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地域栄養士連絡会(栄養ケアネットワーク)と今後の方向性

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Academic year: 2021

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(1)

地域栄養士連絡会(栄養ケアネットワーク)と今後の方向性

富永 史子D,三橋 友子D,大宮志寿加1),奥田 絵美1),金住 美希1)

中川 幸恵1),和田 典男1),関谷 千尋1),秦  温信,佐野 文男2)

1)札幌社会保険総合病院栄養部 2)天使大学看護栄養学部

 当院栄養部では、平成17年4月より栄養士による栄養ケアネットワーク構築を目指した活動の一つ として厚別白石地区栄養士連絡会を発足し定期的に開催している。連絡会はチーム医療に重点をおい た栄養管理中心の内容とし、講義形式で11回開催した。連絡会を開催して約1年が経過し、毎回参加 栄養士に対して行っているアンケート調査をまとめ、今後の方向性の検討を行なった。アンケートの 集計結果から地域栄養士間の情報交換が必要と思われた。

 当院は厚別区における地域中核病院であることから、当院栄養部が中心となって構築する栄養ケァ ネットワークは、地域における栄養管理の質の向上につながり、地域の各施設での役割分担が明確に なると考える。18年度はグループワーク形式を織り交ぜた内容で開催することとした。さらに患者情 報において連絡会共通の栄養管理情報書を作成し、施設問で活用することで、栄養士の地域連携を充 実させていきたい。

キーワード:地域連携、栄養管理、アンケート調査

         はじめに

 当院栄養部では平成17年4月より栄養士による栄 養ケアネットワーク構築を目指した活動の一つとし て厚別白石地区栄養士連絡会を発足し定期的に開催 している。連絡会は、月1回第2水曜日の19:00か ら当院にて講義形式で行った。

 平成17年度の講義内容は、第1回「経腸栄養、栄 養アセスメント」、第2回「クローン病と栄養、ア ミノ酸」、第3回「体液と電解質輸液」、第4回「肝 と栄養、検査値の読み方」、第5回「腎臓と栄養療 法」、第6回「呼吸器疾患と栄養療法」、第7回「身 体計測からみた栄養管理」、第8回「糖尿病と栄養 管理」、第9回「術前術後の栄養管理」、第10回「輸 液のまとめ」、第11回「サプリメント」とし、チー ム医療に重点をおいた栄養管理中心の内容とした。

 連絡会を開催して約1年が経過し、毎回連絡会参 加栄養士に対して行っているアンケート調査をまと め、今後の方向性の検討を行った。

対象と方法

 連絡会参加栄養士に対して、第1回から第11回ま で毎回アンケートを配布し回収を行った。アンケー ト内容は、1.経験年数2.管理栄養士の資格の有 無、業務内容の給食管理業務では給食管理、献立作 成、命数管理、発注、在庫管理、調理の6項目、栄 養管理業務では外来個人栄養指導、入院個人栄養指 導、集団栄養指導、病棟訪問、褥創委員会参加、各 病棟カンファレンス参加の6項目、地域連携では他 病院・施設との連携の有無について、各々実施して いる業務内容をチェックボックスに記入する方法と した。また、講義全般に対する評価として!.講義 内容2.理解度3.講義時間4.次回参加の4項目 について、0点から10点までの点数制で表示し、「

10点満点を満足している』「0点を満足していない』

とし、点数を表記する方法とした。以上の全アンケー ト調査の中から①栄養士の業務内容の変化②講義内 容全般に対する評価③他施設との連携の有無につい て検討した。

一39一 札幌社会保険総合病院医誌第16巻 第1号 2007

(2)

 統計学的処理は、すべてのデータは平均値±標準 偏差値で表し、Student「sttestを用いて行い、危 険率5%未満を有意とした。

         結  果

 参加栄養士数は41.5±11.2名で、そのうち管理栄 養士は34.3±9.1名、経験年数は10.0±2.1年であっ た。参加施設数は51施設であった。

①栄養士の業務内容は、主な栄養士業務であった給 食管理業務が平均3.1±0.5項目に加え、栄養管理業 務が平均3.1±0.3項目であった。業務内容数は、第 1回目では5.7±2.3、第11回目では7.0±1.9と増加 傾向であった(図!)。内容別では栄養管理業務に おいて、外来個人栄養指導を行っている参加者の割 合は平均63.!±9.6%、入院個人栄養指導を行って

いる参加者の割合は平均67.1±7.4%、集団栄養指 導を行っている参加者の割合は平均28.6±8.4%、

病棟訪問を行っている参加者の割合は平均68.1±

7.4%、褥創委員会に参加している参加者の割合は 平均39.9±7.7%、各病棟カンファレンスに参加し ている参加者の割合は平均36.2±7.2%であった。

各病棟カンファレンスに参加している参加者の増加 傾向がみられた(図2)。

②講義全般に対する評価は10点満点の点数評価とし た。講義内容7.3±0.5点、理解度6,7±0.7点、時間 7.7±0.3点、次回参加希望8.8±0.4点とどの項目に おいてもほぼ満足されている評価であった(図3)。

しかし、講義内容の評価に対して理解度の評価は有 意に低かった(P<0.0001)(図4)。また栄養士、

管理栄養士の違いによる評価においては、講義内容 の評価では、栄養士6.2±0.9点、管理栄養士7,3±

0.6点と有意な差がみられた(P<O.005)。理解度で は、栄養士6.0±0.7点、管理栄養士6.6±1.0で有意 な差はみられなかったが管理栄養士の参加者の理解 度が高い傾向であった。経験年数10年以上、10年未 満による評価においては、講義内容の評価では経験 年数10年未満7.0±0.5点、経験年数10年以上7.4±

0.6点であり、理解度では経験年数10年未満6.2±0.8 点、経験年数10年以上6.8±1.1点であり、経験年数

による有意な差はみられなかったが、経験年数10年 以上の参加者の評価と理解度は高い傾向であった。

(図5)。

(項目数)

(%)

90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

ID

0

10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

頭2.6 蒙2.4

鯨3.0 頭3.0

1  2

[=]栄養管理

幽給食管理

3456789 10 11

      (回目)

図1 栄養士の業務内容の変化

一←一病棟訪問 噌一病棟GF 一練丑多(病棟CF)

一線形(病棟訪問)

1234567891011(回目)

   図2 業務内容の変化(栄養管理)

櫨     峯難1蕊

1  2  3

(点数)

10

z

7

o

4  5  6  7  8  9 10 11 (回目)

図3 講義全般に対する評価

 rP〈o,ooo1

7.2±2,0

       6.6±2.0

、餓

lkVK・

 講義内容         理解愚

図4 講義内容に対する理解度

札幌社会保険総合病院医誌第16巻第1号2007 一40一

(3)

地域栄養士連絡会(栄養ケアネットワーク)と今後の方向性

(点数)

10

9 8 7 6 5 4

3 2 1 0

   @ むロ ユ    コ

    E     74

eq,5 6.2

6.8 7.2

1 6.4

〉[

醗 講義内容 幽 理解度

7.6 a 7.0

    栄養士   管理栄養士  10年未満   10年以上

図5 管理栄養士および経験年数の違いによる講義内容と理解度

(ofo)

50 40 30 20 10 o

Wh連携 一線形(連携)

1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 (回目)

    図6 他施設との連携の有無

③他施設との連携の有無については、連携をとって いる施設の割合は、第1回目33.3±0.2%、第11回 目34.4±0.2%、平均32.2±6.8%であった(図6)。

         考  察

 厚別白石地区栄養士連絡会を発足し、栄養士によ る栄養ケアネットワーク構築を目指した活動は、定 期的に開催することにより地域栄養士に連絡会を浸 透させることができたと考える。給食管理業務に加 え、栄養管理業務が増加しており、栄養管理中心の

講義内容をテーマにすることで、栄養管理を行う栄 養士の参加が増えたと思われた。しかし、理解度の 評価が講義内容の評価と比較して有意に低かったこ とから、18年度の連絡会は一方的な講義形式ではな く、講義内容の確認を含めたグループワーク形式の 症例検討を行い、実践で活かせる内容とする必要が あると思われた。また、他施設との連携の有無に変 化がみられなかったことから、グループワーク形式 は他の施設と講演内容の知識を共有し、ともに検討 することで交流を図ることができると考える。さら に患者情報において、連絡会共通の栄養管理情報書 を作成し、施設問で活用することでさらなる地域連 携を目指し充実させていきたい(表1)。

         結  語

 栄養ケアネットワークは、今後の医療の展開を考 えると地域中核病院を中心とした栄養管理の情報を 共有することができ、地域一体となった栄養管理を 継続していくために必要不可欠である。

         文  献

1)宮澤 靖、山下佐和:地域NST構築に向けた  取り組み.臨床栄養、医歯薬出版、東京、2005、

 594−598

2)伊藤彰博、東口高志:日本におけるNST制度  の動向.栄養学雑誌Vol.64No.4、213−220、

 2006

3)川西英徳、聖隷三方原病院・コア栄養管理チー  ム:栄養ケア・マネジメントマニュアル.医歯  薬出版、東京、2004、51−65

一41一 札幌社会保険総合病院医誌第16巻 第1号 2007

(4)

表1栄養管理情報書

作成日

施設名

管理栄養士御机下

iOO4−8618

札幌市厚別区厚別中央2条6丁目2−1  札幌社会保険総合病院栄養部

担当管理栄養士

       TEL&FAX OI I−893−5882

 この度、貴施設に転院することになりました下記患者様の栄養管理情報を連絡書にて お知らせいたします。ご不明な点がありましたら、ご連絡ください。

栄養管理情報書

氏名      (患者ID 30253005)

性別     年齢       歳 病名 }

身長 i       。m    4 %AMc i      %     ト

体重 i       kg    4 %TSF i      %     塾

基礎代謝量i      kcal     4 Alb値   i        9/dl     ト

必要栄養量i      kcal     弓

術後  i     ト

褥瘡  i     卜

      1

h養提供量1タンパク質      g      3

嚥下障害 i

下痢   悪心・嘔吐  食欲不振       8

h養補給方法1      4

食事内容 i     4

  留意事項1       旨(アレルギー禁止i

@ 嗜好等)1

食事形態 i     4

摂取状況i

〈経過〉

※厚別・白石地区栄養士連絡会共通情報紙

         2006.5作成

札幌社会保険総合病院医誌第16巻 第1号 2007 一42一

(5)

地域栄養士連絡会(栄養ケアネットワーク)と今後の方向性

Future Direetion of the Regional Communieation Group

        of Nutritionists (Nutrition Care Network)

  Fumiko TOMINAGA i , Yuko MITSUHASHI i , Shizuka OHMIYA i ,      Emi OKUDA i , Miki KANAZUMI i , Yukie NAKAGAWA i , Norio WADA i , Chihiro SEKIYA i , Yoshinobu HATA i , Fumio SANO 2    1) Department of nutrition, Sapporo Social lnsurance General Hospita!

   2) Department of Nutrition School of Nursing and Nutrition, Tenshi Co!lege

   A communication group in the Atsubetsu and Shiroishi districts was established in April,

2005,wi七h regular conferences held ll times a year. We summarized the results of a question.

naire survey carried out among the participating nutritionists and reviewed the future direction of the group. The results suggested that an exchange of information among nutritionists was necessary and it was decided that from 2006 the meeting content would include a group work ap−

proach. ln addition, we put together a communication group shared nutritional management information sheet for patient information, in the hope that this will improve regional coopera−

tion among nutritionists through the use of this information sheet among ins七itutions.

一43一 札幌社会保険総合病院医誌第16巻 第1号 2007

参照

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