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地域史との関連を視点にした中学校社会科歴史的分野の授業開発-「近世の日本」と「現代の日本と世界」の単元を手がかりに-

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Academic year: 2021

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(1)修士論文一地域史との関連を視点にした中学校社会科歴史的分野の授業開発             一「近世の日本」と「現代の日本と世界」の単元を手がかりに一 教科・領域教育学専攻 社会系コース. M08167D 森本晃弘. 1研究の目的.      歴史的分野の課題.  歴史学習では、一般的に教科書に削った全体. 第皿章 地域史との関連を視点にした中学校杜. 史中心の学習が展開されている。その理由とし.     会科歴史的分野の授業実践の類型と構. て、歴史学習では、日本の歴史の変遷を理解し.     成. なければならないことがいえる。しかし、日本.  第1節 地域史との関連を視点にした中学校. の歴史という大きなスケールの歴史だけでは、.      社会科歴史的分野の授業実践の類型. 生徒が実感を持って歴史を考察しがたい。その.  第2節 地域史との関連を視点にした中学校. ため、歴史学習では、歴史事象を全体史の視点.      社会科歴史的分野の授業実践の構. だけでなく、身近な地域の歴史(以下、地域史.      成. と記す)の視点からも考察する必要がある。地. 第皿章 地域史との関連を視点にした中学校杜. 域史を取り扱う根拠としては、全体史との共通.     会科歴史的分野の授業モデルの開発. 性や異質性、地域の歴史を踏まえて各時代の特.  第1節 単元「近世の日本」の授業モデルの. 色を抽出しやすいことが挙げられる。地域史を.      開発. 取り扱った実践は、非常に多い。しかし、これ.  第2節単元「現代の日本と世界」の授業モ. までの研究では、地域史を取り扱った実践を「地.      デルの開発. 域史を教授するねらい」や、r全体史との関連」. 終 章 研究の成果と課題. に基づいて類型化されていない。そのため、地 域史学習の傾向を踏まえて、望ましい授業モデ. 3研究の概要. ルを提示するに至っていない。本研究では、類.  第I章では、平成20年版中学校学習指導要領. 型に基づいて授業実践を整理し、社会科の歴史. に基づく社会科歴史的分野のカリキュラムの性. 的分野で、生徒が自分たちの地域に着目し、全. 格を明らかにし、その上で課題を提示している。. 体史と地域史の関連を探究する授業の開発を行. 社会科歴史的分野においては、各時代の特色を. う。. とらえる学習が求められている。地域史に関し ては、歴史の学び方を学習する手段として取り. 2論文構成. 扱っている。そのため、歴史学習では、地域史. 序 章 研究の目的と方法. の流れと全体史の流れを関連付ける必要がある。. 第I章 中学校学習指導要領に基づく社会科歴.  第皿章では、前章を受けて地域史を関連付け.     史的分野の性格と課題. た授業実践を類型化している。類型化の方法は、.  第1節 中学校学習指導要領に基づく社会科. 地域史を教授するねらいを視点にした類型と、.      歴史的分野の性格. 全体史と地域史との関連を視点にした類型であ.  第2節 中学校学習指導要領に基づく社会科. る。まず、各実践を地歴融合型と歴史単体型に. 336一.

(2) 類型化する。地域史を教授するねらいを視点に. ト系で授業を展開している。本時では、学習の. した類型では、興味関心重視系・思考育成重視. 後半に話し合いの活動を取り入れている。生徒. 系・調査活動重視系・知識習得重視系に類型化. が、本時で学習した内容を解釈し、説明できる. している。全体史と地域史との関連を視点にし. かという点に注目する学習でもある。身近な地. た類型では、ズームアップ系(全体史から抽出. 域の歴史から日本や世界の人々の様子を把握し、. した概念を地域史の内容にあてはめる展開方. 東大阪の歴史的変遷と国際化との関連を通じて. 法)・ズームバック系(地域史を学習した上で、. 現代史を大観する授業を開発している。. 地域史で取り扱った歴史事象の原因追究や歴史 事象の相対化について全体史の視点から考察す. 4 成果と課題. る展開方法)・ディープフォーカス系(歴史事象.  本論文の成果として次の3点が挙げられる。. について全体史と地域史を対比し、相違点を明. ①平成20年版中学校学習指導要領社会科歴史. らかにする展開方法)・フルショット系(地域史.  的分野において、変更になった点と、地域史. の内容に特化した展開方法、他の単元との関連.  を全体史と関連付けることの必要性を明らか. 有り)・フルショット系(地域史の内容に特化し.  にすることができた。. た展開方法、他の単元との関連無し)に類型化. ②類型の型は、歴史単体型が多いという傾向. している。それぞれの授業実践の類型を整理し、.  を表した。類型の系統の場合、地域史を教授. 授業実践の構成について特徴を示している。類.  するねらいを視点にした類型の系統では、思. 型化の結果、地域史を取り扱った歴史学習では、.  考育成重視系が多いことを示した。全体史と. 思考育成を重視し、単元の申で上記の4つの系.  地域史との関連を視点にした類型の系統では、. 統に基づくr全体史と地域史との関連」を組み.  ズームバック系が多いが、各系統を単元内で. 合わせる授業構成が望ましいことがいえる。.  関連させる必要性を提示した。.  第皿章では、地域史と全体史を関連付けた授. ③類型の結果、思考育成を重視し、単元内に. 業展開で課題追究的な学習方法を目指す授業モ.  全体史と地域史との関連について各系統を組. デルを2事例開発している。1事例目は、大項.  み合わせた授業実践がなされていなかったこ. 目「近世の日本」の内容について授業モデルを.  とが明らかになった。そのため、上記の課題. 開発している。本単元は、1時:ズームアップ系、.  を克服する単元を2つ開発した。. 2時:ズームバック系、3時:ズームバック系、.   本論文の課題として次の3点が挙げられる。. 4時:ディープフォーカス系、5時:フルショッ. ①今後、単元全体の詳細な授業の流れを明確. ト系で授業を展開している。本時では、話し合.  に示す。. いの活動を取り入れながら生徒が課題を見つけ、. ② 本研究では、地理的分野とのかかわりにつ. 課題を追究する授業構成を設定する。身近な地.  いて類型したため、地理的分野との関連を深. 域の歴史から江戸時代の河内の人々の様子を把.  く追究する。. 握し、幕府や他地域との関連を通じて江戸時代. ③ 今後、本研究において開発した授業モデル. の大きな流れを大観する授業を開発している。2.  を実践し、より実用性のある授業モデルにす. 事例目は、大項目「現代の日本と世界」の内容.  る。. について授業モデルを開発している。本単元は、. 1時:ズームアップ系、2時:ズームアップ系、 3時:ディープフォーカス系、4時:ズームアッ. 主任指導教官  中村 哲. プ系、5時:ズームバック系、6時:フルショッ. 指導教官    中村 哲. 337.

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