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三段跳の基礎トレーニングについて

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Academic year: 2021

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三段跳の基礎トレーーニングについて

宮 本 孝 1  陸上競技の三段跳における最近の記録は,まさに驚異に価するものがある。         それは,選手の記録に対するあくことのない挑戦と,国際間のスポーツ力向上 にもより,熾烈な競争の結果であろう。  三段跳競技の記録の推移については,前稿で述べたように年を追うごとに記 録の向上がみられるが,それは過去のトレーニングが跳躍技術中心のトレーニ ングで,体力(跳躍力・筋力・スピード)トレーニングに対しての認識が回す かったのではなかろうか。しかし,1950年代を契機に三段跳に必要な体力の要 素とそのトレーニング方法が科学的に研究されるようになり,数多くの科学的 トレーニング法が生み出され行われるようになった。  三段跳では,踏切りの際に支持一運動器宮とくに背柱に体重の約4∼6倍の 負荷がかかると言われており(著者の体験からも下肢や背筋に異常な衝撃を感 じることがあった),それに耐えうる体力をつけなければ高い記録を出すこと は望めないだろうし,また,ケガや障害をおこす危険性がある。  日本選手権や国民体育大会の三段跳の競技で,足首や大腿部にテーピングや サポーターをしている選手をよくみかけるが,これは技術の未熟さよりもむし ろ基礎体力および専門的体力不足によるものではなかろうか。この点に関して は,過去なんども故障にみまわれ苦い経験をした著者もおおいに反省してい る。  三段跳にとくに必要な体力要素は,筋力,スピード,柔軟性,平衡性,巧ち  1)先日のアジア大会などでも国際間の金メダル争いが熾烈であった。

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 62 彦根論叢第218号 性,およびリズム感などが考えられ,これらの要素を充分生かし,合理的な組 み合せにより向上させることが重要であろう。  そこで,本稿では三段跳に必要な体力を向上させる基礎的なトレーニング手 段について考察してみたい。  1 三段跳のトレ・一一ニソグ手段  三段跳でより高い記録を望むためtl:一は,トレーニング手段を明確に分類し, 実行することが重要であろう。       2)  トレーニング手段を分類すると,表1に示すように,体力トレーニング手段, 技術トレーニング手段,精神力トレーニング手段,トレーニング効果をあげる ための条件づくりの手段などが考えられる。

  

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      。敏捷性・スピード・パワーなどの補強運動       。持久力の補強運動       ・。柔軟性・調整力などの補強運動

  二 

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      表1 三段跳のトレーニング手段の種類  2 体力トレーニング手段  トレーニング効果を十分にあげるには,単にトレーニング量を多くするので 2)猪飼道夫『種目別現代トレーニング法』大修館p.62.

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はなく,まず,その質をよくすることが重要であろう。トレー二γグの質をよ くするということは,各トレーニング手段の主な目的を明確にしておき,その 目的に応じた負荷をかけて行うことである。体力トレーニング手段は,体力の 強化を主な目的とするが,このことは,体力トレーニング手段の中で技術の上 達を配慮しなくてもよいということではない。体力を効果的に高める中で技術       きうの上達なども副次的な目的として配慮していくことはいうまでもない。  (1)三段段の全習法および六気法による手段  三段跳の全習法および分賦法による手段では,一般に技術の上達を主な目的 としているが,しかし,体力づくりを目的とする手段として用いることも重要 であろう。たとえば,助走の反復練習は,助走リズムや助走距離を安定させる ことを主な目的としているが,スピードのトレーニング手段としても大切なこ とである。  (2>三段跳以外の陸上種目や他のスポーツ  三段跳以外の陸上種目や他のスポーツ(バスケットボール・ラグビー・サッ カー等)を行うことは,体力の全面的あるいは専門的向上の手段として重要で ある。つまり,一般的体力訓練性の土台を築くことである。このような手段を 総合的に適用することによって,身体的資質の養成とともに,体力の回復にと って好適な条件が生み出されよう。  走幅跳のトレーニングで,跳躍力を養成すると同時に記録を高めることは, 三段跳の記録の向上につながることであり,とくに,初歩の段階においては, 三段跳のトレーニングよりもむしろ走幅跳のトレーニングに重点をおくことが 望ましいのではなかろうか。またハードル走のトレーニングでは,リズム感や 柔軟性を養成することができる。さらに,技術的な面からみてもハードル走で の着地から疾走に移る部分と,三段跳のHOPからStepに移る部分が関連す る動きがあるように思われる。  ソ連やアメリカの多くのジャンパー達は,運動能力の多面的な養成を主な目 的に,クロスカントリー,水泳,球技などを行っている。また,アムステルダ 3)金原勇編著『陸上競技のコーチング(工)』大修善p.74。

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 64 彦根論叢 第2!8号 ム・オリンピックで優勝した織田も,冬期練習ではラグビーや他の陸上種目を        の 数多く行っていた(表2)。 選 手

日限翻録㈲

!00 m 走り幅跳 サネーエフ (ソ 連) ジェーンチーレ ( 伊 ︶ プルデンシオ (ブラ ジ ル)

コルブー(ルーマニア)

ト レ メ ル (東 独) メ イ (オーストラリア)

トエニエス(キューバ)

ウ ォ ケ ル ( 米 ︶ ドウ トキン (ソ 連) ポ ウ シ(ブインランド)

シュミット(ポーランド)

17.44 17.22 !7.27 17.13 17.31 17.11 17.40 17.12 17.09 17.00 17.03 10.7 10.8 10.9 10.9 10.7 !0.3 !0.7 10.5 10.9 10.7 10.4 7.90 7.95 7. 60 7.69 7.69 8.13 7. !4 7.74 7.72 8.05 7.96 表2 17mジャンパーの100m・走り幅跳の記録  ㈲ 跳躍力のトレーニング  跳躍力の強化は,三段跳選手にとっては非常に重要なことであり,かつ基本 的なことである。オリンピックでかつて二度入賞したソ連のクレーエルは, 「Jumpするためには跳ばなければならない。非常に多く跳ぶことが必要であ る。こうして初めて,自分は自分の脚の主人公なのだという確信がもてるの らラ だ」と述べている。また,ソ連の著名なコーチであるベルホシャンスキーは, 「跳躍練習の反復により,踏切りの集中的effortと空中動作の筋肉の弛緩と をうまく交替させる能力が強化され,跳躍のリズムを体得できよう。また,跳 躍練習およびその条件をさまざまに変えることによって,空中動作の定位感覚       の が養われ,平衡を保つ能力が向上できる」と述べている。つまり,「跳ぶ」と いうことをすべての練習における柱として,しっかりとらえておかなければな 4)織田幹雄『21世紀への遺言』ベースボール・マガジン社p.110. 5) コー一・ベルホシャンスキー『三段跳びのトレーニング』p.28. 6)同上書。p.28,29.

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らないのである。また,各種の連続跳躍(ホッピング,ステッピング,両足跳 など)を反復することによって,突脚で地面を突張る動作とスウィング運動を 最も合理的に組み合ぜる能力が養われるのである。それとともに,踏切りの際 の力の強弱を最も効果的につける方法やバランスのとれた空中動作を体得でき るのである。  ところで,跳躍練習を実施するにあたって考えなければならないことは,走 路の条件であろう。跳躍練習を反復することによって,筋力に強い負荷がかか るだけでなく,着地の瞬間に強い衝撃を与えるために,くるぶし部に外傷や骨 膜炎を起こすことがある。したがって,初期の跳躍練習は,芝生,おがくず 走路,砂浜,雪面などの柔らかくて弾力のある地面が最適であろう。  雪面での銚躍練習について村木は, 「雪国の冬期練習には積極的に雪面を利 用すべきである。ポーランドやソ連の選手達も大いに活用しており,私もスキ       の一実藩中のトレーニングには欠かさず雪上でのトレーニングを行っている」と 述べている。また,おがくず走路での跳躍練習についてベルホシャンスキーは 「おがくず走路でのJnmp練習に深いりしてしまことに反対である。こうし た所で跳躍する場合の筋肉の活動は,収縮の傾向が強く働き,キックカを強化 する目的には沿わない。したがって,熟達した選手は,基本的な跳躍練習は普 通のグランドか芝生の上で行い,おがくず走路はただ補助的な手段として利用          するほうがよい」と述べている。  熟練した選手が,おがくず走路で中心に跳躍練習を行うことには問題がある けれども,冬期練習やシーズン中の練習後に行うことは,跳躍リズムや空中感 覚を養うために重要なことである。また,土やタータン走路での跳躍練習より も,筋肉にかかる負荷が少なく,反復して練習を行うことができる。  さて,跳躍練習で最も基本的なものは,ホッピング(片足跳),ステッピン グ(両足交互跳),両足跳,50∼100cmの高さからの跳躍であろう。こうした跳 躍練習は,スピードに変化をあたえ,1歩1歩をスムーズに行い,連続性をも 7)金原勇編著『陸上競技のコーチング(ll)』大修館p.212. 8) 前掲書P.31

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 66  彦根論叢i第218号 たせることが望ましい。むりに緊張したりしないで,リラクゼーションを保つ ようにしなければならない。  連続跳躍練習は,20∼50m程度を行うべきであり,冬期練習などでは100〃m 以上行うことも必要である。試合が近づくにつれて距離を短かくし,跳躍の質        ラ を高めるべきである。また,冬期では,パワーの持久性や運動の経済性を目的 とし,長い距離(跳躍の質は低下するが!00四以上)を行う必要がある。さら に跳躍スピードや跳躍距離を延ばすために,50m前後の距離をホッピングやス テッピングを行い,タイムを計ることも大切であろう。  次に,負荷を増すための跳躍練習では,ウエイト・ベストを使用したり坂の 上り下りなどを利用する。ウエイト・ベストの使用についてベルホシャソスキ ーは,「ウエイト・ベストをつけて行う短助走の跳躍,選手の神経・筋組織に

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7

九〆

 \ ○坂上リスチッピング         ○坂下りステッピング 図! 基本的な跳躍練習例 9) パワー・トレーニングの原則は,10秒程度を全力で行うことである。

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対する作用という点からいえば,正規の全助走の跳躍に近いものである。それ は,速度を極限にもっていかないで,しかも筋肉には,全助走に近い負荷をか       ユの けながら,跳躍技術を向上させることを可能にする」と述べている。初歩の段 階では,体力や跳躍技術の未熟な点などを考え,負荷をあまりかけないで行う ことが望ましい。また,熟練した選手には非常に効果的な方法であるが,実施 する場合には身体条件を十分考慮し,負荷をかけないで行う跳躍練習以上に, リラクゼーションを保つようにしなければならない(図1)。  (4) スピードのトレーニング  三段跳の記録を高めるためには,前進力の高い助走が必要である。助走スピ ードと跳躍の記録とぱ,切っても切れない関係にあり,助走の平均速度が高ま れば,それに伴って跳躍の記録もよくなってくる。しかし,助走で高いスピー ドがだせるようになったからといって,それだけで満足してはならない。助走 で重要なことは,高いスピードをだすことだけでなく,跳躍(Hop)に移行し やすいような形で疾走することである。速く,しかも堅くならずりラクゼーシ 。ンを保って,リズミカルに走ること,すなわち,運動が適当な弛緩度をもち 身体を軟らかく保ちながら,強度の高いスプリントを行うことであろう。これ なくしてぱ,三段跳で高い記録を望むことは非常に難しいと思われる。  三段跳選手にとって,加速(スタート・ダッシュ)から慣性疾走(中間疾走) へとかわってゆく40m前後のところが,専門的に重要な部分であると考えるな らば,この部分をいかにうまく走るかが大きなポイントになってくる。  そこで,この部分をうまく走るためには,どのような疾走練習を行うとより 効果的であるか考えてみる。  ①一般的な疾走練習(三段跳の能力を高めるための土台となるスピード)  。加速疾走トレーニング  短距離走では,スタート・ダッシュの20∼30mあたりまでに相当し,スピー ドやパワーを高める手段である。練習方法としては,30∼50mのスタート・ダ [一!0) 前掲書p.30.

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 68 彦根論叢 第218号 ッシュ,助走(加速区間)つき加速疾走(20∼60m),走負荷をつけた疾走(20 ∼30m)などが効果的な練習であろう。  スタート・ダヅシュでは,強いスプリンターの中にはいって練習を行うこと も必要であろうし,また,無駄な緊張を除くために一人で行うことも大切であ る。走負荷をつけた疾走では,坂の上りでのダッシュ,チューブを腰につけて パートナーに引っ張らせてのダッシュ,砂袋やウエイト・ベストを使用しての ダッシュなどが効果的であろう(図2)。    O’一

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  ①チューブをつかったダッシュ       ②タイヤをつかったダッシュ       図2 走負荷をかけた疾走練習の例  これらの手段を用いることに三段跳に必要な力の要因(筋の働きを中心とし た力強さ)を高め,背筋や大島筋をより効果的に発達させることが可能であ る。  。テンポ走  100∼300mの距離を前シーズンの最高記録に,2∼3秒程度を加えて余裕の ある走りから開始し,沁々に速さを高めてゆくものである。  全力疲走をしていたのでは,改善すべき動きを引き出し,リズミカルに走る .9。.、ナ!秒T一轟秒  3  月 {20∼25秒   4  月{10∼15秒  5  月{05∼1.O秒  !00”診 ナ高記録 @ 秒 100ηz   150〃z b    秒 100ノη   1507π b    砂 IGO櫛b 150麗b 100解

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余裕が持てな:い。反対に遅すぎては適正なリズムをつかむことができないであ     エ  ろう。表3は,テンポ走の記録の求め方の例であるが,テンポ走で重要なこと は,適正な速さの選択と動きの改善すべき目標をしっかりつかむことである。 また,テンポ走のポイントが動きの改善にあるので,その改善された動きを定 着させるために反復練習を行う必要がある。このようにして,動きが定着した ならば,質(タイムを速くする)を高め次の段階へと進むことが望ましい。  ② 専門的な疾走練習(助走練習)  助走練習で重要なことはトラックの上での30∼50m走と助走走路(踏切りを 伴った)での最後の10∼15mのタイム差をいかにして縮めるかである。踏切り を意識しすぎたり,踏切り動作への切りかえがスムーズに行われなかった場合 などには,この差が大きくあらわれるものである。  助走では一般的な疾走練習で養ったスピードを最大限に出し切ることが重要 になってくるので,シーズン中では,週に3∼4回,冬期でも!∼2回はかな らず助走練習を行うことが,助走リズムを習得したり助走を安定させるために も必要であろう。また,助走練習を行う場合にはできるだけ踏切り動作を伴っ たものを反復して行うべきであり,さらに,助走の最後10∼15呪のタイムを計 り,実際のスピードと自己の感との対照によって修正を加えることが重要であ ろう。  (5)筋力のトレーニング  三段跳選手にとっての筋力トレニング目的は,最も必要な下肢や背筋群の筋 力の発達にあると考えられる。  筋力トレーニングでぱ,おもに重量物(バーベル,メディシンボ_ル,パ_ トナー,自己の体重な:ど)を使用して,目的にそった筋群に負荷をかけて行う 動的なトレーニングと,抵抗物を利用して行う静的なトレーニング(アイソメ トリヅク法)が行われる。  重量物を使用したウエイト・トレーニングでは,強度や運動の方法をあやま るとケガや障害をおこす危険がある。また,筋力を効果的に発達させるために 1!) 前掲書p.2!6.

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 70  彦根論叢 第218号 も,自己に適した重量や正しい姿勢でトレーニングを行うことはいうまでもな い○        ラ  最初の重量の選択について,一般的に3つ方法が使用されている。第1の方 法は,最大筋力を測定することによって,瞬間的に最大可能な力はどのくらい であるかを決定し,それからパーセンテージ(70%∼80%)を決定する。第2 の方法は,選手の体重に基づくものである。チェコスロバキアのゲイスロウ夫 人は,女子は体重の%,男子は体重の%で始めることをすすめている。第3の 方法は,最初の重量を力の練習の可能な繰り返しの数にしたがって決定する。 それは,ボディビルディングの方法でもある。初めに初心者は,まず,非常に 軽い重量を使用し,合目的な技術を習得する。それから,力のトレーニングの 練習の際に,あまり疲労せずに正確な技術で,8∼10回続けて行える重量を選 択する。トレーニングが進むにつれて,楽に行えるようになれば重量を重く し,繰り返しの回数は変えない。  初歩の段階においては,最も簡単で,危険の少ない第3の方法が適している のではなかろうか。  図2は,三段跳選手に効果的なウエイト・トレーニングの1列であるが,とく に,三段跳選手は,背筋や脚力およびパワーを養成できる種目を選び継続的か つ漸進的に行うことが重要であろう(図3)。        ,  ①スクワソト②デット・リフト③ヒール・レイズ ④ベンチ・プレス   ⑤スナソチ  ⑥スクワットヴャンプ       図3 ウエイト・トレーニング例  世界的三段跳ジャソーq・一を多数:だしているソ連では,筋力トレー=ングの実        13) 施に際して,以下の4種の方法を用いている。 !2) トニー・ネヅト『陸上競技者の筋力トレーニング』ベースボール・マガジン社p.  87, 88, 89, 90, 13) L・S・ホメンコフ『陸上競技トレーーナー用教科書』ベースボール・マガジン社  p. 4e7, 408.

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 第!の方法では,バーベル重量は選手の個人記録の80%とする。5∼6回の 動作からなるセットを3∼4回行ってから徐々に重:量を増して最大重量にまで もってゆく。この時,重量の増加につれて,反復回数は減らしてゆく。たとえ ば,85K2のジャーク用プル・アップー3回×2セット:90Kg一 3回×2セ ット:120Kg一 2回目1セット:1301〈g  1回×1セットQ  第2の方法では,中および大重量のバーベルを使って練習しながら,反復回 数を少なくしてセット数を増してゆく。たとえば,胸までのクリーンで,90Kg   3回×アセット:100Kg一 1回×5セヅトQ  第3の方法では,軽いウエイトを用い「疲労限界法」で行う。たとえば, 「衝き」の姿勢から跳躍,脚を踏みかえて前進50晦一30回×2セット。  第4の方法(アイソメトリック法に近い)の基本は,重量110∼120丁目gのバー ベルを用いるスクワット(10∼15回)である。  以上は,おもに冬期に行われるものであるが,シーズン中においては,とく に神経一筋システムでのシャープさが要求されるので,筋力の発達を目的とす るよりも維持を目的とし,さらに,発揮能力を高めるよう実施方法を変化させ ユの る。すなわち,反復回数は制限し,最大スピードをもって行うことが重要であ る。 皿  この稿では,三段跳の基礎トレーニングを中心に述べてきたが,過去のオリ ンピックや日本選手権などの結果からみても,非常に熟練をようする種目の1 つであると考えられるので,技術と同様に基礎体力や専門的体力を十分,強化 しなければならない。また,長期計画をたてるあたっては,自己の年齢や特性 を十分ふまえて計画をたて,実施に際しては,あせらずにじっくりと段階的に 行うことが望ましい。  特に,ここでとり上げた跳躍力,スピード,筋力トレーニングは,三段二選 14) 君有掲書p.2!5.

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 72 彦根論叢第218号 手に,かくことのできない基本的なトレーニング手段であり,初歩段階におい ては,これらのトレーニングを幅広く行い,全面的に体力を発達させるように 心構げるべきであろう。  基礎体力や専門的体力を養成することは,水準の高い技術をはやく習得でき るであろうし,競技生活を長く続けるうえにおいても非常に重要である。  トレーニングを年問通じて行う場合,冬期(準備期)とシーズン中(試合 期)では,トレーニングの強度,量,質,頻度が当然ちがっていなければなら ないし,長期的な場合においても,それぞれの段階でかわらな:ければならない。 この点に関しては別稿で改めて検討してみたい。

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