ごあいさつ
藤田佳久
〈愛知大学東E同文書院大学記念センタ一長〉
『愛知大学史研究』第 3 号をお届けします。
『愛知大学史研究』は当記念センターが文部科学省のオープン・リサーチ・センター・プロジェクト に選定され、東E同文書院を継承した愛知大学の開設時から初期における愛知大学の諸局面を通じて、
その性格を明らかにしようとする主旨で刊行してきたものです。
プロジェクトの選定 2 年目に第 l 号を発刊し、それ以降毎年刊行することにし本年で第 3 号自になり ます。この刊行により、愛知大学史にかかわるシンポジウム・講演会・研究会の記録も収録できるよう になり、文字通り『愛知大学史』の研究はすすむことになったと言ってよいでしょう。
愛知大学の豊橋・名古屋両校舎で「大学史」の授業も始まり、今年度まで継続したのも、このような 背景の上ですすめることができたと思われます。それが次年度にはこの「大学史」の科目がなくなるこ とになるとの報があり、残念に思います。この授業は多くのスタッフのリレー方式で行なってきたもの であり、多くのスタッフへの関心の広がりとともに愛知大学を中心とした大学史を展開できるようにな ったこと、若手スタッフもその中で養成されてきたことを考えると、科目がなくなるのはきわめて残念 なことです。今後は当センターが提供できる形での r大学史J の科目復活を願って、この第 3 号をお届 けします。
愛知大学東亜同文書院大学記念センターはここ数年、 1901 年から半世紀にわたって上海に存続した 東亜同文書院(のち大学)の存在とその実績を広く知ってもらうため、全国各地でその展示会と講演会 を開催してきました。本年は神戸国際会議場で 11 月 2 日から 4 日まで、孫文を中心とした展示会と講 演会を行なうことになりました。愛知大学の当センターには東亜同文書院の卒業生で孫文の秘書を担っ た山田純三郎の孫文関係のコレクションがあり、また地元神戸の地の孫文記念館には、やはり孫文のコ レクションがあります。そこで孫文記念館のご協力を得て展示会を開催し、また「孫文一神戸、長崎、
そして愛知大学一」のテーマで講演会を開催することになりました。この第 3 号刊行直後のことであり ますが、ご出席、ご観覧いただければ幸いです。