私 は 社 会 福 祉 を 専 門 に ず っ と や っ て き ま し た が、私がちょうど60年前に社会福祉の前身であり ます社会事業を専門に選びましたころは、本当に この分野の専門教育をやっている学校はごくわず かでございまして、私の母校の日本女子大学はそ の中でも目立った1校でありました。 その後、社会福祉に関する教育は、いわゆる職 能教育として展開してきましたけれども、それこ そ昭和50年代までは社会福祉の大学というのは、 まだまだわずかであり、そこへ進学するという学 生は本当に少数、しかも親からもそんな暗い職業 を目指さなくても良いというような反対があり、 あるいはそのころは社会福祉が、貧しく家族が弱 い、いわゆるだめな人が利用するものだという誤 解がございましただけに、そんな領域をやる必要 はないという、それをとどめた言葉のもとに学生 は決意をもって進学をしてくるという時期がござ いました。 ところが昨今、少子高齢化になりまして、大学 の中で社会福祉を打ち立てることが1つの大きな 流れになりまして、かつて私が進学をした戦時中 でございましたけれども、そのころは1校か2校ぐ らいの専門教育の学校が、その後、20、30に増え、 今日では100に近い数、各大学にこの専門の学科が できてまいりました。その中で、浦和大学が総合 福祉学部をつくられた意味というのは、私は極め て大きいというふうに思っております。特に、私 は、この大学自体が大変優れた大学であるという 意味を、3つほど申し上げたいと思います。 1つは、大学の理念が非常にはっきりしている ことでございます。九里理事長先生が言われまし たように、建学の精神である「実学に勤め徳を養 う」という、この理念が極めて社会福祉教育には 明快な1つの理念であると思います。いろいろな大 学で少子化を考え、学生を集めるために新しい領 域として就職がいい社会福祉学科をつくるという 大学がかなりございます。しかし、始めから「実 学に勤め徳を養う」という理念の下でおつくりに なった大学というのは、そうございません。その 意味では私はまず、浦和大学に敬意を表したいと 思います。 2つ目は、これも理事長先生が先ほど言われまし たように、スマイルハウスという福祉施設を持っ ていることです。特別養護老人ホームを持ってお ります。これは今、100近い大学の中で、わずか数 校でございます。そして、こんなに近い所で、し かも大学の教員とそれから現場でお働きになって いる方々と密接な関係を保ちながら、実習施設と して専用のスマイルハウスを持っておられること は、これは日本の社会福祉教育にとってまさにそ の地平を切り開くあり方を示されたという点でご ざいます。 そして3番目は、先ほど大貫学長も言われました ように、日本で初めて総合福祉学部という名前を 付けられたという点でございます。今日は、むし ろその総合福祉学部の名前の由縁である総合福祉 が、いかに21世紀にふさわしいあり方であるかと いうことを、私の研究者としての立場から申し上 げることを主眼としているわけでありますが、そ の点について、少し詳しく申し上げたいと思いま
21世紀の総合福祉
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