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直 観 確 率 論 の 基 礎
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ヶインズ確率論のクーブマンによる歎學的基礎付けー
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武隈良一の
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寒 一二三四 序ケインズ確率論の概要︑記號論理学及び現代代敬学による準備,
クーブマンの理論.
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定義
公理
定理
確率論の基礎 ︑
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63
序
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ユ パスカルとフェルマーに始まリラプラスによつて集大成された古典的確率論は十九世紀に入るとともに︑
直魏確‑率論の基礎, ●.その鍵岬
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商學討究第三巻第二貌︑
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を佛蘭酉から露四亜へと譲つた︒そこに於ては最早昔Hの初等組合せ論は行われす代つて近代解析学が縦横に騙使さユねれたのである︒立役者はチ差ビシェフ︑マルコッフ︑リヤプノフの三八であ顎︑彼等にょつて現代確率論への素漣が
バ ね準備されたとい'うととが出來る︒
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二十世紀に入つてからは舞毫は著しく援溶され今日では世界の多くの國々に於で確率論が研究され︑その成果は最早昔日のものとは全ぐその悌を異にしている︒研究者の中から著名な人を學げるだけでも容易ではないが︑理論とし
て一先す次の三つのものは之を︑學げるに躊躇しない︒
噌︑ミーゼスの頻度訟闇︑・
し二︑ケインズの直館隅確占學論‑
三︑コルモゴロフの測度論的確率論."︑
これらの理論は敦れも優れたものであり現代に於ける代表的なものである︒'殊に一九三三年に樹立されたコルモゴ
ハるリロフの理論はその最たるものであり今日確率論はこの線に澹うて推進められている︒ρ
これらのうち一と三は値を取扱う確率論であるが︑二はそれとは異なる︒というのは一及び三は﹁事象の確率﹂を
問題としており確卒は数値として規定されているが︑二は﹁命題の確實さ﹂を取扱い確峯は必すしも藪値として表わ
されておらない︒・.ノ從て此等を同列に並べることは安當ではない︒然し元來不確定な事象とそれに關する豫想を省察するとき︑必ナし
も数量化されな少確率の概念が問題となりこれに瀾する理論の展開が必要となつてくる︒か﹂る折ヶインズの理論は
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これを展開するものとしてユニークな存在であるといえよう︒﹁'︑またコルモゴロフの理論が自然科学を母髄として生れたのに封して,ケインズの理論は就会科学を母髄としている
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甫
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ノ貼を注意しておかねばならない︒
敦れにせよケインズの理論は極めて示唆に富むものではあちが︑数学的に適當な形式化がなされておらない鮎に於
て理論の不鮮明さが目立ち︑また若干の峡鮎を含んでいることは之を是正しなければならない︒之を思い訣鮎め補正
9バら と数学的に嚴密な形式化を與えたのが一九四〇年に於けるクープマンの輝かしい業蹟である︒
肚会科学を母艦としたケインズの確率論がクープマンの裏付けを伴い今後如何に襲展するかは輔つの興∵味深い問題
であると刮目されて炉ると璽き︑先すヶインズを探りクLフマンの理論を咀囎しておくことは︑経濟学乃至肚会科学の
研究に現代敷学が高度に騙使されている今日︑一里塚をそなえるものといえよう︒'
54321
拙稿︑古典的確寧論め墓礎︑人丈研究第二輯(一九五一年一〇月小樽商科大學人丈科學研究室嚢行)参照︒
胴OげΦげ匂昏04(Hco称9HIH$ら)噛﹀・︾・嵐鶏κoく(H叙ひIHOB)りb・嵐・目曳ぞd目oぴ(H叙↓ーもμQQ)
o.O聾巴妻︒︿p9ざ︒♂自色㊥鷲︒9げ霞昏(HOHO)にょる︒
︑﹀.客肉︒ぼ品︒き50聲︒昌回①智ξ鼠嵩§島く§後8緯包(HOQ︒q︒)(確率論の基礎概念)ドイッ謬あり︒
炉O●困oo℃ヨ9◎P蛭るト図凶o目磁昌函b茜魯影亀H三三ニノ︑o寄cび昏葺ξ.(箆昌鐸・O肉︼再辞ゴ・O}鳩HO嵯○鴇憩q)iトのOトの)
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欄■ケインズ確牽論の概要
最初にヶインズの確率論を要約しておこう︒ケインズ確率論の特徴は吹の如くに述ぺ︑られる︒.
バユリげH序に於て述べ虎如く︑ケインズ理論は蓋然性をもつ命題が樹象であり︑それらの間に存する論理的關係を取扱
ちヘユリ・うものである︒從來の命題論理学が眞儒いすれかであるような命題だけを取扱つてきたのに比べれば︑これは可成り
ハ らや廣いものであり多値論理学に灘するものである︒︑ケインズ自身これを包含の論理(一〇σq80場一B娼崔︒暮ざβ)から蓋然
性の論理(ざσqざo輪宅oピ筈崔ξ)への移行であるといつている︒從つて取扱う命題の蓋然性は眞︑備︑又はその中
直魏礁率論の基礎
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商學討究第三巻第二魏︑
間の或る養の客をとることになる︒︑︑ト塊⇔命題の蓋然性といつでも︑これは或る他の特定の命題hが前提されたときにのみ意味を有するものとする︒そ
'して今或命題hが眞なりと前提されているときの命題aの蓋然性を記號ミげで表わす︒‑
も或ろ命題aの蓋然性を問題とするとき人はつねにそめ前提hを豫想するものであつて︑翠にaの蓋然性が如何とい
うことは無意味であるというのである︒
しら ユ ㊧命題の蓋然性といつた場合には一般に敏量化されないものであるが命題蓋然性の相互簡には牛順序(℃馨宣一
〇同幽窪)がつけられるものと假定する︒
こ︑に牛順序とは︑ミげと一\σqとを考えたとき︑この二つに射してそのいすれが﹁より蓋然性がある﹂か否かの
比較判定がつねに可能であるとは限らないことを意味する︒即ち一方が他方より﹁よむ蓋然性がある﹂かも知れない
し︑全然比較が出來ない場合もあるというのである︒そして比較可能の場合にミげがび\σqより︑より蓋然性がある
とき︑これをミげ﹀び\σqと表わすことにする︒/
これを用いれば確率論の統計学入の恋用は一暦廣く行われる︒例えぼ統計的調査叉は統計推理に於て危瞼率といつ
た場合に︑我々の欲するのはその数値ではなく︑それのあり得べき限界であるからである︒そとに於ては最早危瞼率︑
ジという数値の存在自饅が必要でなくなつているのである︒
hを.散歩に出掛けた﹂とし︑.衡を﹁無事に齢宅する﹂とすれば︑﹁散歩に出掛けて無事に蹄宅する蓋然性﹂は
ひ蟄\ぽとなる︒.これは一般に敏値で表わされない︒然しbを﹁雷に出合つたが無事に蹄える﹂とすれば︑ぴ\ぽも数値でf
・ほ表わされないがミぽ﹀ぴ\ぽなるごとは明らかであ・ろう︒
また貢をー︑備を0で表わせば︑つねにOいミげ撒Hが成立する旦
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軸67
⑳﹂ケインズの理論は無差別性の原理(国冒︒乾①o鴎H乱①囲h霞窪︒①)を根本原理とするものである︒無差別性の原
理というのはベルヌーイ・ラプラスによる無理由の理由(冨①謎oβo緊βo話器oP団目一壽言自$露蟄σQ①巨自①β
Φ旨昌自$)を改造しこれを精密に規定したものである︒即ちある若干個の劉立的な命題があつたとき︑そのうちの敦
れの命題も他の命題に封して︑より蓋然性があるとする既知の理由がないならば︑これらの封立的な命題は同様に蓋
然性があるというのである︒
ラプラス⑭無理由の理由をそのま"確率論に適用すると幾多矛盾の生することは周知の通クであるが︑ヶインズは
從來の例を剛々楡討し從來の適用が誤まれる原因として次の二つを掲げている︒
一つは從來の確率論は蓋然性を無理に数量化しようεした鮎にあるどいう︒例えば﹁火星に動物がいる﹂という命
題は眞rであるか備であるかである噂ところでとの命題の眞實性について既知の理由がないものとしよう︒このときこ
りぞ の命題が眞である確率は魯︑備である確率は善であるとして周知の矛盾に導くのは︑無理に数量化しようとした誤ま
つた適用であるというのである︒
第二の原因として︑元來は無知の惰況の下に論じているのに︑何時の間にか多くの知識を密轍入しているというの
である︒例えば袋の中に一球あるがその球の色が不明のとき︑﹁赤である﹂﹁青である﹂﹁黄である﹂という確率は
らり各々量であるとして矛盾に導くのは︑これは蓋然性を無理に数量化した上に︑無知とはい﹂ながら︑相異なる三色が
ワ
同一の球の色ではあり得ないという知識を不知不識のうち.に用いているからであるという︒以上を注意してケインズはラプラスによつて用いられた無理由の理由を無差別性原理によつて復活せしめた︒實際
ケインズの指摘した上述の二勲は生する矛盾を救うこと少なしとはしない︒然し完全に救つたと言切ることは今後の
研究に侯たねばなるまい︒・'
︑直観確率論の基礎
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68 〜〜
商學討究第三巻第二號
次にケ︽ンズは無差別の形式として吹の二通りのあるごとを逃ぺている︒覧‑
一つは︑同一の前提hに封して二つの相異なる命題X及びyがあつて爾者の蓋然性が等しい︒即ち図\げ1ーミ昼の場
合である︒
他の一つは︑相異なる二つの前提に封して同一命題の蓋然性が等しい︒即ち
ゴメ網\ぽ11図\﹃崔11図\﹃噂'
の場合である︒こ玉にげげ は前提hと馬とが共に成立つという前提を表わす︒・
第一の場合を選揮性,(層⑦鴎窪睾8)︑の判噺といい︑第二の場合を適切性(目①一〇話βo①)の制噺という︒
も なお︑図\崔"奥ぽず が成立するとき,瓦は図︾μに封して不適切であるという︒.︑
ケインズ理論の優れた鮎は︑無差別性の原理に適切性の襯黙を與えた虜にある︒軍に選揮性だけでは建設的なもの
は生れてこない︒また從來の確率論はミ﹃に於けるaのみの分析であつたが︑ヶインズはhの分析に着眼したもの
といえようo㌦9・
●
以上四つがヶイ訊ズ理論の特徴であるが︑取扱う蓋然性の比較は次の二種類に分けられている︒
づ一︑騨ぴこHと蟄\ぽとの比較.\
二︑蟄\ぽ﹃と瀞トげとの比較
この比較に當つて更に種々の公理を導入する必要があるが︑それぶ問題である,ケインズ臓蓋然性を取扱うといエ
ノながら︑ミぽを恰も数の如く取扱い種女の演算を許しているが︑これは嚴密に批判されねばならぬ︒クーブマンの敏
学的基礎付けほミげをプール環に於ける剰余類として規定した虜にある︒從て雨者に於ては實は取扱う命題ρ論理
しノ 的型が相異なるものであることを注意せねばなもない︒︑
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