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炊飯条件が米飯のテクスチャーに及ぼす影響(1)浸漬条件*

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Academic year: 2021

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(1)

一U7一 炊飯条件が米飯のテクスチャーに及ぼす影響(1)浸漬条件*

渋谷歌子,本間伸夫,佐藤恵美子,石原和夫

Effects of Soaking Conditions on Texture of Cooked Rice

Utako Shibuya, Nobuo Honma, Emiko Sato, Kazuo Ishihara

 加熱調理の諸条件が食品のテクチャーにどのように影響を及ぼすかについて系統的に検討すること を意図L!いも類,牛肉について得られた結果を先に報告した1)−v4)。

 それらに引き続き,レオロジカルな諸性質が食味の大都分を支配するという米飯を取り上げた。米 飯のレオロ彦一については既に多くの報告5)があるものの,炊飯条件と関連させたものは少ない。ま た,通常米飯を食する時は塊の形で食べるのが普通であるので,その美味,不味は塊としてのテクス チャーに強く影響1を受けるものと考えられる。

 以上の点から,本報においては,米飯の塊としてのテクスチャーを測定する方法を案出し,その方 法を用いて,米の浸漬条件を変えた場合の米飯のテクスチャーへの影響を検討した結果を報告する。

       実験材料および方法  1.供  試  米

 食味の良い「コシヒカリ」 (49年度産,新潟県),食味が悪い「レイメイ」 (49年度産 新潟県)

を用い,5℃の低温室に保存した。

 2  浸  i責  方  二去

 供試米100 9と水ユ50臼を500nl£トールビーカーに入れ,恒温水槽を用いて,水温を5または30℃に,

0,30,60,90分保つ方法で浸潰した。

 3.  カロ  熱  方  圭去

 浸漬終了後,そのままの状態で,漫漬米の入ったピー一カーを恒温油槽(130±2℃)に入れ30分間 保ち加熱した。加熱後室温に放置した。

 4.テクスチャー特性の測定法

 図1に示す如き,プリキ製円筒(内径55nml,長さ180nmi)と押し出し棒をつくり,これを 米飯抜 き取り器 と名づけた。

*加熱による食品の香味,色及びテクスチー1・ 一一の変化に関する研究(第13報)

(2)

一i18」一一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第18集 1981

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       m旧 図1 モ米飯披リ取り器ミ

の曲線からSzczeniakの方法に従って硬さ,

  この抜き取り器の円筒を,ビーカー中の米飯に差  し込み,米飯ごと抜き上げる。そして,押し出し棒  でテクスチt・ 一一測定用受け皿に押し出し,皿の深さ  (19mm)に合わせて米飯の円柱を鋭利な刃物で切り  取る。切り取る位置を最下部(部位…下),中央  (部位…申),最上部(部位…上)の三ケ所とした。

 米飯塊の入った測定用受1皿に炉紙を裏うちした蓋を  し,25℃の恒温槽に放置した後, レオ Ptメーター  (飯尾電気製,PMT−130A型)を用いて,テクス  チ†一値を測定した。測定条件は,試料の厚さ19  ㎜,クリアランス2n皿,プラソジャーは直径13員皿の  ルサイト樹脂製円柱,運動速度24サイクル/分,運  動回数2回,電圧5V,チャー・ト速度ユ,500mm/分,

 温度25℃であvた。

  標準的レナロメー fi 一一カー一プを図2に示した。こ 凝集性,弾力性,凝集性を求めた。

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図2 標準的レオロメーター−Pt一ブ

  サyプル:「冨シヒカ墾」130℃,30牙,加熱,中央 5. 永牙含量の剥定

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(3)

炊飯条件が米飯のテクスチャーに及ぼす影響(1)浸漬条件 一119

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(4)

県立新潟女子短期大学研究紀要 第18集 1981

一120一

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(5)

炊飯条件が米飯のテクスチャーに及ぼす影響ω 浸潰条件 一一 P21一

6.官能テスト

パネルには調理学,食品学関係者工2名があたり,硬さ,粘りについてそのプロフィールを求めた。

実験結果および考察 ・  1.米飯のテクスチャー

 浸漬時間,浸漬温度および米飯の部位が米飯テクスチv一特性に及ぼす影響を検討した結果を表1 に示し,分散分析した結果を表2,図3,4に示した。

 表2の結果から,いくつかのテクスチa・ 一値について,主効果の影響が認められる。殊に,硬さは 浸漬温度と部位について,コシヒカリ,レイメイ共に影響があり,浸漬時間はレイメイに影響が認め られた。一般に,浸漬時間が長くなるにつれて米飯は軟ちかく,部位では上,中,下の順で硬くなる 傾向がある。

 他のテクスチ+一値についてみると,部位の影響を除いて,浸漬条件の影響は概して小さい。付着 性は,コシヒカリがレイメイより著るしく大きい点に興味が持たれる。いわゆる粘りはコシヒカリが 大きいということと関連するものと考えられる。また,付着性に対する浸漬条件の影響の仕方が両品 種で著るしい差が認める。

 図3,4に,硬さ及び付着性についての分散分析における交互作用を示した。硬さについてみる と,コシヒカリ,レイメイ共に同じ傾向を示している。各交互作用のうち,有意性があるのは,コシ ヒカリの浸漬時間・部位(Ti・P)のみである。この場合は未浸漬の場合,上中下の差が極端に大きく      硬さ

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分散分析における交互作用一硬さ

上 中 下

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(6)

一122 一一

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コシヒカリ

10

     県立新潟女子短期大学研究紀要第18集1981

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付着性についてみると,その傾向はコシヒカリとレイ・イでかな曝なっている・特醒欝間 温度は両品種で著るしく異なっている.L・ずれの交互作用も有意性は認めらオ・なかった・

 2. 米飯の水分含量

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…一・一一・一 F平均鮭

図5 部位別による米飯の水分含有率

(7)

炊飯条件が米飯のテクスチャーに及ぼす影響① 浸漬条件

一123一

が長いほど,浸漬温度が高いウまどその差は小さくなる。

 全体の水分含量は,浸漬時間が長くなるにつれて増加し,5℃よりも30℃の方が水分が多くなる傾 向を有している。

 3.官能テスト

 表3にプロフィールを示した。官能検査における硬さの傾向は表1,2に示したテクスチャー値

(硬さ)の傾向とよく一致している。粘りはテクスチャー一値の付着性の傾向とよく一致した。

表3官能テストプロフィール

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〃水温13・℃は5℃より粘りが大きい1瀦鴇より粘りは小さいカミ同じ

ピーか内雌1吉痴、驕騎頽走って粘版糠駐講茎百鍛1

 浸潰条件カミ米飯のテクスチャー・に及ぼす影響を検討し,次の結果を得た。

 1)硬さにおいて,浸漬水温と米飯の上中下の部位に高い有意性を示した。米飯の硬さは5℃>

3℃O,上く中〈下である。浸潰時間の影響はコシヒカリにおいて認められたが,浸漬水温ほど著るし くなかった。

 2) 付着性についてはコシヒカリとレイメイでは著るしく差があった。レイメイは付着性が低く,

浸漬条件の影響は受けにくかった。コシヒカリでは,浸漬水温が商い方が,浸潰時間が長い方が付着 性が高かった。部位では両品種とも上〉中〉下であった。

 3)米飯の水分量は,部位上〉中〉下であるが,浸潰時間が長くなる程,上中下の差は少なくなっ

た。

4)官能テストのプロフィールはテクスチt  一値と同じ傾向を示した。

本報告の概要は第28回家政学会大会(1976,10,京都)にて発表した。

︶︶︶︶︶−占234Pひ

       文 渋谷,本間,塩崎,石原:家政誌,25,589(1974>

渋谷,本間,石原,菅原:県立新潟女子短大研究紀要,13,41(1976)

渋谷,本間,石原,佐藤: ibid、,14,37(1977)

渋谷,本間,石原,佐藤:ibid.,14,45〈1977)

加藤寿美子;調理科学Vo13, No. 3,146(197① (1981年1月19日受理)

参照

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