国 語 科 学 習 指 導 計 画
広島県立呉商業高等学校 池田 真美 1.学 年 ・ 科 目 第2学年・「現代文」 2.単 元 名 表現の要素に注意し,優れた描写や叙述を味わう 3.教 材 「短歌と俳句」 (『改訂版 高等学校 標準現代文』第一学習社) 4. 単元について (1)単元観 短歌と俳句は,五音と七音からなる定型の短詩型文学である。その短さゆえ,表現は厳密に選び抜かれ た言葉によってされている。 作品の情報量は非常に限られており,生徒は解釈や鑑賞に苦手意識を持っている。しかし,その解釈, 鑑賞はその三十一文字,あるいは十七文字によるしかない。用語の選び方や言い回しなどの表現の要素に 注意して,その描写や叙述の優れている点について考えるには,適した教材であると言える。 (2)生徒観 本学年には真面目な生徒が多く,学習に真摯に取り組む雰囲気がある。しかし,解説された事項を覚え て知識を増やすことに重点を置いた受け身の学習になりがちな点が課題である。 文学的な文章に関しては,文章に表現された人物,情景,心情などを的確に把握する力,文章全体をと らえる力を付けるための学習をしてきている。 短歌と俳句については,1年次に「国語総合」において近・現代の短歌,俳句の学習をした。その際の 教材は,有名な歌人,俳人のよく知られた短歌,俳句であった。それぞれの短歌,俳句の解釈と鑑賞に加 え,歌人,俳人についての文学史的な知識,句切れや切れ字などの短歌,俳句特有の表現についての知識 などを学習した。また,『伊勢物語』や『奥の細道』などの古典の学習を通して,その歴史についても学 習してきている。しかしながら,これまでの学習においては,短歌や俳句を主体的に読み味わう段階には 至っていない。 (3)指導観 生徒は,韻文のリズムを楽しんで音読したり創作したりすることには興味,関心を持って取り組むもの の,短歌や俳句の解釈は難解であるという意識を持っている。そのことを踏まえ,本単元においては,「表 現の要素に注意し,優れた描写や叙述を味わう力」を付けるための指導を考えた。 まず「猫」を題材とした短歌四首,俳句四句を読み,歌意,句意を理解した上で表現の要素に注意し, 描写,叙述の優れている点について考える。その後,描写,叙述の優れている点を参考にして短歌,俳句 の創作を行う。最後に,「飲む・食う」を題材とした短歌四首,俳句四句を読み,優れた描写,叙述を味 わう力が付いたかを確認する。 学習活動においては,グループでの話し合いと短歌,俳句の創作を取り入れた。グループでの話し合い により,表現に関しての気付きを多く挙げさせ,他の人の読みを参考にさせたい。また,短歌,俳句の描 写や叙述の優れている点を参考にして創作することにより,歌人や俳人の表現の効果について読み味わう 力を高めることが期待できると考える。 5.単元の目標 ○ 短歌と俳句に関心を持ち,主体的に読み味わおうとする態度を身に付ける。(関心・意欲・態度) ○ 表現の要素に注意し,優れた描写や叙述を味わう力を付ける。(読む能力) ○ 短歌,俳句の表現の特色について理解する。(知識・理解)6.単元の評価規準 関心・意欲・態度 読む能力 知識・理解 グループでの話し合いや創作に 積極的に取り組み,短歌や俳句 を主体的に読み味わおうとして いる。 用語の選び方や言い回しなどの 表現の要素に注意し,散文で書 いた歌意や句意と比較して,韻 文の描写や叙述の優れている点 を指摘している。 句切れ,切れ字,取り合わせ, 季語などの表現の特色につい て理解している。 7.指導と評価の計画(全6時間) 時 テーマ 学習活動 評価規準 評価方法 1 ・「猫」を題材とし た短歌四首を読 む。 ・1年次の学習内容を振り返り,短歌,俳句の基 礎的な知識について確認する。 ・四首を音読する。 ・一首を取り上げ,歌意を教師が示す。表現の要 素に注意し,散文と比較して韻文の描写,叙述 の優れている点を考え,まとめる。 ・他の三首についても歌意を教師が示す。表現の 要素に注意し,散文と比較して韻文の描写,叙 述の優れている点を各自で考えて,ノートに書 き込む。 2 ・「猫」を題材とし た 俳 句 四句を 読 む。 ・四句を音読する。 ・一句を取り上げ,句意を教師が示す。表現の要 素に注意し,散文と比較して韻文の描写,叙述 の優れている点を考え,まとめる。 ・他の三句についても句意を教師が示す。表現の 要素に注意し,散文と比較して韻文の描写,叙 述の優れている点を各自で考えて,ノートに書 き込む。 3 ・「猫」を題材とし た短歌,俳句の表 現の良さについ て話し合う。 ・クラスを12のグループ(3~4人)に分け, 第1・2時の短歌三首,俳句三句を割り振る。 (同じ短歌,俳句を2グループが扱う。) ・各自のノートの記述を基に,韻文の描写,叙述 の優れている点についてグループで話し合い, 発表する。 ・発表の内容を踏まえて,それぞれの短歌,俳句 の描写,叙述の優れていると考える点について, 各自でノートにまとめる。 「読む能力」 ノートの記 述の確認 4 ・短歌,俳句を創作 する。 ・各自で短歌,俳句の創作をする。 その際,第3時にまとめた短歌,俳句の描写, 叙述の優れていると考える点を参考にして,自 分の作品に取り入れる。 5 ・短歌,俳句の表現 の良さについて まとめる。 ・第1・2時のノートの記述を基に,第3時のま とめと第4時の創作によって,韻文の描写や叙 述の優れていると考える点がどのように変わっ たのかを各自でノートにまとめる。 「読む能力」 ノートの記 述の確認 6 ・「飲む・食う」を 題材とした短歌, 俳句の表現の良 さについて考察 する。 ・短歌四首,俳句四句の歌意,句意を教師が示す。 表現の要素に注意して,韻文の描写,叙述の優 れている点を各自で考えて,プリントに書き込 む。 「読む能力」 プリントの 記述の確認 ※ 「関心・意欲・態度」については,行動の観察によって単元全体を通して評価する。 ※ 「知識・理解」については,定期考査において評価する。