エンジンを構成する 重要な部品メーカーのリケンの柏崎工場が被災して、操業停止に陥った。リケンが生産する 「ピストンリング」はエンジンの基幹部品で国内シェアは 5 割、変速機の「シールリンク」で は 7 割のシェアを保有する。リケン柏崎工場の被災により、ダイハツ工業、トヨタが国内全 ての工場で操業が停止し、マツダ、スズキ、日産、富士重工業、三菱自動車工業も生産が一 部停止した。また、自動車の変速機大手のジャトコが順次生産停止になった(9)。新潟県中越 沖地震で完成車メーカーは部品メーカーが一地域で集中しすぎる SC 上のリスクを見通した。 これを契機に、自動車の組立工場と部品メーカーが、連携して日本の中部地方から、東北地方、 近畿地方、九州地方に工場分散を進めていった。しかしながら、自動車企業の外注化や特定 企業への集中の傾向も強く、東日本でも巨大な SC の形成が進む。この結果、日本の自動車 産業は 3.11 が発生した際に、大きなダメージを受けた原因の一つとなった。 3.11 は、従来の地震予測を超える巨大な地震であり、企業の生産・経営活動に対しても大 きな影響を与えた。特に自動車産業では、東北地方は乗用車の部品供給の重要な拠点の一つ である。地震、津波、地盤の液状化、原発事故による自動車部品メーカーの直接被害があり、 また、電力不足、燃料不足と部品供給不足も震災地で発生し、企業の経営・生産活動の面で 大きな制約要因となった。さらに、被災企業の部品、原材料、サービスの生産・調達・供給 が止まった影響で、日本全国のみならず海外の企業・工場にも影響が出た。

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図表 2 3.11 のサプライチェーン分断による日本自動車業界での主な影響 日本国内 トヨタ自動車 26 万台減産(2011.4.8 まで) 日産自動車 10.5 万台減産(4 月・5 月分見込み) ホンダ 4.3 万台減産(4.3 まで) マツダ 3.1 万台減産(3.25 まで) ダイハツ 2.7 万台減産(3.29 まで) 富士重工業 2.3 万台減産(3.28 まで) 三菱自動車工業 1.5 万台減産(3.26 まで) 中国 トヨタ自動車 50%減産 インド トヨタ自動車 70%減産・ホンダ 50%減産 オセアニア トヨタ自動車 オーストラリア工場にも波及 中南米 日産自動車 メキシコで数日間工場停止 トヨタ自動車 南米工場にも波及 北米 トヨタ自動車 米国 14 工場で減産約 15 万台 日産自動車 米国で数日間工場停止 ホンダ 米国・カナダ 6 工場で 50%操業 富士重工業 北米生産を一時停止 欧州 トヨタ自動車 欧州 5 工場で 4 ー 5 月に生産停止を計画 日産自動車 英国で数日間工場停止 ホンダ 7 週間、50%減産の見込み 出所:浅野憲周 『事業継続計画(BCP)再考』 (2012 年 2 月号)  p.9 図表 2 を見ると、東北地方の部品サプライヤーは大震災で生産停止の影響が大きいことが 明らかである。3.11 の際に、マイコン(10)と呼ばれる車載半導体を生産するルネサスエレク トロニクス(株)の被災によって、全日本および全世界の自動車生産が停止した。ルネサス エレクトロニクス(株)(11)では、3.11 によりグループ企業の工場を含む8つの生産拠点が被 災した。茨城県の那珂工場(12)では、トヨタのプリウスを始めとする自動車のエンジンやブレー キの制御に関するマイコンを生産している。またこれらはメーカーでは、独自の安全規格が 設けられているため、代替生産が難しい(13)。各完成車メーカーは主要な部品を一社に集中 発注しており、災害時の代替生産ができない問題があることが分かった。 部品調達の方では、経済産業省が 3.11 で被災した主要企業 80 社(製造業 55 社、小売・サー ビス業 25 社)を対象に「3.11 後の産業実態研究調査」を行った。原材料、部品・部材の調達 先が困難な理由を見ると、「調達企業が被災」と答えたのは、素材業種で 88%、加工業種で 82%がある。また、素材業種で 42%、加工業種で 91%が「調達企業の調達先が被災」と答え た(14)。特定の部品メーカーに発注が集中すると代替生産・調達の困難性が高まる。中小企 業の低防災能力や SC の地域集中、特定部品企業への集中などは、3.11 で日本完成車メーカー の長期間の生産停止の原因にもなっている。

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図表 3 自動車サブライチェーンのピラミッド型とダイヤモンド型

完成車 メーカー

Tier1 Tier1

Tier2 Tier2 Tier2

完成車 メーカー Tier1 Tier1 Tier2 ピラミッド型 ダイヤモンド型 Tier2 注:日本自動車部品工業会 「BCPガイドライン」(2013年)p.4による。 Tier2 注:日本自動車部品工業会「BCP ガイドライン」(2013 年)p.4 による。 また、完成車メーカーは製品の差別化生産・販売のため、クルマに組み込まれる部品も高 度なものづくり能力やすり合わせ技術が要求されている。その結果は川下からの競争が激し く、競争力の高い「特定企業」へ発注が集中する傾向が出る。自動車部品システムは、一般 にみられる「階層型」(ピラミッド型)にならず、Tier3 層も、「特定優力企業」に高度に集 中する「ダイヤモンド型」のシステムが構築されることが明らかになった(15)。製品のQC Dに優れ、差別化された能力や技術を持っている特定の部品サプライヤーには、多くの自動 車メーカーからの「集中発注」が行われていることを示す。SC は特定の階層で高度に集中化 すると、自動車産業全体としては大きな潜在的なリスクが生じる。震災に強い SC の構築は 素材・部品コストの競争を解決するだけではなく、SC のリスクを低減することも重要である。 日本では、近い将来、東海地震、東南海・南海地震、首都直下地震などの大規模地震の発 生が懸念されている。3.11 の SC 上の問題点を分析し、事業停止のリスクを低減することが できれば、今後自然災害のリスクが発生したら、完成車メーカーは柔軟に対応できるはずで ある。以下、トヨタと日産の SC の特徴を分析し、自動車産業にとってリスクマネジメント の重要性を論じる。 4. トヨタと日産の比較分析 3.11 は日本自動車産業に大きな打撃を与えた。結果として、多くの完成車メーカーはいろ いろな原因で経営活動を停止した(16)。上述したように日本自動車産業の SC は、特定企業へ の過度な集中やダイヤモンド型の取引は自然災害が起きる時に壊れやすく、また早期の回復 が難しい点が分かった。しかし、グローバル時代に部品、素材の合理化経営のためには、完 成車メーカーは優良なサプライヤーに集中的に発注しなければならない。この状況は将来に

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おいても変化できないことでもある。 4.1 トヨタの「部品系列グールプ」 トヨタは自動車業界を取り巻く厳しい環境下、大規模地震のような自然災害が発生する時 に持続的な経営を目指している。この目標を実現するために、トヨタのグローバル調達方針は、 「世界で最も良いものを、最も安く、最も早くタイムリーに、しかも長期安定的に調達すること」 を目指している。すなわち、魅力ある製品をトヨタとともにつくりあげていくには、サプラ イヤー(パートナー)と協力していくことが不可欠と考えている。トヨタは、各サプライヤー との相互の信頼関係に基づいて相互の繁栄を目指している。トヨタは協豊会と栄豊会を中心 に、トヨタ部品系列グループを構成した。そして、トヨタは二豊会(協豊会と栄豊会)を通じて、 自社のサプラチェーンの情報を把握し、独自な BCP を作成することができる。 図表 4 トヨタ自動車の自発的協力会 協豊会 栄豊会 基本理念 協豊会は、1943 年 12 月に設立され、トヨ タ自動車と会員会社が、グローバルでオー プンなパートナーシップに基づいた活動を 通じて、世界の経済・社会の発展に貢献し ようとするものである。 栄豊会は 1962 年 11 月に発足し、会員相互 の技術・経営体質の向上に向け新たなスタ ートを構築し、会員会社間の連携の強化を 目指している。 会員状況 会員数:224 社(2014 年 9 月まで) 会員数:220 社(2014 年 9 月まで) 代表的な企業 東海地区 :・アート金属工業(株)・伊藤金 属工業(株) 関西地区 :・関東自動車工業(株)・横浜ゴ ム(株) 関西地区 :・(株)神戸製鋼所・富士通テン(株) ボデー部会 :・川崎重工業(株)・鬼頭工業(株) ユニット設備部会 :・住友電気工業(株)・ 豊興工業(株) 施設部会 :・川崎設備工業(株)・ダイダン(株) 物流部会 :・川崎汽船(株)・トヨタ輸送(株) 活動 ・テーマ研究部会 ・懇親行事 ・講演会(経営 / テーマ) ・部品部会(ボデー / ユニット) 全ての活動はトヨタ自動車の経営活動と同 時に展開する。 注:トヨタホームページをもとに筆者作成 協豊会は、1943 年 12 月に設立され、その後、関東協豊会・東海協豊会・関西協豊会に分か れて活動をしていた。1999 年 4 月 1 日に再び、一元化され、現在の「協豊会」となった。現 在 224 社以上の会員会社で構成される(東海地区 125 社、関東地区 68 社、関西地区 31 社)(17) 協豊会は、トヨタと会員各社の参画によるさまざまな活動を通じて、揺るぎない協力関係を 築いている。協豊会はテーマ研究部会(18)・懇親行事(19)・講演会(経営 / テーマ)(20)・部 品部会(ボデー / ユニット)(21)など一連の活動を展開すると共に、トヨタと会員会社のコミュ ニケーションを緊密化する。つまり、協豊会はトヨタと会員会社がグローバルでオープンな パートナーシップに基づいた活動を通じて、世界の経済・社会の発展に貢献しようとするも

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のである。 一方、栄豊会の発足は 1962 年 11 月に元町工場の建設を契機としており、建設・電気配管 工事業者により結成されていた豊援会が「栄豊会」として再結成されたものである。その時 の栄豊会は会員相互の技術・経営体質の向上に向け新たなスタートを目指した。そして、厳 しい環境に対応するため、会員相互の有機的結合の強化拡大を図って、設備メーカーで構成 される「旧栄豊会」と、型・冶具・ゲージメーカーで構成される「精豊会」が統合された。 1983 年 4 月に新生「栄豊会」が誕生した。当年度の会員数は 62 社(旧栄豊会 36 社・旧精豊 会 22 社・新入会 7 社・重複加入 3 社あり)で、会長には鬼頭工業社長鬼頭一雄が就任した。 新栄豊会は、トヨタと取引のある機械設備メーカーや物流会社、エネルギー会社で構成した 会員組織である。今まではボディー部会 34 社、ユニット設備部会 36 社、施設部会 33 社と物 流部会 24 社、四つの部会を合わせて 127 会員会社がある(22) 二豊会はトヨタと各部品サプライヤーの双方向の組織として、トヨタのクルマ設計・調達・ 生産・運送・販売の各段階で重要な役割を担う。トヨタは自社の部品系列グループを中心に、 自社の SC に問題ある時に、何の部品、どこのサプライヤー、被害程度、回復情報などの情 報を把握することができる。トヨタは部品サプライヤーとの相互的な情報伝達を通じて、SC のリスクマネジメントを構築することを明らかにした。独自な BCP はトヨタが 3.11 で早く 生産再開が出来た重要な要因の一つである。 4.2 日産の「グローバル共同購買」 日産自動車株式会社(以下:日産)は 90 年代の経営危機の局面で自社の部品系列グループ を解散した。ゴーン社長は日産の部品の採用・購買をルノーと一緒にグローバルな共同発注 に転換した。同時に、日産は「同期生産」を発表した。同期生産を実現するために、日産は 各部品サプライヤーにクルマの設計・開発の段階から参加するという要求を出した。日産は ルノーと部品を共有化し、多くの部品サプライヤーと短期的であるが、大規模購買の取引関 係を構築している。日産はグローバルな視点で優良部品サプライヤーを集めることにより、 自社の SC を強化している。つまり、グローバルな視点でのルノーとの部品の共同購買は日 産の低コスト戦略を実現する同時に、自社の SC を強化させている。 このグローバルなコスト最小化のやり方は、短期間に日産のコスト削減と各部品サプライ ヤーの当年度の売上拡大を実現する方法である。しかし、日産は次の新車種を開発する時に、 新車種に対応する新たな部品サプライヤーを集めて、新たな取引関係を再構成することが必 要である。日産は、トヨタのように連携して部品メーカーとの共同開発、品質改善や原価低 減活動の面で長期継続できない問題がある(23)。車種別に部品を供給するサプライヤーが必 ずしも一致しないことが原因である。従って、部品の共通化は日産にとって非常に重要な課 題である。 また、グローバルの部品調達を行うことにより、日産の SC は複雑で長くなった。日産は

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この巨大な SC を管理する時に、リスクの解決・回避が難しくなる。従って、日産は部品共 通化を一歩進め、2012 年には新世代車輌設計技術である「日産 CMF(コモン・モジュール・ ファミリー)」(24)を発表した。日産の CMF は、1次部品サプライヤーの年産能力、コスト、 品質、供給能力を厳しく審査したうえで、まとめて発注することになる。日産は一次部品サ プライヤーの数を減少することを通じて、巨大な SC の改造を進めている。部品サプライヤー を絞り込んだ日産は、有力な部品サプライヤーのものづくり能力を新たに選定して、SC 上の リスクに対して、独自な BCP を策定することができる。一方でまとめて発注するという部品 調達政策は、日産が特定な部品サプライヤーに集中する傾向になりやすい。3.11 の時の那珂 工場の事件が発生しないように、日産は SC のリスクに対して、BCP の柔軟性が重要である。 つまり、部品の代替生産は日産のリスクマネジメントの中核部分になる。 4.3 トヨタと日産の SC における今後の課題 以上にトヨタと日産の「部品系列グールプ」と「グローバル共同購買」について分析した。 いずれにしても、トヨタと日産は自社の特徴を活かして、自社の SC を強化している。しかし、 SC の強化について問題点と残された課題はいくつかある。 まずトヨタ(部品系列グループ)と日産(部品調達のグローバル化)の SC は大きく違う ことがあげられる。トヨタは部品系列グループを通じて、部品サプライヤーと共に目標を設 定し、品質の向上やコストの削減を行って来た。また、規模の経済性を求めて部品共通化を 推進している。このやり方は、単一年度では成果が少ない。しかし、トヨタの部品系列グルー プは長期継続取引の関係を構築しており、時間軸の効果を見ると十分意味がある。持続的に 品質の向上やコストを減らすために、グループを挙げて長期の品質、コストの継続的改善活 動が実行されるからである。 逆に、日産の方はルノーと連携し短期的な大規模の共同購買を通じて、一時的にコストを 大幅に減少することができる。また国際的な競争入札を活用して日産は低コストの最適調達 が実現できる。日産はルノーとの共同購買と自社標準(「日産 CMF」)を通じて、部品の共通 化を進め、大量購買のメリットを引き出そうとしている。そして、規模の経済性により、部 品コストを下げる戦略である。また災害時にはグローバル調達を活用して、自社の SC のリ スクを管理する効率性も高くなる。しかし、短期取引関係を重視すると、日産とサプライヤー は共同で部品の生産・開発や品質、コストの改善ができない(25)。日産の場合には次の新車 種を開発する時に、新車種に対応する新たな SC を再構築しなければならない。従って、日 産にとっては、グローバルに最適な「部品サプライヤーのものづくり能力」を取り込むことが、 強い SC を構築する時に重要なポイントである。

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図表 5 サプライチェーンの特徴と問題点 トヨタ自動車 日産自動車 サプライチェーン の方式 ・ 部品系列グループ方式 ・ グローバル共同購買 生産システムの 特徴 ・ ジャス・トイン・タイム(JIT)・ かんばん方式 ・自働化 ・ 日産生産方式(同期生産) ・ 多車種混流生産技術(I BSA) サプライチェーン の特徴 ・ トヨタ部品系列グループ(協豊会・栄 豊会) ・ 国内中心 ・系列中心 ・ 長期の取引関係 ・ 部品の共同開発 ・ 品質をもとに、コストの連年減らすが できる ・ ルノーとの共同購買 ・ グローバル化 ・ 競争入札(昀小コスト) ・ 短期の取引関係 ・ 大規模の購買で価格が安い 3.11 の被災状況 ・ 無在庫で生産停止(J IT) ・ 道路損害で部品調達ができない ・ 計画停電で減産 ・ 部品の代替生産ができない(マイコン) ・ 部品サプライヤーが被災し、生産停止 ・ 道路損害で部品調達ができない ・ 計画停電で減産 ・ 部品の代替生産ができない(マイコン) 対応策 ・ トヨタ生産復旧計画を発表 ・ 被災した部品サプライヤーに支援 ・ 被災した地域社会との提携・協力 ・ 日産生産復旧計画を発表 ・ 被災した部品サプライヤーに支援 ・ 被災した地域社会との提携・協力 今後の課題 ・ 部品サプライヤーの分散化 ・ 部品の共通化 ・ 部品調達範囲の拡大 ・ サプライチェーン情報の共有 ・ 新規部品メーカーの導入 ・ B CP の策定 ・ ルノーとの部品共用の深化 ・ 他車種の部品共通化 ・ 部品サプライヤーの競争状況を維持 ・ BCP の策定 ・ コーポレートガバナンス・内部統制を グローバルで強化(SCM 本部の強化) 注:トヨタ自動車と日産自動車のホームページ等をもとに筆者作成 図表 5 を見ると、3.11 の時に、トヨタも日産も同じ状況に直面している。両社は今後の課題 についても同じような問題を迎えている。強い SC は産業全体のスムーズ化と企業の発展にとっ て重要な基礎である。そして、両社は SC の強化に対して、部品の共通化とサプライヤーの分 散化についても注目している。例えば、日産は、韓国のルノー・サムソンと共同でグローバル 調達をしており、部品サプラヤーは東アジアの広い地域への分散が進んでいる。トヨタは、日 本国内を東北、中部、九州などの拠点にわけて、自社の部品サプライヤーの分散化を進めている。 しかし、強い SC の構築は部品系列と部品調達のグローバル化の問題だけではなく、社員 の防災訓練、企業の社会責任の展開および地域社会との協力、産業内の情報共有・相互支援・ 代替生産・緊急調達など多くの問題が関連している。完成車メーカーは多くのステークホル ダーのことを考慮して、災害時に強い BCP をつくる必要がある。とくに自動車産業は総合組 立産業として、広範な SC のリスクマネジメントが必要であるが、事前に自然災害など緊急 時の事業継続計画(BCP)を準備しておくことは、災害後の生産復旧を早めるための重要な 手段となる。

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5. まとめ 5.1 内部統制の強化 内部統制とは、企業の収益性に関する諸目標と企業の使命の達成に向けて企業を適時に方 向づけるため、また経営の過程で生ずる不測の事態を最小限にするために設けられるリスク 管理を中心と管理の体系である(26)。内部統制システムは最高経営者が主導して、企業不祥 事や想定外リスクが発生した際に、それらを未然に防止する義務が明示されている。 内部統制におけるリスクマネジメントはリスクを識別・分析し、リスク低減に向けて継続 的に PDCA で改善する反復的なプロセスである。SC を管理するために、最高経営者はまず 組織の内部と外部状況を理解しなければならない。外部状況としては国内・国際、政治、経済、 法律、競争環境と外部ステークホルダーの関係・認知・価値観などがあり、内部状況として は組織文化、方針、戦略、内部ステークホルダーの関係・認知・価値観、情報システムと意 思決定プロセスなどがある。それらに対して発生する可能性があるリスクは、すべて事前に 評価する必要がある(27)。最高経営者は、リスクの発生と発生した場合に生じるコストを総 合的に考慮・比較して、事前に対応策を検討し、SC のリスク管理を強化することが求められ ている。 5.2 SC における BCP の重要性 SC のリスクマネジメントを通じて、大規模災害時における事業継続計画(BCP)を作成 することが求められている。大規模な災害時においても重要な事業活動を中断させないこと、 目標復旧時間までに重要な事業を再開させることが必要である。事前に BCP を策定していれ ば、緊急事態がいつ発生しても、適切に対応することができる。BCP は自社の事業の早期の 再開ができるだけではなく、災害時に企業の損矢を減少することができる。つまり、BCP は 想定外のリスクを軽減し、災害発生後の操業停止から素早く再開するまでの計画を策定し、 事前に災害時の訓練をシミュレーションしておくことが重要である。

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図表 6 BCP の具体的案

注:日本自動車部品工業会

『BCPガイドライン』

p15

一部修正

被災

生産設 備は無 事か? 生産設 備は復 旧可能 か? 生産設 備は利 用可能 か?

NO

YES

NO

YES

YES

プラン

A

復旧作業

プランC

生産設備の

復旧作業

プラン

B

代替ラインで

生産

復旧完了

生産開始

代替ライン

停止

注:日本自動車部品工業会『BCP ガイドライン』p15 一部修正 図表 6 を見ると、BCP は早く生産復旧をはかるための基本指導方針であり、リスクマネジ メントの重要な構成要素である。3.11 において、中堅・中小企業の多くが、貴重な人材と設 備を失くしたことで、最後は企業が潰れることもある。また、被災の影響が少なかった企業 においても、復旧が遅れ自社製品・サービスなどを供給することができなくなった。結果と しては、顧客が離れ、事業が縮小し、従業員を解雇しなければならないケースも見受けられた。 だからこそ、中堅・中小企業が多い自動車産業では、事前に BCP を策定することが、完成車 メーカーの生産再開にとっても重要な意味がある。 以上、本論で取り上げた事例を通じて、日本の完成車メーカーは 3.11 の様々なリスクに直 面する時に、自社の SC の安定を確保しなければならないことを説明した。とくに階層型の SC のトップにいる企業は、自社の SC と部品サプライヤーの SC の双方の状況が把握できな いと、自社の経営・生産が継続されないことになる。自動車産業の SC を強化するためには、 グループ全体のリスクマネジメントを通じて、グループ全体の BCP を策定することが重要で ある。 グローバル時代では、国際的な物流体制を構築し、低コスト地域で集中生産し、世界中に 生産・販売事業を展開する動きも見られる。完成車メーカーとしては、多様化・広域化・複 雑化するサプライチェーンを管理する際に、部品サプライヤーとの関係を考慮した総合的な

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リスクマネジメントの構築が重要になっている。トップの経営者としては、企業の内部統制 を強化し、社内外のリスクを管理すると共に、自社のサプライチェーンの特性を生かした柔 軟的な BCP を策定することが求められているのである。 最近では新興国市場の拡大に伴って、現地の部品メーカーは生産能力の高い成長が見られ る。日本の完成車メーカーは今後のクルマ開発・生産のため、新興国の部品メーカーの導入 は重要な課題の一つである。トヨタの部品系列グループも、日産のグルーバル購買も、現地 の部品メーカーとの取引を拡大する必要があるが、現地調達の拡大を通じて、低コストで柔 軟な SC を構築することができる。一方で、完成車メーカーにとって、国境を越えるビジネ スは他国の法律・法規の遵守、政治要素、異文化コミュニケーションなど新たな SC の問題 をクリアーする必要があり、SC のリスクマネジメントの強化を同時に進める必要がある。 *謝辞 本稿は、修士論文を基に修正加筆したものである。本稿を執筆する段階で土屋勉男教授か ら貴重なご指摘を戴き、また、2名の匿名先生から有益なコンメトを戴いた。ここで、深く 感謝の意を表明します。 2014.9.30 受付 2014.11.29 受理 (1) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20316320110329 2012 年 12 月 1 日 最終アクセス (2) トレッドウェイ委員会組織委員会(鳥羽至英 , 八田進二 , 高田敏文共訳)『内部統制の統合的枠組み  理論篇』白桃書房(2006)p.55 (3) 日本版の COSO フレームワーク(金融庁が 2005 年で公表した『財務報告に係る内部統制の評価及び 監査の基準』と題する公開草案)では、「IT の利用」が構成要素の六つ目として追加した。 (4) 浅野憲周「事業継続計画(BCP)再考」<知的資産創造>(2012 年 2 月号)pp.9 - 10 (5) 大森京太「有事に強いサプライチェーンの構築により、産業力を強化する」三菱総合研究所(2011 年 6 月 9 日)pp.1 - 2 (6) 浅野憲周「事業継続計画(BCP)再考」知的資産創造(2012 年 2 月号)pp.15 - 20 (7) エリック・バンクス著(小野雅博監訳)『企業リスクマネジメント入門』シグマベイスキャピタル(2007) p.13 (8) 竹中平蔵・船橋洋一<日本大災害の教訓>東洋経済新報社(2011)p.192 (9) http://blog.goo.ne.jp/fu12345/e/f23e1881a7d8522b333350aa30f6b8cc 2013 年 6 月 1 日 最終アクセス (10) マイコンとは、マイクロコントローラの略称である。計算処理用の半導体で、データの入出力機能 や記憶機能などが一つのチップに集積されている。自動車の場合、エンジン、変速機、エアコンなど に使われている。一般的に、一台の自動車は 50 - 100 ほどのマイコンが搭載されている。 (11) ルネサスエレクトロニクス(株)は、民生・産業・車載等を含むマイコンの世界シェア約 3 割を持っている。 (12) 那珂工場は自動車向けマイコンで世界シェア 44%を握る主力となる工場である。 (13) 鎌田純一・中野かおり<東日本大震災による我が国ものづくり産業への影響>経済産業委員会調査 室編集・発行(2011) (14) 経済産業省「東日本大震災後の産業実態研究調査」(2011)p.4 (15) 日本自動車部品工業会「BCP ガイドライン」(2013)p.4.

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(16) サプライヤー工場の被災、地域社会の不安定、地震・津波の道路損害による部品調達の困難、福島 第一原発で地域周りの汚染と電力不足、販売店の被災による販売の停止、完成車メーカーから納車で きない等 (17) 協豊会のホームページ http://www.kyohokai.gr.jp/outline/ 2013 年 10 月 20 日 最終アクセス (18) テーマ研究部会:会員各社に共通する課題をテーマに参加会員会社を募集し、テーマごとに相互に 研究・研鑽することで、その活動結果を会員各社やトヨタへの提言へつなげる。 (19) 懇親行事:トヨタ役員と会員会社代表者が参加して親睦を深め、相互にコミュニケーションを図る 場としている。 (20) 講演会(経営 / テーマ):経営講演会では国内外の著名講師やトヨタのトップ役員を招き、経営課 題に関する見識を深める。テーマ講演会では、より幅広い見地から会員の関心が高いテーマや講師を タイムリーに選定している。 (21) 部品部会(ボデー / ユニット):トヨタと会員による双方向コミュニケーションの強化・相互研鑚 を通じて課題認識を共有し、その実現に向けた諸活動を行う。 (22) トヨタホームページより http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/automotive_ business/production/purchasing/member_companies/eihokai.html 2013 年 10 月 20 日 最終アクセス (23) トヨタの系列部品グループでは、持続的な品質改善、価格追減活動が行われ、VA/VE などを通じて、 目標を達成し、成果はトヨタと部品サプライヤーで分配する仕組みである。(浅沼万里『日本の企業組 織:革新的適応のメカニズム』(1997)第 6 章) (24) 「日産 CMF」は、車両構成をエンジンコンパートメント、コックピット、フロントアンダーボディ、 リヤアンダーボディを 4 つのモジュールとする。更に、電子部品をまとめる電子アーキテクチャーを 加えて、それぞれのモジュールに適切なバリエーションを用意、これらのモジュールの組み合わせを 変えることで、製品を設計する技術である。 (25) 日産はコア部品について、カルソニックカンセイ、ジヤトコ、オートモーティブエナジーサプライ などの企業と長期取引や共同開発を維持している。 (26) トレッドウェイ委員会組織委員会(鳥羽至英 , 八田進二 , 高田敏文共訳)『内部統制の統合的枠組み  理論篇』白桃書房(2006)p.3 (27) トレッドウェイ委員会組織委員会(鳥羽至英 , 八田進二 , 高田敏文共訳)『内部統制の統合的枠組み  理論篇』白桃書房(2006)p.55 参考文献 単行本(年順) 1. O.E ウィリアムソン(浅沼萬里、岩崎晃訳)『市場と企業組織』日本評論社(1980) 2. 浅沼萬里『日本の企業組織:革新的適応のメカニズム』東洋経済新聞社(1997 年) 3. 藤本隆宏『生産システムの進化論』有斐閣(1997) 4. 藤本隆宏『日本のもの造り哲学』日本経済新聞社(2005) 5. トレッドウェイ委員会組織委員会(鳥羽至英 , 八田進二 , 高田敏文共訳)『内部統制の統合的枠組み  理論篇』白桃書房(2006) 6. ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編・訳)『サプライチェーンの経営学』ダイヤモンド社(2006) 7. 土屋勉男『日本ものづくり優良企業の実力』東洋経済(2006) 8. 藤本隆宏・西口敏宏・伊藤秀史『サプライヤー・システム』有斐閣(2006) 9. 土屋勉男、大鹿隆、井上隆一郎『世界自動車メーカーどこが一番強いのか?』ダイヤモンド社(2007) 10. 植田浩史『現代日本の中小企業』岩波書店(2007) 11. エリック・バンクス著(小野雅博監訳)『企業リスクマネジメント入門』シグマベイスキャピタル(2007) 12. 井上久男、伊藤博敏『トヨタ・ショック』講談社(2009)

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13. 土屋勉男、大鹿隆、井上隆一郎『世界自動車メーカーどこが生き残るか』ダイヤモンド社(2010) 14. 緒方順一、石丸英治『BCP 入門』日経文庫(2012) 15. 日本自動車工業会『日本の自動車工業 2012』日本自動車工業会(2012) 16. 日本自動車部品工業会『BCP ガイドライン』日本自動車部品工業会(2013) 17. 長谷川洋三『自動車設計革命』中央公論新社(2013) 論文・レポート(年順) 1. 三宅将之「コーポレート・クライシスマネジメント」知的資産創造(2002 年 10 月号) 2. 八森正泰、三橋平、山本芳嗣「トヨタ生産方式とムダとり」2007 年度社会工学実習経営工学分野第 2 週資料(2007) 3. 田中賢治、上野山智也「自然災害リスクマネジメントとサプライチェーン」内閣府経済社会総合研究 所(2008) 4. 富野貴弘「日産生産方式と受注生産」東京大学ものづくり経営研究センター(2010) 5. ルネサスエレクトロニクス(株)「CSR・環境レポート」(2011) 6. 竹中平蔵、船橋洋一「日本大災害の教訓」東洋経済新報社(2011) 7. 経済産業省「東日本大震災後の産業実態研究調査」(2011) 8. 日本経済新聞 2011 年 5 月 9 日 9. 鎌田純一、中野かおり「東日本大震災による我が国ものづくり産業への影響」経済産業委員会調査室 編集・発行(2011) 10. 大森京太「有事に強いサプライチェーンの構築により、産業力を強化する」三菱総合研究所(2011) 11. 木村雅秀「エレクトロニクス・メーカー復旧への道のり(1)」日経新聞(2011 年 06 月 14 日) 12. 丹下英明「自動車産業の構造変化と部品メーカーの対応」日本政策金融公庫論集 第 13 号(2011) 13. 仁木一彦「ひとめでわかるリスクマネジメント」東洋経済(2012) 14. 浅野憲周「事業継続計画(BCP)再考」知的資産創造(2012 年 2 月号) 15. 佐伯靖雄「東日本大震災からの復興」立命館大学イノベーション・マネジメント研究センター(2012) 16. 田中武憲「自動車産業におけるアジア大の分業構造の変化と展望―3.11 を越えて―」名城大学地域産 業集積研究所(2012) 17. 日本経済新聞 2013 年 4 月 2 日 18. 目代武史「成長する九州の自動車産業の課題と展望」九州大学大学院(2013) 19. 熊野信一郎、山根小雪、佐伯真也、佐藤浩実、ロンドン支局 大竹剛「部品創世記―ケイレツ崩壊後 の新勢力図―」日経ビジネス(2013 年 7 月 22 日) ウィブサイド(年順) 1. http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20316320110329 2012 年 12 月 1 日 最終アクセス 2. http://www.toyota.co.jp/jpn/company/about_toyota/outline/index.html  2013 年 4 月 19 日 最終アクセス 3. http://www.toyota.co.jp/jpn/company/vision/production_system/illustration.ht  2013 年 4 月 19 日 最終アクセス 4. http://blog.goo.ne.jp/fu12345/e/f23e1881a7d8522b333350aa30f6b8cc 2013 年 6 月 1 日 最終アクセス 5. http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2013/_STORY/130510-01-j.html  2013 年 6 月 17 日 最終アクセス 6. http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/PROFILE/ 2013 年 6 月 17 日 最終アクセス 7. http://www.kyohokai.gr.jp/outline/ 2013 年 10 月 20 日 最終アクセス 8. http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/automotive_business/production/ purchasing/member_companies/eihokai.html 2013 年 10 月 20 日 最終アクセス 9. http://www.nissan-global.com/JP/PLANT/TOCHIGI/index.html 2013 年 12 月 16 日 最終アクセス

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10. http://www.nissan-global.com/JP/PLANT/OPPAMA/ 2013 年 12 月 16 日 最終アクセス 11 .http://www.honda.co.jp/saitama/outline/index.html 2013 年 12 月 17 日 最終アクセス

図表 2 3.11 のサプライチェーン分断による日本自動車業界での主な影響 日本国内 トヨタ自動車 26 万台減産(2011.4.8 まで)日産自動車 10.5 万台減産(4 月・5 月分見込み)ホンダ4.3 万台減産(4.3 まで)マツダ3.1 万台減産(3.25 まで) ダイハツ 2.7 万台減産(3.29 まで) 富士重工業 2.3 万台減産(3.28 まで) 三菱自動車工業 1.5 万台減産(3.26 まで) 中国 トヨタ自動車 50%減産 インド トヨタ自動車 70%減産・ホンダ 50%減産 オセ
図表 3 自動車サブライチェーンのピラミッド型とダイヤモンド型
図表 5 サプライチェーンの特徴と問題点 トヨタ自動車 日産自動車 サプライチェーン の方式 ・  部品系列グループ方式 ・  グローバル共同購買 生産システムの  特徴 ・  ジャス・トイン・タイム(JIT) ・  かんばん方式 ・自働化 ・  日産生産方式(同期生産) ・  多車種混流生産技術(I BSA) サプライチェーン の特徴 ・  トヨタ部品系列グループ(協豊会・栄豊会)・  国内中心 ・系列中心・  長期の取引関係 ・  部品の共同開発 ・  品質をもとに、コストの連年減らすが できる ・
図表 6 BCP の具体的案 注:日本自動車部品工業会 『BCPガイドライン』 p15 一部修正被災生産設備は無事か?生産設備は復旧可能か?生産設備は利用可能か?NOYESNOYESYESプランA復旧作業プランC生産設備の復旧作業プランB代替ラインで生産復旧完了生産開始代替ライン停止注:日本自動車部品工業会『BCP ガイドライン』p15 一部修正 図表 6 を見ると、BCP は早く生産復旧をはかるための基本指導方針であり、リスクマネジ メントの重要な構成要素である。3.11 において、中堅・中小企業の多くが

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