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埼玉県上尾市の環境現況 : 上尾市環境審議会による調査報告と総括 利用統計を見る

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Title 埼玉県上尾市の環境現況 : 上尾市環境審議会による調査報告と総括

Author(s) 村上, 公久

Citation 聖学院大学論叢, 14(1): 119-146

URL http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=483

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE SEigakuin Repository for academic archiVE

(2)

埼玉県上尾市の環境現況

一一上尾市環境審議会による調査報告と総括一一

村 上 公 久

The State of the Environment of Ageo City 

一 一 ‑Report and Summary of the Ageo City Environmenta1 Council ‑ ‑ Kimihisa MURAKAMI 

The author has served as the chairperson of the Ageo City Environmenta1 Council since its estab lishment in 1994, Ageo City is  a municipality in Saitama Prefecture, where Seigakuin University is  10 cated, For the legislation of the Ageo City Environmental Act in 1997 and the establishment of the  Ageo City Environmental Action Plan 1998the Council needed an Environmenta1 Survey of the  City.  A summarized report and a discussion of the survey are reported here with an emphasis on the  environment of Seigakuin University. 

These efforts for the local community in Japan have been made in the context of the 1992 Earth  Summit Agenda 21.  The author recognized that the participation of an environmental scientist from  the university faculty is  important not on1y for the university, but for the community in the global vil lage as we1 1.Unse1fish and dedicated efforts on the part of the Council members and of the City staff  are high1y appreciated.  The members and staff supported and encouraged the author, and without  such support and encouragement it  wou1d have been impossib1e for the author to fu1fill the chairper son's duty. 

は じ め に

上尾市の環境現況調査の背景について

急速な国際化の進展に伴い,国民国家の枠組みが解消してゆき,世界の担い手がコミュニティー・

自治体と超国家機構・国際的組織とに分極してゆく中で, I水と空気に国境はない」環境問題は,

地域が世界に直接つながっている現実を明瞭に示している (6)

Key words;  environmenta1 state, urbanization, Ageo City, Environmenta1 Counci1, Environmenta1  Act 

キー・ワード:埼玉県上尾市,環境基本条例,環境審議会,環境現況調査,都市化

(3)

一方,現在,国際機構,各国,自治体,地域の環境問題における最大の政策課題は, I経済成長か,

環境か」のデイレンマをめぐる合意形成とその妥当性の検討であるo地球サミットの合意でもある 保続的開発(持続的発展)Sustainable Developmentを実現させるための環境政策が自治体行政にお いても求められている。(巾X9)

埼玉県上尾市は,わが国が地球サミットの国際決議に基づき(IX2X3)I公害防止基本法」を廃し,新 たに制定した「環境基本法J(1993 平成5年)第44条の規定に基づき,同法制定の翌19946 月に埼玉県下92自治体の中で先駆として「上尾市環境審議会条例J(4)を制定し, 11月に「上尾市環 境審議会」を創設したD 筆者は同審議会の第 1回会議に審議会委員として招聴きれ,その議上で同 審議会の初代会長に就任した。以来現在まで36年間,継続してこの職責を負い上尾市の環境問 題,岡市市民22万人の生命と生活の環境の保全にかかわる環境行政を直接に指導する公務に学識経 験者の立場から参画してきた。現在第4期目に入った同審議会への貢献は,聖学院大学(同審議会 創設当時より数年間は聖学院女子短期大学も)がその市域にキャンパスを展開している自治体およ び大学の「隣人」である市民に対して,教員として果たすべき重要な責務と自覚し務めてきた。国 政重要課題である環境問題行政における経験を役立て(5)大学の地元自治体が新設した同審議会を通

じて市の環境行政を指導することが,筆者にとっての岡市と市民への貢献となることを期した。

この公務がまた「自治体行政への貢献」を優先的課題として掲げている本学大学院政治政策学研 究科において,開設時に環境分野を担当した専任教員また研究者として,大学を含むコミュニティ

ー形成への参画となることを重視する所以である。

この間に果たすことができた主たる貢献は,埼玉県下の92の自治体中にあってその塙矢ともいう べき「上尾市環境基本条例」側の答申(平成99月同条例制定),さらにこの環境基本条例に定め られた岡市の21世紀を展望した環境の保全と創造の基本的な実施計画である「上尾市環境基本計画」

(川の策定(平成103月)である。「上尾市環境基本条例」は,自治体の環境に関する基本条例とし ては稀有の条項である環境監査を含み,また環境権,世代間倫理,市民の責任を含み明記した画期 的なものであると自負している。

「上尾市環境基本条例」中の第8条に定めた「上尾市環境基本計画J策定のためには,上尾市の 環境についての正確な認識が不可欠であった。このため環境現況を調査し,市民にその調査報告を すると共に環境基本計画に資することとした。本論文でその骨子にその後の諸調査の結果を加えて 以下に報告紹介する。また本論文においては聖学院大学のキャンパス周辺部の環境現況については,

大学キャンパスが南接する鴨川の戸崎橋地点を選ぴ,同地点における河川水質調査を平成106 より 5回実施し調査結果を収録した。

(4)

埼玉県上尾市の環境現況

自然環境の現況の調査と並行して,住民基本台帳より無作為に抽出した2,100人を対象に「市 民の環境意識調査」を実施(回収率66%)したが(J2) 本報告では,環境の現況のみを扱い,大部と なる環境意識調査の結果と総括は別の機会を得て報告する。また自然環境の現況調査においては市 域内現地調査も実施したが,これは紙面の制約上本報告においては割愛する。

1.環境の現況調査に関わる上尾市の概況

‑1.上尾市の地理的位置及

上尾市は,埼玉県の南東部に位置し,東は伊奈町,南は大宮市,西は川越市,北は桶川市に接し ている。土地は平坦にして沃野に恵まれ,武蔵野の面影をとどめ,米麦をはじめ果樹,そ莱の栽培 に,また住宅地に適しているO 東西市境には,東に原市沼川,西に荒川が流れ,市内には芝}II,鴨 川が流れているO また, 1日通過車両6万台におよぶ国道17号が縦貫している。

昭和337月に市制を施行し,その後,首都東京に35kmという立地条件に恵まれ,急速に都市化 が進み,大規模な住宅団地が設けられるなどめざましい発展を遂げ,面積45.55平方km,人口21 人を超える中堅都市に成長しているD

図 1 上尾市の位置

つくば

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‑2.沿革

上尾の地で本格的に都市形成が始まったのは,江戸時代に入ってからであるO この時代,上尾宿

(5)

は中山道の宿場町として,平方は江戸への物資運搬の河岸場として,また原市は市場町として栄え た。また明治16年には,高崎線の上野ー熊谷間の開通とともに,上尾駅が開設され,中山道ととも に今日の市街地発展の基礎となった。

交通の発展とともに,昭和初期には工業都市の下地がつくられ,昭和30年代には大工場の誘致や 工業団地の建設を進め,県内でも有数の出荷高を誇る工業都市となった。

昭和301月,それまでの6町村(上尾町,原市町,平方町,大石村,上平村,大谷村)が合併 して上尾町となり, 3年後の昭和337月15日には市制をしいて今日に至っている。 昭和40年代に 入ると,公団などの住宅団地や民間の宅地開発が目覚ましく, 10年間で人口が約3倍になる程の人 口急増ぶりを示し,住宅都市へと発展を遂げた。市では,こうした都市化に対応するため,昭和50 年代から60年代にかけて,学校や保育所,下水道,道路,公園など教育・生活環境の整備,コミュ ニティセンターや公民館などの公共施設の整備など,都市基盤の整備に力を注いできた。

また,急速な都市化に平行して,上尾駅周辺では商業業務施設の集積が進み,商業都市としての 性格も兼ね備えるようになった。一方,市街地周辺部には,農業と調和した武蔵野の雑木林の面影

を残す,貴重な自然もまだ多く残されている。

昭和59年の東北・上越新幹線の開業にともない,新交通システム・ニューシャトルの原市駅と沼 南駅が開設し,昭和63年には高崎線北上尾駅が新たに開設するなど,従来の上尾駅を中心としたー 拠点型都市から,近隣市町との連携がとれた複数拠点型の都市構造への転換が求められているO 4年,上尾市は埼玉県内8番目の人口20万都市となった。

‑ 3.人口

2 上尾市の人口と世帯数の推移

90.0∞ 

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250.10 100.0∞ 

80.α10  2∞,似刻。

70.0∞ 

60.000  150.000 

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世帯数 j匡函

40000  100.

300∞ 

20 50α10 

10α)() 

0 ,  I I I ・ ・ 目 白 目 目 目 目 目 且 , ,  ,霊目目菅・町田 ~O

533  535  537  539  541  543  545  547  549  551  553  555 557  559  561  563 H02 H04 H06 H08  H10 

(6)

埼玉県上尾市の環境現況

上尾市が市制を施行した昭和33年当時, 37227人にすぎなかった人口は,高度経済成長期の昭和 30年代後半から首都圏のベッドタウンとして急増した。特に昭和40年から45年いかけては,住宅・

都市整備公団の団地建設や民間の宅地開発などが相次ぎ, 5年間で実に55757人も増加し,この間 の上尾市の人口増加率はわが国の人口10万人以上の都市としては全国一という急増を示した。以降 この増加傾向は継続し年平均7000人の増加が続いたが,昭和50年代に入るとようやく沈静化し,

近年では年平均2000人程度の増加で推移している。

2.上尾市の自然環境の現況

‑1.水文現況

市内を流れる河川・水路は,荒川水系,鴨川水系,芝川水系,綾瀬川水系の4系統に大別される。

(1)に河川,都市下水路および排水路の流域面積,流路延長を示す。参照(図6) 

表 1 河川の流域面積および流路延長

水系名 JII  管 理 者 流域面積 流路延長 [凶] [km] 

荒 川 建設省 一級河川 2940  169  江 川 桶川市,上尾市 一級河川 17.35  5.28  上尾中堀川 上尾市 準用河川 1.25  1.37  荒 川 丸山都市下水路 上尾市 都市下水路 2.67  1.96  本村排水路 上尾市 排水路 0.26  0.31  西野排水路 上尾市 排水路 0.66  0.20 

指扇辻川 上尾市 普通河川

鴨 川 鴨 川 │ 埼玉県 一級河川 62.92  19.20  浅間川 上尾市,大宮市 準用河川 4.67  2.66  芝 川 芝川都市下水路 桶川市,上尾市 都市下水路 19.27  9.4

大宮市

綾瀬川 埼玉県 一級河JII 117.30  49.20  綾瀬川 原市沼川 上尾市,伊奈町 準用河川 9.42  5.19  尾山台都市下水路 上尾市 都市下水路 1.72  2.16  瓦葺都市下水路 上尾市 都市下水路 0.66  0.26 

‑2.地形・地質

上尾市は,大宮台地のほぼ中央部に位置する平坦な地形で,市域の標高は 13~15mで、ある O 市は 大宮台地を縦貫する大河川沿いに発達した荒川低地,綾瀬川低地に東西境を接し,市内は鴨川,芝 川等の台地内に河川の水源を持つ比較的小規模な開析谷による標高の低い台地によって刻まれてい

(7)

o

上尾市のある大宮台地上は,地質的には新生代の洪積世に形成された比較的新しい土壌で,表面 に関東ロ}ム層があり,その下部には砂泥質の火山灰堆積物,さらに台地構成物である砂磯層や粘 土層が続いているo (3)に埼玉県の地質概況図を示す。土壌としては,ロームを母材とした黒 ボク土が分布している。

2‑3.気象

沖 積 層 口 洪 積 層 ( ロ ー ム 含 む ) 国 第 三 紀 層 問 中生層(白亜紀)

中 ・ 古 生 属 図 深 成 岩 凹

15km 

'---ー~一一ー」

3 埼玉県の地質概況

上尾市

(4)に市の年間月別平均気温を示す。市の年平均気温は14.50C (19891990,上尾市消防署) であるD また,市域のほとんどが大宮台地上にあるため標高差が小さく,地域による気象の差はほ

気温 (OC)

30  25 

20  15  10 

4 上尾市の年間月別平均気温

。(‑‑‑',‑‑‑'‑‑‑'一一」ー」ー一一」ーι

1 3 5 7 9 11

(8)

埼玉県上尾市の環境現況

2 上尾市内で発見された保護が望まれる植物種

希少レベル 主な生息環境

全 県 県内平野部 森 林 草 地 水 域

オオアブノメ レッドデータブック絶滅危倶種

ミズニラ FLタブック絶滅危急種

ノカラ・マツ

タコノアシ

サクラソウ

シムラニンジン

チョクジソウ

ミゾコウジュ

ヒロハノアマナ

ミズワラビ 以下、 ト沢美久氏

ハンゲショウ (埼玉県緑の審議会委員)

コウホネ (埼玉県高校生物研究会

オニピシ 元会長)

メピシ の選定による

オオホシクサ

イトイヌノヒゲ

イヌノヒゲ、

ヒロノ、イヌノヒゲ、

クロヒロハイヌノヒゲ

ジョウロウスゲ

ヒメピシ

オニナルコスゲ

ノハナノショウブ

ミズハコベ

ゴマギ

タカアザミ

ウキヤガラ

ワレモコウ

ナガボノシロワレモコウ

レンリソウ

ヒメキカシグサ

ヒシ

ハナピゼキショウ

ノウルシ

ウマスゲ

ジロボウエンゴサク

ホザキノフサモ

アワガエリ

クモキリソウ

(9)

とんどない。気候は関東地方の代表的気候地で,冬季の強い北西風と乾燥,及び夏季の著しい高温 が特色であるo 1月の降水量は20rnmをやや上回る程度で非常な乾燥を示し,わが国の1月におけ る最少降雨量地域になっている。夏季は海洋からの影響を受けにくいため,気温の上昇が著しく,

東部の一部は関東地方で8月の気温が最も高い地域となっている。

2‑4.植生現況と植物種

上尾市は,標高および気象条件から暖温帯域に位置し,潜在的にはシラカシを中心とする照葉樹 林(常緑広葉樹林)の成立域下にあるO しかし古くからの人為的な干渉によって代償植生に置き換 わっているところが多く,樹林地7タイプ,草地 5タイプ,生産緑地 5タイプ,市街地 3タイプ,

開放水域1タイプの計21タイプの植生が市内に存在するO

昭和63年度から平成2年度にかけて実施された上尾市自然環境調査では,上尾市における代表的 な自然環境である森林と湿地について植生現地調査を行っている。

森林植生については,自然植生としてシラカシ群集ケヤキ亜群集,代償植生および植林としてク ヌギーコナラ群集,スギ・ヒノキ植林,アカマツ植林,モウソウチク林,エゾエノキ林の計6タイ プが確認されている。市内の森林のうち,広域に分布しているのはクヌギーコナラ群集で,調査地 点の68%を占めており,いわゆる「武蔵野の雑木林」と称される落葉広葉樹林を形成しているo

湿地植生についてはオギ優先型,マコモ優先型,コナギ優先型等,計13タイプの水辺植生が確認 されているO

(この調査結果を「植生現況図」に取りまとめたが,多色であり大版のため割愛する。)

上尾市における植物相については,すでに何度かの調査例が報告されており,それらを集計する 708種の記録が認められる。県中央および県東部の他市に比べると確認種数が多く,豊かな自然 環境が残存していることを示唆しているO

708種のうち,保護が望まれる種を挙げると全国レベルで貴重なものとして,オオアブノメ,ミ ズニラ等の9種,全県レベルとしてミズワラビ,ハンゲショウ等の13種,県内平野部レベルとして ハナピゼキショウ,ホザキノフサモ等の17種が抽出された。(表2)に保護が望まれる植物の一覧 を示す。これらの植物は,湿地性草本類の多い点に特徴があり,市域の東端および西端部にある湿 地・休耕田・池沼・JII沿いに集中して存在が確認されている。これは,市域外縁部に自然性の高い 場所が残存していることを表していると言える。

(確認地点についての調査結果を「確認地点図」に取りまとめたが,大版のため割愛する。)

‑5.動物の生息現況と動物種

上尾市に生息する鴫乳類は,アズマモグラ,ホンドハタネズミ,ホンドイタチ等714種が確認 されている。(表3)に市内で確認された晴乳類の一覧を示す。県内平野部(標高50m以下)で現在

(10)

埼玉県土尾市の環境現況

3 上尾市内におけるほ乳類の確認種

生 息 状 況

市 内 全 域 市 街 縁 部 少 数 の

に 生 息 に 生 息 確 認 記 録

トガリネズミ科 ホンシュウジネズミ

食中日 モグラ科 ホンシュウヒミズ

アズマモグラ

翼手目 ヒナコウモリ手ヰ アブラコウモリ

ウサギ科 キュシユウノウサギ

ホンドハタネズミ

ホンドアカネズミ

蓄歯目 ネズミ科 ホンシュウカヤネズミ

ホンドハツカネズミ

ニホンクマネズミ

ニホンドブネズミ

イヌ科 ホンドタヌキ

食肉目 ホンドキツネ

イタチ科 ホンドイタチ

4 保護が望まれる繁殖鳥および越冬鳥

希少レベル 主な生息環境

全 県 県内平野部 県 南 森 林 草 地 水 域

カワウ

ヨシゴイ

タマシギ

コヨシキリ

ツミ

サンコウチョウ

エ ナ ガ

ササゴイ

アオパズク

カワセミ

トラフズ、ク

ミヤマホオジロ

オオタカ

ノスリ

オオコノハズク

チョウゲンボウ

タゲリ

アオゲラ

トロツグミ

ヒガラ

ヤマガラ

(11)

見られる晴乳類は15種であるため,市内には県内平野部で見られるほとんどの種が現存していると いえるo このうち,保護が望まれる種としては,ホンシュウカヤネズミとホンドタヌキが挙げられ る。いずれも県南中央地域においては希少種で,ホンシュウカヤネズミは湿地・草原,ホンドタヌ キは塊となった広域の自然が残されていないと生息できない種であり,生息地の保全対策を検討す る必要があるD

市内において,鳥類は139種が確認されており,うち40種程度の繁殖が確認されている。繁殖烏 の構成種からその特徴を見ると,水辺・草原から疎林・森林と,各環境型ごとにバランスよく繁殖 鳥が存在していることが挙げられ,本市においては自然度の高いこれらの環境が現存していること を示しているD

(4)に保護が望まれる繁殖烏および越冬鳥の一覧を示す。このように,高次消費者であるタカ,

フクロウ類が見られることは,上尾市が野鳥の生息にとって良好な環境を保持していることを示し ている。

5 上尾市における両生類の確認種

ニホンアカガエル アカガエル科 トウキョウダルマガエル

ウシガエル

ツチガエル

アオガエル科 シュレーゲルアオガエル ヒキガエル科 ヒキガエル

アマガエル科 アマガエル

表 6 上尾市におけるj悔虫類の確認種

イシガメ

カメ科 クサガメ

スッポン

ミシシッピーアカミミガメ

ヤマカガシ ヘピ科

ヒノくカリ シマヘピ

アオダイショウ

マムシ

ヤモリ科 ヤモリ トカゲ科 トカゲ カナヘピ科 カナヘピ

(12)

埼玉県上尾市の環境現況

上尾市においては,ニホンアカガエル,ヒキガエル等7種の両生類と,イシガメ,シマヘピ等12

種のは虫類が確認されているo (5)(6)に本市において確認された両生類,は虫類の一覧 を示す。

両生類については,無尾目のカエル類のみで,有尾目のイモリ,サンショウウオ類は確認されて いない。また,県内平野部において生息しているカエル類はすべて市内に現存していることがわかっ ているD

は虫類については,カメ類4種,ヘビ類5iヤモリ・トカゲ類3種で,県内平野部に生息して いるは虫類と比べると,ヘピ類が2種類欠けるのみである。

上尾市の両生類およびは虫類は,特に注目に値する種の分布は見られないものの,環境の悪化に よりいわゆる普通種が姿を消している中で,地域本来の両生は虫類相をほぼとどめている点に特徴 があるといえる。

表 7 上尾市における水生動物類の確認数

コイ科 タイリクノtラタナゴ モツゴ

ニゴイ ウグイ オイカワ

コイ

ギンブナ ゲンゴロウブナ ドジョウ科 ドジョウ ナマズ科 ナマズ

メダカ科 メダカ カダヤシ科 カダヤシ タイワンドジョウ科 カムルチー ハゼ科 トウヨシノボ、リ

ジョズカケハゼ ミズムシ科 ミズムシ

ヌマエピ科 ヌマエピ テナガエピ科 テナガエピ ザリガニ科 アメリカザリガニ タニシ手ヰ オオタニシ

マルタニシ

ヒメタニシ モノアラガイ科 ヒメモノアラガイ カワニナ科 カワニナ

イシガイ科 ドプガイ

(13)

昆虫類については,チョウ類39 トンボ類19種,甲虫類102種が確認されている。

チョウ類は,低地を主な生息地にしているものが24種,台地・丘陵性が13種,山地性が1種で,

人為的環境に生息する低地性チョウ類が主であるO

保護が望まれるチョウ類としては,ハンノキの湿性林に生息するミドリシジミ,コヌギ・コナラ 等の雑木林との結びつきの顕著なミズイロオナガシジミ,アカシジミ,オオミドリシジミ,ススキ 草原で見られるギンイチモンジセセリが挙げられる。

トンボ類は,幼虫の生息環境から水域の状況や多様性の把握が可能である。本市で確認されたト ンボ類は,平地から低山の流水性の種が1種,低地の湿原や浅い水溜まりが3種,平地の池沼性が 14種で,本市で見られるトンボ類の大半は平地の止水域池沼性のものであることが明らかである。

保護が望まれるトンボ類としては,一般的に丘陵から低地の池沼湿地に分布するヒメアカネと チョウトンボが確認されている。

甲虫類については,カブトムシやノコギリクワガタ等の雑木林との結びつきが強い大型甲虫類の 生息が確認されているO 保護が望まれる甲虫類としては,荒沢地区の湿地で確認されたヘイケボタ ルが挙げられる。

水生動物類としては,魚類15種,甲殻類4種,貝類6種が確認されているo (7)に本市にお いて確認された水生動物類の一覧を示す。

保護が望まれる水生動物としては,県内で確認例が少ないジュズカケハゼとテナガエピ,県南部 での確認記録のないヌカエピの3種が挙げられるO

3.上尾市の環境汚染の現況

‑1.大気汚染

表 8 光化学オキシダント (Ox年間値)の経年変化

昼間測定 昼間測定 昼間の1時間値が 昼間の1時間値が 昼間の1 昼間の日最 0.06pprnを超えた 0.12pprn以上の 時間値の 高1時間値 日数と時間数 日数と時間数 最高値 の月平均値

(日) (時間)

(日) (時間) (日) (時間) (pprn)  (pprn) 

平成5 364  5356  50  200  0.145  0.041  362  5316  68  300  0.143  0.043  362  5305  49  208  0.136  0.041  364  5376  50  205  0.137  0.039  364  5356  43  168  。 。 0.115  0.037  10  360  5224  36  135  0.159  0.037  注 測 定 局 は 、 浅 間 台 第7公園。

(14)

埼玉県上尾市の環境現況

5 光化学オキシダントの経年変化(日中の1時間値がO.12ppm以上の日数)

10年度

光化学オキシダントは光化学スモッグの主要な原因物質で,環境基準は r1時間値がO.06ppm 下であること」となっているO また, 1時間値がO.12ppmという値は光化学スモッグ注意報の発令基 準である。(表8)に本市において光化学オキシダント濃度の1時間値が環境基準であるO.06ppm O.12ppmを超過した日数と時間数等の推移を, (5)に経年変化グラフを示す。上尾市では光 化学オキシダントの昼間濃度の1時間値がO.12ppm以上となった日数は,正和63年度以降では1 に5日以下であり,以前と比べれば減少している。しかし,光化学オキシダントの前駆物質の一つ である窒素酸化物濃度は増加傾向にあり,高濃度発生日数はその夏の気象条件に左右されることが 多いため,今後も夏季の気温の高い安定した夏型の気圧配置が続くと,光化学スモッグが多発する ことが考えられるO

‑2.水質汚濁

6 上尾市内の河川と水質調査地点

(15)

本市では,市内を流れる鴨川,芝川,原市沼川,江川の 4河川の計10地点について,定期的に水 質調査を行っている。(図6)に水質調査地点の一覧を示す。

河川などの公共用水域については, I生活環境の保全に関する環境基準」として5項目(以下,

「生活環境項目J)I人の健康の保護に関する環境基準」として23項目(以下, I健康項目J)が定 められている。市内の河川で,河川の類型指定がなされているのは鴨川中・下流で, c類型である。

(7), (8)に芝川および鴨川における生物化学的酸素要求量 (BOD)の年平均値の推移を 示す。芝川の汚濁の状況は, BODの推移を見ると,中・下流部ではやや改善の傾向が見られるもの の,上流部は依然として汚濁が激しい。芝川は市内においては河川の指定は受けていないが,仮に 環境基準類型Eを当てはめると, BOD以外の生活環境項目およびすべての健康項目について,環境 基準を達成している。

80  70  60  50  40 

20  10 

50  45  40  35  30  25  20  15  10 

7 芝川のBODの年平均値経年変化

10  11年度

8 鴨川のBODの年平均値経年変化

44 

/¥ 

/¥ 

10  11年度

参照

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