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青塚繁志Actual Condition of the Fisheries Products Distribution in the Coastal Fishing Villages —VIShigeshi AOTUKA

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長 崎 大 学 水 産 学 部 研 究 報 告 第40号,111〜143(1975) 111

出 荷 変 動 の 実 態 と 問 題 点 (沿岸鮮魚貝市場の実態6)

青 塚 繁 志

Actual Condition of the Fisheries Products Distribution in the Coastal Fishing Villages —VI

Shigeshi AOTUKA

各 浦 浜 に 水揚 さ れ た 鮮 魚 貝 類 は,地 場 消費,県 内 向 出 荷,県 外 向 出 荷 と次 第 に そ の 出 荷 圏 の輪 を拡 げて い く。 長 崎 県 で は 県 内 向 ま た は それ に準 ず る 出荷 の 大 きな 流 れ とし て は,長 崎 、佐 世保,北 松,福 岡 の4中 核 集 散 市 場 を核 と して,さ ら に近 接 集 散 漁 港 を傍 流 とし て,そ れ ぞ れ の 地 元 消 費 と 県外 向 出 荷,と くに 阪 神 を 中 心 とし た本 土 市 場へ の 太 い 出荷 パ イ プを形 成 す る 。 戦後 こ の 既 存 集 散 市 場 の 場外 流通 とし て 各 浦 浜 か らの 各 流 通 資 本 に よ る本 土 市 場へ の 直送 が 大 き な流 れ とな っ てい る こ とは,別 稿 で各 取 引 形態 別 に 若 干 の 実 態 に つ い ての べ た と お りで あ る。

ま た こ の よ うな 生 産 地か ら県 内外 集 散 市 場 本 土 市場 向 出荷の 逆流 として,浦 浜のな かで 地 元消 費,養 殖 飼 料, 加 工 原 魚 を主 と した 消 費需 要 の 強 い 地 帯 に た い す る搬 入 物 が 増 加 し て い る。 と くに,福 江,郷 ノ浦,島 原 な

どは 地 元 消 費 搬 入 と し て,ま た 西彼 杵,橘 湾 は加 工 原魚 搬 入 の 交 流 が あ り,と くに 五島,県 上 対 馬 海 区 へ の 養 殖 餌 料 魚 搬 入 は 大き な逆 流 と して あ らわ れ て い る

さ て 各 漁 協 地 帯 は,そ れ 自身 一つ の 小 集 出 荷 地 帯 を 形 成 す る。 と くに 主要 漁 港へ の 直 送は,い わ ゆ る員 外 水 揚 と して と らえ られ て お り,県 資料 で は 属地 的 に 漁 協 水 揚 とし て 表 示 され てい る。 し たが って,厳 密 に い う と員 外 水 揚 を 区 別 し,各 漁 協水揚 のなかの他 漁 協 へ の 直 送 と相 殺 しな け れば 総 生 産 力 とは な らな い 。 した が っ て 県 資 料 に あ ら われ た 水 揚 量は 取 引 量 と して と らえ るべ き もの で あ る。

この よ う に各 地 区主 要漁 協 は 員 外 水揚 の 大 き さに よ って 一 つ の 集 荷 圏 を形 成 す るの で あ るが,現 在 の と こ ろ,員 外 水 揚 は 上 場,上 場 外 に か か わ らず,そ れ ほ ど大 き な 量で は な い よ うで あ る。 と くに の ちに 集 散 市場 的 搬 入 と し て 表 示 す る事 例 も,近 接漁 場 の理 由で 周 辺 漁 船 が 員 外 水 揚 す る もの や 同 じ理 由に よ る 県外 船 水 揚 が 多 く,遠 距 離 輸 送 を と もな う集 荷 圏 的 水 揚 とは い え ない 。 し た が って,現 在 の と こ ろ 受 入 側 で い う員 外 水 揚,所 属 漁 協 でい う他 漁 協 へ の 直 送 は 集 荷 圏の 要 素 で は な く,地 元 組 合員 水 揚 と 同 一視 し て 差 支 えな い の が 大 半 の 実 態 で あ る。 長 崎 な ど県 内3市 場 以 外 に あ る程 度 流 通 基 地 的 性 格 を 備 えつつ あ る もの も,の ちに の べ る よ うに 大 半 は こ の 例 に 属 す る よ うで あ り,集 荷 圏 の核 と して はな お形 成 され て い な い 。

む し ろ 各 漁 協 の 小 集 荷 圏 と し て の 動 き は,加 工 原 魚 と養 殖 餌 料 の 導入 に み られ る。 ま た 地 元 消 費 は,上 取 引 を 除け ば 県 資料 で も最 も正確 度 の 低 い もの で,商 業 統 計 に よ らなけ れ ば 正 確 を 期 し えな い 。 そ し て 厳 原, 郷 ノ浦,島 福 江,平 戸 な ど の3集 散 市場 以 外 の 県 内 都 市 へ の 消 費 向 流 入 量は 相 当 高 い と思 わ れ,そ の 限

りで は 都 市 需 要 と し て の 一定 の 集 荷 圏 を形 成 す る もの で あ る。 然 し 県 資 料 で は漁 協 単 位 に 搬入 量 を み て い る か らそ の 把 握 が 困難 とな って い る。

今 後 郡 部 中 核 都 市 を中 心 と し た 集 荷 圏 が形 成 され,ま た ブ ロ ッ ク共 販 の 進 展 に よ っ て 陸海 路 か らの 搬入 に よ る集 荷 圏が 形成 され る方 向 に あ るか ら今 後の 研 究課 題 と な るで あ ろ う。

1.漁 協 地 区 に お け る 搬 入 状 況

こ こで は漁 協 地 帯 に お け る 地 区外 か らの 搬 入 量 を考 察 して み よ う(表1)。 な お 集荷 圏 とし ての 長 崎 な ど の3集 散 市場 に つ い ては,各 漁 協 の 出荷 圏形 成 の 問 題 と し て の ち に と り あげ る。

47年 に お け る各 漁 協 の 上 場 市 場 搬入,ま たは 地 区 内に 場 外 搬入 され た もの は,19,600ト ンに 達す る。 圧 倒 的 に 漁 協 市 場 外 の 買付 で あ る 。 た だ 壱 岐 と 五 島 で は 上 場 搬 入 が 多 い 。 壱 岐は い うま で も な く郷 ノ浦 漁 協 へ の 島 内漁 協か らの搬 入 で集 散 市 場 と して 次 第 に 成 長 して い る。 ま た 五島 で は す で に 上 場 漁 協 でふ れ た とお り奈

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青塚:集出荷圏変動の実態と問題点(沿岸鮮魚貝市場の実態6)

表1. 用途別にみた心入量:(トン)(S47)

消 費 向 餌 料 向 加工原料向

陸 路 海路 陸 路 海路 陸 路 海 路

海区別 上場i拒ヒ場 上場非上揚 非上場 非上場

非上場非上場 上場

 対 馬 ァ 壱 下 k 県 北 煤@五 島

@ 計

一      }

V68 一

黶@  4 V68  4

一      一

p      一

﹃768− 4772  一  519

@−   630 V,801 323

@一       一

V,801 1,472

519 U30

W,124

@−

X,273

 一       一

P,714  一

@   一

@一

P,714  一

 一

@}

P,714

@}

P,714

一一一55

 西彼杵

ァ 大村湾

@橘 乱m 有明海

煤@泉水海

@ 計

黶@741

Q1 − P16 289

黶@       一

P371,030

一  17

黶@       _

黶@      一

Q      『

黶@ 17

 17 P00

@21

S05

@−

P,184

Q       一

S58  一

@   一一

黶@       一

S58  }

一﹃458一一458 1,002 1,833

@一       一

S83  720

P,485 2,553 2,835

@−

P,203

@一

@一

S,038

一8一一一8

合 計 9051,034 一  17 1,956 8,259 1,472 9,731 3,199 2,553 5,752 13

留漁協市場への下五島からの上場搬入である。その取扱量からいうと県内で最も集散市場的性格をもってい

る。

 上場外搬入では,県北の養殖餌料と西彼杵の加工原魚が主である。ここで問題なのは肖費同搬入であり,

上場漁協以外は勿論,上場漁協でも上場外搬入の実態はほとんど明らかでない。したがって表1に掲げた消 費向搬入はその実態からはほど遠いといえる。というのは各生産地帯の地場消費は,福江魚市,北松魚市,

福岡市場からの,仲買,小売商によるアジ,サバなどの搬入がほとんどであり,この資料にはあらわれてこな いからである。したがって,それらの仲買業者からの行腐,小売による上場外搬入は,各漁協でもほとんど 掌握していない。

 以上生産地帯における地区外からの搬入ecよる集荷圏は,郷ノ浦,奈留の漁協市場が致えられるだけで,

上場外搬入は餌料,加■原魚の個別分散的買付搬入である。

 2・地場消費圏の形成

 地場消費の伸び率をしめすものとしては,上場物の地元消費向と前項の消費向搬入があるだけである。す でに仲買商人市場に関する旧稿で,地場消費向取扱量が全県的とくに県北部で減少傾向にあることを指摘し た。そしてこれは上場漁協の減少によるもので,代って登場するはずの漁協小売もそれを補うほどの伸びは しめしていない。結局地元消費は直送,行商への依存が高まっているものと考えられる。

 然しながらその地域への消費向出荷は,量的ecは小売商,仲買商人によるものが多いのであるが,県資料 の漁協共販,買付の出荷では地場消費の区別がなされていないからその把握はできない。一応漁協市場 としての地場消費量は漸減しており,殻入によって増加分を補っているとみてよい。実態調査によると,島 原市,南有馬,郷ノ浦,川棚,大村市などecおける都市部,農村向漁協市場の増加があきらかであった。ま た郷ノ浦などにみられる直接的な観光需要の増加は,佐世保などの都市近郊型漁協でみられるが,その量は 壱岐を除けば特筆すべきものではない。それは一般消費に混入して明らかでない。このように,一般漁協地 区内とその周辺部への消費向出荷圏としては,従来の形をあまり変えていない。

 ただ地場消費圏として形成されているのは,長崎,佐世保周辺漁協における行商,直送出荷圏の存在であ

(3)

長崎大学水産学部研究報告 第40号(1975) 1 13

散市場

陸  路 海  路

非上場 上場 非上場

上場 非上場  計 上場 非上場  計 上場 非上場

72 72 一       一

591  591 591 591

768 一   768 630  630 768 630 1,398

867 867 9,515 α515 867 323 1,190 867 a838 10,705

−1,145 21 1,171 5 4   9 1,145 21 1,166 1,150 25 1,175

2,012 93 2,110 773 %1910,292 2,012 1,565 3577 2,785 11ρ84 13,869

1,002 1ρ0〜 1,850 1,850 2,852 2,852

10 18 8     /V41 グ49 10 一   10 18 741 1β82

21 941  962 720  720 21 1,661 1β82

116 289  405 一      一 116 289 405 L

一      一

一       一

10 18 145 2,973 &118 10 a570 2,580 155 風543 5,698

2,022 93 2,128 gi8 12,49213,410 2,022 4,135 6,157 2940 16,627 19567

る。このことはすでに別稿で都市近郊型漁協地帯の特性としてふれたとおりである。これは漁協における取 引形態の型を規定するほどの特定地場消費圏をしめしている。

 今後問題となるのは,このような地場消費圏における漁協市場のあり方であろう。現在は茂木,双脚,相 浦,西彼漁協のように直送 行商の形で漁協市場から疎外され,また大村湾南部漁協のように,上場市場に 編入するか行商に放置するか,きわめて不安定な段階である。このことは,現在の漁協市場のあり方が,無 条件ec仲買商人市taec委ねるか,高級魚出荷ec漁協運営の経済的基盤を求めるかの賞サイドで推移する限り 対応できないであろう。

 離島をふくめて地域住民の地元水揚鮮魚貝にたいする購買意欲は強いが,中級魚以上にみられる高魚価,

入手難のなやみをもっていることは周知のとおりである。この反面都市近郊地帯における直送,行商形態が 未組織のままに放置されている。いわば,いわれている生産消費の直結が合理的であるとすれば,こ.のよう な直接販売形態を漁協段階で合理的に再編成することが必要である。それは,一つは漁協による消費地での 直売組織の設定であり,他の一つは既存公設小売市場の近代化や最近みられる公設総合食品小売センター的 強化策の積極的推進を図ることである。

 5.・商人市場の出荷圏

 次に加工向を除いた地場消費をふくめた出荷圏(ほぼ地区外出荷)についてみてみよう。県資料では買付 加工と上場加工は明確に区別されているが,他の特約,共販eeついては加工向が判然としていない。地区外 出荷といっても,阿須湾のようec加工向特約がみられるし,また東海のように島内(郡内外)向加工買付も 共販にふくめた例がある。だから特約,共販の地区内外販売についても加工向がふくまれている部分がある。

 また地場消費向も,上場消費と漁協小売は明確に調査されているが,買付,特約には地元売りがある程度 ふくまれているとみてよい。直送はとくに47年県資料は行商と区別していないので地元向出荷が地区によっ ては相当量ふくまれている。

 次に以下の分析で県内,県外の対比を行なっている点についてである。これは県資料の区分にしたがった のであるが,長崎県の場合は他県と異なり特別の恵義をもたせることはできない。一般ec県内外の対比は,

(4)

114 青塚:集出荷圏変動の実態と問題点(沿岸鮮魚貝市場の実態6)

近接市場と遠距離市場したがって出荷魚種の下級魚高級魚,買付規摸の大小,買付資本の大小などと関連し て経済的な意味をもっている。然し長崎県の場合はいうまでもなく,対馬壱岐の福岡,佐賀市場にたいす る経済圏的関連は,下五島の長崎市,上五島の佐世保市,田平町に対する関連と同一である。また伊万里湾 離島地帯と伊万里,唐津,福岡という県外市場との関連は,いうまでもなく佐世保という県内市場よりは一層県内 市場的である。このことは有明海海区と三角,大牟田,大村湾東岸部海区の柳川,大川にたいする関係でも 変りがない。県内中継的集散市場を経る必要がないほど,これらの県外市場は地理的,時間的距離が短いの である。まして最近のように高馬力運搬船,フェリー,大型トラックへの依存度が高い段階では,県内市場 向と近接県外市場向とはほとんど区別する経済的な意味はない。もし強いて区別する意味があるとすれば,

県内集散:地市場を中継する場合の県内向である。これとても長崎,佐世保などの県内市場は多くがさらに出 荷仲買による申央大都市市場向である。

 このような前提で以下県資料acしたがって一応の出荷圏をみておこう。

  (1)買付商人市場の出荷圏

 まず商人市場のうちの買付商人出荷圏であるが(表2,3),全県的には県外向の伸び率がやや高い。県 外向の伸びが高いのは,一周県北西彼杵海区であるが,対馬はともかく,.西彼杵での北九州向出荷の伸びを注 眉したい。 また県北海区の県外向と県内向の伸びが変らないのは,カツオ活餌や餌料向出荷が浜仲買などの 地元処理の形をとるためである。ただ最近の傾向は。県北部では対馬を除くとむしろ五島の買付市場におけ る長崎,佐世保出荷が県外直送よりも伸び,県北海区の買付出荷は逆になっているのが注目される。また泉 水海の買付市場が県内向集中となっているのは,浜仲買の強化とみてよい。いずれにしても,最近の買付商 人市場出荷圏はs対馬を除くと県内集散市場Nの上場のための出荷が増大している。このことはのちの県内 主要魚市向出荷と対応するものである。

表2. 買付の仕向地別伸び率

県 内 向 県 外 向

海区別 44/39 47/44 47/39 44/39 47/44 47/39

県 北 部

対 野

│ 土 ロ 北 ワ 島

@計

2.30

@● ● ●

P7.82 O.28 Q.63

α04

O.38 T.78 O.82

0.10

p5.761.644.26

0.84

│ag70.542.12

3.48

怐@・ ●

P.95 R.76 Q.15

2.91

│5792.04456

県   南  部

西彼杵

蜻コ湾 k 湾 L明海 C

@計

0.56 P.34

ソ23

O.29

ソ34

0.02

│1.096.502.64

α01

J ・ り

怐@● ●

O.25 P.92

ソ90

10.12 P.34 O.08 O.45

ソ70

O.54

α45

P.29

D・ ●・

O.85

ソ75

O.81

453

P.73

O●●

ソ38

O.52

ソ43

0.74 1.52 1.12 0.85 1.48 t26

(5)

長崎大学水産学部研究報告 第40号(1975) ;1115

表3. 買付の県内外出荷構成比

仕向地 39 44 47

海区別 県内 県外 県内 県外 県内 県外

対 馬 9.3 90.7 21.9 78.1 0.3 99.7

壱 岐 37.5 62.5

非望 5.7 94.3 26.5 73.5 6.6 93.4

五 島 60.2 39.8 44.1 55.9 54.8 45.2

23.0 77.0 27.1 72.9 12.4 87.6

西彼杵 93.7 6.3 45.6 54.4 a7 96.3

大村湾 11.6 88.4 11.6 88.4 100.0

橘 湾 a3 93.7 100.0

有明海 25.7 74.3 14.9 85.1 18.5 81.5

泉水海 31.4 68.6 16.3 83.7 62.7 37.3

26.4 73.6 18.6 81.4 42.7 57.3

25.8 74.2 23.1 76.9 23.5 76.5

 この結果,39年から47年までの買付商人市場の県内外向出荷比率は全県的にやや県外が増加しているが,

対馬を除くと県南部,五島海区では県内集散市場向の比重が高くなり,五島を除く県北部では北九州向,本 土向が多くなっている。

 ところで最も注目される県外市場向の最近の伸び率のうち九州内市場をみると(表4,5),福岡向が増 えているのは五島と有明海で,その他は海区によっては大巾に減少している。その結果全県的には前期の減 少にひきつづいてさらに減少傾向にある。この点は佐賀出荷も変らない。これに反してその他の九州とくに 大分,熊本の消費がのび,全県で39年にた:いして47年には4倍になっている。とくに県北部の伸びが大きい。

然し44年以降の最近の状況では,県北部は減少,県南部は大巾増加と前期と逆転している。したがって九州 市場にたいする買付商人の出荷傾向は,最近では五島海区買付の福岡出荷増加とその他地区向の減少,一般 九州向では県北部がとくにその他本土各地出荷に重点を移し,県南部は本土向よりは一般九州内市場を目指 しているといえる。このような既成市場への最近の出荷傾向は,九州水産県のメッカであった阪神市場にた いする買付商人の出荷でも,最近は対馬を除くといずれも減少傾向ecあるのが注目される。対照的ec,とく に最近の全地区の買付商人出荷が,本土各地区出荷に大巾集中しているのが特徴である。44年以降買付商人 市場の集荷量の増加がみられるのであるが,それは既成市場以外への市場拡大の結果である。これは,福岡

市場以外の九州新市場への出荷が増大していた県南部でも同一傾向である。

 こうした本土各地市場への出荷の伸びというのも,県北部では東京市場という既成市場以外の増加であり,

県南部は東京市場出荷の増加がその特徴である。これをしめすのが47年のつぎの仕向地別比率である。

 県資料が本土市場を山口,阪神以外ec細分化したのは47年だけである。それで上述の伸だと構成の47年の 状況を細分化してみよう(表6)。

 まず47年の県内市場では,長崎魚市に49彩が集中出荷されている。勿論五島,県南部の買付商人出荷であ

(6)

116        青塚:集出荷圏変動の実態と問題点(沿岸鮮魚貝市場の実態6)

表4. 買付あ県外出荷の伸び率

仕向地 福   岡     一

サの他の九 海区別 44/39 47/44 47/39 44/39 47/44

47/39門

44/39 47/44

県北部 甲子県下  馬

@岐

@北

@呼

1.04

黶怐@● ■0.401.01

0.25

鼕噤@o ■i1.81.70

α26

鼈黷S721.72 一● ● ●一一曾 ● . 一■ ● 嘔一一〇 ・ 曾 一一﹃● ・ ・● ・ ●  『

@一

P2.34

ソ47 V33

一一α85α750.84

県  南  部 西大賢幽有泉 彼 杵

コ 湾

@開

セ 海

?@海

v

8.94 P.73

黹ソ161.080.82

● ● ●

O.90

│1.800.52α63

◎ ・ 0

P.57

wα300.570.52

● 9 ・

P.33

鼈黶Z.440.59

・ o ・

O.76

w一〇.970.87 一1.02一一〇.42α51 ○ ● ●

X 0 0

│0.04. ・ ●0.07

12.83

@一

@一

Q5.60

@● ■ ●

P9.91

0.85 0.80 0.68   噛ソ60 0.86 0.51 4.22 0.98

表5. 買付県外出荷の仕向地別構成

海区別

県北部県南部

仕向地

馬指北島    計対壱県下 杵湾野晒海彼村 明水計西大局有東

39

5 、・

福 岡 佐 賀 その他

縺@州 山 口 阪 神

その他

{ 土 福 岡 佐 賀

526 a6 43.9 652

100.0

21.5 4.0 21.9 52.6 1.7 「    『

35.7 61.4 2.9 、26.7

17.3 23.1 3.3 23.7 P 32.7 8.3 α3

100.0 87.4 a2

36.7 53.1 10.2 47.4 52.6

100.0

44.8 10.7 71 27.4 10.0 16.3

32.8 61.7 27.8 24.4

1.0 一

4.3 2.2

L7 28 [ 51.0

37.3 4.0 [ 42.6

3 9.0

2 6.9

舌口

25.7 19.5 8.1 2.4 346 9.7 1 25.6 1 3.7

(7)

長崎大学水産学部研究報告 第40号(1975) 117

京 阪 神 その他本土

47/39 44/39 47/44 47/39 44/39 47/44 47/39 44/39 47/44 47/39  一

@一

Pq43 O.35 U.18

⁝一● o 竜一・ ● ● o ● ●黶D ・ 9● o oo ● ●

41.14

@−

P2.59

@● o ・

P9.52

0.66

│0.17a750.44

 421

@ 

kI「・.㌔『

@α40

@1.33

@ag 2

2.79

黹ソ075001.28f

  一

@ }

@α44

P、一

@q44

 ● ● ・

@一

P3.09

@−

P3.21

● ● ●

黷T.75−5.81

・ ・ .

E ● ●

黷P.101.171.43 一一一〇 ● ●一︐ ● ○ 一﹃一一一  一一一    .● ・ ・︸・ o . 一一〇.071.374150.43 一一● ・ ・0.220.870.29  _  [

@   i 『

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ソ311贔 3.60 0.12 一﹃o . ●● ● ■● ・ ●0.04 一・ 噂 ●● ● o● ● ●一40.2 一■ ■ ●一〇.47⁝1.43

414 ● ● ・ . ● ・ 534 0.43 0.66 0.28 α31 14.23 4.37

44 47

その十

縺@州 山 口 阪 神

その十

黶@土 福 岡 佐 賀 その他縺@州 山 口

34.8 4.7 50.5 42.1

89.3 1.2 7.8 38.7 8.7 0.3

53.3 20.0 82.5 0 10.5 0 7.0

79.7 4.9 6.8 6.5 0 31.2 14.0 6.7

3.4 100.0

33.3 31.2

93.7 6.3

1.0 82.7 34.8 30.9 22.0

10.0 35.8 50.3 2.3 11.6

0.6 29.6 0.3 33.1 29.0 14.2 10.7

39.9 17.3 3.5 13.8 ao 26.5 1α2 7.8

他土

ぞ本

5 2.3

4 1.6

3 5.5

1 2.3

31 1

37 3

(8)

118 青塚:集出荷圏変動の実態と問題点(沿岸鮮魚貝市場の実態6)

表6. 買付の県内出荷の市場比率(S47)

(%)

仕向地

長崎魚市 佐世保魚市 北松魚市 小 計 地元向 その他 海区別

対 馬 100.0  ・

壱 岐

県 北 4.8 1.6 6.4 82.2 11.5

五 島 27.4 70.6 98.0 2.0

16.6 44.7 0.7 62.0 33.5 4.5

西彼杵 100.0

大村湾

橘 湾

有明海 21.9 21.9 78.1

泉水海 β88 68.8 4.7 26.6

64.9 64.9 10.7 24.4

合  計 48.7 15.1 0.2 64.0 18.3 17.7

※加工向を除く。

る。佐世保魚市は15%と低いが,五島買付商人取扱量の71%を集荷している。前出のとおり五島買付商人の 出荷は,47冊子は県外直送よりも県内出荷が多かったが,その内容は長崎市場よりは佐世保市が圧倒的であ る。下五島の統合共販の発展が地元買付市場を縮少していることとあわせて,上五島に買付商人が集中し佐 世保市場出荷が強化されていることをしめしている。また県北部は圧倒的に県外直送が多いが,その他の県 内向も地元消費であることがあきらかで,県北海区買付の集散市場出荷は量的には皆無に近いといってよい。

 県南部では47年ではやや県内向が県外向よりも低かったが,そのうち泉水海は約70%を長崎魚市に出荷し ている。有明海海区買付の県内出荷は全量の19%程度であったが,その大半は周辺地区をふくめた浜買付集 荷でさらに島原,北九州市場に出荷されるものである。

 以上のように地区外県内出荷の多い海区の県内買付出荷圏は,県南部が長崎魚市,県北部が佐世保魚市に 集中されている。

 また前出の県外出荷の最近の伸び率をふくめて,47年の県外出荷圏の構図を総合的にみると(表7,8),

全県的には九州,本土向ともに福岡,佐賀, ド関,阪神という既成市場の比重は高く,なお新市場開発の軌 跡はそれほど大きくない。拡大方向の高いのは,県北海区(その他九州,その他本土),大村(東京),

有明海(そめ他九州)で,とくに県北海区買付商人出荷圏のその他本土への増加が目だっている。

  (2)特約商人市場の出荷圏

 特約商人取扱量はとくに最近は減少を続けている。したがって全県的には最近は県内外向出荷ともに減少 している(表9,10)。 買付がともに増加しているのとは対照的である。

 然し海区別ecみると壱岐,二言の県内向は増加傾向をしめし,また五島もやや増加し買付と同じ傾向であ る。県外向は県門が買付の増加と対応した形で減少している。

 この結果全般的減少のなかで,県北部(とくに壱岐,県北)の県内向比重の上昇に影響されて,県南部の 低下にかかわらず全県の県内向構成比は上昇している。買付市場においてはとくに県北部の県内向比重の低 下と県南部の上昇が相殺されて,県内外構成比がほとんど変っていないのと対比すると,特約市場は全県的 には最北部の上昇のために県内向が増加しているという県内市場集中化方向にある。

 このことは特約業者で小規模業者が増加していることと関連するものと思われる。県北部において買付は 県外出荷型で規模拡大,特約は県内向の小規模化,県南部では買付は県内向,特約は小規模の近県向という

(9)

         長崎大学水産学部研究報告 第40号(1915)

表7. 買付県外出荷の主要出荷圏(S47)

119

仕向地 九州本土比 九州内構成比 本土内構成比

海区別 九 州 本 土 福 岡 佐 賀 その他 阪 神 関 東 その他 対 馬 48 95.3 100.0 44.2 2.8 53.0

壱 岐

県 北 38.7 61.3 10α0 0.4 99.6

五 島 93.0 7.1 88.7 0.1 11.2 99.0 1.0

37.7 62.3 17.3 0 82.7 10.7 0.6 88.7

西彼杵 100.0 100.0

大村湾 64.6 35.4 51.6 48.4 100.0

橘 湾

有明海 65.7 34.3 53.0 47.0 64.1 30.1 5.8

泉水海 88.4 11.7 40.5 56.9 2.6 100.0 _  「

762 23.8 43.3 38.0 18.7 44.9 52.8 2.3

48.4 51.6 28.6 16.5 54.9 15.0 72 77.8

表8. 買付の県外出荷圏構成比(S47)

 仕向地

C区別 福岡 佐賀 熊本 大分

その他

縺@州 下関 山陰 山陽 阪神 関東

その他 { 土

県 北 部

対 馬

?@岐 ァ 北 ワ 島

@計

4.8

鼈黷W2.56.5 一一︸0.10 一一12.11.39.6 一一6.0−4.7 一一20.69.116.9 50.5│8.70.114.0 一一一一一 一一一一﹃ 42.1│0.37.06.7

2.7

黶p一〇.4 一﹃52.3−41.2

県  南  部

西彼杵1 蜻コ湾1

k湾

L明海 C

@計、

一33.3−34.835.833.0 一31.3一一50.328.9 58.6鼈黷Q.4−3.6 一一一〇2一α1 414鼈黷Q8.32.310.6 一一一一﹃一 一一一︸一一 一﹃一2.0−0.5 一一﹃22.011.710.7 ﹃35.4−10.3−!2.6 ﹃一一一一一

合 計 13.8 8.0 79 3.5 15.2 10.1 0.1 7.8 3.7 29.8

(10)

120    青塚:集出荷圏変動の実態と問題点(沿岸鮮魚貝市場の実態6)

表9. 特約の仕向地別伸び率

仕向地 県   内 県   外,

海区別 44/39 47/44 47/39 44/39 47/44 47/39

対 馬 18.3 0.07 1.25 α58 0.57 0.33

壱 岐 O g o aoO . o ● 2.36 0.99 2.33

県 北 1.36 2.29 3.11 2.09 α38 0.80

五 島 α82 1.20 α98 α41 1.94 0.80

1.32 1.05 1.39 α81 α62 0.50

西彼杵 3.89 α10 q39 4.51 0.34 1.55

大村湾 ○ ・ ● ● ■ ● 0.18 5.94 1.09

橘 湾 ● ■ ● 6.48 0.07 0.45

有明海 3.75 0.62 233 α48 2.26 1.10

泉水海 13.67 0.95 13.00 0.48 o ● ●

4.55 0.28 1.27 2.01 0.50 2.65

2.33 0.58 エ351 1.58 0.55 0.87

方向がみられる。

 つぎに特約出荷の最近の県外向伸び率をみると(表11),まず県北部で増加しているのはその他本土向だ けで,池の仕向地は九州,本土にかかわらず減少している。ただこのなかで仕向地別に増加しているのは,

壱岐海区の福岡 その也本土向五島海区のその他九州,阪神向である。また県南部全体は,福覇仕向たけが横這い

表11. 特約県外出荷の伸び率

仕向地 福   岡 佐   賀 その他九

海区別 44/39   47/44   47/39 44/39   47/44  47/39 44/39 47/44

対 馬 0.34      0.82     0.28 41.10   0.75

壱 岐 0.09    12.67      1.19 ● ● o    一

県 北 1.46      6.70     1.01 0.49     0.53      0.26 …    0.11

五 島 0.36      0.70      0.26 0.02  1α00

0.37      084     0.31 0.47    0.53      0.25 9.56   α52

西彼杵 7.29      1.75    12.71 ● ・ ●

一    一

大村湾 一        ■ ●      , , ・ 0.90     1。22       1.10 o ● ●

橘 湾 一       ・ o サ _      ● ● ・

有明海 0.43      2.21     0.95 9 ● ●      ● ■ o

泉水海 ・。・@     1.02       ● …   0、28 …    0.33

17.05     1。08    18.46 36.32     0.29     10.67 1.86  0,36

0.72      0.96      0.69 10.79     0.30      3.25 Z82  0.43

(11)

長崎大学水産学写研究報告 第40号(1975). 121

表10. 特約の仕向地構成比

仕向地 39 4・4 47L

海区別 県内 県 外 県 内 県 外 県 内 県 外

対 馬 α4 99.6 10.3 99.7 1.4 98.6

壱 岐 100.0 25 9Z5 18.7 81.3

県 北 9.7 90.3 6.5 93.5 29.4 70.6

五 島 54.0 46.0 69.9 30.1 54.1 45.9

10.3 89.7 15.8 84.2 24.3 75.7

西彼杵 51.1 48.9 47.5 52.5 20.6 79.4

大村湾 100.0 64.7 35.3 100.0

橘 湾 100.0 100.0 50.3 49.7

有明海 21.5 78.5 68.0 32.0 36.8 63.2

泉水海 100.0 1.0 99.0 2.0 98.0

20.0 80.0 17.6 82.4 10.7 89.3

12.1・ 87.9 16.8 83.2 17.7 82.3

で他の仕向地はすべて減少している。そして海区別で増加しているのは,西彼杵の福岡向,大村湾のその他 本土向,有明の福岡,阪神向である。壱岐,五島,大村湾の九少卜1本土向における新市場開拓の動ぎがやや みられるといってよい。

 これらの増減傾向めなかで,その最近の仕向地構域比をみると(表12), 全県的には福岡,その他本土

山   口

その他本土 47/39 44 ^39 47/44 47/39 44/39 47/44 47/39 44/39 47/44 47/39

30.80 0.19 0.73 0.14 1.31 0.22 0.28 0.06  2 0.00 1.11

・  一 2.93 0.6・7 1.95 ● ● o 4.03

, ● ・ 2.15 0.15 0.33 1.52 0.40 0.61 o ● o 0.56 . , o

0.22 ● ■ o 0.45 2.36 1.07 o . o 0.75 ・ ● ●

4.96 0.31 0.49 0.15 1.35 0.49 0.66 8.06 L12 9.00

c g 9 ● ● ● 1.59 0.24 0.38 36.21 0.28 10.21

0.04 o ● ● 8.45 ● ● ●

「 曾 ・ , ● o o 6.78 137.14 0.01 0.86 1.51 0.04 0.06

■ ● 9 ・ ・ 0.53 2.12 1.12

9 ● ・ ・ ● ● ・ , o

0.67 ● ・ . 1.17 3.99 0.21 0.83 5.29 0.72 3.79

1.21 0.29 0.78 0.22 1.78 0.39 0.69 5.73 0.81 4.62

1

(12)

122

表12.

     青塚:集出荷圏変動の実態と問題点(沿岸鮮魚貝市場の実態6)

特約県外出荷の仕向地別構成比

仕向地 39

海区別 福 岡 佐 賀 その他

縺@州 山 口 阪 神

その他

{ 土 福 岡 佐 賀

対 馬 61.3 α2 19.5 18ユ 0.8 36.4

壱 岐 15.8 3.0 6.9 74.3 0.6

県北 10.3 19.9 8.1 61.8 7.2 4.6

五 島 24.8 9.5 α6 65.0 21.9

50.6 2.4 1.2 15.9 29.2 0.6 23.1 1.4

西彼杵 3.3 28.6 59.2 8.9 5.3 2.2

大村湾 7.6 92.4 38.1

橘湾 4.8 3.7 91.4

有明海 21.1 6.0 72.9 18.6

泉水海 25.2 50.8

5.3 48 40.9 5.9 27.3 15.9 16.9 32.5

42.8 2.8 8.0 14.2 28.9 3.2 19.5 19.4

向だけが上昇して竪る。然し海区別には,新規市場としてのその他九州向では対馬海馳その他本土向では壱 岐,県北,大村湾各海区がその比重を高めている。

 47年の特約業者の出荷圏をみると(表13), まず県内市場では,全県的には3集散市場で49%と買付と    表13  特約県内出荷の仕向地別構成比(S47)

海区別

仕向地 長崎魚市 佐世保魚市 北松魚市 小 計 地 元 その他県内

対 馬 100.0

壱 岐 100.0

県 北 3.7 35.2 13.5 52.4 ag 43.7

五 島 53.2 26.5 79.7 20.3

33.5 25.0 3.3 61.8 3.1 35.0

西彼杵 3.1 55.2 58.3 28.4 13.3

大村湾

橘 湾 65.7 34.3

有明海 8.3 91.7

泉水海 100.0

44 12.5 16.9 72.4 10.7

25.0 21.3 2.4 48.7 23.4 27.9

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