―10―
4
オオムギリビングマルチの畝間への播種様式の違いが雑草発生とサツマイモ収量に及ぼす影響 浅木 直美・中島 悠冶*・盧 文藝・安達 俊輔・西脇 淳子・岡山 毅・小松崎 将一
(茨城大学農学部)
Effects of Different Sowing Methods of Barley used as Living Mulch on Weed Emergence and Yield of Sweet Potato
Naomi Asagi, Yuya Nakajima*, Wenyi Lu, Shunsuke Adachi, Junko Nishiwaki, Tsuyoshi Okayama, Masakazu Komatsuzaki
(College of Agriculture, Ibaraki University)
サツマイモ (Ipomoea batatas L.) 栽培において畝間にリビングマルチとしてオオムギを散播する ことにより雑草の発生が抑えられ,畝間除草を実施した場合と同等の収量を得られることが報告 されている(萩山ら2018).本研究では,畝間雑草の発生抑制効果の向上を目指して,リビングマ ルチとして利用するオオムギの畝間への播種様式(条播・散播)の違いが雑草の発生とサツマイモ の収量に及ぼす影響を検討した. 【材料及び方法】試験はサツマイモ「紅はるか」,オオムギ「てまいらず」を用い,茨城大学農学 部附属国際フィールド農学センター内圃場(黒ボク土)において実施した.2020 年 5 月 13 日にぼ かし肥(100 gm-2)を施用し,ロータリーで耕耘後,同年 5 月 18 日に畝立てし黒色ポリマルチを 敷設した.サツマイモ苗を 5 月 21 日に定植した(畝幅 45 cm,畝間 50 cm,株間 30 cm).処理区 としてオオムギを播種せず手取り除草を行う除草区,オオムギの播種も除草も行わない雑草区,オ オムギを条播し除草を行わないリビングマルチ条播区(以下,LM 条播区)およびリビングマルチ 散播区(以下,LM 散播区)を設けた(各処理区 3 反復,1 反復区の面積 30 m2(=10 m×3 m),第 1 表).両 LM 区にはサツマイモ定植直前の畝間にオオムギを播種した(播種量 5 gm-2,第 1 図). その後,雑草区とLM区は除草を行わなかった.畝間に発生した雑草の草高と地上部乾物重および サツマイモの地上・地下部乾物重を栽培期間中に数回調査した.またドローン(Phantom 4)を用 いて上空 10mから圃場全体を 6 月 3 日(定植後 13 日目)に撮影し,オオムギの被覆率を画像解析 ソフト(Image J,ver1.53e)を用いて算出した.10 月 19 日(移植後 151 日)にサツマイモを収穫 した. 【結果および考察】サツマイモ定植後 13 日目のオオムギの被覆率は LM 条播区で散播区に比べて 高い傾向であった(第 1,2 図).定植後 70 日目から両 LM 区で畝間雑草の草高が雑草区に比べて 低く推移し,特に,定植後 70 日目から 120 日目にかけて LM 散播区に比べて LM 条播区で低い傾向 がみられた(第 3 図).同様に畝間雑草の乾物重も定植後 117 日目に両 LM 区で雑草区より低く, LM 散播区に比べて LM 条播区で低い傾向であり,さらに畝間のタデ科雑草の発生数が LM 条播区で, 散播種区と雑草区に比べて少なかった (データ省略).サツマイモの収量は,除草区で最も高く, LM 区で雑草区より増加する傾向がみられた(第 4 図).LM 区間では M サイズ以上の収量が LM 散播 区に比べて LM 条播区で増加する傾向が認められた.畝間雑草地上部乾物重とサツマイモの M サイ ズ以上の個数および収量との間に有意な負の相関関係が認められた(第 5 図). 以上の結果より,畝間雑草の発生はサツマイモの収量を減少させるが,オオムギリビングマルチ により抑制でき,特にオオムギの条播は散播に比べて雑草抑制効果が高い可能性が示唆された.
―10― ―11―
4
r= -0.742*