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絡作用素と p 進簡約群の既約表現の構成

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(1)

絡作用素と

p

進簡約群の既約表現の構成

成田宏秋

(熊本大学大学院自然科学研究科)

0

導入

一般線形群 GL(n) が定める p 進簡約群の既約許容表現は, GL(n)⊃ ⊗r i=1GL(ni) ( ∑r i=1ni = n) が定める p 進群の適当な既約許容表現からの誘導表現の既約商あるいは既約部分表現 として与えられる ([佐藤] 参照). これは所謂 Langlands 分類の一般線形群の場合に他ならない. 一般に F を非 Archimedes 的局所体,G を F 上定義された連結簡約代数群, P を G の F -放物型部分群, P = MU を P の Levi 分解 (M:Levi 部分群), そして G := G(F ), P := P(F ), M := M(F ) とおく と Langlands 分類は (大雑把に言えば) 以下を主張している. 定理 0.1 (Langlands). G の既約許容表現 π に対して, M の既約許容表現 σ が存在して, π は放物型誘導表現 IPG(σ) の既約商 (Langlands 商) あるいは既約部分表現として実現で きる. ここで σ は緩増加表現と M の中心の分裂トーラスの準指標との積で与えられる 表現である. この定理は, p 進簡約群 G の一般の超カスプでない既約許容表現は放物型誘導表現を 詳しく調べることで, その分類ないしは構成ができることを意味している. 実際 rPJacquet 函手とするとそれは放物型誘導 IG P に対して左随伴的, つまり G の既約許容表現 π と M の既約許容表現 σ に対して以下が成り立つことを思い出す. HomM(rP(π), σ)≃ HomG(π, IPG(σ)) すると π が超カスプ表現のとき左辺は零空間である. つまり Langlands 分類は超カスプ でない既約許容表現が放物型誘導表現の既約成分 (ないしは組成列) を詳しく調べれる ことで捕まえられることを意味している. では, どのようにして放物型誘導表現 IG P(σ) の既約成分あるいは組成列を調べるかと いう疑問が自然に生じる. 本稿ではその方法の一つとして σ が二乗可積分表現であると 仮定すると, 以下の3つの段階を踏むということで実行できることを紹介する.

(2)

• 放物型誘導表現の絡作用素の解析接続と正規化. • Plancherel 測度 µ(σ) の解析的性質と IG P(σ) の既約性. • Harish-Chandraの自己準同型定理とR-群によるEndG(IPG(σ)) の基底と次元の決定. まず絡作用素についてであるが, これは放物型誘導表現の表現論的構造を理解するため の基礎である. Plancherel 測度の導入や自己準同型定理の定式化は絡作用素を導入する ことで可能となる. 次に Plancherel 測度 µ(σ) は G の調和解析を記述する「Plancherel の 公式」を表示する測度の密度関数に由来するものである. この µ(σ) の零点や極の位置な どの解析的性質が放物型誘導表現の可約点の情報を与える. 最後に自己準同型定理と R 群について言及すると, R 群は Weyl 群の部分群として実現できるものであり, 絡作用素 を通じて IG P(σ) に作用している. σ が2乗可積分表現であると仮定すると, 以下が成り 立つ. • 自己同型環 End(IG P(σ)) の次元は R 群の位数に等しい. • IG P(σ) の R 群の作用による既約分解は G の表現としての既約分解も与える. 以上の意味で R 群は IG P(σ) の既約分解を統制している群であると言うことができ, その 重要性が認識される. 本稿の内容は以下の通りである. まず第1節では, 代数群やルート系そして既約許容 表現に関する基本的な記号を与える. 代数群とルート系に関する詳しい解説は本報告書 内の [今野] などを参照されたい. 第2節では後述で必要な許容表現に関する基礎として B 許容表現や Bruhat フィルトレーションの概念を用意する. 第3節では放物型誘導表 現の間の絡作用素を導入しその基本性質を列挙する. すると第4節では Waldspurger の 既約性定理を述べた後に Plancherel 測度が定義できる. 第5節ではまず R 群を導入し自 己準同型定理を述べる. そしてその Arthur による自己準同型定理の再定式化について 説明する. 第6節は Langlands 分類を取り上げ, その証明について概説する. 最後の第7 節ではこれまで与えた一般論を踏まえて, 2次と3次の準分裂ユニタリー群 U (2), U (3) の非超カスプ既約許容表現の分類を与える.

謝辞

サマースクールでの講演の準備及び本報告書の作成に当たり, 今野拓也氏と今野和子 氏には多くの助言を頂いた. ここに深く感謝の意を表します.

(3)

1

記号

1.1

代数群とその有理点の成す群

以下では F を非 Archimedes 的付値| ∗ |F を持つ局所体とし, G を F 上の連結簡約代 数群とする. P を G の放物型部分群として P = MU をその Levi 分解とする. つまM は G の Levi 部分群で U はべき単根基とする. そして P(M) を M を含む F -放物 型部分群の集合とする. G 自身そしてその代数群として部分群 H の F 有理点のなす群 G(F ), H(F ) は対応するアルファベットの大文字により G, H と記すことにする. 他に も例えば簡約代数群M の中心の分裂トーラス群 AMに対して AM =AM(F ) という記 号を用いる. 放物型部分群P と Levi 部分群 M′に対してPM′ :=P ∩ M′という記号を 使い, PM′ :=P(F ) ∩ M(F ) とする.

1.2

指標群と「実

Lie

環」

([

今野

]

参照

)

一般に代数群H が与えられたとき, X(H) を H の F -有理指標の成す群とする. このと き Levi 部分群M に対して, aM := Hom(X(M), R), a∗M = X(M) ⊗ R を導入する. 前者は M の中心の分裂トーラス群の「実 Lie 環」のようなもので a∗M はそ の双対空間である. そして aG M :={X ∈ aM | X(α) = 0 ∀α ∈ X(G)} とおき, AMAG をそれぞれM と G の中心の極大 F -分裂トーラスとしたとき aG,∗ M := X(AM/AG)⊗ R と おく. このとき以下の直和分解が成り立つ. aM = aGM ⊕ aG, a∗M = a G,∗ M ⊕ a∗G. 放物型部分群P が極小放物型部分群P0 =M0U0であるとき, a0 := aM0, a∗0 := a∗M0, aG0 := aG M0, a G,∗ 0 := a G,∗ M0 と記す. このとき上の直和分解は以下のように記述される. a0 = aG0 ⊕ aG, a0 = a G,∗ 0 ⊕ a∗G HM : M → aM を以下で定義される写像とする. exp⟨χ, HM(m)⟩ = |χ(m)|F (χ∈ X(M)) そして M1 := Ker H Mとおくと, λ∈ a∗M,C:= a∗M⊗Cに対してeλ ∈ ˆAM := Hom(M/M1,C×) を : M/M1 ∋ m 7→ exp⟨λ, HM(m)⟩ ∈ C× と定義する.

(4)

1.3

ルート系

([

今野

]

参照

)

次にルート系 (正確には制限ルート系) に関する言葉を用意する. まずM の中心の極 大分裂トーラス AMに対して, ΣMG の AMに関するルートの集合, ΣM ⊃ ΣPP に 関して正のルート全体とする. 極小放物型部分群P0に対しては Σ0 := ΣM0, A0 :=AM0 と略記する. Σ0の正ルートの集合 ΣP0 は単純ルートの集合 ∆P0を持つ. Σ0に対して Σ0 は Σ0の余ルートの集合を表し, ∆P0は ∆P0に対する単純余ルート全体を表す. 一般の放 物型部分群に対して ∆P :={α|aM | α ∈ ∆P0 \ ∆P0M} とおき, ∆∨Pを対応する余ルート全 体とする. そして ˆ∆P0 :={ϖα | α ∈ ∆P0}, ˆP0 :={ϖ∨α | α ∈ ∆P0} をそれぞれ aG0, a G,∗ 0 の ∆P0, ∆∨P0 に対する双対基底とする. 更に aM の Weyl の部屋の記号を与える. 放物型部分群P に対して, a∗,+P :={λ ∈ a∗M | α∨(λ) > 0, ∀α ∈ ∆P}, +a∗P :={λ ∈ a∗M | ϖα∨(λ) > 0, ∀α ∈ ∆P} とする. そして更に以下を与える. +aG,∗ P :={λ ∈ a G,∗ M | ϖ∨α(λ) > 0, ∀α ∈ ∆P} 最後に Weyl 群の記号を思い出す. M0の極大分裂トーラス群に関するG の Weyl 群を WG = W で記す. Levi 部分群M に対しては G = M と理解して WM と記す. これは W の部分群とみなせる. また Levi 部分群M に対して W (M) を NG(M )/M (NG(M ) := {g ∈ G | gMg−1 = M}) とおく.

1.4

既約表現、放物型誘導表現

G の既約表現の族に関する記号として以下を導入する. • Irr(G):G の既約許容表現の同値類の集合 • Irru(G):G の既約ユニタリー表現の同値類の集合 • Π0(G):G の既約超カスプ表現の同値類の集合 • Π2(G):G の既約2乗可積分表現の同値類の集合 • Πtemp(G):G の既約緩増加表現の同値類の集合 最後に M の既約許容表現 σ からの放物型誘導表現 IG P(σ) は, δP を P のモジュラス指標 とすると, δ1/2 P σ idUが定義する P = MU の表現からの誘導表現, すなわち IPG(σ) := IndGP(δ1/2P σ idU)

(5)

と定義する. そして放物型部分群P = MU に対して p 進簡約群 G の許容表現 (π, V ) の Jacquet 函手 ([中村] 参照) による像を (rP(π), VP) または (πP, VP) と記す. 一般に表現 (π, V ) の反傾表現を (π∨, V∨) により記し, ⟨∗, ∗⟩ は V と V∨の自然なペアリングを表す.

2

許容表現についての準備

p 進群の平滑表現 (代数表現、smooth 表現とも呼ばれる) や許容表現についての基礎 は他の報告書で十分解説されている ([高瀬] など参照). ここでは後述で必要なやや発展 的な表現論の基礎を取り上げる.

2.1

B

許容表現

ここでは Bernstein[Be84] に基づいて B 許容表現の概念を思い出す. これは大体, 許容 表現の適当な Affine 代数多様体(例えば指標群が与えるトーラス群) 上の属を, 圏論的 な視点から, 取り扱うという概念である. これは絡作用素の解析的性質や Plancherel 測 度の定義に必要な Waldspurger の既約性定理の証明の基礎を与える. B を可換C 代数として C ベクトル空間 V が B 加群の構造を持つとする. (π, V ) が p 進簡約群 G の平滑表現であり, それが以下の2条件を満たすときそれは B 許容表現と呼 ばれる. 1. V は B 加群として平坦. 2. 任意の開コンパクト部分群 K に対して K 不変ベクトル全体 VKは B 上有限生成. 我々の場合以下の状況が対象となる. F 上の連結簡約代数群G が与えられ G = G(F ) と する. BGを ˆAG (これは複素トーラスとみなせる) 上の多項式環, つまり BG :=C[ ˆAG] で あるとする. このとき g∈ G は bg : ˆAG ∋ χ 7→ χ(g) ∈ C× により BG×の元と見做せる. これは G 上の BG×値の指標 µBG : G∋ g 7→ bg ∈ B × G を定める. p 進簡約群 G の許容表現 (π, V ) が与えられたとき VBG := V C BG上の G の 表現を πBG(g) : VBG ∋ v ⊗ b 7→ π(g)v ⊗ µBG(g)b∈ VBG (g∈ G) と定める. この (πBG, VBG) が BG許容表現となりこれが我々の考察対象である.

(6)

2.2

Bruhat

フィルトレーション

ここでは放物型誘導表現の Bruhat フィルトレーションを与える. この節の内容につ いては [Wa03, I.3] や [BZ77, 2.12] など参照を参照されたい. これは Waldspurger の既約 性定理や Langlands 分類の証明でしばしば使われる. まず G の Bruhat 分解を思い出す. 2つのP = MU, P′ = MU ∈ F に対して WM′\W/WM (Weyl 群の記号については第 1.3 節を見よ) の完全代表系P′WP を指定す ると G の Bruhat 分解 G =w∈P ′WP P′w−1P が得られる. 次にP′WP に以下が成り立つような全順序 w′ > w を与える. P′w−1P w′∈P ′WP w′≥w P′w−1P ここに右辺は p 進位相に関する閉包を取っている. (σ, V ) を M の平滑表現とし IG P(V ) の P′WP を添え字とする減少フィルトレーション{Fw|w ∈P′WP} を Fw :={ϕ ∈ IPG(V )| supp(ϕ) ⊂w′∈P ′WP w′≥w P′w−1P} により定める. これを IG P(V ) の Bruhat フィルトレーションと言う. ここで次を導入 する. pw(ϕ)(m′) := δP′(m′) 1 2 ∫ (U′∩w(P ))\U′ jw−1(P′)M ′(ϕ(w−1u′m′))du′. ここに jw−1(P)M ′ : V → Vw−1(P)M ′ は自然な全射を表す. このとき GrwF∗ :=Fw/∪w′>w Fw′とすると, すると次の M′準同型写像 pw : (GrwF∗)P′ ≃ IM w(P )M ′(w(Vw−1(P′)M)) が得られる. 補題 2.1. (σ, V ) を長さ有限の M 加群とすると, 長さ有限の M 許容表現の成す圏の Grothendieck 群における等式 |IG P(σ)P′| =w∈P ′WP |IM′ w(P )M ′(w(σw−1(P′)M))|. が成り立つ.

(7)

3

絡作用素

放物型誘導表現とその絡作用素について議論するために, 必要な記号を用意する. Levi 部分群 M の長さ有限の許容表現 (σ, V ) に対して, IG P(V ) を放物型誘導表現 IPG(σ) の表 現空間とし, λ ∈ a∗ M,Cに対して (σλ, Vλ) := (σ⊗ eλ, V ) とおくと, IPG(σλ) の表現空間は IG P(Vλ) と書く. 2つの放物型部分群P, P′ =MU′ ∈ P(M) に対して P = P(F ), P′ = P′(F ) = M Uであることを確認し以下の定義を与える. 定義 3.1 (絡作用素の形式的定義). JP′|P(σλ)ϕ(g) :=U∩U′\U′ ϕ(u′g) du′ (g ∈ G, ϕ ∈ IPG(Vλ)) この定義について収束性に関する議論が必要である. 実際, この積分の定義域 U∩U′\U は一般に体積無限である. この収束性を認めるならば, ϕ∈ IG P(Vλ) に対して JP′|P(σλ)ϕ IPG(Vλ) であるので JP′|P(σλ) は HomG(IPG(σλ), IPG′(σλ)) の元, すなわち絡作用素を与える. ここでこの絡作用素についての基本性質を述べるために, K を [Silb79b, Section 0.6] の意味での G の「良い」極大コンパクト部分群とする. 命題 3.2. (1) ϕ∈ IG P(Vλ) と v∨ ∈ V∨とする. このとき λ∈ {λ′ ∈ a∗M,C| α∨(Re(λ′)) >> 0, ∀α ∈ ΣP \ ΣP′} に対して, ⟨JP′|P(σλ)ϕ(g), v∨⟩ :=U∩U′\U′ ⟨ϕ(u′g), v⟩du は収束し, JP′|P(σλ)ϕ(g)∈ (V∨) = V . (2) ˆ AM ∋ λ 7→ JP′|P(σλ)ϕ|K は ˆAM上の indKK∩P(V )-値有理型関数を定める. (3) その極以外では写像 IG P(Vλ) ∋ ϕ 7→ JP′|P(σλ)ϕ ∈ IPG′(Vλ) は HomG(IPG(σλ), IPG′(σλ)) の元を定める.

証明の詳細は [Wa03, Theorem IV.1.1], [Kon03, Section 2.4] などを参照されたい. 証 明のポイントのみを述べると (1) は実 Lie 群の場合の標準的な議論と同様に証明される. (2) と (3) については (σ, V ) が与える BM 許容表現 (σB, VB) を考え, これから誘導される G の表現 (IG P(σBM), I G P(VBM)) が BM許容表現であることに注意する. このとき示すべき ことは, BM 許容表現としての準同型写像 J ∈ HomG,BM(I G P(σBM), I G P(VBM)) と b ∈ BM が存在して b(χ)JP′|P(σ⊗ χ)ϕχ= J (ϕ)χ (χ∈ ˆAM, ϕ∈ IPG(VBM))

(8)

が成り立つことを示せばよい. ここに ϕχ, J (ϕ)χは χ における局所化を表す. その証明 では Bruhat フィルトレーションを使って導かれる補題 2.1 が鍵となる. 命題 3.3. (1) 任意の λ∈ ˆAMに対し ϕ∈ IPG(Vλ) が存在して, JP′|P(σλ)ϕ は収束しかつ消 えない. (2) (随伴公式) ϕ∈ IPG(V ), ϕ∨ ∈ IPG′(V∨) に対して ⟨JP′|P(σ)ϕ, ϕ∨⟩ = ⟨ϕ, JP|P′(σ∨)ϕ∨⟩. (3) (関数等式) P, P′ ∈ P(M) に対して, d(P, P′) は Weyl の部屋 a∗,+P , a∗,+P の間にある 壁の枚数とする. P1, P2, P3 ∈ P(M) に対して d(P3,P1) = d(P3,P2) + d(P2,P1) であ るとき, 以下の関数等式が成り立つ. JP3|P1(σλ) = JP3|P2(σλ)◦ JP2|P1(σλ)

([Wa03, IV (10), (11), (12)], [Kon03, Section 2.4], [Art89, Section 1] 参照)

4

Plancherel

測度

この節では σ は M の2乗可積分表現とする. そして ˆAM := Hom(M/M1,C×) はア フィン代数多様体の構造を持つことを注意する. すると Plancherel 測度を定義するた めの基礎となる Waldspurger の既約性定理を述べることができる ([Wa03, IV.3], [Sa97, Th´eor`eme III.2], [Kon03, Corollary 4.3] 参照).

定理 4.1 (Waldspurger の既約性定理). ˆAMの Zariski 稠密開集合 ΞP(σ) で, 任意の eλ ΞP(σ) に対して IPG(σλ) が既約となるものが存在する. 証明の概略 証明はP = MU が極大放物型部分群で σ が既約カスプ表現である場合を考えることか ら始まる. このときは a M = a∗,+P ⊔ a∗G⊔ a∗,+P¯ と分解でき Re(λ) ∈ a∗M がこの3つの部分 集合のいずれに入るかによって場合分けする. Re(λ) ∈ a∗,+P または Re(λ) ∈ a∗,+P¯ の場合について述べると, どちらの場合も同様に 証明できる. 特に Re(λ) ∈ a∗,+ P とする. この場合 J ∈ HomG,BM(I G P(σλ,B), IPG¯(σλ,B)) と b ∈ BM を命題 3.2 の証明の通りに取り, それに Jacquet 函手を施すことで JP HomM,BM(I G P(σλ,B)P, IPG¯(Vλ,B)P) を考える. そして Bruhat フィルトレーション Vλ,B =F1 の非自明な元 v と取ると, IG P(σλ) の可約点が λ 7→ JP(v)χの零点集合に含まれることを 示すことで極大放物型部分群の場合の証明が終わる. 放物型部分群P が一般で σ が二乗可積分表現の場合は, 命題 3.3(3) の絡作用素の関数 等式と次の命題([Sa97, Th´eor`eme III.2] 参照)により証明される.

(9)

命題 4.2. 一般の放物型部分群P = MU と M の既約許容表現 (σ, V ) に対して, a M,C内 の 0 の近傍O で次を満たすものが存在する. 任意の α ∈ ΣM に対して α∨(Re(λ)) ̸= 0 を満たす λ ∈ O において IPG(σλ) は 既約となる. ¯ P を P の opposite 放物型部分群とする. この既約性定理と Schur の補題より eλ ∈ Ξ P(σ) に対して j(σλ) := JP¯|P(σλ)JP| ¯P(σλ)∈ EndG(IPG(σλ))≃ C はスカラー値関数と見做せて ˆAM上の有理型関数に伸びる. Plancherel 測度を導入するために更なる記号を用意する. ΣredP を ΣPの中の被約ルー ト全体の集合とする. このとき α ∈ Σred P に対して ⊃ M なる Levi 部分群 Mαで ΣP ={α} なるものが一意的に存在する. 定数 γ(G/M) を γ(G/M) := ∫ ¯ U δP(mPu))d¯u により定義する. δP は P のモジュラス 指標で mPu) は ¯u∈ ¯U ( ¯P = M ¯U ) の G における P に関する岩澤分解 ([Sil79b, Section 0.6] 参照) の M 成分を表す. 以上の記号の下, Plancherel 測度の定義を述べることがで きる. 定義 4.3 (Plancherel 測度). σ を M の2乗可積分表現とする. λ∈ a∗ M,Cに関する有理関 数を以下で定義する. µ(σλ) := j(σλ)−1α∈Σred P γ(Mα/M )2

注意 4.4. (1) この Plancherel 測度の定義は Waldspurger による. Plancherel 測度のユニ タリー指標の集合 ˆA1

Mへの制限は非負である. これは G の Plancherel 公式を表示する測 度の密度関数に寄与するものである.

(2) Plancherel 測度は Harish-Chandra により導入された ([Ha73] 参照). Harish-Chandra は Eisenstein 積分を導入しそれに現れる「c 関数」から, Plancherel 測度を取り出してい る. (3) µ(σλ) は M を含む放物型部分群 P の取り方に依らない. そして µ(σλ) は Weyl 群 W の作用で不変である. µ(w(σλ)) = µ(σλ), ∀w ∈ W.

5

自己準同型環定理と

R-

まずこの節で紹介する理論の出発点である次の結果を与える.

(10)

命題 5.1 (Harish-Chandra, Waldspurger). 任意の π ∈ Πtemp(G) に対して, G の Levi 部

分群M と σ ∈ Π2(M ) の対 (M, σ) で次の条件を満たすものが G 共役を除いてただ一つ

ある:

あるP ∈ P(M) に対して π は IG

P(σ) の直和因子.

証明については [Sil79b, Corollary 4.5.11], [Wa03, Proposition III.4.1] を参照せよ. この命題より Πtemp(G) を記述するには IPG(σ) (σ ∈ Π2(M )) の既約成分ないしは組成 因子を調べればよいことが分かる.

5.1

自己準同型環定理と

R-

命題 5.2 (絡作用素の正規化). Levi 部分群M と σ ∈ Π2(M ) に対して ˆAM 上の有理型関 数の族{rP|P(σλ)}P, P′∈P(M) ⊂ C( ˆAM) で次を満たすものがある. (1) 正規化絡作用素 RP′|P(σλ) := rP′|P(σλ)−1JP′|P(σλ) は λ∈ ˆAM に関して有理型に解析 接続され, 以下の関数等式を満たす. RP3|P1(σλ) = RP3|P2(σλ)◦ RP2|P1(σλ) (P1, P2, P3 ∈ P(M)) (2) (随伴公式) ϕ∈ IG P(V ), ϕ∨ ∈ IPG′(V∨) に対して以下が成立する. ⟨RP′|P(σλ), ϕ∨⟩ = ⟨ϕ, RP|P′(σλ∨)ϕ∨⟩ (3) RP′|P(σλ) は Re(λ)∈ a∗,+P (Weyl の部屋) で極も零点も持たない. (4) RP′|P(σλ) は λ∈ ˆA1M :={χ ∈ ˆAM | χ はユニタリー } でユニタリー作用素. 証明は [Art89, Theorem 2.1] を参照せよ. Levi 部分群 M の二乗可積分表現 (σ, V ) を与える. この σ に対して W (M )σ :={w ∈ W (M) | w(σ) ≃ σ} とおく. 各 w ∈ W (M)σに対して Mw+ :=⟨M, w⟩ と置き, σ+w を ind Mw+ M σ の任意の既約成 分とする. これは σ の M+ w への拡大と見做せる (w の位数を l とするとこれは位数 l の指 標倍を除いて一意に定まる). 更に δ+ P,wを P のモジュラス指標 δP の M + w への拡張とす る. このとき絡作用素 AP(σw+) : IwG−1P(V )∋ ϕ 7→ δ + P,w(w)σ + w(w)ϕ(w−1∗) ∈ IPG(V ) を導入する. これは w∈ W (M)σの代表元の取り方によらない.

(11)

補題 5.3. (1) v, w∈ W (M)σに対して, ある1の冪根 ζσ(v, w)∈ C が存在して AP(σ+v)◦ Av−1P(σ+w) = ζσ(v, w)AP(σ+vw). (2) 交換関係 JP′|P(σ)◦ AP(σw+) = AP′(σw+)◦ Jw−1P′|w−1P(σ) が成り立つ. そして絡作用素 RP|P(w, σ) : IPG(σ) → IPG(σ) を以下で定義する. RP|P(w, σ) : IPG(V ) Rw−1P|P(σ) −→ IwG−1P(V ) A(σw+) −→ IG P(V ) 上の補題に気を付けると RP|P(vw, σ) = ζσ(v, w)RP|P(v, σ)RP|P(w, σ) (v, w ∈ W (M)σ) が導かれる. このことから以下の補題を証明できる. 補題 5.4. W (M )0 σ :={w ∈ W (M)σ | RP|P(w, σ) がスカラー作用素} とする. このとき W (M )0 σは W (M )σ の部分群で W (M )σ◃ W (M )0σ. この補題を踏まえると R-群が導入できる. 定義 5.5 (R-群). := W (M )σ/W (M )0σ 次の Harish-Chandra と Silberger の結果は R-群の重要性を示唆する基本的な結果と言 える. 定理 5.6 (Harish-Chandra, 自己準同型環定理). EndG(IPG(σ)) は {RP|P(w, σ) | w ∈ W (M )σ} で張られる. ([Sil79b, Theorem 5.5.3.2] 参照.)

定理 5.7 (Silberger). {RP|P(w, σ) | w ∈ Rσ} は EndG(IPG(σ)) の基底である. つまり dim EndG(IPG(σ)) = ♯Rσ.

(12)

5.2

Arthur

による自己準同型定理の再定式化

群 Rσが放物型誘導表現 IPG(σ) の既約分解を統制していることを Arthur[Art93, Section 2] に基づいて説明する. まず補題 5.4 の直前で与えた式は, Rσ ∋ w1, w2に対して, 適当 な ζσ ∈ C2(R σ,C×) が存在して RP|P(w1w2, σ) = ζσ(w1, w2)RP|P(w1, σ)RP|P(w2, σ) と書けることを意味している. 事実 [ζσ]∈ H2(R σ,C×) が非自明になる場合がある ([CL14] 参照). ここで [ζσ] が生成する有限アーベル群を Zσ ⊂ H2(Rσ,C×) とし, それによる中心拡大 1→ Zσ → ˜Rσ → Rσ → 1 を考える ([CR62, Theorem 53.7] 参照). このとき膨張写像 H2(R σ,C×) → H2( ˜Rσ,C×) による [ζσ] の像が自明であることに注意すると λσ ∈ C1( ˜Rσ,C×) が存在して ζσ(w1, w2) = λσ( ˜w1)λσ( ˜w2) λσ( ˜w1w˜2) ( ˜ ∋ ˜wi 7→ wi ∈ Rσ, i = 1, 2). そこで, ˜ ∋ ˜r 7→ ˜R(˜r, σ) := λσr)−1R(r, σ)∈ AutG(IPG(σ)). を導入して, χσ := λσ|Zσ を与える. これは Zσの指標を定める. 更に次を導入する. Π( ˜Rσ, χσ) := {ρ ∈ Irr( ˜Rσ)| ρ|Zσ = χσ} すると, 以上の言葉を用いて Arthur による定理 5.6 と定理 5.7 の言い換えが得られる. こ れにより R-群 ˜Rσが IPG(σ) の既約分解を統制している様子が分かる. 定理 5.8. (1) ˜Rσ× G の表現としての以下の既約分解が成り立つ. IPG(σ)≃ρ∈Π( ˜Rσ,χσ) ρ∨⊗ πρ (2) JH(IG P(σ)) を IPG(σ) の既約成分に現れる表現の同値類とすると次の全単射が成り立つ. Π( ˜Rσ, χσ)≃ JH(IPG(σ))

(13)

6

既約表現の分類

6.1

Langlands

分類の定式化

導入で触れた Langlands 分類を正確に定式化し, その証明を概説するために第1節 で導入した記号のうち必要なものを思い出す. まずP0をG の極小放物型部分群とし, P0 ⊃ M0をG の極小 Levi 部分群とする. ルート系 Σ0 := ΣM0 を導入し, Σ0 ⊃ ∆P0を 単純ルート全体とする. ∆P := 0|aM | α0 ∈ ∆P0 \ ∆P0M} とおき a ∗,+ P := {λ ∈ a∗M | α∨(λ) > 0, ∀α ∈ ∆P} とする.

以上の準備の下 Langlands 分類は以下のように定式化できる ([Kon03, Theorem 3.5] 参照). 定理 6.1 (Langlands 分類). (1) (σ, V )∈ Πtemp(M ), P ∈ P(M), λ ∈ a∗,+P に対して, JPG(σλ) := Im[JP¯|P(σλ) : IPG(σλ)→ IPG¯(σλ)] (Langlands 商) は既約許容表現である. ここに ¯P は P の opposite 放物型部分群を表す. (2) 任意の π∈ Irr(G) に対して, π ≃ JG P(σλ) となる3つ組 (P, σ, λ) が W -共役を除いて, 一意的に定まる.

6.2

Langlands

分類の証明の概説

Langlands 分類は [BW], [Sil78a], [Kon03] で取り上げられているが, 完全な証明を与え ているのは [Kon03] である. ここでは [Kon03, Theorem 3.5] に基づいて証明を概説する. 証明の基本的な流れは [La89] に沿っているが, 実 Lie 群の表現の無限小同値の「p 進版」 に相当する概念を与えている [Be84] の影響を受けている.

準備1:行列係数の漸近挙動とそれからの帰結

G 上の関数 f が与えられた放物型部分群 P に対して, lim a→ P∞ f (a) = 0. であるとは以下の条件が成り立つことを言う: 任意に与えられた ϵ > 0, η > 0 に対して, R > 0 を適当に取ると|f(a)| < ϵ が次の条件 を満たす a∈ AM ∩ G1 (G1は HGの核, HGについては第 1.2 節参照) に対して成り立つ.

(14)

• α ∈ ΣP に対して, α(HM(a)) <−R. • α, β ∈ ΣPに対して, α(HM(a))/β(HM(a)) > η. 命題 6.2. 放物型誘導表現 IG P(σλ) の表現空間 IPG(Vλ) の元 ϕ とその双対空間 IPG(V−λ∨ ) の 元 ϕ∨に対して lim a→ ¯ P∞ δP(a)1/2ωσλ(a) −1⟨IG P(σλ)(ma)ϕ, ϕ∨⟩ = γ(G/M)−1⟨(JP¯|P(σλ)ϕ)(m), ϕ∨(1)⟩ (m ∈ M). ここに ωσλは σλの中心的指標を表す.

これは実 Lie 群の場合 ([La89, Lemma 3.12] 参照) と同様に証明される. この命題からの 帰結として Langlands 分類の最初の主張の証明が得られる. 系 6.3. 任意の ϕ∈ IG P(Vλ) で JP¯|P(σλ)ϕ̸= 0 なるものは G 加群として, IPG(σλ) を生成す る. 特に JG P(σλ) は既約表現で, それは IPG(σλ) の一意的な既約商表現である. 証明 . 前半は条件を満たす ϕ を与えたとき, ϕ ∈ IG P(V−λ∨ ) が ⟨IG P(σλ)(g)ϕ, ϕ∨⟩ = 0, ∀g ∈ G を満たすならば, ϕ∨ = 0 であることを示せばよい. これは

0 =⟨IPG(σλ)(g−1ah)ϕ, ϕ∨⟩ = ⟨IPG(σλ)(ah)ϕ, IPG(σ−λ∨ )(g)ϕ∨⟩ (∀g, h ∈ G, ∀a ∈ AM) に命題 6.2 を適用すると, 0 =⟨(JP¯|P(σλ)ϕ)(h), ϕ∨(g)⟩ が得られ 0 =⟨(JP¯|P(σλ)ϕ)(mh), ϕ∨(g)⟩ = δP(m)−1/2⟨σλ(m)(JP¯|P(σλ)ϕ)(h), ϕ∨(g)⟩, (∀m ∈ M). すると σλの既約性から ϕ∨ = 0 が導かれる. 後半は V′を IG P(Vλ) の極大真部分加群とすると V′ ⊂ Ker JP¯|P(σλ) が成り立たなけれ ば, 前半で証明したことから矛盾が導かれる. よって任意の既約商 IG P(Vλ)/V′は JPG(Vλ) を商加群として持つことになるので証明が終わる.

準備2:ルート系に関する補題

放物型部分群P = MU が与えられたとき, aM に次の順序関係を与える. λ≤P µ⇔ µ ∈ λ ++a¯G,P

(15)

P を含む放物型部分群 P1 =M1U1に対して以下の集合を与える. aP(P1) := { λ∈ a∗M (i) α∨(λ) > 0, ∀α ∈ ∆P1 (ii) ϖ∨,M1α (λ)≤ 0, ∀α ∈ ∆PM1 } これは次の直和分解を持つ. aP(P1) = +a¯M1PM1,∗⊕ a∗,+P1 λ∈ a∗P(P1) のこの直和分解に関する第1成分と第2成分をそれぞれ λM1, λM1 と記す. 補題 6.4. aM = ⨿ P1:G⊃P1⊃P aP(P1). 極小放物型部分群P0 =M0U0を指定したとき, P(M0) はM0を含む放物型部分群全 体を意味することを思い出す (第 1.1 節参照). 補題 6.5. 2つのP, P′ ∈ P(M 0) がPc∈ P(M0) を含むとする. このとき λ∈ a∗Pc(P ), λ aPc(P′) が λ≥Pc λ′ならば, λM ≥Pc λ′M′が成り立つ.

最初の補題の証明は [Kon03, Lemma 3.3] を, 2つ目の補題の証明は [Kon03, Lemma 3.4] をそれぞれ見よ.

準備3:超カスプ台と

Langlands-Casselman

の判定律

次の命題で述べる超カスプ台の概念 ([BZ77] 参照) は Langlands 分類の証明で基本的 な言葉を与え, また Langlands-Casselman の判定律を述べるために不可欠である. 命題 6.6 (超カスプ台). 任意の π ∈ Irr(G) に対して, Levi 部分群 Mcと超カスプ表現 ρ∈ Π0(Mc) で次の同値な条件を満たすものが W 共役を除いてただ一つ存在する. この 共役類 [Mc, ρ] を π の超カスプ台という. (i) ∃Pc∈ P(Mc), π ,→ IPGc(ρ). (ii) ∀Pc∈ P(Mc), IPGc(ρ) は π を組成因子に持つ. そして Langlands-Casselman の判定律を述べるために p 進簡約群 H(=H(F )) の許容 表現 (π, V ) に対して AH の擬指標 χ が与えられたとき, V の「弱い意味での」χ 同変部 分空間

(16)

を定義する. このとき Exp(π) := {χ | Vχ ̸= {0}} を導入する. これを (π, V ) の中心指数の集合と呼ぶ. これを用いて Langlands-Casselman の判定律を述べることができる. これは Langlands 分類の証明のポイントの一つである. 命題 6.7 (Langlands-Casselman の判定律). π∈ Irr(G) がユニタリーな中心的指標を持 つとし, [Mc, ρ] をその超カスプ台とする. (i) π が2乗可積分⇔ Re(Exp(rPc(π)))⊂ +a Pc, ∀Pc∈ P(Mc). (ii) π が緩増加⇔ Re(Exp(rPc(π)))⊂ +¯a Pc, ∀Pc∈ P(Mc).

これは本報告書で取り上げられている ([森山] 参照). その他 [Kon03, Lemma 2.4], [Wa03, Proposition III.1.1, Proposition III.2.2] なども参照せよ.

証明の概略1:

(

P, σ, λ)

の選び方と

π

≃ J

PG

λ

)

の証明

与えられた既約許容表現 π に対して, その超カスプ台をX (π) と記し, Pc(π) := ∪ (Mc,ρ)∈X (π) P(Mc) とおく. 極小放物型部分群P0 を一つ固定しF = F(P0) をP0 を含む標準放物型部分 群の集合としてPc(π,P0) := Pc(π) ∩ F を導入する. このとき補題 6.4 より, 各 µ ∈Pc∈Pc(π,P0)Re(Exp(rP¯c(π))) に対して, Pµ ∈ F で µ ∈ a P0(Pµ) を満たす放物型部分群 =MµUµが一意的に存在する. そこで ΛPc∈Pc(π,P0)Re(Exp(rP¯c(π))) を ΛMΛ ∈ a ∗,+ で且つ順序P0 に関して極大であるように取る. 以上を踏まえてP と λ を次のように 選ぶ. P := PΛ, λ := ΛM ∈ a∗,+P . 今度は σ の選び方を述べる. 放物型部分群Pc∈ Pc(π,P0) を Re(Exp(rP¯c(π))) が Λ を含む ように選ぶ. このとき χ∈ Exp(rP¯c(π)) を Re(χ) = Λ|aM = λ となるように選ぶと rP¯(π) の表現空間 VP¯ の「弱い意味での」χ 同変部分空間 VP ,χ¯ (準備3参照) は M 加群として VP¯の部分加群となる. このとき (σ, Vσ) を σλが VP ,χ¯ の既約部分表現となるように取る. この3つ組 (P, σ, λ) が π ≃ JG P(σλ) を満たすことが以下のように証明できる. Frobenius の相互律や Jacquet 加群の双対性 ([中村], [BZ77, Section 2] など参照) を用いて

0̸= HomM(σλ, πP¯)≃ HomM((π∨)P, σ−λ )≃ HomG(π∨, IPG(σ−λ∨ ))

(17)

これにより π は IG P(σλ) の既約商である. 次に σ が緩増加であることを示さねばならない. その構成の仕方より σ の中心的指標はユニタリーである. よって Langlands-Casselmann の判定律より, Re(Exp(rP¯′M c (σ)))⊂ − +¯aM,∗ P′Mc ∀P ′M c ∈ Pc(σ,P0M) を示せばよい. これは準備3で用意した言葉を使い補題 6.5 を用いるなどして証明され る. 以上の議論は系 6.3 より π ≃ JG P(σλ) であることを意味する.

証明の概略2:(

P, σ, λ)

の一意性

2つの3つ組 (P, σ, λ), (P′, σ, λ) に対して, JG P(σλ) ≃ π ≃ JPG′(σ′λ′) であるとする. 共に一つの固定した極小放物型部分群P0を含むと仮定してもよい. まず最初はPc = McUc ⊃ Pd = MdUd ⊃ P, Pc′ = M′cUc′ ⊃ Pd′ = M′dUd′ ⊃ P′なる 放物型部分群Pc, Pd, Pc′, Pd′ と µ ∈ −+a Md,∗ PcMd , µ′ ∈ −+aM′d,∗ P′M′d c , そして ρ ∈ Π0(Mc), ρ′ Π0(Mc′) を適当に選んで, 2つの放物型誘導表現 IPG(ρλ+µ), IPG′(ρ′λ′+µ′) が π を共通の組成 因子として持つようにできることを示すことから始まる. これは σ, σ′が緩増加である ことから命題 5.1 より適当に選んだ Md, Md の二乗可積分表現 τ, τ′からの放物型誘導表 現の部分表現とすることができて, 更にこれらの τ, τ′は [BZ77, Theorem 2.5] より適当 な ρµ, ρ′µ からの放物型誘導表現の部分表現とできることがポイントとなる. また µ, µ′ が上記のように取れるのは, 証明の過程で Langlands-Casselman の判定律を使っている ことによる. するとこの IG P(ρλ+µ) と IPG′(ρ′λ′+µ′) が共通の組成因子を持つことから, 適当な w1 ∈ W により w1(Mc) = Mc′, w1(ρ)≃ ρ′, w1(λ + µ) = (λ′ + µ′)

となることが分かる ([Wa03, Proposition III.4.] 参照). ここで IG

Pd(τλ)P¯c′ について補 題 2.1 を適用すると ρ′λ は v(Md) ⊃ Mc′ なる v ∈ W/WM d を適当に取り, ρ′λ v(JH(σv−1( ¯P c)Md))v(λ)とできる. ここに JH は既約商の同型類の集合を取っていること を表す記号である. 一方 IG P(τ ) が緩増加であることから Langlands-Casselman の判定律 より Re(Exp(IPG d(τ )) =w∈W/WMd w(Md)⊃Mc′ Re(Exp(w(τw−1( ¯P c)Md))⊂ − +¯ aG,P′∗ c . これにより λ′ + µ′ Pc v(λ) が分かる. 更にP1 = M1U1 ⊃ Pc′ なる放物型部分群P1を v(λ)∈ a∗P c(P1) となるように取ると補題 6.5 より λ′ P c v(λ)M1, λ P0 v(λ)M1

(18)

を得る. ここで a 0に W 不変な正定値2次形式 (∗, ∗) を一つ与えて || ∗ || をそれが定める ノルムとすると次の補題が述べられる ([Kon03, CLAIM 3.5.1] 参照). 補題 6.8. λ, λ ∈ ¯aG,∗,+ P0 が λ≤P0 λ′であるならば||λ|| ≤ ||λ′||. これにより||λ|| ≤ ||v(λ) M1|| ≤ ||v(λ)|| ≤ ||λ|| が得られ, (P, σ, λ) と (P′, σ′, λ′) の立 場を変えて同様の議論により逆の不等号も成り立ち, 結局||λ|| = ||λ′|| となる. すると v(λ) = v(λ)M1 ∈ aG,P1∗,+が分かり, λ ∈ a∗,+P であることからこれは P1 = v(P ) を意味 する. P1 と P は共に P0 に関して標準放物型部分群と取っているから, P = P1, v WM と言える. そして上で示した λ, λ′の不等式から λ′ P0 λ が分かる. ここで再び (P, σ, λ), (P′, σ′, λ′) の立場を変えて λ P0 λ′を示すことができて結局 λ = λ′, P = P′ が証明される. 最後に σ ≃ σ′の証明が残っている. これは π ≃ JG P(σ′λ) が IPG¯(σ′λ) の部分加群なので HomM(IPG(σλ)P¯, σλ)≃ HomG(IPG(σλ), IPG¯(σλ′))̸= {0}. よって IG P(σλ)P¯ に補題 2.1 を適用することで σλ ∈ JH(Iw(P )M M(w(σw−1( ¯P )M)w(λ)), ∃w ∈P¯WP が分かる. IG P(σ) は緩増加なので Re(Exp(Iw(P )M M(w(σw−1( ¯P )M)))) ⊂ −+¯aG,P ⊂ −+¯aG,P0, つまり λ≤P0 w(λ) を得る. すると w とP0を含む放物型部分群Pw =MwUwを w(λ) aP0(Pw) となるように選び, ||λ|| ≤ ||w(λ)Mw|| ≤ ||w(λ)|| = ||λ|| とできて, w(λ) = w(λ)Mw ∈ a G,∗,+ Pw かつ w(P) = Pwとなる. これは補題 6.8 を使った上 と同様の議論による. P と Pwが共にP0に関する標準放物型部分群であることに気をつ けるとPw = P, w ∈ WM が分かる. すると σ′λ ∈ JH(σλ) が分かり, したがって σ′ ≃ σ が 分かる.

(19)

7

実例:

G = U(2), U(3)

の場合

この節ではこれまで与えてきた一般論を踏まえて, 次数2または3の準分裂ユニタリー 群 U (2), U (3) について非超カスプ既約許容表現の分類の実例を与える.

7.1

Langlands 分類に付け加え以下の2つの命題は分類の基礎を与える ([Sil79b, Corollary 5.4.2.3, Lemma 5.4.2.4] 参照). 命題 7.1 (Harish-Chandra, Silberger). P = MU を極大放物型部分群とするとき, IG P(σ) (σ∈ Π2(M )) が可約であるための必要十分条件は W (M )σ ̸= {1}, µ(σ) ̸= 0. ここで W (M )σについては第 5.1 節を見よ. 命題 7.2 (Harish-Chandra, Silberger). P = MU を極大放物型部分群, σ ∈ Π2(M ) が 超カスプ表現とする. このとき IG P(σλ0) (λ0 ∈ a∗M \ a∗G) が可約であるためには µ(σλ) が λ = λ0で極を持つことが必要十分である. 命題 5.1 を考慮すると, 命題 7.1 は既約緩増加表現の分類に有用である. 更に非緩増加 な表現も分類するためには命題 7.2 も必要となる.

7.2

U (2), U (3)

Plancherel

測度

体 E を非 Archimedes 的局所体 F の2次拡大体とする. このとき F 上準分裂ユニタ リー群 U (2), U (3) を以下で定義する. U (2)(F ) := { g ∈ GL2(E) tg¯ ( 0 1 −1 0 ) g = ( 0 1 −1 0 )} U (3)(F ) :=     g ∈ GL3(E) t¯g    0 0 1 0 −1 0 1 0 0    g =    0 0 1 0 −1 0 1 0 0         標準的な放物型部分群B = MU (Borel 部分群) を与えたときに Levi 部分群 M は M = {

{diag(a, ¯a−1)| a ∈ E×} (G = U(2))

(20)

で与えられている. ここに E1 = U (1)(F ), つまり E の元でノルム1の元全体を表す.

既約表現 σ ∈ Irru(M ) = Π2(M ) は M のユニタリー指標である. 具体的には χ

Irru(E×), η ∈ Irru(E×/F×) により以下のように記述できる.

{

σ(diag(a, ¯a−1)) = χ(a) (G = U(2))

σ(diag(a, t, ¯a−1)) = χ(a)ηu(t) (G = U(3))

ここに ηu : E1 ∋ z/¯z 7→ η(z) ∈ C1 (z ∈ E×) である (E1の任意の元が z/¯z の形に書ける のは Hilbert の定理 90 による). そして λ∈ C に対して準指標 σλを以下のように定義する.   

σλ(diag(a, ¯a−1)) = χ(a)|a|

λ

2

E (G = U(2))

σλ(diag(a, t, ¯a−1) = χ(a)|a|

λ

2

Eηu(t) (G = U(3))

.

ここに| ∗ |Eは E の非 Archimedes 絶対値を表す. 更に以下の議論のために

Irru(E×, δ) :={χ ∈ Irru(E×)| χ|F× = δ} (δ = 1F×, ωE/F) を導入する. ここに ωE/F は2次拡大 E/F に付随する2次指標である. この準分裂ユニタリー群 U (2), U (3) については ♯Rσ ≤ ♯W (M) = 2 で, 真の放物型部 分群は共役を除いて1つである. 前節の Harish-Chandra の2つの命題と Langlands 分 類を使えば U (2), U (3) の非超カスプ既約表現の分類が可能であることが分かる. ここで U (2), U (3) の場合で Plancherel 測度の明示公式を与える ([KS88] 参照). 補題 7.3 (Plancherel 測度の明示公式). 以下において K = F, E と K×の準指標 ν に対 して L 関数 LK(λ, ν) := 1 1− ν(ϖK)qK−λ を導入する. ここに qKは K の剰余次数, ϖKは K の素元を表す. (1) G = U(2) のとき µ(σλ) = e1(λ) LF(1− λ, (χ|F×)−1)LF(1 + λ, χ|F×) LF(λ, χ|F×)LF(−λ, (χ|F×)−1) を得る. (2) G = U(3) のとき, µ(σλ) =e2(λ) LE(1− λ, χ−1η)LF(1− 2λ, ωE/F(χ|F×)−1) LE(λ, χη−1)LF(2λ, ωE/Fχ|F×) × LE(1 + λ, χη−1)LF(1 + 2λ, ωE/Fχ|F×) LE(−λ, χ−1η)LF(−2λ, ωE/F(χ|F×)−1) を得る. ここに e1(λ), e2(λ) は明示的に書ける定数で µ(σλ) の極にも零点にも寄与しない.

(21)

7.3

U (2), U (3)

の非超カスプ表現の分類

Plancherel 測度の明示公式より, 極の位置などが具体的に分かり可約点を拾うことが できる. そして以下の非超カスプ既約許容表現の分類を得る. 命題 7.4 (IG B(σλ) の組成因子,G = U(2) の場合). χ ∈ Irru(E×), λ∈ R とする (λ が虚部 を持つ場合, それをユニタリー指標 χ に吸収させて考えられる). (1) χ|NE/F(E×) ̸= 1F×のとき, I G B(σλ) は既約許容表現を与える. (2) χ = µ∈ Irru(E×, ωE/F) とする.

(i) IBG(σ0)≃ π(µ)+⊕ π(µ)−, π(µ)± ∈ Πtemp(G) (λ = 0). ここに π(µ)+は Whittaker 模

型を持つ表現で π(µ)−はそうでないものとして特徴づけられる. (ii) IG B(σλ) (λ̸= 0) は既約許容表現である. (3) χ = η∈ Irru(E×, 1F) とする. (i) λ =±1 のとき完全列 0→ StG(η)→ IBG(σ1)→ ηu(det)→ 0 0→ ηu(det)→ IBG(σ−1)→ St G(η)→ 0 を得る. ここで StG(η) = η

u(det)⊗StG(1)∈ Π2(G) で StG(1E×) は Steinberg 表現 ([Ca,

Section 8] 参照) と呼ばれる. また ηu(det) = JBG(σ1) である. (ii) λ̸= ±1 のとき IG B(σλ) は既約である. 証明 . (1) これは µ(σλ) が任意の λ ∈ R に対して極を持たないことから命題 7.2 より従 う. 具体的には LF(1− λ, (χ|F×)−1)LF(1 + λ, χ|F×) が極を持たないことから分かる. (2) λ = 0 のとき σ0 ∈ Π2(M ) であり, 命題 7.1 の条件を満たすので IBG(σ0) は可約であ る. もっと言えば緩増加表現 (実際, 二乗可積分表現)σ0からの放物型誘導表現なのでそ

れはユニタリー表現となり ([Sil79b, Corollary 1.7.9, Corollary 4.5.13] 参照) 完全可約で ある. ♯W (M ) = 2 なので既約成分の個数の可能性は2個であり, それらはいずれも緩 増加である. π(µ)±の特徴づけは放物型誘導表現 IG B(σλ) の Whittaker 模型の一意性によ る ([Sha74] 参照). 一方 λ̸= 0 のときは命題 7.2 より µ(σλ) が極を持たず IBG(σλ) は既約 であることが分かる. (3) まず λ̸= ±1 のときは µ(σλ) の極にならないので命題 7.2 より IPG(σλ) は既約である. 次に λ =±1 のときは µ(σλ) が極を持つので, 命題 7.2 から IPG(σ±1) は可約である. U (2) の (相対)Weyl 群の位数が2なので組成因子の可能性は2個である ([Ca, Corollary 6.3.9 (a)] 参照). まず IBG(σ−1) を見ると ηu(det) がその部分表現として生じることが容易に分 かる. 一方 IG

P(σ1) の既約部分表現は Langlands-Casselmann の判定律から二乗可積分で

あることが分かる. それは誘導表現の形から, Steinberg 表現 StG(1

(22)

捻ったものであることが分かる. つまり StG(η) が部分表現として生じる. ここで Weyl 群の非自明な元 w に対して w(σ1) = σ−1であることに注意すると IBG(σ1) の既約商表現 は IG B(σ−1) の既約部分表現として生じ, これは IBG(σ1) と IBG(σ−1) の立場を変えても言え る ([Ca, Corollary 6.3.9 (b)] 参照). これより2つの放物型誘導表現 IG P(σ±1) は主張にあ る完全列を持つことになる. 命題 7.5 (IG

B(σλ) の組成因子, G = U(3) の場合). χ ∈ Irru(E×), η ∈ Π(E×, 1F×), λ∈ R とする. (1) χ|NE/F(E×) ̸= 1F×のとき, I G B(σλ) は既約を与える. (2) χ = η1 ∈ Irru(E×, 1F×), η1 ̸= η のとき, (i) IBG(σ0) (λ = 0)≃ π(η1, η)+⊕ π(η1, η)−, π(η1, η)± ∈ Πtemp(G). π(η1, η)±± の意味 は命題 7.4(2) と同様である. (ii) IG B(σλ) (λ̸= 0) は既約である. (3) χ = η とする. (i) λ =±1 のとき完全列 0→ StG(η)→ IBG(σ1)→ ηu(det)→ 0 0→ ηu(det)→ IBG(σ−1)→ St G(η)→ 0 が得られる. ここに StG

(η) = ηu(det)⊗ StG(1) で StG(1E×) は Steinberg 表現 ([Ca,

Section 8] 参照), また η(det) = JG B(σ1) である. (ii) IBG(σλ) (λ̸= ±1) は既約である. (4) χ = µ∈ Irru(E×, ωE/F) とする. (i) λ =±12 とする. このとき完全列 0→ π2(µ, η)→ IBG(σ1 2)→ π nt(µ, η)→ 0 0→ πnt(µ, η)→ IBG(σ1 2)→ π 2(µ, η)→ 0 が得られる. ここで π2(µ, η) ∈ Π 2(G), πnt(µ, η)∈ Irru(G)\ Πtemp(G) である. (ii) λ̸= ±12のとき, IG B(σλ) は既約許容表現である. 証明 . 証明は基本的に U (2) の場合と同じである. (1) このとき Plancherel 測度 µ(σλ) は極を持たないので, 命題 7.2 より既約性が従う. (2) λ = 0 のとき σ0は二乗可積分表現である. ♯W (M ) = 2 であることを考慮すると U (2) の場合と同様にして IG B(σ0) は既約成分を2個持ちそれらはいずれも緩増加であること が証明できる. π(η1, η)±の Whittaker 模型による特徴づけは命題 7.4(2) の議論と同様で ある. 一方 µ(σλ) は λ̸= 0 のときは極を持たないので IBG(σλ) は既約である.

(23)

(3) この場合 λ =±1 は µ(σλ) の極である. 実際 LE(1− λ, χ−1η)LE(1 + λ, χη−1) に極が ある. その既約成分に関する主張は U (2) の場合の (3) と同様に証明できる. λ̸= ±1 の 時は µ(σλ) の極ではないので IBG(σλ) は既約である. (4) このとき λ = ±12 は µ(σλ) の極である. 実際 LF(1 − 2λ, ωE/F(χ|F×)−1)LF(1 + 2λ, ωE/F(χ|F×)) に極がある. 2つの放物型誘導表現 IPG(σ12), IPG(σ−12) の組成因子は2個 である. IG P(σ12) の既約部分表現は二乗可積分表現, IPG(σ−12) のそれは非緩増加表現とな る. これは Langlands-Casselmann の判定律より確かめられる. U (2) の (3) の場合と同様 に [Ca, Corollary 6.3.9] を使った議論により, 主張の通りの完全列を IG B(σ±12) は持つこと になる. λ̸= ±1 2 の時は µ(σλ) の極とはならず命題 7.2 より既約であることが分かる.

7.4

表:

G = U (2)(F ), U (3)(F )

の非超カスプ表現

第 7.3 節の2つの命題を基にして, 既約な非超カスプ表現を分類すると以下の表にま とめられる. IG B(χ) が既約であることが示された χ について, それが緩増加であるか否 かについては Langlands-Casselmann の判定律 (命題 6.7 参照) より確かめられる. 緩増加表現は命題 7.4 の証明で注意したようにユニタリー表現であるが, 非緩増加表 現でもユニタリー表現に成り得て, これは補系列表現と呼ばれる. 補系列表現を与える λ の範囲は開区間でその端点が 0 と 0 に最も近い可約点であるものにより与えられる (例 えば [Sha90, Section 8] などを見よ). 以下の表では更に L パラメーターの情報も付け加える (L パラメーターについては [三枝] などを参照されたい). WF を F の Weil 群として LF = WF × SU2(R) を F の局所 Langlands 群とする. 表現に付随する L パラメータ φ : LF LG は制限 φ|LEで決まる ことが知られている.なお ρn:= Symn−1ρ2 : SL2(C) −→ SLn(C) は SL2(C) の唯一の n 次元既約有理表現で,その SU2(R) への制限も ρnと書いている. 最後にSφ := π0(ZGˆ(Im φ)/ZGˆ) (S 群) である.

(24)

(1) U (2)(F ) の既約非カスプ表現の表. 種類 名称 ユニタリ性 L パラメータ (φ|LE) 二乗可積分 StG(η) ユニタリ η ρ2 1 緩増加 π(µ)± µ⊕ µ Z/2Z IG B(χ), (χ|F× ̸= ωE/F) χ⊕ σ(χ)−1 1 非緩増加 ηu(det) η| | 1/2 E ⊕ η| | −1/2 E 1 IG B(η| | λ/2 E ), (0 <|λ| < 1) η| | λ/2 E ⊕ η| | −λ/2 E 1 IG B(χ| | λ/2 E ), 非ユニタリ χ| |λ/2E ⊕ χ| |−λ/2E 1 ( χ|F× ̸= 1F×, λ̸= 0 or χ|F× = 1F×, |λ| > 1 ) (2) U (3)(F ) の既約非超カスプ表現の表. 種類 名称 ユニタリ性 L パラメータ (φ|LE) 二乗可積分 St G(η) ユニタリ η ρ3 1 π2(µ, η) (µ ρ2)⊕ η Z/2Z 緩増加 π(η1, η)± η1⊕2⊕ η Z/2Z IG B(χ ηu), χ⊕ σ(χ)−1⊕ η 1 (χ /∈ Π(E×, 1F×) or χ = η) 非緩増加 ηu(det) η| |E⊕ η ⊕ η| |−1E 1 πnt(µ, η) µ| |1/2 E ⊕ µ| | −1/2 E ⊕ η 1 IBG(η| |λE ηu), η| |λ E ⊕ η ⊕ η| |−λE 1 (0 <|λ| < 1) IG B(µ| |λE  ηu), µ| |λ E ⊕ η ⊕ µ| |−λE 1 (0 <|λ| < 1/2) IG B(χ| |λE  ηu), χ| |λE ⊕ η ⊕ χ| |−λE 1      χ̸= η, /∈ Π(E×, ωE/F), and λ ̸= 0, or χ = µ, |λ| > 1/2, or χ = η, |λ| > 1     

(25)

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参照

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