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雑誌名 奈良学芸大学紀要

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

合成糊料C.M.C.の粘度について

著者 稲垣 和子

雑誌名 奈良学芸大学紀要

巻 5

号 2

ページ 177‑180

発行年 1955‑12‑25

その他のタイトル Studies on the Viscosity of Synthetic Thickening material C.M.C.

URL http://hdl.handle.net/10105/4996

(2)

(177)

合成糊料C.M.C.の粘度について

‑'・I " 畑      モ:Iffe‑ ,*?‑'‑^ '

(昭和30年10月1日受理)

Kazuko INAGAKI : Studies on the Viscosity of Synthetic Thickening material C.M.C.

I 緒

近時,合成糊料の発達が目ざましく,従来糊料として用いられていた澱粉糊,寒天,ふのり,

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(工業的生産の難点,腐敗,温度による変化等)を克服して,織物織維工業をはじめ製紙,食品 整染,皮革,塗料,ゴム,化粧品の諸工業,その他粘着剤,分散剤,農用展着剤等に広く使用さ れ,近時は家庭用衣料糊附剤として非常に賞用せられている.

筆者は,合成糊料C.M.C(Sodium Carboxymethyl Cellulose) (Corboxyl methyl Cellulose) を用いて,その粘度につき濃度,塩類,温度,縫目に対する影響を考察してみたo以下その結果 を報告する。

I C.M.C.の性状

外観は白色微粉状。 PHは2%溶液で7‑9<

溶解性については,容易に冷水に溶解し,透明な糊状になるO一般に使用に当っては, 2倍量 の冷水を徐々に加えて良く練り(不均一になる事を避けるため) ,その後8‑10倍量の水を入れ

よく繰って,数十分放置し完全に溶解させてから所要濃度に稀釈する。

然し急を要する場合には,先ず与を量のアルコールを加え湿潤せしめた後, 10倍量の冷水を徐々 に加えてよく練りながら溶解せ.しめるo

C.M.C.は酸,その他の有機溶剤には溶解しない。

又,アルミニ.クム,亜鉛,鉛,鉄,鋼等の塩溶液をC.M.C溶液に添加すると水に不溶性の沈 澱となる。

粘度は,本実験に用いたC.M.Cは2%, 25‑Cに於いて400±50CD8である。

7R.実験及び結果考察

(1)濃度と粘度の関係(第一図)

C.M.C.布糊,片栗,銀生乳 メリケン粉,コソスタ‑チ,トラガン下ゴムの各粘度の関係は 罪‑図の如くなる。

即ち, C.M.Cが最も粘度が高く,従来の糊料に比して約4倍の粘度があり,他は布糊,コン スターチ,片栗,銀生教,メリケン粉, Tヲガントゴムの服に粘度が低くなっているO

(2)塩類の影響(第二図)

C.M.CにNaclを添加した場合は,第二図の如く次第に粘度が低下するO添加率を15%まで で粘度を測定したが,これ以上もなお,粘度が低下する傾向にある。

塩類はNaclのみでなく,一般に塩類添加をした場合,同様の傾向が見られたO

(3)

(178)      稲  垣  和  子 (3)温度の影響(第三図)

第三図に見られる如く,温度の上昇と共に粘度は低下するO特に20‑C以上の温度では蒸溜水 の粘度低下と殆んど平衡になる。

(4)経口の影響(第四図)

C.M.Cの2%溶液,及び布糊,片栗,銀生殊,メリケン粉,コンスターチ,トラガントゴム 等の可溶性澱粉の8%溶液を作り 75‑Cで20分間加熱溶解した試料を10日間毎日粘度をATl定し た結果である。第四図に見られる様に cm.c 2:溶液では10日間には粘度の変化は極く僅か

で殆んど認められなかった。

以上の実験の粘度測定は,全てオストワルド粘度計を使用O 数値は10回測定の平均値である。

実験に使用した水は全て蒸溜水を使用したO

(4)

合成糊料CM. C.の粘度について

w   r / j 7

Y

L

0  1  2   3  ・      10  →  日 数

Ⅳ 結    論

C.M.Cは繊維素パルプを原料とし,これを化学処理して作ったものであって,繊維素繊維の 糊料は可成り古くから研究せられていたが,近時,合成繊維の衣料が発展し,ナイロン,ビニロ ン,アセテ‑ト等の温度を上げると繊維の痛むものが増加してくると,どうしても低湿度での糊 附を工夫しなくてほならなくなり,研究が重ねられてCorboxyl methyl Cellulose なるものが 生れた。これは,又繊維助剤の分散剤としても非常によろこぼれている。

(5)

(180) 相賀  園 Iii^mi

本実験によって,従来糊料の如何なるものにも増す粘度を持ち,しかも温度及び経口の影響に よる粘度の変化の少ない事を知った。たゞ塩類の影響をうけやすい事は欠点であるが, C.M.C.

の使用面によっては塩類添加は何等関係のない事もあるので,この問題は一部に残されるもので ある。

水に容易に溶解し,腐敗の心配ゐない事,及び糊抜きの容易な事は家庭用衣料糊附剤としてよ ろこぼしいものである。

その他, C.M.C.の強靭にして透明な被膜を造る事.不溶性被膜を必要とする場合は糊付乾燥後 アルミニウム塩等の溶液で処理する事に依り被膜を得られる事o乳化分散性を有する事。.保護コ ロイド性を有する事O等ほ防汚性,洗浄性を高めるものとして,織物繊維の仕上げ並びに洗剤工 業面に有効である。

参照

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