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日本の技術革新とその原動力としてのエネルギー危機
及び高度情報化に関する分析
Author(s)
渡辺, 千仭; エルマン, アミヌラ
Citation
年次学術大会講演要旨集, 4: 58-63
Issue Date
1989-10-10
Type
Conference Paper
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/5254
Rights
本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す
るものです。This material is posted here with
permission of the Japan Society for Science
Policy and Research Management.
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日本の技術革新とその 原動力としてのエネルギー
危機
及び高度情報化に 関する分析
渡辺 千伊 ,エルマン・アミヌラ 埼玉大学大学院政策科学研究科 ェ ・検討の背景
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日本は,先進国中最も 脆弱なエネルギー 構造にもかかわらず , 工 9 70 年代 の 二次にわたる 石油危機を見事に 乗り越えた。 それは産業を 中心にエネルギー 需要構造の改善に 成功したこ 2 く碧よる。
この成功 は 民間企業を中心とする 技術 究 開発活動を飛躍的に 拡大させる大きな 契機となった。 その結果,日本の 技術 水準は急速に 上昇し,これはまた 経済成長 せ ,エネルギー 需給構造の更なる 改
善に貢献することとなった
ヲこのように,日本の
産業技術の飛躍的向上の
原動 力 にはエネルギー 危機への対応が 看過出来ない。11.12
[ 仮説 工 ] 一方,ェネ 、 ルギー危機への 対応が技術革新への 原動力とすると ,昨今の石油 篆 裏 差八管 目捷揖聲召苫肇挺 こま,て億
窒素質 馨 真手芸 蟹苦惹 寡兵急患 蟹需享苫 る 。 このような中で ,エネルギー 依存型の社会から 高度情報化社会への 移行が新たな技術革新の 原動力として 期待されるようになってきており
巧今日の日本
の 持続的な技術革新もそれとの 関係が看過出来ない。 [ 仮説 2 コ 日本の産業の 研究開発投資のうち 政府の支援は 3% と米国の工 /10 に過ぎず このような限られた 政府支援で産業の 旺 盛な研究開発活動を 促す政策システ ムの 秘訣についても 以上の原動力との 関係が看過出来ない。 [ 仮説 3 ] 以上の点は今日内外で 大きく注目されてきており ,いくつかの 仮説的指摘は なされては い るが,未だ実証的に 解明した例はない。 図工 日本の技術革新の 原動力 ( 仮説 ) [ れ目すべ さ 俺も・ 井篠 ] [ 検 在すべ せ 仮枕 ] 表 1 日本のエネルギー ,技術状況 甘 Ⅰ な エネルギー 梼沖 ( Ⅹ )エネルギー 緯仮 の 克 T エネルギー 俺捷は且 *0% 捷 革柄 [ 仮時 ェ ネルギ一の 湘先依 在庄 ([973 つ l986) K9,9 ず 80.[ ㎎・ 1 つ 12.3 54.7 つ 5 ヱ ・ 3 弗 二次石油危 技 を夫 抜 の 瓜舟 力か ? 丑兵の ㎝ p 当たり 研尭 ㏄允文 (l980 Ⅰ 1985] l.S づ立.Ⅰ 1.2 つ 1.S 1.5 つ 1,7 とした 旺 京 な 技雙甘尭 宙粟 研究 曲 允文中の政府五金 (1987) 36.8 在 5.5 柱材木口の もヱ な 上 共 ハイテク 技 打木 め ( 世界 トソプ : 1982 つ l987) 13 つ 25 4@ づ 10 石油角はの 下帝杖伍
貸料 OECD エネルギーバランス 技掘革荻 の 仔汀 通産省「産業技術白書Ⅰ 再度何億七社会への 戸甘 百度 併仮 化は技 捷 革新の席功力 [ 伍擦 2] たりうるかつ
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旦艮 本分析は,以上の 問題意識に 立脚して,石油危機 (1973,79) をはさむ 1965 ∼ 1986 年の 2 0 年 間の先進 5 ケ国 ( 国家全体及び 産業部門 ) 及び日本の主要製造 業の「技術革新」 と 「覚部技術 」 (,, ( 経済成長・エネルギー ・情報化・技術開発政策 ) 間の マクロ的相互関係のトレンドを 分析することを 主眼とする。 図 2 分析手法旦 A 旦エ C C 亜凶 C 且且 工 DUAL STRATA APPROACH
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分析は上記相互関係のトレン ドを数量的にあ られす「数量的 分析モデル」及 び その結果の検 証 ( 背景の敷桁,実態との 照合 ・因果関係の 解明・結果の 解釈 ) を 行なう 「実証的検証モデル 」からなる二層的アプローチを 用いて行なった。 [ 図 2] 「数量的分析モデル」は 極力 、 ン ンプルなものとし ,その限界 を「実証的検証モデル」により 補完することにより ,汎用性・ 発展性・客観性にすぐれた 分析 が行なえるよ う にした。 ( 分析の有効性については 実態 動向との 斉 合性及び統計的有意 性の両面から 検証 ) (a) 「覚部技術Ⅰの 概念は 70 年代 初めに Jack Baranson によって 提唱されたが ,未だ実証的分析 への発展は見られない。 冊 既存の関連研究については , 「代表的参考文献」参照。C/E H/G 且き D ln@ Ⅰ 1 古 l ly
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0 . 8 Ⅰ 0. 89 2. SloP Ⅰ 0.59 -0.70 0c)1980 年版経済白書は 本分析と符合す る「日本の技術開発は 1977 年を境に構 造変化した」 との分析を示している。 (d) 図 3 下の P-value( 相関 ),T-value( 勾 配㍉ Chow Test( 構造変化 点 ) 参照。 (e)1984 年版経済白書及び 産業技術白書 (1988 年通産省 ) においても「 脱 エネ、 ルギ 一指向技術開発努力がが 日本の 80 年代の技術革新の 基盤を形成している 」との見解を 示している。
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1981 年 10 月の石油価格下落化に 伴い各国とも 1982 年を境に牽引力が 弱体化傾 向に転じるに 至った ( 図 4) 。 け ) (f)1981 年版経済白書は「石油価格変化の 影響はそのⅡ午後に 最も大きく現われ るⅠ との分析を行なっている。
(2)
日本の技術開発構造の 特徴 図 4 先進 5 ケ 国の技術革新パターン 日本なかんずく 産業の「 脱 エネルギ の 変化一助エネルギー 制約 指 一 制約指向技術革新の 牽引力」は他国 同技術革新の 推移 よりも強力 ( 図 5) 。 他国同様 1982 年 から牽引力にかけりが 生じるも他国に 比し牽引力維持の 努力は大きい ( 同 ) 。 これは最近の 日本のハイテク 水準の 相対的上昇の 背景の一端を 示す。 「 脱 エネルギー制約指向技術革新」 は 1980 年代に開花する 情報化技術の 基 盤を形成 ( 図 6) 0 図 6 脱 エネ、 ルギー制約指向技術開発 と 情報化指向技術開発の 関係 エ ・ 脱 エネルギー制約 情報化指向 両 技術革新の相関 ( 日本 ) 生色・ 千 "「
㏄ , D 良 R Ⅱ ア G 卸 , 。。 ㏄ 仁 L 魏駿ぬ和捜僻 ㊥ 2. 目的別研究開発投資増加率の 推移 (日本の製造業
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主要製造業の 技術開発構造の 変化 日本の製造業においては 1977 一 79 年を境に「 脱ェネ、 ルギー制約指向の 技術開 発 J (E/R) への構造変化が 顕著に見られる ( 特に化学及び 鉄鋼において 顕著 ) 。 全般に第二次石油危機を 契機に研究開発集約 度 (R/G) が大きく拡大し「 E/R 」 も拡大に向かうも ,石油価格の 下落傾向への 移行と黍を一にして 再び落ち込む こととなった。 そして 1983 年頃 からあ らためて拡大基調を 示すに至った。 これ はこの頃 を境に日本の 主要製造業の 研究開発において「 脱 エネルギー制約指向 技術革新」から「情報化指向技術革新」への 本格的移行が 始まったことを 示唆 するものであ る。 (,)(4)
情報化指向技術革新へのシフト
1970 年代学 は 以降の日本の 情報化の 図 7 日本の技術革新の 牽引力の変化進展と技術開発及び 経済成長との
間の三 一情報化指向技術革新へのシフト 相関動向を見ると,
1970 年代末以降「 ゑ%-
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登場し,これが
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しかし, 70 年代未以降急テンポで 進んだ「 I/R 拡大努力」も 84 年以降テンポ にかけりが見られ ,これから見る 限り次のような 疑問が提起され ,その実証的 検証 ガ 急務であ る ( 図 8) 0れ
最近のかげりは 一過性の現象で ,早晩拡大テンポを 回復するのか b . 情報化技術は 成熟期に入り 研究開発努力の 感度が鈍化しつつあ るのか ㈲ 1988 年版経済白書は 高度成長期移行の 日本の技術革新の 流れを フェーズ エ 「重彦技術革新の 時代」一一石油危機以双 フェーズ 2 「 消 エネ技術革新の 時代」一石油危機∼ 80 年代初め フェーズ 3 「情報技術革新の 時代」一一 80 年代中期 一 に 分けているc . 日本において 情報化は ,脱 エネルギー制約のようには 技術革新の原動; として体化しきれていないのか。 d . 70 年代以降の情報化の 進展は,ハード 面を中心とした 情報処理及び ネッ トワーク形成の 段階に過ぎず ,高度なソフト 面に立脚した 本格的な高度 情報化八の移行には 至っていないのか。 (5) 日本の技術開発政策の 効率 性
技術革新プロセスは V 土 sible Impact ( 研究開発投資を 拡大 ) 及び Invisib
le Impact ( 研究開発構造を 変革 ) に支配される ( 図 2 参照 ) 。 研究開発にお ける「直接投資政策」は 投資 量 に応じた Visible Impact を与え, 「誘引政策」 は 少額の投資で Invisible Impact を与え研究開発の 構造変化を促し ,もって民 間の活発な研究開発投資を 誘発する ( 図
9)
。
日本の産業技術政策は「誘引政策」を中心とするのに 対し,米国は「直接投資政策」が
中心(NASA,DOD
等 ) であ り,総じて日本の 政策の方が投資効率 良 。 更に「誘引政策Ⅰについても , 日本の政策とくに 最近のそれは 脱 エネルギー制約等に 向けての技術開発の 構 造 変化を巧妙に 誘発してきたことにより 効率性 大 ( 表 2) 0この技術開発の 構造変化の誘発が 効果的な技術開発政策の 要諦であ
り,これ により最少の 政策関与で効果的な 技術開発を促進することが 期待。 5 .考
穿喪 本分析手法は ,広範な分野への 実用 図 9 日米の技術開発システムの 的・客観的,実証的な
分析が可能
( 例 効率性比較 えぱ 地球環境問題 : 技術革新による 新 と エミエ 亘エ ニ % 坦三三三上 上 旦ヱ エミエ三上三上山月旦三上 たな成長制約のブレークスル 一対策 ) R8D Change - 一ノ等の意義を有するが ,引き続き情報化
Visible Impact fn theほ ついての実証的検討・ 業種別検討・ Following Period) ミクロ動向をも 織り込む理論的検討等 の 拡充が必要。
代表的参考文献
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