薬物相互作用の考え方 ~添付文書や様々な情報の活用について~
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(2) 第 28 回日本医療薬学会年会. 272. 23-8-S19-2 医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドラインについて 石黒 昭博. 1. 1:独立行政法人医薬品医療機器総合機構新薬審査第三部. 医療現場においては、治療目的を果たすため、多くの場合、複数の医薬品が併用される。医薬品の併用によって、薬効の増強や減弱、副 作用の発現や増悪といった薬物相互作用が生じることがあり、薬物相互作用に関する情報は、医薬品の適正使用のために必要不可欠で ある。医療現場において併用される医薬品の組み合わせは、患者の状態等に応じて多岐にわたることから、臨床上問題となる薬物相互 作用が生じる可能性について、医薬品開発の段階から検討することが重要である。本邦では、2001 年に「薬物相互作用の検討方法につ いて」[1](以下、 「旧指針」 )が発出され、医薬品開発における薬物相互作用の検討について基本的な考え方が示されたが、旧指針の発出 以降の関連する学問及び技術等の進展を反映する必要性が高まっていること等から、産官学のメンバーから成る研究班[2]において、旧 指針の内容に見直しが必要と考えられる点について改定作業が行われてきた。本発表では、旧指針に代わる新たな指針となる「医薬品. [1] _薬物相互作用の検討方法について:厚生労働省医薬局審査管理課長、医薬審発第 813 号(平成 13 年 6 月 4 日) [2] _国立研究開発法人日本医療研究開発機構 医薬品等規制調和・評価研究事業「医薬品等の薬物相互作用の評価と、医薬品開発への 応用、臨床使用に際しての情報提供に関する研究」. シンポジウム. 開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」に関して、研究班における検討内容、旧指針からの変更点等を紹介したい。. 2003 年 3 月 東京大学大学院薬学系研究科修了 2004 年 8 月 医薬品医療機器総合機構 安全部 2010 年 7 月 厚生労働省医薬食品局 安全対策課 2011 年 7 月 医薬品医療機器総合機構 新薬審査第五部 2016 年 7 月 医薬品医療機器総合機構 新薬審査第三部. ▲ TOP.
(3) 第 28 回日本医療薬学会年会. 273. 23-8-S19-3 PISCS を活用した医療現場における薬物相互作用のリスク評価 大野 能之. 1. 1:東京大学医学部附属病院薬剤部. 薬物相互作用のリスク評価は適切な薬物療法のために不可欠であるが、医療現場におけるその実践は容易ではない。定性的な観点か らは潜在的に相互作用を起こし得る組み合わせは膨大となるが、そのなかから臨床的に重要な相互作用を引き起こす組み合わせを記憶 して、全ての注意喚起を図ることは現実的には不可能である。さらに、医療現場においては添付文書の記載が重要視されるが、添付文 書では適切に注意喚起できていない相互作用も少なくない。このような現状のなかで、個々の患者に対して様々な薬剤が併用されるた め、例え報告がない、あるいは添付文書に記載されていない組み合わせでも、速やかに適切にリスク評価を行うことが求められる。 そこで我々は、CYP を介する薬物相互作用について、簡便でありながら多くの薬剤の組み合わせについて血中濃度の変化を予測する 方法を開発した。これは、各 CYP 分子種の典型的な阻害薬あるいは誘導薬と基質薬を併用した一部の臨床試験のクリアランス変化か 増加(IC)を算出することによって、多数の薬物相互作用による基質薬の AUC 変化を網羅的に予測するものである 1,2) 。さらに、この 予測方法を基に、薬物相互作用の強さの予測を臨床的なリスク評価の設定に応用するための実用的な枠組み (PISCS: Pharmacokinetic. Drug Interaction Significance Classification System) を構築した. 3). 。このような CR や IR などの強度で分類した薬物相互作用の. 強さの枠組みを利用することにより、理論的かつ網羅的に薬物相互作用のリスク評価ができる可能性が示された。. シンポジウム. ら、各 CYP 分子種の基質薬のクリアランスへの寄与率(CR)、阻害薬による阻害率(IR)あるいは誘導薬によるクリアランス活性の. 一方で、医療現場における薬物相互作用のマネジメントにおいては、相互作用のリスク評価に加えて、患者の医療ニーズを考えて、 どちらの薬剤を優先すべきか、減量するべきか、代替薬に変更するべきか、などを総合的に検討して、適切な対処をする必要がある。 本シンポジウムにおいては、これらの考え方や我々の施設における取り組みを紹介したい。. 1. Ohno et al., Clin Pharmacokinet 46: 681-96 (2007) 2. Ohno et al., Clin Pharmacokinet 47: 669-80 (2008) 3. Hisaka et al., Clin Pharmacokinet 48: 653-66 (2009). 1997年 東京薬科大学薬学部 卒業 1997年 東京大学医学部附属病院薬剤部 研修生 入部 1998年 帝京大学医学部付属市原病院薬剤部 2000年 東京大学医学部附属病院薬剤部 2005年 東京大学医学部附属病院薬剤部 薬品情報主任 2009年 東京大学医学部附属病院薬剤部 助教 2009年7月 博士(薬学)取得(東京大学) 2015年1月 東京大学医学部附属病院薬剤部 助教・副薬剤部長. ▲ TOP.
(4) 第 28 回日本医療薬学会年会. 274. 23-8-S19-4 病院薬剤師の立場からの薬物相互作用の考え方 増田 純一. 1. 1:国立国際医療研究センター病院薬剤部. 臨床の現場において薬物相互作用(DDI)の確認が必要になることは多々ある。例えば、入院患者への病院薬剤師の最初のアプローチ となる持参薬鑑別の場面が挙げられる。持参薬鑑別については、他院での服用薬も含め鑑別することで、重複投与、DDI を事前に回避 することができる。また、新たな薬物療法を開始する際にも、すでに服用している薬剤との DDI を確認する必要がある。さらに近年、 高齢化を迎えている日本では、高血圧症、糖尿病、脂質異常症等様々な慢性疾患の治療薬を服用しているケースがあり、ポリファーマ シーの問題から DDI の確認とその重要性はさらに増していくことが予想される。 このような背景等により、多職種から薬剤師に DDI に関する問い合わせは多く、チーム医療において薬剤師による DDI の確認は重要 な役割を担っている。また、病院内だけでなく、お薬手帳を活用するなど保険薬局薬剤師との連携も重要となる。. チェックシステムは薬剤を使用する上で非常に有用である。しかし、これらのシステムは添付文書情報に基づくものが一般的であり、 全ての薬剤の DDI が記載されている訳ではない。そのため、添付文書に記載の無い DDI が実際の医療で問題になることがある。DDI は薬物代謝酵素による阻害・誘導のみならず、薬物動態の ADME(吸収・分布・代謝・排泄)の過程で常に存在する。添付文書以外の. DDI の情報には、臨床での薬物血中濃度報告や vitro での代謝酵素の関与等があり、これらの情報を駆使して DDI を予測する。代謝. シンポジウム. 現在、多くの病院施設ではオーダリングシステムが導入され、DDI データベースによるチェックシステムが稼働している。これらの. 酵素等による DDI の予測では、薬剤の至適用量の設定までは難しいが、血中濃度や AUC の増大からリスク上昇の可能性、または減少 による効果減弱の可能性を予測し、リスクとベネフィットを考慮して総合的に DDI を判断することが可能である。 本シンポジウムでは、DDI 検索に役立つ情報や当院における DDI への取り組みを紹介するとともに、実際の症例を通じて DDI の考え 方とその対応について考察したい。. 1996 年 新潟薬科大学卒業 1998 年 千葉大学大学院修了 1998 年 国立千葉病院薬剤科 2001 年 国立長野病院薬剤科 2006 年 国立国際医療研究センター病院薬剤部 2013 年 国立国際医療研究センター病院薬剤部 主任薬剤師 2017 年 国立国際医療研究センター病院薬剤部 医薬品情報管理室長. ▲ TOP.
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