数 学 科 学 習 指 導 案
授業者 広島県立東城高等学校 教 諭 西 谷 崇 1 日 時 平成 25 年 11 月5日(火)6限(14:30~15:20) 2 指導学級 1年1組(標準クラス 11 名) 1年1組教室 3 科目・単元 「数学Ⅰ」・第4章 データの分析 4 単元について ○ 教材観 データの分析は,身近なデータや実験結果をもとに考察ができるため,具体的なイメージをもっ て学習に取り組みやすい単元である。また,他の単元と比べて複雑な計算が少なく,表計算ソフト を利用することで,統計処理を瞬時に行うことができる。しかしながら,データを分析する方法を 適切に選ぶことができなければ,データの傾向を正しく把握することはできない。 中学校では,ヒストグラムや代表値などにより資料の傾向を捉えることや,資料を整理して活用 すること及び標本調査などを扱っている。 本単元では,四分位数や標準偏差,相関係数等の統計用語の意味について正しく理解させる。ま た,データを分析するためには,これらの知識が不可欠であることを感じさせるとともに,データ の分析に活用させることが重要である。 ○ 生徒観 1学年 26 名を標準クラス(11 名),基礎クラス(15 名)に分けたうちの標準クラスである。資 料の活用の学習についての意識調査をするために,図形の学習と比較して,事前アンケートを行っ た。それぞれの質問項目に対して「1.思わない,2.あまり思わない,3.少し思う,4.思う」 の4段階で評価させた結果は次のとおりである。 質問項目 回答の平均値 Q1.中学生のとき図形の学習を意欲的に行った。 2.5 Q2.図形の学習をすることは実生活に役立つと思う。 2.0 Q3.中学生のとき資料の活用の学習を意欲的に行った。 1.8 Q4.資料の活用の学習することは実生活に役立つと思う。 2.4 アンケート結果の数値が全体的に低いことから,数学の学習についての意欲や有用性に対する実 感が十分でないことがわかる。また,図形の学習と資料の活用の学習を比較したとき,資料の活用 の方が実生活に役立つと考えているにもかかわらず,学習に消極的だったことがわかる。 ○ 指導観 インターネット等の普及により,多量の情報が容易に入手できる現代社会において,情報を適切 に活用する能力は不可欠である。しかしながら,資料の活用の学習に意欲的に取り組む生徒が少なかったという課題がある。そのため,単元を通して統計の基本的な考えを理解させるとともに,そ れを用いてデータを整理・分析し傾向を把握できるようにさせたい。特に,本時は簡単な実験を行 い,その実験結果を多面的に捉えることによりデータの傾向が真に把握できることを体験させたい。 また,本時に得たデータを今後の学習にも継続して使用することで,今後の学習を意欲的に進めさ せたいと考えている。 5 単元の目標 統計の基本的な考えを理解するとともに,それを用いてデータを整理・分析し傾向を把握できる。 6 単元の評価規準 ①関心・意欲・態度 ②数学的な見方や考え方 ③数学的な技能 ④知識・理解 ア データの散らばり 及びデータの相関に 関心をもち,データの 傾向を把握し,それら を事象の考察に活用 しようとしている。 ア データの散らばり 及びデータの相関を 捉え,その傾向を的確 に表現することがで きる。 イ 散布図及び相関係 数などを用いてデー タの傾向を捉え,それ らを的確に表現する ことができる。 ア 四分位数,四分位偏 差,分散及び標準偏差 などを求めることが できる。 イ 散布図を描いたり 相関係数を求めたり することができる。 ウ 表計算ソフトを用 いて,分散,標準偏差 および相関係数を求 めることができる。 ア 代表値,四分位数, 四分位偏差,分散及び 標準偏差などの意味 を理解している。 イ 散布図及び相関係 数などの意味を理解 している。 7 指導と評価の計画(全9時間) 次 学習内容 評価 関 見 技 知 評価規準 評価方法 1 データの整理(2時間) 【本時は1時間目】 ◎ ○ ①-ア ②-ア ワ ー ク シ ー ト ノート 2 データの代表値(1時間) ◎ ○ ②-ア ④-ア 活動の観察 ノート 3 データの散らばりと四分位数(2時間) ○ ◎ ③-ア ④-ア 活動の観察 ノート 4 分散と標準偏差(1時間) ○ ◎ ③-ア ④-ア 活動の観察 ノート 5 データの相関(2時間) ◎ ○ ○ ②-イ ③-イ 活動の観察 ノート
6 表計算ソフトによるデータの分析(1時間) ◎ ③-ウ 活動の観察 8 本時の展開 (1)目標 10 センチ切り実験のデータを分析することを通して,データの散らばりを捉えることの有用 性を考察することができる。 (2)評価規準 10 センチ切り実験に熱心に取り組んでいる。(関心・意欲・態度) 多面的に分析することで,データの散らばりを捉えることの有用性を考察することが できる。(数学的な見方や考え方) (3)準備物 教科書「新編 数学Ⅰ」(数研出版),ワークシート,リボン(人数分),封筒(人数分) (4)学習の展開 学習活動 指導上の留意点◇ 「努力を要する」状況と判断した 生徒への指導の手立て◆ 評価規準(評価方法) 導入 (3分) ○本時の目標を提示する。 展開1 (25 分) ○10 センチ切り実験をする。 ○実験結果を板書する。 ◇実験を速やかに進めさせるため,作 業手順を実演した後,実験をさせる。 ◇早く終わった生徒には平均を求め させ,平均が近い者のうち,散らばり が大きい生徒と小さい生徒に板書さ せる。 ・実験に熱心に取り組 んでいる。【関】(ワー クシート) 10 センチ切り実験 ① 10 センチのリボンを見て,長さを覚えさせる(他の物と比較して覚えさせない)。 ② リボン(今回は 10 メートルを使用)を 10 センチ間隔で切る。 ③ 階級の幅を1センチ(階級値を整数とする)として,ヒストグラムにまとめる。 10 センチ切り実験をし,そのデータを分析する。
展開2 (15 分) ○実験結果を分析する。 ・比較してわかったことをノ ートに記入し,発表する。 ○分析を深める。 ・板書された実験結果と各自 の実験結果を比較する。 ◇平均値だけでなく散らばりに着目 している生徒に発表させる。 ◆板書された実験結果と自分の実験 結果の散らばり具合に着目させる。 まとめ (7分) ○学習内容を振り返る。 ・本時のまとめをノートに記 入する。 ◇複数の視点で分析することがなぜ 大切なのかを表現させる。 ・多面的に分析するこ とで,データの散らば り を 捉 え る こ と の 有 用 性 を 考 察 す る こ と ができる。【見】(ノー ト) 2つの実験結果を,同じ点と違う点に着目して比較する。 【生徒のまとめを見とるための判断基準】 A:十分満足できる B:おおむね満足できる 【C:指導の手立て】 判 定 基 準 の 設 定 A ・平均値という一つの指標だけでは,データの傾向を十分に把握で きないことがあるが,散らばりの度合いという新たな指標を発見し, 複数の視点から分析できたことで,データの傾向をより詳しく捉え ることができた。 B ・散らばりの度合いという新たな指標を発見したことで,データの 傾向をより詳しく捉えることができた。 C ・実験結果によって,散らばりの度合いが異なる場合があることを 再確認させる。