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水 谷 尚 雄

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第 82 回日本感染症学会総会学術講演会座長推薦論文

呼吸器外科術後に手術部位感染(SSI)として発症した MRSA 膿胸に関する検討

赤穂中央病院外科

水 谷 尚 雄

(平成 21 年 4 月 13 日受付)

(平成 21 年 6 月 22 日受理)

Key words : surgical site infection (SSI), MRSA, empyema

呼吸器外科で手術部位感染(surgical site infection,以下 SSI)として発生する膿胸の頻度は高くはない が,MRSA 膿胸を発生すると治療に難渋する.当院で過去 10 年間に経験した SSI の MRSA 膿胸 3 例につ いて検討し,その対策を考察した.対象:3 症例とも診断確定とともにバンコマイシン(以下 VCM)の全 身投与を行った.症例 1.小型肺癌に対する区域切除後に発症.切開創の SSI と診断して対処したために有 効な胸腔ドレナージが遅れ治療に難渋した.菌は陰性化することなく治癒した.症例 2.塵肺に合併した進 行肺癌の肺葉切除後に発症.気管支形成を行い情報ドレーンとして胸腔ドレーンを長期間留置した.VCM で菌が陰性化せずリネゾリドを使用し陰性化し治癒した.症例 3.続発性気胸の症例.胸腔鏡下肺部分切除 を施行し術中所見から胸腔内感染を疑った.胸腔ドレーンを予防的に留置したが発症した.ドレナージ不良 に対してウロキナーゼによる線維素溶解療法が有効であった.菌は陰性化することなく治癒した.結論:(1)

手術時に留置した胸腔ドレーンを情報ドレーンとして長期留置すると逆行性感染を起こす可能性がある.(2)

肺切除量を少なくする術式は膿胸の発生と進展の予防に有効な可能性がある.(3)膿胸の病期 II 期以降に 起こるドレナージ不良に対して線維素溶解療法は胸腔鏡手術に優先して試みる価値がある.(4)抗 MRSA 薬の投与は全身への炎症の波及予防には必要であるが,中止の基準は菌の陰性化を目標とせず臨床経過から 判断するべきである.

〔感染症誌 83:506〜512,2009〕

呼吸器外科領域は CDC の National Nosocomial In- fections Surveillance System(以下 NNIS)の手術部 位感染(Surgical Site Infection,以下 SSI)予防ガイ ドラインの創分類で準清潔手術に区分されるが,消化 器外科領域と比較し SSI の発生率は低い1).一方で臓 器・体腔の SSI として膿胸が発生した場合はしばしば 難治性感染症となる.さらに起炎菌がメチシリン耐性 黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,以下,MRSA)である場合は vancomycin(以 下,VCM)をはじめとする抗 MRSA 薬を併用しても さらに治療に難渋し,死に至ることもある2)〜5).以上 の観点から当院で SSI として発症した術後 MRSA 膿

胸 3 例の経験を文献的考察を加えて報告する.

対象と方法

対象:1999 年 1 月から 2008 年 12 月までの過去 10 年間に当院で行った呼吸器外科手術症例(229 例)を 対象とした.

方法:上記の対象症例を後ろ向きに検討した.NNIS の定義に従い術後 30 日以内に発症した SSI の内,臓 器!体腔の SSI の定義を満たす症例は 3 例(1.3%)で あった.3 例はいずれも膿胸で,起炎菌として胸水の 培養で検出された菌はいずれも MRSA のみであった.

以下 3 例について詳述する.

【症例 1】患者:75 歳,男性,病名:肺癌,術式:

右 S6 区域切除術,術前咽頭培養:実施していない.

予防的抗菌薬:セファゾリン(以下 CEZ)1g×2 回! 日を術当日から術後 4 日目まで.

別刷請求先:(〒678―0241)兵庫県赤穂市惣門町 52―6

赤穂中央病院外科 水谷 尚雄

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Fig. 1 Subject 1. a. Extensive postoperative subcutaneous emphysema on the day of surgery.b.ChestX-ray justbefore the third surgery,in which empyema wasnotevident radiographically.c.Plain chestcomputed tomography (CT)justbefore the third surgery.

Air(↑ )wasnoted in an anteriorintercostalspace away from subcutaneousair(○ )under the skin ofthe infected wound,suggesting communication between the infected wound and the pleuralcavity.d.ChestX-ray afterthe third surgery.A chesttube wasputin place atan appropriate site.

a b

c

d

経過:高齢・低肺機能の患者に発生した小型肺癌の 症例で 2002 年に手術を施行し終了時に 28Fr のシリ コンドレーン(ソラシックカテーテル)を留置した.

気漏が多く,術当日に病室で 20Fr のソラシックカ テーテルを 1 本追加した(Fig. 1(a)).術後 4 日目 に手術創部から排膿し培養で MRSA が検出された.切 開創の SSI と診断して胸腔ドレーンは同日に 28Fr の ドレーンを,翌 5 日目に 20Fr のドレーンを抜去した.

VCM の点滴静注と創の開放と洗浄を施行したが改善 せず,術後 28 日目に局所麻酔下に創内洗浄掻爬及び 皮下ドレーンを留置した.以後ポビドンヨードや強酸 性水で洗浄も行ったが排膿が続いた.胸部レントゲン 像では膿胸を疑う所見は無かった(Fig. 1(b))が,

術後 78 日目の CT で創部から離れた肋間に空気を認 め(Fig. 1(c)),胸腔内への感染の波及を疑った.術 後 91 日目に硬膜外麻酔下に 3 回目の手術を施行した.

肩甲骨を挙上すると開胸肋間腔周囲の限局した胸腔内 に膿貯留を認め,膿胸と診断した.同部へ洗浄可能な

20Fr のダブルルーメンのトロッカーカテーテルを留 置し手術を終了した(Fig. 1(d)).術後は洗浄を行 い徐々に膿胸腔が縮小し,肺癌術後 158 日目に退院し た.抗 MRSA 薬 は VCM と albekacin(以 下,ABK)

を炎症反応上昇時などに全身投与を繰り返した.3 回 目の術後の経過中の VCM 投与中に急性腎不全を惹起 し,以後は抗菌剤を使用しなかった.培養では MRSA の陰性化は確認できなかったが,最終的に排膿が無く なり治癒し以後再燃はない.経過中に喀痰など他の部 位の培養検査は実施していない.

【症例 2】患者:64 歳,男性,病名:塵肺合併進行 肺癌,術式:右上葉切除術および中間幹気管支形成術,

術前咽頭培養:常在菌のみ,予防的抗菌薬:セファゾ リン(以下 CEZ)1g×3 回!日を術当日から術後 2 日 目まで.

経過:2006 年に手術を施行し,終了時に 19Fr の小 口径溝型シリコン製ドレーンチューブ(BALKE ド レーン)を 2 本胸腔内に留置した.気漏も消失し 1 本

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Fig. 2 Subject2.ChestX-ray.a.Postoperative day 8 (POD).One day afterdrain removal.b.

POD 16.The subjectdeveloped feverand mild pleuraleffusion seen in chestX-ray.c.POD 18.Rapidly developing pleuraleffusion caused acute respiratory failure (ARF).d.POD 18.

ARF disappeared afterpleuraldrainage.

a b

c

d

は翌日に抜去したが,気管支形成部を術後 7 日目に気 管支鏡で確認するまで情報ドレーンとして残りの 1 本 は留置した(Fig. 2(a)).その後,術後 16 日目に突 然の高熱を認め(Fig. 2(b)),以降 2 日間で呼吸不 全に進展した(Fig. 2(c)).発熱翌日に喀痰培養を実 施したが上気道常在菌のみで,また同日の静脈血二カ 所から採取した血液培養は菌を検出しなかった.胸部 レントゲンと CT 検査から無瘻性急性膿胸と診断して 胸腔ドレナージを施行し(Fig. 2(d)),呼吸状態と 炎症反応は速やかに改善した.胸水の培養で MRSA が検出され VCM を投与したが菌は消失しなかった.

術後補助化学療法の適応があるため,ドレナージ後 15 日目から linezolid(以下,LZD)に変更したところ投 与後 4 日目の培養で菌は陰性化した.LZD は計 8 日 間投与し,ドレナージ後 21 日目にドレーンを抜去し,

以後再然無く術後 9 週目から化学療法を開始できた.

【症例 3】患者:42 歳,女性,病名:Mycobacterium avium intracellulare complex(以下,MAC)とアス ペルギルスの感染巣穿破による続発性自然気胸,術 式:胸腔鏡下肺部分切除術,術前咽頭培養:実施して

いない,予防的抗菌薬:セファゾリン(以下 CEZ)1 g×3 回!日を術当日から術後 2 日目まで.

経過:2006 年に胸腔鏡手術で右上葉末梢の結節を 摘出した.術中に採取した胸水は黄色で混濁していた ため感染の可能性も考慮して 20Fr のダブルルーメン のトロッカーカテーテルを留置した.翌日には気漏は なかったが,胸水の最終培養結果が判明するまでド レーンは留置することとした.胸腔内洗浄は行わな かった.ドレナージ中の術後 6 日目から発熱と胸水の 増量があり(Fig. 3(a)),培養で MRSA が検出され VCM 点滴静注を開始した.9 日目に急激な排液の減 少を認めた.11 日目の胸部レントゲン像(Fig. 3(b))

で患側の透過性は低下し,同日の胸部 CT(Fig. 3(c))

で膿胸腔内の多房化を認めた.ドレーン先端は肺切除 部にあったが,CT を参考に最も大きな膿胸腔の位置 まで抜去した.さらに線維素溶解療法としてウロキ ナーゼ 6 万単位をドレーンから胸腔内へ投与し,3 時 間クランプ後に生理食塩水での胸腔内洗浄を 3 日間 行った.その結果排液が増加しドレナージは良好とな り,胸部レントゲン像も改善した(Fig. 3(d)).培

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Fig. 3 Subject3.a.POD 6.The subjectdeveloped feverand wasdiagnosed with empyema.

b.POD 11.Pleuralfluid drainage decreased and rightmiddle and lowerlung fieldsbecame steadily lesstransparentwith an air-fluid levelforming asshown in chestX-ray.c.Plain chestX-ray on POD 11.Note poordrainage due to empyema multiloculation around the drain (↑ ).d.POD 14 after3 daysofurokinase administration.Right-lung transparency had improved

a b

c d

養で MRSA は消失しなかったが,胸水自体が次第に 減少し術後 19 日目にドレーンを抜去し,以後の再燃 は無かった.摘出した肺の結節は最終的に MAC 症と アスペルギルスの感染巣と診断したが,術中に採取し た胸水の培養は一般細菌及び抗酸菌ともに陰性であっ た.経過中に喀痰など他の部位の培養検査は実施して いない.

膿 胸 の 発 症 か ら 進 展 を Light は I 期=滲 出 期,II 期=線維素膿性期,III 期=器質化期の 3 段階に分け た6).Molnar はあらゆる病期において共通する治療の 基本を(1)膿胸腔内容物の完全な排出,(2)空洞の 消去,(3)起炎菌の制御!滅菌,(4)適切な補助療法 の 4 点としている7).膿胸に対する治療は抗菌剤投与 に加え病態に応じて胸腔ドレナージや外科的手法など の組み合わせを要する.これらを踏まえ自験例を考察 する.

1.SSI の膿胸の特性

呼吸器外科手術時の胸腔ドレーン留置は空気や血 液・リンパ液をドレナージする目的と気漏遷延,出血 などの情報ドレーンを兼ねる.筆者は通常術後のド

レーン抜去の基準は気漏の消失と胸水の減少(1 日量 200mL 以下)としている.本例 1 は術後にベッドサ イドでドレーンを追加し,発症時には切開創の SSI と 診断し胸腔ドレーンを抜去した.結果的に感染が胸腔 に及んでいたため有効な胸腔ドレナージが遅れ膿胸の 遷延となった.症例 2 は気管支形成に対する情報ド レーンとして長期に留置し,亜急性期に発症した.ま た症例 3 も抜去条件を満たしていたが,培養結果を確 認するまで留置予定の経過中に発症した.今回の 3 例 は画像上の肺炎を疑う像は画像上認めなかった.従っ て膿胸は術中あるいは術後に胸腔内感染を起こした可 能性が高い.症例 2 は術前の咽頭及び発症後の喀痰の 培養で,症例 3 は術中の胸水の培養でいずれも MRSA を検出していない.このことから術後の交差感染の可 能性も否定できず,SSI の定義と厳密には異なるが逆 行性感染も否定できない.以上から抜去の条件を満た したドレーンを情報ドレーンとして留置し続けること は慎むべきであると考える.

胸膜炎の既往がある症例では術中に肺と胸壁の広範 な癒着を経験する.この癒着が形成されると以後胸水 が貯留することは無くなると推察される.筆者は症例

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1 や 3,あるいは術後以外の膿胸でも排液の培養で菌 が陰性化せずに,排液自体が無くなり臨床的に治癒す ることを経験している.これは腔の縮小化によると思 われ,胸腔ドレナージで癒着を促進することは膿胸治 療に極めて重要である.臓器切除に伴う術後の胸腔内 の空洞は残存肺の膨張などにより徐々に消失するが,

死腔が残存すれば感染の発生・進展を助長する.今日,

末梢型小型肺癌を中心に根治性を損なわない区域切除 術が増えつつあるが,肺葉切除術より死腔量が少なく 術後膿胸の抑制に有利に働くと考える.症例 1 は区域 切除術例であり経過が長かったが膿胸が全膿胸になる ことなく治癒し得た.

2.膿胸の局所治療について

症例 3 は胸腔内感染を予想したが膿胸が発生した.

洗浄に対応してダブルルーメン型のドレーンを選択し たが,膿胸と診断するまで持続吸引のみのドレーン管 理を行った.また経過中にドレナージ不良が起こった.

この経過は膿胸 II 期における,①フィブリンによる 腔内の隔壁多房化,②吸引内容の固形成分によるド レーン内腔の閉塞の二つの機序を考えた.文献的にも I 期から II 期への移行は発症から 2〜14 日とされ8),早 期に胸腔ドレーンを留置してもドレナージ不良も起こ ると認識しておく必要がある.抗菌剤以外の胸腔内の 浄化促進に胸腔内洗浄がある.症例 1 の時期は手術の 縫合創も毎日ポビドンヨードで消毒を行ったが,現在 は行っていない.また創感染にも当時は殺菌効果を期 待してポビドンヨードや超酸性水を使用したが,組織 障害性などの否定的意見が多く,胸腔内投与について も現在は推奨される処置では無いと考える4)7)9)10).生 理食塩水での洗浄は副作用も無く感染の抑制に有用 で,症例 3 も躊躇せずに発症前から予防的に行うべき であったと考える.

II 期のドレナージ不良に対して近年,胸腔鏡手術の 有効性が報告されている3)8)11)が,低侵襲とはいえ全身 麻酔でやや盲目的に隔壁を破壊する操作を伴うため可 能なら避けたい処置である.腔内の隔壁を溶解する線 維 素 溶 解 療 法 も 従 来 か ら 行 わ れ て き た 方 法 で あ る7)12)13).現在我が国では胸腔内投与可能なストレプト キナーゼ製剤が販売されていないため,ウロキナーゼ が最も使用されている14)15).ベッドサイドで施行でき 手技も簡便で有効性も高い.その機序からドレーン自 体の閉塞にも有用と考える.症例 3 では CT で腔内の 多房化を確認し,ドレーンの位置移動とウロキナーゼ の投与が極めて有効で追加ドレーンは必要無かった.

線維素溶解療法は大きな合併症は無く12)13)術後膿胸 II 期までのドレナージ不良に対してまず VATS よりも 優先される手技と考える.

3.MRSA 膿胸における抗菌剤の役割について

一般に膿胸の診断が確定すると通常抗菌剤は直ちに 全身投与を開始さ れ る.MRSA 膿 胸 で も 従 来 か ら VCM や ABK,teicoplanin などが用いられてきたが,

これらを適正に使用しても難治である2)〜4)9).膿胸が進 行すると抗 MRSA 薬あるいはドレナージのいずれか 単独で治癒することは困難で,自験例から抗菌療法の 役割を考察する.自験例はいずれも発熱を認め,胸腔 内の感染が全身へ波及する可能性は否定できなかっ た.抗 MRSA 薬は術後の抵抗力の低下した状態や有 熱期など全身への炎症波及が危惧される段階では必要 と考える.一方で中止時期については,症例 1 の時代 は比較的長期間 VCM や ABK を使用しており,最終 的には VCM 使用中に腎不全を来たしたため以後の使 用は控えた.前述の如く菌が消失せずとも治癒し,ま たその後の再燃も認めない経験から,抗 MRSA 薬の 役割は菌の消失ととらえず,他の治療との併用におい て全身への炎症波及の制御と考えるべきなのかもしれ ない.従って臨床的に膿胸腔の縮小や熱型などを総合 的に判断して中止しても治療効果には影響しないかも しれないと考察する.

症例 2 では VCM も炎症軽減の効果はあったと考え たが,あくまでもその後の化学療法を考慮して LZD を使用し奏功した.しかし LZD は元来 vancomycin- resistant Enterococciに対して温存すべき薬剤で SSI の MRSA 膿胸治療においては,①腎機能不良例,② 補助化学療法予定例の進行癌症例などに限って可及的 に短い期間用いることで検討すべき16)17)で,その他の 症例では通常の MRSA 感染症の薬剤選択基準に従う べきあろう.

術前のムピロシン軟膏による MRSA 鼻腔保菌者の 除菌が SSI を予防し得るかは確定していない.SSI 以 外の術後感染防止に有効との報告はあり,ハイリスク 症例でのスクリーニングと術前除菌の意味はあるとさ れている18).当院では全例のスクリーニングは行って いなかったが,今回の検討から交差感染予防のために 保菌者のスクリーニングを行う意義はあるのかもしれ ない.

ま と め

当院で経験した SSI の MRSA 膿胸は 3 例とも幸い 治癒した.自験例からの考察とまとめは以下の如くで ある.(1)手術時に留置した胸腔ドレーンを情報ドレー ンとして長期留置すると逆行性感染を起こす可能性が ある.(2)肺切除量を少なくする術式は膿胸の発生と 進展の予防に有効な可能性がある.(3)膿胸の病期 II 期以降に起こるドレナージ不良に対して線維素溶解療 法は胸腔鏡手術に優先して試みる価値がある.(4)抗 MRSA 薬の投与は全身への炎症の波及予防には必要 であるが,中止の基準は菌の陰性化を目標とせず臨床

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経過から判断するべきである.

本論文の要旨は第 82 回日本感染症学会総会学術講演会

(島根)にて発表した.

文 献

1)A report from the NNIS Sysem : National Noso- comial Infections Sueveillance (NNIS) System Report, data summary from January 1992 through June 2004, issued October 2004. Am J Infect Control 2004;32:470―85.

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18)福島亮治:感染予防のための周術期管理 手術 をする前にやっておくこと―術前管理の要点―.

消化器外科 2009;32:17―23.

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MRSA-related Empyema as Thoracic Surgical Site Infection Hisao MIZUTANI

Department of Surgery, Ako Central Hospital

The incidence of empyema as a thoracic surgical site infection (SSI) is relating low, but empyema re- lated to MRSA poses an unenviable therapeutic challenge. We review 3 cases of MRSA-related empyema as SSI seem in the last 10 years, and evaluate therapeutic measures. All 3 subjects began being administered vancomycin (VCM) systemically once the diagnosis was established. Subject 1 developed MRSA-related em- pyema following pulmonary segmentectomy for small-cell lung cancer. The subject was treated following a diagnosis of incisional SSI, with delayed adequate pleural drainage, resulting in treatment difficulties, but was cured without becoming MRSA-negative. Subject 2 developed MRSA-related empyema following pul- monary lobectomy for advanced lung cancer associated with pneumoconiosis. Following bronchoplasty, a chest tube was placed for long-term drainage. The subject did not become MRSA-negative after VCM ad- ministration, but became so after linezolid treatment, facilitating a cure. Subject 3, who had secondary pneu- mothorax, underwent thoracoscopic partial hepatic resection. Intraoperative findings suggested pleural cav- ity infection, necessitating a prophylactic drain, but MRSA-related pyothorax developed. Fibrinolysis with urokinase effectively cleared up the poor drainage and the subject was cured without becoming MRSA- negative. In conclusion, in controlling MRSA-related empyema as SSI noted that : (1) long-term postperative thoracic drain retention may lead to retrograde infection ; (2) surgical procedures reducing the extent of pulmonary resection may effectively prevent pyothorax progression ; (3) for poor drainage in advanced pyothorax, fibrinolytic therapy is worth attempting before thoracoscopic surgery ; and (4) the timing for dis- continuing anti-MRSA drugs should be determined based on the clinical course rather than negative conver- sion of bacteria.

参照

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