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Academic year: 2021

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ComplexA2 : 2014/11/12(16:50) (3/160)

まえがき

本書は,理工系学生向けに書かれた複素関数の解析入門書です.筆者が長年 にわたり工学部で行ってきた複素関数論の講義を基にして整理加筆したもので あり,理工系学部の2年生あたりを対象にした半期の教科書あるいは入門参考 書として編集されています. 微積分学は変数と関数値を実数とする関数を対象としていますが,本書は変 数と関数値を複素数とする複素関数の微積分入門です.平成15年度より高等学 校のカリキュラムから複素平面に関する内容が削除されたので,それにも配慮 して複素数の初歩から説き起こしています.半期の教科書用に内容を複素数の 導入から始まって複素関数の微分,積分,級数展開,留数,留数を使った定積 分の計算までに限っています.さらに,本書では議論を易しくするため,正則 関数を1回連続微分可能な関数として定義してあります.これによりコーシー の積分定理の証明が易しくなっています. 複素関数論においては正則関数を定義することにより,実関数の微積分とは かなり違った様相を呈します.実関数とは違って,正則な複素関数は何回でも 微分可能になり,微分や積分を何回でも行うことができるという不思議な性質 をもちます.そして,微分におけるコーシー・リーマンの関係式や積分における コーシーの積分定理など実関数の場合には見られない興味深い結果が得られま す.また実関数の世界を複素関数の世界に拡げることによって本質がよりはっ きりしてきます.例えば,複素関数としての指数関数を導入することにより指 数関数と三角関数が結びつけられ,三角関数の加法定理は指数法則に他ならな

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ComplexA2 : 2014/11/12(16:50) (4/160) ii ま え が き いことが判明し,微分や積分の計算も単純化されます.このように複素関数論 は理論自体が透明で理学・工学の世界に広い応用をもっていますが,本書は基 本的な内容に限っているので,応用については触れていません. 本書では,複素関数を理解しやすくするため,多くの説明図を付け,定理や 公式の後に例や例題をできるだけ数多く収録しています.定理や公式の理解を 助けるため,必要に応じて注意書きによって説明を加えています.例題には詳 しい解答が付してあり,例題の後に問も付けてあるので,例題を読んで問を解 いていけば,自然に定理の内容も理解でき自学自習できるようになっています. 各章末には理解を深めるため演習問題があります.巻末には問と演習問題の略 解を付けてあります. 本書を作成するにあたって,有益なコメントをいただいた多くの方々,特に 大阪府立大学の城崎学氏には感謝の意を表します.    2007年8月 著  者 

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版まえがき 平成26年4月より高等学校の数学のカリキュラムに複素数平面が復活した ので,それに配慮して第1章を少し簡略化しました.ただし,高等学校の複素 数平面の復習も兼ねて,必要事項はすべて書いてあります. 読者の方々や講義でこのテキストを使ってくださっている先生方の御意見を 取り入れ,第2章以降の内容や問や演習問題を吟味し直しました.その際,で きるだけ見開きの頁に内容が収まるようにレイアウトも工夫しました. 5章の5.3.1項に偏角の原理を,5.3.2項にルーシェの定理を新たに追加しま した.5.3.1項には,わかりやすい具体的な例題を多く採用し,コンピュータに よる像曲線も数多く掲載したので,偏角の原理の意味するところが直感的にも 理解してもらえるものと期待しています.    2014年11月 著  者 

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