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二次鉄損を考慮した誘導電動機の等価回路 利用統計を見る

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二次鉄損を考慮した誘導電動機の等価回路

杉浦修

(昭和50年8月27日受理)

Equivalent Circuit of Three Phase Induction Motor

Considered Secondary Iron Loss

OsamuSUGIURA

      obtain the proper       the eddy current loss and the mechanical loss of the motor. Especially, at high slip the rotor side iron loss must be considered because of an increase of the slip frequency.  In this paper, the complete equivalent circuit of the induction motor is introduced from the analyzed result by the poly・axis matrix method. And thus the various formulae of the performance of it are derived. Furthermore, the measuring method of each constant of the equivalent circuit is introduced.       Abstract  When a three phase induction motor is operated at variable speed, to analytical characteristics, it is necessary to separate the hysteresis loss, 1. まえがき  三相誘導電動機の特性を計算するための等価回路 は,JEC−37で定められているL形,あるいはT形等価 回路である。ここでは,鉄損と機械損は等価的な抵抗 として処理されている。しかし,鉄損と機械損を分離 し,鉄損についてはヒステリシス損とうず電流損に分 離して考えないと,正確な誘導電動機の運転特性を得 ることができない。一次電圧制御法により誘導電動機 を運転する場合には,回転子のすべりが広範囲に変わ るので,回転子側の鉄損も考慮しなけれぽならない。  本文では,一次電圧制御法により誘導電動機を運転 する場合を考慮して,精密な等価回路を求め,その回 路の定数測定法を導くと共に,諸特性の理論式を求め た。 2. 精密な等価回路  三相誘導電動機の巻線モデルは図一1のように表さ れる。図一1において,a, b, cは固定子巻線a’, bノ, cノは回転子巻線で回転子は一定の角速度ω.で相順の 方向に回転しているものとる。ここで V。,Vb, Vc……固定子各相に加える電圧の瞬時値 i。S, ibs, i,s……固定子各相の電流の瞬時値 i。,,ら。,i,,……回転子各相の電流の瞬時値

一31

Rs, R,……それぞれ固定子および回転子の一相の      抵抗 L、,Lr……それぞれ固定子および回転子の一相の      巻線の自己インダクタンス L、,,Lre……それぞれ固定子およ回転子の一相の巻       線の有効分自己イソダクタンス 1s,1。……それぞれ固定子および回転子の一相の巻     線の漏れインダクタソス a    図一1 誘導電動機の巻線モデル Fig.1Winding model of a three phase induction   motor.

(2)

\  Ms, M。……それぞれ固定子巻線間および回転子巻        線間の相互イソダクタンス  Msγ……固定子と回転子巻線間の最大相互インダク      タンス とすると,Ms=−L、,/2, Mr=−L。,/2であるから, 固定子側と回転子側の電圧方程式群は,つぎの2つの 式で表せる。ただし,Pは微分演算子である。    ・…,…(θ+一;…π)…(θ一÷・’ar +M、,P・C・・(θ一÷・)・…,…(θ+9・ibr

   …(θ+9・)…(θ一÷・)…θier

       (2.1)

   ・…,…(θ一÷・)…(θ+÷・as

+Msr…(θ+÷π)・…,…(θ一i・)Zbs    …(θ一÷・)…(θ+÷π)・…)tic,        (2.2) (2.1),(2.2)式の電圧,電流を対称座標法によって対 称分に置換(絶対変換)する。つぎに,得られた式に おいて,固定子,回転子ともに零相電流は流れないか ら零相分を除いて一括すると, Vls@Rs+(Ls+与)カ,・,÷MSrP・”,・ v2s・, Rs+(Ls+㌢りρ,・,−9−M,,P・一”

・−

P−M,,P・一”,・, Rr+(Lr+与一)ク,・

。・,÷ぬ・弓、・,Rr+(Lr+㌢)Pノ

Zls Z2S zlr i2r        (2.3) ここで回転子側の電流の対称分を固定子側から観測す ることにすると1), 〔;二II〕一〔δie・,−8〕ω   (2.・4) (2.・3)式のiir, i2。を(2.・4)式のiiノ, i2,tで書き換える ことに相当する。したがって vls\I  l V2s 0 0. ils i2s ゼ1ソ (i,,’ !R,+(Ls+与)カ,・,÷々,・ ・,民+(  LseLs十  2)カ,・,÷w力 TM,,(ρ一ノω,),眠+(ソ+争)(ρ一∫叫),・ /α麺(P+∫ωr)ぽ+(Lr+争)(ク+ブ勒)/ (2.5) が得られる。ここで,固定子各相に印加した三相平衡 電圧を,

i/1㌘i:/(…6)

とし,(2.6)式を対称座標法により,対称分に置換(絶 対変換)し,(2.5)式に代入して,電流について解く。 これで解かれた電流は対称分であるから,各相の電流 に変換すると i。、  C・S(ωτ+α一ψ) ibs−V71s…(ω・+α一9・)一言・)

ics …(ω・+卿+号π)

である。ただし

  .   ナ

} 4=

風栫{R霊圧

x、 ・ca(Ls+一}Lse)一ω(ls+号L,,) x,一・・(Lr+存)一ω(lr+9Lre)

x。−ca・麺

         の q・=∠(ア/ls) α:任意角 S:すべり (2.・7) (2.・8) (2.・8)式より,電源から見た一相のイソピーダソスZ1は  . ジ        sx 2 z・= 奄刀≠q・+」Xs+Rr+批  (2・ 9) βを任意係数として,(2.9)式を変形すると 2・−Rs+元βエ+∫(1一β)X、(Rr+ブSX,@ −R,十’1’SXアー)+sx・2        1  __⊥ =」Rs+元βXs+   1      十 ブ(1一β)X人s 1

翻欝(RrXr)吉

(3)

 R,2/S (1一β)Xs     図一2誘導電動機の等価回路 Fig.2Equivalent circuit of induction motor:  図一3 β=0における等価回路 Fig.3Equivalent circuit atβ=0.       (2.10)(付・1)   +ノ{(霧驚1−(1一β)x・} 〈2.10)式について等価回路を書くと,図一2のように なる。図一2におけるR。2,X。2は

寄一澤耀働毛寺曙一(・一β)Xs

βを適当に決めることによって,いろいろの等価回路 が得られる。たとえば,β=ls/Xsを用いると,鉄損を 除いた一般的に用いられているT形等価回路2}ができ る。また,β・Oとすると,図一3の等価回路が得られ る。この場合のR。2,瓦2はつぎのようになる。 R,2 =

iX莞X万・働晃・一(㌫万一Xs

      (2.11) 鉄損は漏れ唖束も含めた,一一次巻線と鎖交する全磁束 によって生じるので,図一3の回路は鉄損を考慮する場 合に便利である。そのため,この回路を基礎として, 精密な等価回路を考えてみる。鉄損はヒステリシス損 P,とうず電流損・P,に分けられ,それぞれ P。・・ Oh(1。。)・Bm・, P,−ae(拓)2 として表される3)。ただし  Oh, o,:材料による定数 f  :周波数  Bm  :最大磁束密度 (2.12) このことから,周波数や印加電圧を変える運転の場合 において,図一3の等価回路に,単に抵抗を入れて鉄損 分を表すことは誤差の原因となる。電源周波数をfと すると回転子側の磁束の周波数はsfとなるから,固定 子側と回転子側の鉄損を分離して考察すれぽ,さらに 正確さを増すことになる。これらの条件を図一3に適用 して,図一4のような精密な等価回路が得られる。図一 4において,Pis, P,,は,それぞれ固定子側および回 転子側の鉄損で,周波数と磁束密度の関数となる。Pm

・判

   図一4精密な等価回路 Fig.4 Complete equivalent circuit. Xs     図一5 無負荷時の等価回路 Fig.5Equivalent circuit at no−load running. は電動機の機械損で,P,。=C,。{(1−S)f}2…(2.13)4)で 表す。ただし,Cm:比例定数である。  つぎに図一4の一般化された等価回路を一次電圧制 御法によって運転される三相誘導電動機の場合に適用 し,図一4の回路定数の求め方を述べる。 3. 無負荷試験  この場合の等価回路は,すべりS≒0であるから,図 一5として表される。電源の周波数が常に一定のため ヒステリシス損とうず電流損は,いずれも最大磁束密 度の2乗に比例する。また,最大磁束密度は図一5の電 圧V。’に比例するから,三相の無負荷入力をP。,機械 損をPmとすれば,鉄損Pτ、は  1⊃is=P。一 Pm 一 3102Rs=C,V。’2        (3.1) 図一5より,31。2Rsを除いた三相の有効電力P伽は, Pim=P,、+Pmであるから,一相当りの無効電力Q。は   Qo=レ/(Vo’lo)2−(1)伽、/3)2 したがって,リアクタソスXsは

夜+㎡亘≦≒/,)Z(3・・2)

X、の値は磁気飽和の影響によって,常に一定値ではな く,V『B’フ値によって違ってくる。そこで,1。に対する V.「の関係をフレーリヅヒの式3)によって   ・。・=top’1;.’    (3・・3)       0 と表す。ただし,a, bは磁気回路固有の定数であっ て,実験から求められる。そこで,(3.3)式を(3.2)式 に代入すると,XsはV。tに関する,つぎのような式で 表される。        Vn’2 Xs}(bV。’2a−一一「V。’)2{Cm(1−S)誓+G㍗}2       (3.4)

一33一

(4)

4.拘束試1験

 図一3のXsに並列に,それぞれ一相当りの固定子側の 鉄損Pis/3と回転子側の鉄損Pir/3を加えた場合が,誘 導電動機を拘束した時の等価回路である。その時の印 加電圧をV、,電流を1、,三相入力をW、とすると,二次 入力P。は   1)α=Ws−31s21∼s−CiVs’2 である。二次入力から二次銅損を差引いたものが回転 子側鉄損Pゼ。であるから

馬+鋼一C・V・’・一

u亮脇(4・・1)

として求められる。Pi。の中には,ヒステリシス損1)h. とうず電流損P,.がが存在し,つぎのようにして両者 を分離する。  拘束試験時の周波数をfiとし,印加電圧をVsとした 場合の回転子側の鉄損Pτ。1は   1)irl=1)hrl十1)er1      (4.2) つぎに,印加電圧と周波数の比が同一で,拘束試験時 の周波数をSf1とすると   1)ir2:=SPhrl十S21)erl       (4.3) (4.3)式を変形し

  弩・−Phr、+SPer1   (4.・4)

(4.4)式から,図一6が書かれ,1)h。1とP,。iが分離でき る。したがって,一般に周波数Sfiで電圧Vを印加した 場合のPirは   P・r−(Vs)2{SP・,1+S・P,r・} (4.・5) となる。  低電圧で低周波数の電源にて拘束試験を行えぽ, Pis≒0, Pir≒0となるから,その等価回路は図一3として 示される。ただし,図中のすべりはS=1である。この 条件における拘束試験時の印加相電圧をVs,電機子電 流をls,三相入力をWsとすると,(2.8)式から,

↑ 1.O      O.5      0   −一→3  図一6 P,riとPhrlの分離 Fig.6Separation of“peri and phrl

嘉及÷(R,+∫x、)一(饗)

+」/(与)2−(Ws/31s2)2−(Rs+尻) 上式の右辺は拘束試験より求められ,これをR,一ブX, とすると

票一莞警一x,{(豊)2+・} (4・6)

となる。したがって,(4.6)式を(2.11)式に代入する ことにより

r{(薪+、}(釣㌔{(曇+1}−Xs

       (4.7) が求まる。 5. 特性算定法  今まで述べたことから,一次電圧制御法によって運 転される誘導電動機の等価回路は,図一4として示され るので,電機子電流1。は,図一4より   1。=1.+∫、s+∫、γ+L+万

   一%3+裂3+響+畏+R,2/島亙

   =1αγ一∫1ατ      (5.1) となる。Iaを求めるためには,γ。’が計算できなければ ならない。そこで   v。=R、1。+vα’   γ。一/(R、Z。。+γ。’)・+(R、1。t)2 ∴v・一 v/

oRs(P・+霊±P・・+(鐵誤22)+

  九:}二2−+{Rs(Vα’    Xγ2Va.’瓦’+(R。2/S)・+X。22)}−2       (5− 2) を満足するV。’が,図一4のV。tであるから,計算機を利 用して,図一7のフローチャートによってV。’が得られ る。なお,これらの関係から誘導電動機の諸特性が, つぎのような各式によって求められる。  一次電流   1α=/∬る十∫三ガ     (5.3)        R。  一次入力   Pi ・3R、1。2+Pm+p、s+Pi。+3『§・L2        (5.4) 力  率 二次入力 二次銅損 二次出力    P,/3 C°Sq=−uIIII/E Pa−P、r+・警万・ 』∼t2=3Rr21r2 (5.5) (5.6) (5.7) P,==Pa−Pir−P,、−3(1−Ss)Rr・・r・       (5.8)

(5)

START

∫Mの回路定数 フ読み込み 仰=1 γ。の読み込み 陥の読み込み Sの読み込み 5−2)式の計算   No 撃凵m〈ε     y>O @Yes v;=γ1−4陥 ㌍Vl+4レ’ @  No @    Yes ∬。,c・sψ,P1,P。,Pノ、, o、,τ,ηの計算    〈S〈1’ ナ一η十1 No @   N>〃 Yes No Yes ト ル ク 効  率 ∫a ηの印刷 図一7 フローチャート Fig.7Flow chart.

÷南(P、r+3誓・・r・)

       (5.9) η=1)2/1)1      (5.10) ただし,P,は極対数である。  (5.3)∼(5.10)式によって諸特性を計算するために は,つぎの三回の実験を行って,その結果を,つぎの ように整理する必要がある。すなわち,  (1)一次抵抗測定  一次端子間の巻線抵抗を直流で測定し,各端子間の 平均値をR、とする。この場合,巻線温度が上昇しない ように定格電流の10(%)以内の値で,すみやかに行 う。測定時の温度をt(°C)として,基準温度2)T(°C)の 値に換算した一相当りの抵抗Rsは

  Rs−;・叢普『(Ω)

 (2)無負荷試験  無負荷運転し,電動機の回転数が同期速度に近い回 転数を保つような範囲で印加電圧を可変し,この時の 電流1。と三相入力WOを測定する。そのデータによっ

i

↑    0

      一印加電圧γ

      図一8 鉄損と機械損の分離 Fig.8Separation of iron loss and mechanical loss. て,図一8が書け機械損Pmが得られる。測定データを (3.1)式に代入すると,定数qが得られるから,いか なる電圧でも(3.1)式よって,固定子側の鉄損Pisが求 まる。  また,測定データを用いて,(3.2)∼(3.4)式から V。tとSが決まるとXsの値が得られる。  (3)拘束試験  低電圧で低周波数の電源を拘束した誘導電動機に印 加すると,その時の測定データから(4.7)式によって, R,2,x。2が計算される。  また,拘束試験時のf、を電源周波数として,(4.1)∼ (4.4)式によって君、。1,P,。、を分離する。つぎに,(4.5) 式から印加電圧VとすべりSを与えることによって,任 意の運転状態の回転子側の鉄損が得られる。  以上の三回の実験によって,(5.3)∼(5.10)から,一 次電圧制御時の三相誘導電動機の諸特性が得られる。 6. む す び  本文において,つぎのことが明らかになった。  (1)一次電圧制御法による三相誘導電動機の可変速運 転時の諸特性を精密に求める方法を導いた。  (2)誘導電動機の鉄損中のヒステリシス損とうず電流 損を分離し,回転数によって機械損も変化することを 考慮して諸特性を求める方法を明らかにした。  (3)すべりSが大きい範囲で変化する場合は,回転子 側の鉄損を考慮する必要があり,その求め方を明らか にした。  (4)フレーリッヒ式を利用して,磁気飽和によるX、の 変化を考慮した,Xsを求める式を得た。  今後は,今までに求められた理論式を図一7のフロー チャートから計算機のプPグラムを作り特性計算さ せ,一次電圧制御時の誘導電動機の諸特性を精密に求 められることを確認する必要がある。  終りに,この研究を進めるにあたり,有益な助言を

一35一

(6)

くだされた山梨大学の数野教授に感謝いたします。          参 考 文 献 1)竹内寿太郎:Matrix Theory of Electric Machinary   オーム社(1962年) 2) JEC−37:誘導機 3)尾本義一,他:電気機器工学L電気学会(昭39) 4) Rリヒター:電気機械原論,コロナ社(1967年) 付一1 (2.9)式のZiは,つぎのように変形される。 2,−Rs+ブ砥+ブ(1一β)x・壁ノSXr)+sx・2 上式の第3項は 1 R.+ノSX, 」(1P一β)瓦一∫(1三β)Xs+元(1一β)X鷲錺+卿 _      1   上 」(1一β)X、   i.

πマ涙+

h鷲(星x.)さ+ノ{爆砦

一(1− したがって,Z1は(2.10)式として表せる。

+《1一β糟警』ノ(1−i,i

       :       1

参照

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