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札幌演劇シーズン二〇一七年の動向(札幌近郊演劇 の現場から)

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札幌演劇シーズン二〇一七年の動向(札幌近郊演劇 の現場から)

著者 飯塚 優子

雑誌名 Probe : 舞台芸術通信 

号 12

ページ 48‑51

発行年 2018‑03

URL http://id.nii.ac.jp/1136/00002764/

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    対戦形式のいわゆる大喜利。見事ファンの支持を得 て、首位打者賞 〇

< ホームラン王

E L E V E N

「やんなるぐらい自己嫌悪」 N I N E S ミャゴラ

   チラシに超真剣幻想的情熱群像劇

!!とあるが正に。

  若手俳優陣が奮闘した。

【俳優賞】

〇櫻井保一   y h s 「白波っ!」の南郷力丸役。舞台狭 しと疾走し、魅力的な南郷力丸を造型して終始舞台を 牽引した。 〇高橋海妃   M A M 「父と暮らせば」の娘役。広島で被 爆して生き残った負い目から結婚に踏み切れずにいる 娘の思いを情感豊かに演じた。

以 上、 各 賞 を 概 観 し た が、 T G R 2 0 1 7 は 例 年 に 比較して収穫の多い年だったと思う。たとえば、受賞は 逃 し た が、 北 海 道 演 劇 財 団「 ぐ り ぐ り グ リ ム 第 一 章 : お か し な 森 の ヘ ン ゼ ル と グ レ ー テ ル 」、 劇 団 w o r d s o f

のすべて」等、いずれも記憶に残る作品であった。 暮らせば」 (俳優賞に高橋海妃) 、マイペース「ばかもの h e a r t s 「 ア ド ル フ の 主 治 医 」、 M A M 「 父 と

二〇一七年、札幌劇場連絡会は韓国小劇場協会と交流 協定を結び、日韓劇場祭交流事業をスタートさせた。そ の 第 一 弾 と し て T G R 期 間 中 の 一 一 月 二 二 日・ 二 三 日 にソウルの劇団竹竹(チュクチュク)が「マクベス」を パトスで上演した。シンプルな舞台、優れた身体性、圧 倒的な舞台だった。世界の水準は果てしなく高いのだと 思わせるに十分だった。来年は札幌の劇団がソウルの大 学路小劇場祝祭に参加する。

T G R 札 幌 劇 場 祭 は い ま だ 発 展 途 上 に あ る。 試 行 錯 誤と軌道修正を繰り返しつつ、あるべき姿を求め続けて 行きたいと思う。

札幌演劇シーズン二〇一七年の動向       札幌演劇シーズン実行委員会   事務局長   飯塚   優子

二〇一七年と二〇一七年度の演劇シーズン上演演目を 以下に列挙します。 (上演順)

二〇一七冬シーズン(二〇一七年一月二八日~二月二五日)

千年王国「狼王ロボ」     

※レパートリー作品

札幌座「北緯

風蝕異人街「邪宗門」 N E X S T A G「 L a u n d r y R o o m N o . 5 」 43° のワーニャ」

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弦巻楽団「君は素敵」   高文連全道大会最優秀作品:北見緑陵高校 「学校でなにやってんの」

二〇一七夏シーズン(二〇一七年七月二二日~八月二三日)

y h s 「忘れたいのに思い出せない」 パインソー「 e x t r e m e + l o g i c ( s )」 ミュージカルユニットもえぎ色 「 P r i n c e s s F i g h t e r 」  イレブンナイン「あっちこっち佐藤さん」   ※レパートリー作品 i n t r o 「わたし」

二〇一八冬シーズン(二〇一八年一月二〇日~二月二二日)

イレブンナイン「サクラダファミリー」   ホエイ「珈琲法要」 ※ T G R 札幌劇場祭 2016 大賞作品 円山ドジャース「誰そ彼時」    弦巻楽団「ユー・キャント・ハリー・ラブ」 ※レパートリー作品 コンカリーニョプロデュース「ちゃっかり八兵衛」 高文連全道大会最優秀作品:余市紅志高校 「おにぎり」

このかんの動きを以下に箇条書きでまとめてみます。 1 .レパートリー作品、定着 一度演劇シーズンで上演された作品を、もう一度演劇 シーズンで再演するレパートリー作品の上演が定着。イ レブンナイン「あっちこっち佐藤さん」が、 「狼王ロボ」 の記録(三五五八人)を破り、一演目で四三三五人とい う大きな記録をつくりました。二〇一七夏は他の劇団も 健闘し、一シーズンで八四〇〇人超を集め、シーズン始 まって以来、最多のお客様を迎えました。 2 . T G R 札 幌 劇 場 祭 の 大 賞 作 品 を 演 劇 シ ー ズ ン で 上 演、初めて実現 毎 年 一 一 月 に 札 幌 市 内 一 〇 か 所 の 劇 場 で 行 わ れ る T G R 札 幌 劇 場 祭 の 大 賞 作 品 を 演 劇 シ ー ズ ン で 再 演 す るという流れをつくりたい、これは当初からの構想でし た。 し か し T G R に は 市 内 の 劇 団 だ け で な く、 全 国、 海外からも参加劇団があり、ここ数年は立て続けに海外 作品が大賞となりました。そのため予算や受け入れ態勢 の 面 で 再 演 に こ ぎ つ け る こ と が で き ず、 ま た 当 初 は 札 幌市の考え方が「演劇シーズンへの参加は札幌に拠点を お く 団 体 に 限 る 」 と さ れ て い た た め、 以 前、 青 森 の 弘 前 劇 場 が T G R 大 賞 と な っ た 時 に は、 演 劇 シ ー ズ ン で の 上 演 が で き ま せ ん で し た。 そ の 後、 市 の 方 針 が 緩 和 さ れ T G R 枠 に 関 し て は 札 幌 以 外 の 団 体 の 演 劇 シ ー ズ ン 参 加 が 可 能 と な り ま し た。 二 〇 一 八 冬 シ ー ズ ン で は、 T G R 2 0 1 6 の 大 賞 作 品「 珈 琲 法 要 」 を、 東 京 の 劇

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団ホエイが上演します。

3 .高文連優秀作品の上演が盛況   高校演劇の優秀作品は、地区大会→全道大会→全国大 会と高みを目指しますが、年度をまたぐ関係で、全道大 会に出演したメンバーで全国大会(八月)に臨むことが できないという制度上のジレンマがあります。このため 演劇シーズンでの上演は、全道を勝ち取ったオリジナル メンバーによる最後の上演機会です。当原稿を書いてい る時点で二〇一八冬シーズンでの上演を終了した余市紅 志高校は、昼夜二回公演で五二〇人を集めました。

このように様々な工夫を重ねて演劇シーズンは少しづ つファンを増やしつつあります。演劇を見慣れた人だけ でなく、コンサートやライブに出かけたり映画をみるの と同じように、演劇に足を運んでもらえるにはどうした らよいか。札幌を訪れる観光客にも楽しんでもらえるよ うな、熱く気持ちの良い舞台を毎回継続して届けるには どうしたらよいか。幅広い観客層に期待してもらえる意 外 性 や 新 鮮 な 刺 激 を 盛 り 込 む に は ど ん な 作 品 が 良 い の か。間もなく開幕する二〇一八冬シーズンで一三回目を 迎える札幌演劇シーズンの課題は山積しています。       しかし二〇一二年のスタート時点を振り返れば、一公 演で一〇〇〇人前後を集めることのできる中堅劇団が札 幌だけで一〇近くある現状は、地域の演劇人になにがし か の 意 識 改 革 が 起 き て い る 結 果 で は な い か と 思 い ま す。 シェイクスピア、チェーホフなどの古典的作品から、東 西の名作、アングラ劇、創作劇、人形劇、ダンスや生演 奏とのコラボ、ミュージカルなど、様々な魅力を持った 作品が演劇シーズンで上演されるようになりました。イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 す る 若 い 人 た ち の パ ワ フ ル な 活 動 が、演劇をめぐる状況を的確に照らし出し、方向性を見 せてくれます。このようなエネルギーを総動員して、演 劇が札幌という都市の魅力の一端を担えるようになれた ら素敵だと思います。 もちろん、ただ観客数が多ければよいというのではな

千年王国「狼王ロボ」

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母 が 残 し て く れ た レ ッ ド ベ リ ー ス タ ジ オ の ピ ア ノ を、 も っ と も っ と 使 っ て い た だ く た め に 九 月 か ら ス タ ー ト した 「マンスリーピアノ」 は、 辻千絵さんにコーディネー トをお願いして、 これまで三回開催しました。クラシッ ク、 映 画 音 楽、 朗 読 と の コ ラ ボ な ど、 こ の 先 も 楽 し い 企 画 が 次 々 登 場 し ま す。 ふ だ ん は 脇 の 部 屋 に 収 蔵 し て い る ピ ア ノ を、 床 に 傷 を つ け ず に 移 動 す る の は 大 変 な こ と で し た が、 特 殊 な キ ャ ス タ ー に 取 り 換 え て、 な ん と 女 性 二 人 で も 動 か せ る よ う に な り ま し た。 レ ッ ド ベ リ ー に ピ ア ノ が あ る こ と を 知 っ て い た だ け た ら、 今 後、 出番が益々増えるでしょう。 ハ ー モ ニ カ の 名 手・ 千 葉 智 久 さ ん や、 切 り 絵・ 影 絵 で 活 躍 す る 黒 川 絵 里 奈 さ ん、 小 林 な る み さ ん の 朗 読 な ど、 ぜ ひ レ ッ ド ベ リ ー ス タ ジ オ で、 と 声 を か け さ せ て いただいてライブや公演が実現しました。 横 浜 ボ ー ト シ ア タ ー の 語 り 公 演「 に ご り え 」 で は、 通 常 三 〇 人 前 後 と 考 え て い る 収 容 人 数 を 大 幅 に 超 え て 五 六 名 の お 客 様 を 迎 え、 新 し い 可 能 性 に 驚 き ま し た。 二 〇 一 七 年 の 年 賀 状 か ら お 披 露 目 し た 新 し い ロ ゴ タ イ プ で、 ま ず 入 口 の 看 板 を 新 調 し ま し た。 こ れ ま で 頑 張 っ て く れ た 木 製 の 看 板 は、 な ん と キ ノ コ が た く さ ん 生 え て き て、 か わ い い け れ ど 文 字 が 読 み に く く な っ て しまいました。 そこでこんどは真鍮の金属板。 アーティ ス ト の 佐 々 木 秀 明 さ ん に デ ザ イ ン と 製 作 を お 願 い し ま し た。 そ し て こ の 看 板 を 照 ら す ス ポ ッ ト ラ イ ト を 新 た に 設 置。 長 い こ と 電 球 が 切 れ て い た 外 壁 の ラ イ ト も 明 か り が 入 り ま し た。 催 し 物 の 案 内 を す る 掲 示 板 も、 寂 し げ な 蛍 光 灯 を 明 る い L E D に 交 換 し て 見 違 え る よ う に元気な雰囲気になりました。 一 方、 八 月 に は 水 道 の パ ッ キ ン グ 劣 化 が 原 因 で、 地 下 の 収 蔵 庫 が 水 浸 し に な り ま し た。 ス テ ー ジ を 組 む た め の 部 材 な ど、 濡 れ た も の を 全 部 庭 に 広 げ て 乾 か し、 使 え な く な っ た も の を 大 量 に 廃 棄。 つ い で に こ の 騒 ぎ で 大 量 の ほ こ り を 吸 っ た こ と が 原 因 で、 私 自 身 が 胸 膜 炎で肺に炎症を起こし大変なことでした。 催 し の 企 画 で は、 今 年 は 色 々 と 念 願 が か な い ま し た。 二〇一七年のレッドベリースタジオ~リニューアルと心にしみる出会い レッドベリースタジオ主宰   飯塚優子 く、 演 劇 が 身 近 に あ る こ と で 私 た ち の 毎 日 が 心 地 よ く、 充実したものであること、本当のことが良く見えるよう になることがだいじです。演劇にはそんな素晴らしい力 と魅力があることをより多くの人に知ってもらいたいか ら、 見てくれる人を増やしたい。演劇シーズンの目標は、 やはりそこに帰結するのです。

参照

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