障害児教育における乳幼児期の発達的支援 利用統計を見る
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(2) て重視されるべきである。 発達的変化の大きい乳幼児期は,特にユニークさの大きな時期であり,障害のある子ど もたちもまた,このユニークさの延長線上にいる。佐藤(2004)は「支援を必要とする子 ども」は「困り感を抱いている子ども」であり,支援の対象を発達障害に限定せず,すべ ての子どもを対象としていくべきだと述べている。発達支援ではひとりひとりの違いに気 づき,違いに合った方法を工夫し,実践する力こそ支援する大人に求められている。 このため,支援する大人には「気づき」のための観察力,その「気づき」を的確に分析 し,発達ニーズを把握するための知識や手段,個々の発達ニーズに合った実践方法の創意 工夫,さらには多様な個が集まって形成する豊かな子ども集団(学級)を育てる力が必要 である。以下に,幼稚園,保育所における保育者の「気づき」の段階から実践上の留意点 をまとめた。. 2.「気づき」のための観察 「気づき」のために日常どのようなところに着目すればよいのだろうか。乳幼児期には, 特に運動,基本的生活習慣,人とのかかわり,遊び,コミュニケーションの発達を中心に 観察し,記録をとることが大切である。さらに,その行動がいつ,どのような場面で生じ ているのか,他の場面でも観察したり,他の保育者にも注意して見てもらったり,家庭で の様子も聞く必要がある。子どもたちの状態が場面やかかわる人によって異なることが多 いからである。観察記録には,日時や場所,その時の状況,気になる内容,次回注意して 見る点等を記入する。観察の記録には,思い込みや意味づけを極力避け,できるだけ客観 的な事実を記録することが大切である。以上の観察から,どのような場面においても気に なる行動が見られ,しかも長期間続いている場合には,専門家の支援を必要とすると考え られる。. 3.「気づき」の分析(実態把握) 「気づき」の背景を考える際にはなるべく多くの要因を推察してみることが大切である。 安易に家庭の躾のせいとか,遅れがあるのではないかと決めつけてしまわずに,保育記録 や家庭訪問時の記録,個人記録などをもとに,複数の職員で話し合う。まず,環境的要因, 心理的要因,発達的要因の3つの要因に即して推定できる要因を可能な限りピックアップ してみる 。「気づき」となった行動は,単独の要因で生じるよりもいくつかの要因が複雑 に関係し合っていると考えた方が実態に合っていることが多い。なお,家庭から情報を得 る場合には,保護者の気持ちを尊重し,信頼関係を壊さないように配慮する。また,個人 情報であり,管理について十分に考慮しなければならない。 ここで,Aちゃんを事例として取り上げ,具体的に述べる。なお,Aちゃんは特定され ないよう,筆者によって改編された事例である。 Aちゃんは「表出言語が少なく,コミュニケーションが困難で,登園してくるや否や裸 - 57 -.
(3) 足で飛び出し,園庭から保育室まで自由に動きまわり,行動を制すると噛みついたり,大 声を出したりして皆と一緒に保育に参加することが難しい,多動傾向を示す3歳児」であ る。 (1)環境的要因 乳幼児期の環境的要因は,家庭と園生活において ,「人が育っていくための基本となる 物的環境や人的環境」を意味することとする。Aちゃんの場合,園生活がAちゃんにとっ てわかりにくいものになっていないか,家庭での養育環境が整っており,安定しているか (例えば,住環境や食事・睡眠など ),園以外の場面での様子や今までの養育環境(生育 歴)について情報を集めることが必要と思われる。 (2)心理的要因 心理的要因で考えなければならないのは,子どもの心を不安定な状態や余裕のない状態 などにさせている要因である。例えば,弟や妹の誕生,転居,転園や保護者の入院,死別, 離婚など生活環境の大きな変化や,友達関係,いじめ,過保護,虐待,保護者自身の精神 的問題などがある。Aちゃんの身のまわりで今までとは異なる大きな変化がなかったかど うか,Aちゃんの問題行動に対する大人や友だちの態度は適切だったか,園生活や家庭が Aちゃんにとって快適な心の居場所になっているかなどについて多様な側面から検討を行 う。 (3)発達的要因 発達的要因には,人間の心身が発達するプロセスの中で必然的に生じるものと器質的に 何等かの問題があり,発達上の困難さを示すものがある。前者には,乳児の人見知りや幼 児期の第一反抗期などがあり,後者には知的障害や自閉症など障害特性によるものがある。 Aちゃんの行動も,3歳児であることから,第一反抗期特有の「大人の指示には何でも反 対」的な要素があることも否めない。しかし,言語発達の遅れなど,それだけでは理解で きない部分もある。断定することは危険であるが,発達障害についても検討する余地があ る。Aちゃんのような多動傾向を示す発達障害には,知的障害や注意欠陥/多動性障害, 広汎性発達障害などがある。保育実践を行う際には障害の有無に関わらず,上述した環境 的要因や心理的要因での改善を図るとともに,子どもの特性に合わせた適切な関わり方か ら開始することが先決であることを忘れてはならない。以上のような対応で子どもの行動 がかなり改善されることも多い。これらの対応をしてもなお,改善が難しい場合には,専 門的意見を必要とするため,医療機関など専門機関の紹介について検討することになるが, その際には保護者との信頼関係を築きながら,十分に保護者の理解を得るようにしなけれ ばならない。 (4)心理検査 Aちゃんのように発達的要因が懸念される場合には,気づきの分析をさらに的確にし, 発達ニーズを把握して今後の具体的な支援の手立てを考えるために専門機関で心理検査を 受けることが望ましい。しかし,心理検査には保護者の同意,協力が不可欠であり,慎重 - 58 -.
(4) に進めていかねばならない。話し合いを重ね,保護者の気持ちを最大限に尊重しながら十 分な理解を求めることが重要である。もちろん,検査を受けることができなくても,家庭 や園での様子,子どもがどのような時にできて,どのような時にはできないかなどの細か な情報分析を通して,支援の手だてを考え,実践を工夫することはかなりできる。 心理検査の結果は,例えば,話す力に比べて聞く力が充分に育っていないとか,話の理 解はできるが,理解したことを行動化するのに時間がかかるとか,子どもの行動の背後に ある心理学的な要因を明らかにし,行動の理解を深めることに役立つ。したがって,子ど もが周囲の情報をどのように捉える特徴をもっているか,どのようにすれば理解しやすい のかなど家庭や園で配慮すべき点を考える根拠となる。しかし,検査によってすべてがわ かるわけではなく,検査によって測れるものは限られている。そのために,いくつかの検 査を組み合わせて使用することも多い。心理検査で測定するものには,発達や知能,認知, 言語,性格等,さまざまな種類があり,子どもに直接検査を行う方法と,保護者や教師な どが質問紙に答える方法等がある。心理検査を受けた時には,可能であれば保護者の許可 を得て,保育者も専門機関を訪れ,検査結果からどのようなことがわかり,そのことを今 後の保育に具体的にどう生かせるのかについて説明を受けるとよい。なお,検査結果は個 人情報なので園での取り扱いには十分に注意しなければならない。 (5)障害の特性について 主な発達上の障害の概要は以下の通りである。なお,本論文では障害児保育として対象 とされる主な障害についての概要を示すため,知的障害等も含めた。 1)知的障害(文部科学省就学指導の手引き平成14年6月より) 発達期に起こり,知的機能の明らかな遅れがあり,適応行動の困難さを伴う状況をいう。 発達期とは18歳以下で怪我や加齢による低下は除く。知的機能とは認知や言語等にかかわ る機能。適応行動とは他人との意思の交換,日常生活や社会生活,安全,仕事,余暇等に 関する機能である。 2)発達障害(発達障害者支援法. 2005年4月1日施行). 発達障害の中に知的障害等も含めることもあるが,発達障害者支援法では「自閉症,ア スペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害その他これに 類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう 。」と規 定している。 3)広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders) 広汎性発達障害には自閉症,アスペルガー障害,レット症候群,小児期崩壊性障害,そ の他の自閉症を含む。自閉症の基本的な症状である下記の3つの障害をもつ。自閉症等の 診断基準としてよく用いられるものにアメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TR(表1)がある。自 閉性の特性は下記の3点から成る。 ①対人相互作用の質的な障害がある。 ②意志伝達の質的な障害によりコミュニケーションがとりにくい。アスペルガー障害では - 59 -.
(5) 著しい言語の遅れがない。 ③想像力とそれに基づく行動の障害があり,行動,興味および活動が限定され,反復性, 常同的な様式をとる。 4)学習障害(Learning Disabilities). 文部科学省による定義. 基本的には全般的な知的発達に遅れはないが,聞く,話す,書く,計算する,又は推論 する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すもので ある。その原因として中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが,視覚障害, 聴覚障害,知的障害,情緒障害などの障害や環境的要因が直接の原因となるものではない。 5)注意欠陥/多動性障害(Attention Deficit / Hyperactivity Disorder) 診断基準としてよく用いられるものとしてアメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TR(表2)があ る。ADHDの子どもたちは非常に多様な症状を示すが,大きくは以下の3つのタイプに分け られる。 ①不注意優勢型 注意が持続せず,教師の話を聞いていないように見え,指示に従えない。外部刺激に気 をそらされやすい。時間内に作業をやり終えることが困難である。よく失くし物をする。 ②多動性-衝動性優勢型 手いたずらや体を動かしていることが多く,席に座れないなど落ち着かない。衝動的に 飛び出したりする。順番を守れず,自分本位に行動する。質問が終わらないうちにしゃべ り出す。よく迷子になる。診断基準に示された行動が,学校や家庭など二カ所以上の場面 でも認められること,7歳未満に発生し,6ヶ月以上持続していることなどの条件を満たす 必要がある。 ③混合型 不注意と多動性-衝動性の両者の特性をもつ。 なお,ADHD(注意欠陥/多動性障害)の治療として,中枢神経刺激薬である塩酸メチル フェニデート(リタリン)が有効とされているが,誰にでも必ず効くわけではない。また, 副作用として食欲不振,頭痛,腹痛などがある。教育的かかわりを併用し,自己コントロー ルできるようになることを目指すことが大切である。投薬によっても多動性に変化が見ら れなかったり,極端に行動が抑制されてしまったりすることもある。薬の適量を把握する ために園での様子を保護者に伝え,医療との連携を図る。 6)その他の障害 肢体不自由,視覚障害,聴覚障害,病虚弱などがある。障害は,単独の場合もあるが, 複数の障害を併せ持つことも多い。また,ADHDや高機能自閉症など障害によっては診断が 難しく,診断機関や診断を受けた年齢によって診断名が変わることがある。 (6)二次障害 一次障害に対する不適切な対応によって,情緒不安定や攻撃性など二次障害が派生する ことがある。例えば,Aちゃんは保育所という集団の場で保育室を立ち歩いたり,順番を - 60 -.
(6) 守らなかったり,衝動的に行動したりするため,友だちから非難されるなど他の子どもた ちに受け入れられにくい。家庭でも保育所でも大人からよく叱られ,その結果,自尊感情 が持てず,自己否定的になり,その結果,また「困った行動」をして怒られるという悪循 環に陥ることが多い。その結果,吃音(どもり)や爪噛み,チックなどの症状が出たり, 暴力的になったり,登園しぶりに至ることもある。. Ⅲ.障害児保育の実践の留意点. 障害児保育を実践するための留意点として,特に「1.集団による育ちあい 」,「2.実 践上の創意工夫」を中心に述べる。. 1.集団による育ちあい 幼稚園や保育所で障害児保育が行われる大きな意義のひとつに集団による育ちあいがあ る。一般的に,障害のある子どもを健常児集団の中で保育すると,障害のある子どもの発 達が健常児の刺激を受けて促進されると言われる。確かに,発達のめざましい健常児から の影響は大きい。しかし,集団は幼い健常児にとってかなりの心的負荷を与えるものであ る。障害児の場合にはさらに心的負荷が大きいことが推察される。子どもたちは,子ども 同士のぶつかり合いの中で,他者の存在を感じ取り,徐々に相手との付き合い方や自分の 気持ちに折り合いをつける方法を学んでいく。そして,やがてはひとりではなく,集団で 生活し,遊ぶことへの楽しさや充実感を実感し,心身ともに成長していくのである。 以上のようなことを踏まえると,特別な配慮なく健常児集団に入れるだけでは,障害の ある子どもにとって二次障害を招くなど,リスクの方が大きいことを心しなければならな い。障害のある子どもと健常児が育ちあえるクラスとは,障害のある子どもと健常児に対 するかなり綿密な保育者の意図的対応を必要とする。特に,日々子どもたちと接する担任 の役割は非常に大きい。何気ない担任の表情や言動が,周囲の子どもたちの心に多大な影 響を与える。幼い子どもたちは,障害のある子どもに対する担任の一挙手一動を通して, 相手を理解し,具体的なかかわり方を学んでいくのである。以下,クラスづくりの視点に 関して1年間を3期に分け,例示する。 (1)第1期~特定の保育者との関係づくり~ 入園当初のクラスづくりのポイントは「特定の保育者との関係づくり」である。特定の 保育者とは,担任もしくは障害児担当の保育者を指す。関係づくりに要する時間は,子ど もによって1ヶ月だったり,1学期以上だったりする。まずは,本人の興味,関心を探し, 共に楽しんでみることから始め,徐々に保育者と一緒に過ごすことの楽しさを伝えていき たい。集団に初めて参加した障害児の中には ,「席に座らず,立ち歩く 」,「集まりに参加 しない 」,「順番を守らない 」,「髪を引っ張る 」,「他の子どもに砂をかける」等々,保育 上気になる行動も多々出現する。保育者も健常児も障害児の行動に驚き,不安を抱くが, - 61 -.
(7) 障害児も見知らぬ集団に入れられて,混沌とした世界の中で困っている。障害児と健常児 の間に入り,その都度,双方の気持ちを丁寧に伝えるのが保育者の役割である。関係づく りの時期は,障害児の要求をなるべく受け入れ,共感を示しながら関係をしっかりと築く。 しかし,真の関係を築くには,何事もただ受け入れ,甘やかすことだけではない。障害児 が他児に迷惑を掛けてしまった時には,健常児に障害児の気持ちを代弁する一方で,障害 児にも状況を可能な限り理解させ,相手の気持ちをわかりやすく説明しながら相手に謝る ことの意味,集団生活を送る上でのルールをきちんと伝える。このようなめりはりのある 保育者の態度が,障害児や健常児双方に,担任に対する信頼感を育み,担任を介した両者 の関係が育まれる。障害児は特定の保育者との関係を心の拠り所として,他者の存在に気 づき,関心を持ち,少しずつ集まりの時間に座れるようになるなど,新しい生活の仕方を 学び,集団の中で遊び,生活する力を身につけていく。 (2)第2期~他の保育者(大人)との関係づくり~ 障害児は大好きな遊びを特定の保育者と繰り返し行ったり,新しい遊びに挑戦したりす ることによって,特定の保育者との関係を一層深める。関係の成立した保育者の後追いを したり,特定の保育者の指示なら理解できるようになったりする。第2期ではこのような 関係を他の保育者にも拡大する。例えば,障害児と障害児担当者との関係が成立していた ら,次に担任との関係を深め,担任との関係が成立したら,別の保育者との関係へと広げ る。そのためには,関係づくりの成立した保育者から,他の保育者に興味や関心,意思伝 達の方法など対象児に関する情報を伝達することが必要である。子どもに関する情報の伝 達を円滑にするために,保護者の協力を得て「サポートブック」を作成することも有効な 手段である 。「サポートブック」は訓練施設や習い事の場面など,保育所や幼稚園以外の 場でも活用できる。その結果,障害児はさまざまな大人と好きな遊びをしたり,同じ支援 を受けたりすることが容易になる。一方で,関係づくりの成立した保育者は障害児だけの 保育者にならないよう,徐々に健常児集団とのかかわりを増やすなど対象児と距離をとる ことが大切である。これによって,障害児が他の保育者や子どもの存在に気づくことを促 進できる。 (3)第3期~友だちとの関係づくり~ 第3期は,大人との関係から子ども同士の関係へ広げていくことに主眼をおく。当然の ことながら,第3期になって初めて子ども同士の関係作りを始めるのではなく,第1期,第 2期にも適宜子どもとの関係を意識して働きかけておく。例えば,障害児が興味を示しや すい水遊びやどろんこ遊びなどは,健常児にとっても魅力的な遊びである。そこで,遊び のタイミングをうまく捉えて,両者が一緒に楽しく遊べるよう,保育者が環境の設定や誘 いかけなどを積極的に行う。 障害児が友だちとの関係を築くためには,多くの場合保育者の介入が必要である。保育 者がさまざまな場面で障害児と健常児との接点を意図的に設定する。不安感や不公平感, 差別やいじめなどについて早期に対処するなど適宜適切に介入しながら,最終的には,子 - 62 -.
(8) どもたち同士でトラブルを解決していけるような関係を育てることを目標とする。お互い が付き合い方を学び,楽しく遊ぶことができるように,保育者は段階に応じて介入の質や 量を配慮することになる。例えば,多様な発達の子どもたちが共に楽しく遊び,それぞれ が満足感を得るためには,遊びのルールの見直しが必要となる。最初は保育者が修正した ルールのモデルを示し,徐々に子どもたち自身がルールを考え,修正できるよう導く。あ るいは,自分の行いが相手にどう受けとめられたのかに気づくように保育者が丁寧に説明 し,お互いの気持ちを理解し合い,行動できるように導く。 また,当番活動などでは,円滑に進むよう,子どもたち同士で支えあえるようなグルー プ編成を考えることも必要である。保育者が,タイミングを逃さずに子どもたち同士の関 係づくりの橋渡し役をし,友だちとの関係を深めていくことは障害児保育の場合には特に 大切な役割である。 このように保育者は,障害児と健常児との橋渡し役を演じながら,クラス集団の質を高 めていく。子どもが素直に自分の気持ちを表現しながらも,ひとりひとりの違いを尊重し, 認め合い,どうすれば折り合っていけるのかを幼児なりにきちんと考えられる集団づくり である。その集団づくりの根底には,保育者のしっかりとした保育観や子ども観,そして すべての子どもたちに寄せる深い信頼感があるように思う。. 2.実践上の創意工夫 (1)園の支援体制整備 発達ニーズへの支援は,担任だけではなく,園全体でのサポートできるような園内体制 を整備することによって実現される。対象となる子どもの個別指導計画や卒園後も含めた 教育支援計画について,園全体で考える。そのため,園の内外で支援可能な人材や関係機 関についての情報を収集する。なお,義務教育段階では,学校に校内委員会(仮称)とい う組織を設け,特別支援教育コーディネーターという役割をもつ教師が中心になって校内 委員会の企画運営を行う特別支援教育の体制整備が進められている。また,この特別支援 教育コーディネーターは,担任を支援するだけでなく,校外の専門機関との連携や,保護 者の相談窓口となる等,校内支援体制の中心的な役割を果たすことになっている。今後, 幼稚園や保育所においても同様な体制整備が求められる。 (2)保育のクラスやグループ編成 クラス編成や保育でのグループ編成では,生活年齢にかかわらず,障害児の発達に合っ たグループへの所属を配慮する。保護者の意向(可能な場合には本人も)を尊重しながら, 本人にとって安全で無理のない集団を選択できるとよい。ただその後の発達の状況や,精 神的な成長を丁寧にみながら,年度途中であっても集団を変更していける柔軟性が求めら れる。例えば,入園当初,身体の発育状態や,運動面,認知面の発達に合わせて,生活年 齢より1歳下のクラスに配属されていた子どもを,3学期より本来の生活年齢クラスに進級 させたところ,驚くほど活発に活動できるようになった例もあった。当然のことであるが, - 63 -.
(9) 子どもの所属集団を変更する際には,保護者の了解を得,保育者の引継ぎを丁寧に行う。 引継ぎの資料として前述のサポートブックが役立つ。また,可能であれば集団を変化させ た時期に,保育者を複数体制にするなどしてなるべく早期にクラスを安定した状態にする ことは,障害児にも健常児にもまた保育者にとっても大変有効である。 なお,園の方針で異年齢によるクラス編成を実施している園では,多様な発達の子ども たちが集団を形成しているために,障害児が適応しやすいように思われる。 (3)デイリープログラム 障害児にとって理解しやすいデイリープログラムを設定する。わかりやすさの基本は, 場所,人,内容等がほぼ毎日同じプログラムになっていることである。絵や写真を用いて, 視覚的にも理解できるように提示することも効果的である。障害児の中には,デイリープ ログラムの変更や経験のないこと,知らないことへの緊張が強い子どももいるため,早め に知らせたり,前もって何度か経験させる。園外保育など非日常的な物事には,家庭の協 力を得てあらかじめ経験しておくなどの方法を考える。子どもたちはこのような配慮の中 で,新規な事態にも抵抗感が少なくなり,何度か体験を繰り返す中で安心して動けるよう になる。 (4)基本的生活習慣 乳幼児期を通して身につける基本的生活習慣の自立は,障害児にとっても非常に重要で ある。基本的生活習慣の自立は子どもに自信をつけ,精神的,時間的にゆとりをもたらし, 遊びを充実させる。基本的生活習慣のうち,食事・排泄・休息(睡眠)の習慣の獲得を優 先しながら,衣服の着脱も含め,可能な限り自分のことは自分でやれるよう,段階的に指 導する。障害児の発達状況に応じて,健常乳幼児の指導方法を参考に指導方針を立てる。 例えば,知的障害児の中には幼児期であってもいろいろな食感や味に慣れさせたり,さま ざまな栄養素を摂取させることを優先させる必要性から,保育者が食べさせることが必要 な段階もある。また,障害児は排泄の自立が遅れることも多い。排尿間隔を記録するとこ ろから始め,排尿間隔,尿意を確かめながら,おむつをパンツに替えていく 。「おもらし 無しカード」など成果を目にみえる形で,本人や保護者に伝える方法も有効なことがある。 基本的生活習慣の自立を促進するためには家庭との連携がとても大切であり,連絡帳など を通じて,小さな発達的変化を捉えることの大切さや園で成功した方法を伝えるなど情報 交換を丁寧に行う。 (5)座席位置 障害児の座席位置は,注意が集中しやすく,担任の指示が出しやすいように,前列や保 育者の近くにする。窓際や廊下側の席は気が散りやすいで避けた方がよい。話すときには, 子どもにわかりやすく単純明快,簡潔な言い方を心がけたり,図に描いて視覚的に提示し たりする。これらは障害児だけでなく,健常児にとっても有効な方法である。静かに担任 の話を聞くとき,自分が話したいとき,順番を待つとき,物を借りるとき等集団での生活 をスムースに送るための行動の仕方を明確にしておく。保育者の指示内容がきちんと理解 - 64 -.
(10) できないために,集団生活に馴染めない障害児も多い。外で「待つ」ために床に小さなシー トを敷いたり,円を描いたりなどして待っている場所を指定するだけで,指示が理解でき, 待てることがある。障害児が行動しやすい工夫をしながら,できたら大いに誉めてあげた り,ごほうびシールを貼ってあげたり,好きなことをしてあげたりしてフィードバックす る。また,いくつかルールを守らせる場合には,本人が簡単に守れるものも必ず入れてお き,達成感が持てるようにする。 集団に合わせるのが苦手な障害児では,園生活の中で禁止事項や叱責することが多くな る傾向がある。禁止事項は最低限に減らし,完璧さを求めすぎず,状況によってかなり大 目にみることも配慮する。例えば,皆とすべての園活動に参加することを最終目標にしつ つも,状態によっては最後までやることを強制しないで,本人の自由な時間を認める。た だし,徐々に参加の時間を増やしたり,少しでも皆と共に行動できるように指導を継続す ることは必要である。 障害児の中にはユニークな発想をして,保育に直接関係のない発言をしたりする子ども もいる。関係の無い発言を否定するのではなく,保育者が保育の主導権を握りながら,子 どもたちの発想を上手に活かし,保育の活性化に役立てたいものである。楽しい保育は障 害児を集中させることができ,健常児にも魅力的である。保育のねらいや内容を明確にし, 子どもたちが主体的にかかわれる保育を目指したい。 (6)保育形態・方法 障害児への指導には,クラス集団の中での保育の充実も大切であるが,場合によっては 個別指導や少人数指導なども有効なことがある。形態としては,集団保育の中で個別的な 配慮をすることや,個別の取り出し保育,複数の障害児や健常児も交えた少人数グループ での指導を行うことが考えられる。取り出し保育は,幼い子どもたちであるので,10分, 15分といった短時間のほうが適切であり,長くても30分までとする。取り出しの個別指導 では,個々の課題を明らかにした上で,対象児の発達や興味に合わせて,パズルをやった り,ヒモ通しをやったり,絵を描いたり,絵本を読んだりさまざまな内容が考えられる。 個別指導の場所は,できれば保育室とは別の静かな場所が望ましいが,保育室の中でも衝 立をして個別の空間を作ったり,他の子どもが散歩に行っている間の保育室を利用したり, ちょっとした自由な時間帯に個別の課題を実施することは可能であろう。 筆者は,保育所で障害児の少人数グループを対象に40分程度のプレイを実践している。 保育者も担任を中心に複数参加しているが,担任はプレイの中でクラスとは違った障害児 の姿を発見することも多いようである。プレイは障害児の発達に応じた理解しやすい内容 のため,主体的に参加しやすく,毎回プレイを楽しみにしている子どもも多い。 複数担任による実践では,保育リーダーと障害児担当者間で綿密な打ち合わせが必要で ある。その時の保育リーダーが主導権を発揮しながら,子どもの状態に応じてどのような 支援が望ましいのかについて,皆で検討しておく。例えば,下記の様な点に留意したい。 ・最終的には障害児なりに主体的に保育に参加する状態を目指す。そのため,徐々に,個 - 65 -.
(11) 別的なかかわりを減らし,子どもに主導権を譲る。 ・時には担当児以外の支援をしたり,保育リーダーを交替して,障害児や健常児との関係 を客観的に振り返る場をもつ。 (7)保育者の実践力の向上 障害についての理解を深めるために,日々の実践を記録することと同時に,園全体で学 習会や実践研究,事例検討会などの研修を企画し,実施することが大切である。園全体で 子どもについて具体的な支援を考えるためには,その子どもについて知る必要がある。す べての保育者が短時間でも時間をやりくりして対象児のクラスを見学できるよう,一定期 間保育を公開したり,ビデオに記録したりして事例検討会の補助資料にする。 園内の支援体制だけでは十分でない場合には,地域資源の積極的活用を図る。例えば, 特別支援学校はセンター的機能をもっており,地域の幼稚園や保育所にも相談や巡回指導 等の支援をしてくれる。その他教育センターや児童相談所,保健所,医療機関等の専門機 関との連携が可能である。また,自治体によっては,障害児保育に対する巡回相談員の派 遣を行っているところもある。 (8)保護者との連携 前述したように,障害の発達支援のためには,園だけでなく障害児の保護者との綿密な 連携が不可欠である。個別の指導計画や教育支援計画の作成には,保護者の願いが反映さ れるように普段から保護者との関係づくりを心がけ,参画を促したい。 障害児の保護者は,その対応の難しさから子育てに悩んでいることも多いため,保護者 への支援は重要である。事情が緊急度を要する場合や担任だけでの解決が難しい場合には, 管理職を中心として園全体で取り組む。障害児の保護者が園で孤立しないよう,健常児の 保護者との関係づくりにも配慮したい。また,障害児の中には,仲間との関係づくりがう まくできず,健常児を傷つけたり,逆に傷つけられたりする子どもがいる。日頃から,園 だよりやクラスだよりなどを通して,クラスづくりや個々の子どもへの指導について園や クラス担任の姿勢を繰り返し示したり,日頃から保護者同士の自然な交流の機会を設ける ことを心がける。健常児と同様,クラスの一員として成長している障害児の姿を生き生き と伝えることによって,すべての子どもたちの健やかな成長を目指して実践している保育 者の真意は伝わる。クラスの他の保護者に障害について知ってもらった方がよいのか,そ の場合の説明はどのような方法が望ましいのかについては,必ず当該幼児の保護者に相談 し,保護者の意向を尊重したい。. 文献. 1) 平澤紀子・藤原義博・山根正夫(2005)保育所・園における「気になる・困っている 行動」を示す子どもに関する調査研究-障害群からみた該当児の実態と保育者の対応 および受けている支援から-.発達障害研究,26,4,256-267. - 66 -.
(12) 2) 磯貝順子(2004)コネティカット州における早期介入-駐在員家族への支援事例-. 日本特殊教育学会第42回大会発表論文集,P1-44. 3) 磯貝順子(2005)米国の邦人発達障害幼児への早期介入の状況-障害の気づきから査 定までのタイムラグ-.日本特殊教育学会第43回大会発表論文集,P2-67. 4) 磯貝順子(2006)ニューヨーク州における早期介入と個別指導.日本特殊教育学会第 44回大会発表論文集,486. 5) 伊藤英夫(1996)自閉症の早期診断.別冊発達19,ミネルヴァ書房. 6) 佐藤暁(2004)発達障害のある子の困り感に寄り添う支援.学研. 7) 高橋三郎・大野裕・染矢俊幸訳(2002)DSM-Ⅳ-TR. 精神疾患の分類と診断の手引,. 医学書院(American Psychiatric Association(2000). Quick Reference to the. Diagnostic Criteria from DSM-Ⅳ-TR,APA.) . 8) 鳥海順子(2004)ニューヨーク州における邦人発達障害幼児の家庭学習. 山梨大学 教育人間科学部紀要,253-259. 9) 鳥海順子(2004)軽度発達障害の子どもの二次障害の理解と,その対応.実践障害児 教育,6-8. 10) 鳥海順子(2006)米国ニューヨーク州周辺における邦人発達障害幼児の査定までのタ イムラグ.山梨大学教育人間科学部教育実践学研究,11,90-97. 11) 鳥海順子(2005)米国ニューヨーク州における邦人発達障害幼児への早期介入サービ ス.教育実践学研究(山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要), 10,87-94. 12) 山梨県教育委員会・山梨県増穂町教育委員会(2005)平成15・16年度幼稚園における 障害のある幼児の受け入れや指導に関する調査研究報告.文部科学省指定園調査研究 報告書.. 表1. 自閉性障害,アスペルガー障害,PDDNOSの診断基準(DSM-Ⅳ-TR, 高橋他2002)(抄). 自閉性障害(Autistic Disorder) A.(1),(2),(3)から合計6つ(またはそれ以上),うち少なくとも(1)から2つ,(2)か(3)から1項目ずつを含む。 (1)社会的相互反応における質的な障害で,以下の少なくとも2項目によって明らかになる: (a)まなざしを合わせたり,顔の表情,身体の姿勢や身振りなど,対人的相互反応を調節するような,多彩な 非言語的行動の使用の著しい減弱。 (b)発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗 (c)楽しみ,興味,成し遂げたものを他人と共有すること,(例えば,他の人たちに興味のあるものを見せる, もって来る,指さす)を自分から求めることの欠如。 (d)対人的または情緒的相互性の欠如。 (2)以下の少なくとも1項目によって示されるコミュニケーションの質的な障害: (a)話し言葉の発達の遅れまたは完全な欠如(身振りや物まねのような替わりの伝達の仕方で補うという努力 を伴わない)。. - 67 -.
(13) (b)十分会話のある者では,他人と会話を始めたり続けたりする能力の著明な減弱。 (c)常同的で反復的な言語の使用または独特な言語。 (d)発達水準に相応した,変化に富んだ自発的ごっこ遊びや社会性をもった物まね遊びの欠如。 (3)行動,興味および活動が限局され,反復的で常同的な様式で,以下の少なくとも1項目あることで明らかになる: (a)強度の点で,もしくはその対象が異常的なほど常同的で限定されたパターンでもって,一つまたはいくつ かの興味だけに熱中すること。 (b)特定の,機能的でない手順や儀式にかたくなにこだわってみえる。 (c)常同的で反復的な癖のような運動(例えば,手や指をぱたぱたさせたり,ねじまげたり,もっと複雑な全 身の動き)。 (d)物体の一部に持続的に熱中する。 B.3歳以前に始まる。以下の領域の少なくとも一つにおける機能の遅れ,または異常: (1)対人的相互作用. (2)対人的意思伝達に用いられる言語. (3)象徴的または想像的遊び. C.この障害はレット障害または小児期崩壊性精神病のためとはいえない。 アスペルガー障害( Asperger's Disorder) A.以下のうち少なくとも2つにより示される対人相互作用の質的な障害: (1)目と目で見つめ合う,顔の表情,体の姿勢,身振りなど,対人的相互反応を調節する多彩な非言語的行動の使 用の顕著な障害。 (2)発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗。 (3)楽しみ,興味,成し遂げたものを他人と共有すること(例:興味のあるものを見せる,もって来る,指さす)を 自発的に求めることの欠如。 (4)対人的または情緒的相互性の欠如。 B.行動,興味,および活動の限定された反復的で常同的な様式で,以下の少なくとも1つによって明らかになる: (1)強度の点で,もしくはその対象が異常的なほど,常同的で限定されたパターンでもって一つまたはいくつかの 興味だけに熱中すること。 (2)特定の機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである。 (3)常同的で反復的な癖のような運動(例えば,手や指をぱたぱたさせたり,ねじまげたり,もっと複雑な全身の 動き)。 (4)物体の一部に持続的に熱中する。 C.その障害は社会的,職業的または他の重要な領域における機能の臨床的に著しい障害を引き起こしている。 D.臨床的に著しい言語の遅れがない(例えば,2歳までに単語を用い,3歳までに意思伝達的な句を用いる)。 E.認知の発達,年齢に相応した自己管理能力 ,(対人関係以外の)適応行動,および小児期における環境への好奇 心などについて臨床的に明らかな遅れがない。 F.他の特定の広汎性発達障害または精神分裂病の基準を満たさない。 特定不能の広汎性発達障害. (PDDNOS. Pervasive Developmental Disorder Not Otherwise Specified (including Atypical Autism)). このカテゴリーは,相互的人間関係または言語的,非言語的意思伝達能力の発達に重症で広範な障害のある場合, または常同的な行動,興味,活動が存在しているが,特定の広汎性発達障害,精神分裂病,分裂病型人格障害,ま たは解離性人格障害の基準を満たさない場合に用いるべきである。たとえば,このカテゴリーには“非定型自閉症” -発症年齢が遅いこと,非定型の症状,または閾値に達しない症状,またはこのすべてがあるために自閉性障害の 基準を満たさないような病像が入れられる。. - 68 -.
(14) 表2. 注意欠陥/多動性障害(ADHD)の診断基準(DSM-Ⅳ-TR, 高橋他2002)(抄). 注意欠陥/多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder) A.(1)か(2)のどちらか: (1) 以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6か月以上続いたことがあり,その程度は不 適応的で,発達の水準に相応しないもの: 不注意 (a) 学業,仕事,またはその他の活動において,しばしば綿密に注意することができない。または不注意な 誤りをおかす。 (b) 課題または遊びの活動で注意を持続することがしばしば困難である。 (c) 直接に話しかけられた時に,しばしば聞いていないように見える。 (d) しばしば指示に従えず,学業,または職場での義務をやり遂げることができない(反抗的な行動,また は指示を理解できないためではなく)。 (e) 課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。 (f) (学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事することをしばしば避ける,嫌う,また はいやいや行う。 (g) (たとえばおもちゃ,学校の宿題,鉛筆,本,道具など)課題や活動に必要なものをしばしばなくす。 (h) しばしば外からの刺激によって容易に注意をそらされる。 (i) しばしば毎日の活動を忘れてしまう。 多動性 (a) しばしば手足をそわそわと動かし,またはいすの上でもじもじする。 (b) しばしば教室や,その他,座っていることを要求される状況で席を離れる。 (c) しばしば不適切な状況で,余計に走り回ったり高い所へ上がったりする(青年または成人では落ち着か ない感じの自覚のみに限られるかもしれない)。 (d) しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。 (e) しばしば「じっとしていない」またはまるで「エンジンで動かされるように」行動する。 (f) しばしばしゃべりすぎる。 衝動性 (a) しばしば質問が終わる前にだしぬけに答えてしまう。 (b) しばしば順番を待つことが困難である。 (c) しばしば他人を妨害し,邪魔する(たとえば,会話やゲームに干渉する)。 B.多動性-衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳未満に存在し,障害を引き起こしている。 C.これらの症状による障害が2つ以上の状況において(学校(または仕事)と家庭で)存在する。 D.社会的,学業的または職業的機能において,臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなけれ ばならない。 E.その症状は広汎性発達障害,統合失調症,またはその他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく, 他の精神疾患(たとえば,気分障害,不安障害,解離性障害,または人格障害)ではうまく説明されない。 混合型:過去6ヶ月間,A1とA2の基準をともに満たしている場合。 不注意優勢型:過去6ヶ月間,基準A1を満たすが,基準A2を満たさない場合。 多動性-衝動性優勢型:過去6ヶ月間,基準A2を満たすが,基準A1を満たさない場合。. - 69 -.
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