■ 研究論文
日本における農業経営の現状と法人化の必要性
S u b j e c t so f Agr i c u l hr a l Ma n a ge me n t i nJ a p a n
神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程
櫓 山
宗 志HI
YANn Ta ka s hi
■キーワー ド
ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉/農業政策/農業 が抱 える問題/農業経営の規模拡大/農業経営の法 人化
1 は じめに
今 日、世 界 の農業 において
、1 9 9 3
年 の ウル グ アイ ・ラウン ド農業交渉合意以降か ら今 日まで、農作物の貿易 自由化 と農業保護政策の削減が進ん でいる。 そのため、農業交渉に合意 している経済 先進国や経済発展途上国は、農作物の貿易 自由化 と農業保護政策の削減 に対応 した農業政策 を実施 している。 日本の農業 において も、同 じく、 ウル グアイ ・ラウン ド農業交渉以降か ら今 日まで、農 作物 の貿易 自由化 と農業保護政策の削減 が進み、
それに対応 した農業政策 を実施 してい る。特 に、
農業経営の競争力の強化 を目的 として、農業経営 の構造政策 を中心に実施 している。
日本 における農業経営の中心は、小規模の家族 経営であるため、競争力が低い。 よって、農業経 営の競争力 を強化す るために、農業政策では、農 業経営の主体 を小規模の農家か ら地域単位で農作 業に従事す る集落営農や農業経営 を法人化 した農
業生産法人への移行 を推進 している。 しか し、未 だに集落営農や農業生産法人 は少数で あ り、農業 政策 が農業 の現場 に浸透 していない。 そのため、
今後、農業経営の持続 的発展 を目指すためには、
農業経営の規模拡大 を農業の現場 に浸透 させてい くことが重要であろう。
そこで、本論文では、 日本 における農業経営の 規模拡大 が求め られ るよ うになった背景 と、農業 経営の問題点 と課題 を明 らかにす ることを目的 と す る。具体的に、第2節では、 ウルグアイ ・ラウ ン ド農業交渉 とWTO協 定 が 日本 の農業 に与 えた 影響 を考察す る。第3節では、 日本の農業政策に ついて、第2次世界大戦以降か ら今 日まで、如何 に して変化 して きたか を考察す る。第4節では、
日本の農業 が抱 える問題 を検討 し、解決策 を明 ら かにす る。 これ らの ことか ら、農業経営の規模拡 大 を農業の現場 に浸透 させ るための課題 を明 らか に したい。
54 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年3月
図‑1 ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉
日的
(出所)著者作成。
2 国際協定 による日本の農業への影響 2.1 ウル グアイ ・ラウン ド農業交渉の合意
ウル グ アイ ・ラウ ン ド農業交渉 とは、 ウル グ アイで開催 され た関税 と貿易 に関す る一般 協定 (GeneralAgreementonTariffsandTrade,GAY )
1の農業 に関す る交渉の ことで ある。1986年 か ら 1993年 まで ウル グアイ ・ラウン ド農業交渉 が続 いた。
ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉の焦点は、農業 保護の削減 と農作物の貿易 自由化にある。つ まり、
各国の農業 に対す る保護政策 を緩和 し、農作物の 取引 を国際的に自由化す ることを目的 としていた のである。具体的に、(∋国境 における農業保護 を 削減対象 とした市場 アクセス2、⑦ 国内における 農業保護 を削減対 象 と した国内支持3、③輸 出補 助金 を削減対象 と した輸 出競争4、 の3点 を中心 に協議が行われた。
まず、市場 アクセスにつ いて は、農作物 の関 税化の実施 と ミニマ ム ・アクセス5が導入 された。
これにより、米以外の農作物 の貿易が自由化 され
市場アクセス 内容
(聖 賢 苧誤 の導入〉
国内支持 〈 助成の削減 〉 輸出補助金の削減
た6。 また、 国内支持 につ いて は、農作物 の生産 量 に直接 に関わる直接支払いの削減や貿易 を歪曲 す る効果のある政策 に対す る助成 の削減 が合意 さ れた。 これにより、各国の国内農業保護政策が直 接的に削減 され ることとなった。そ して、輸出競 争 については、輸出補助金の削減 と新たな輸出補 助金供与が禁止 された。
これにより、輸出補助金 を農業政策 に取 り入れ ていた欧州連合 (EuropeanUnion,EU)は、農業 政策 を大 き く転換す るこ ととなった。 この よ う に、 ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉の合意によっ て、(∋農作物の貿易 自由化、②農産物の生産 を刺 激す る政策や貿易 を歪曲す る政策の保護削減、③ 輸出補助金 の削減の3点への対応 が求め られ るこ
ととなった。
2.2 WTOの設立 と規制の強化
世界貿易機 関(WorldTradeOrganization,WTO) は
G A T
rを継承 し、 自由貿易 を促進す るために発 足 した機 関で ある。農業 に関 しては、ウルグアイ・ラウン ド農業交渉によって合意 された農業保護の 秦‑1 ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉の内容
内容 市場アクセス 輸入量制限を撤廃 し、農作物の関税化へ移行
期間6年間 関税率平均36% 各品目最低15%を毎年同じ比率で削減 ミニマム .アクセスの導入
国内支持 貿易歪曲がなく価格や生産 との結びつきのない政秦を除 くすべての助成 を毎年20%削減 (出所)筆者作成。
秦‑ 2 GATT
交渉交渉開始年
G A TT
p1948* ジュネーブ .ラウン ド
1949年 アヌシー .ラウン ド
1951年 トーキー .ラウン ド
1956年 ジュネーブ .ラウン ド
1962年 デイロン .ラウン ド
1964年 ケネデ ィ .ラウン ド
1973年 東京 .ラウン ド
1986年 ウルグアイ .ラウン ド
(出所)筆者作成。
削減 と農作物 の貿易 自由化 を継続す る役割 を担 っ ている。
GATI7i、1948年 にジュネーブで開かれた ジュ ネーブ ・ラウン ド農業交渉 か らウル グアイ ・ラウ ン ド農業交渉 まで8回開催 され た。GATTは、貿 易に関す る国際機 関 を設立す るために締結 された 多国間協定で あった。 しか し、貿易 に関す る国際 機 関の設立 に至 らなか ったため、GArrは多国間 協定で あ りなが ら、国際機 関に似 た役割 を担 って いた。 そ こで、GATr体制 を強化す るために、 ウ ル グ アイ ・ラウ ン ドにおいて正規 の 国際機 関 を 設立す る こ とを合 意 し、1995年 に貿 易 に関す る 正規 の 国 際機 関 と してWTOが発足 した。GATr が1つ の協定 で あったのに対 し、 国際機 関で ある WTOはマ ラケ シュ協 定 をは じめ とす る多 くの協 定か らなってお り、各国に対す る規制 が強化 され、
与 える影響 も大 きくなった7。
こ の よ う に、WTOと い う 国 際 機 関 の 設 立 はGAm 合 意 を 単 に 継 続 す る の で は な く、 合 意 さ れ た 内 容 に 対 す る 規 制 の 強 化 を図った もので ある。GATrとWTOを比較す ると、
まず、形式 につ いて、Gm は国際協定で あ るの に対 して、WTOは国 際機 関で あ る。 また、扱 う 領域 につ いて、GAT は工業 中心で あったの に対 して、WTOはサ ー ビスや知 的所有 権 を含 む広 範 な領域 を扱 ってい る。
そ して、 各 国 に 与 え る優 先 順 位 に つ い て、
Gm は国内法 を優先 していたのに対 して、WTO は協 定 を優 先 と し、協 定 の各 国 に与 える影 響 が 強 くな った。 さ らに、紛 争 解決 に関す る採 決 方 式 につ いて、GAITは全会一致で採択 され るポ ジ テ ィブ ・コンセ ンサス方式 をとっていたのに対 し て、WTOは全 員 が反対 しな けれ ば可決 とい うネ ガテ ィブ ・コ ンセ ンサ ス方 式 を採 用 し、WTOの 図
‑ 2 GATT
とWTO
協定(出所)筆者作成。
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秦‑3 GATTとWTOの比較
GATr WTO
形式 国際協定 国際機関
扱 う領域 工業中心 サービスや知的所有権を含む広範な領域
各国に与える優先順位 国内法優先 協定が優先
(出所)井野隆一【1996】を基に筆者作成。
競争解決に与 える影響が強 くなった。 これ らによ り、各国において、 より一層農業交渉への対応 を 強めることとなった。
2.3 WTO農業交渉が 日本の農業に与 えた影響 農業 において、WTOは農業保護 を、(D貿易 を歪曲す る効果があるか、(釘生産 を拡大す る効果 があるかの2点 をポイン トとして、緑の政策 (グ
リ‑ン・ボ ックス)、青の政策 (ブル ー・ボ ックス)、
黄色の政策 (イエ ロー ・ボ ックス)の3つに分渠 し、黄色の政策 に当てはまる農業保護 を削減対象 とした。
それにともなって、各加盟国は、特 に、 ウル グ アイ ・ラウン ド農業交渉において合意 した農作物 の 自由貿易化 と農業保護削減 に対応す るべ く農業 政策の転換や法令等 を整備 した。EU、アメ リカ、
日本の対応 を簡単 にみ ると、EUにおいては、輸 出補助金の削減 にともない、生産調整、直接支払 いを導入 し、アメ リカにおいては、生産調整、不 足払いを廃止 し、固定支払いを導入 した。農産物 輸 出国で あるEUとアメ リカは、農業保護削減 に 重点をおいて対応 した といえよう。一方、農産物 輸入国である日本 は、激化す る国際競争に対抗す
るべ く農作物 の自由貿易化に重点 をおいた対応 が 求め られた。つ まり、 日本の農業 において、 ウル グアイ ・ラウン ド農業交渉の合意 とWTO農業交 渉の2点が国際的な農作物の自由競争 に対応す る べ く、 日本の農業 に経営の考 え方の必要性 を強 く 意識 させたのであるO
3
日本 における農業政策 3.1 農業政策が農業経営に与 える影響農業政策 とは、一般 的に、社会公共の福祉の ために国家 がその国の農業 に対 して安定、成長、
分配 とい う目標 を達成す る方策9をとることとさ れている。換言すれば、 目標達成の妨げとなる農 業の問題点 を解決 し、農業の持続的発展 を目指す 政策であるといえよう。
今 日の 日本の農業政策 は、食料 ・農業 ・農村基 本法 に掲 げ られてい る食料の安定供給の確保や多 面的機能の発揮、農業の持続的な発展や農村の振 興 を目的 として実施 されてい る。①食料の安定供 給の確保では、食料安全保障や国際交渉、食料 自 給率の向上 などについて、① 多面的機能の発揮で は、国土保全、環境保全、文化の伝承 など農産物 秦‑4 WTO協定で規定 されている農業保護の分類
分類 内容 保護削減
緑の政策 (グ リーン .ボックス) 貿易歪曲や生産拡大効果がないか、あつても少ない政策 対象外 価格や生産 との結びつ きのない政策
青の政策 (ブルー .ボックス) 生産調整のもとでの直接支払い政策 対象外 (出所)服部信司[2005]を基に筆者作成。
図‑3 日本にお ける農業政策の 目的
(出所)著者作成。
供給機能以外 の多面的な機能 につ いて、①農業の 持続的な発展 では、農業構造の確立、農地の確保、
担い手の確保 な どにつ いて、④農村 の振興 で は、
農山漁村 の活性化 につ いて、それぞれ政策 が定め られてい る。
農業政策 は、農業 に対す る国家の施策で ある ため、農業経営 に大 きく影響 を与 える。特 に、農 業の持続 的な発展 を目的 として定 め られ る政策 に 強 く影響 を受 けてい る。 なぜ な らば、農業経営 に おいて、農業構造 は経営の基盤で あ り、農地 は不 可欠な経営資源で ある。つ ま り、農業構造 と農地 に対す る直接のアプローチは、農業経営 に影響 を 与 える。
たとえば、農業政策 が自作農主義 による家族経 営を主体 と して、国内農業保護 を強 く推進 してい る場合では、農業 の主体 は家族経営で、農作物 の 価格 も一定水準 が保障 されているので、競争 をほ とんど意識す ることな く農作業 に重点 を置 いて農 業を営む ことになる。 しか し、農業政策 が国内農 業保護 か ら農業 の 自由化へ と政策 の重点 が移 り、
価格競争 を意識 しなければな らな くなる場合 では、
農作業のみではな く、経営の視点か らも農業 に取 り組んでいかなければな らな くなる。 そ うなれば、
競争に勝つ ために、農業構造 を変 えてい く必要性 が出て くる。 この よ うに、農業政策は、農業経営 に対 して強 く影響 してい る。以下では、 これ まで
の 日本 における農業政策の方向性 が どの よ うに変 化 して きたのかにつ いて詳 しく述 べ る。
3.2 日本 における農業政策 の動向
実 際に 日本の農業政策 が どの よ うに変化 したの かにつ いて、第2次世界大戦以降の 日本 における 農業政策の動向 をみてみ ると、大 きく3つの段 階 に分 けることがで きる。
第1の段階は、戦後復興 時期 の農業政策で ある。
この時期 における農業政策の最 も重要 な点 は、地 主制 か ら自作農への転換 で ある。第2次世界大戦 後、GHQの 占領 下 に あった 日本 は、GHQが主体 となって戦後復興 を行 った。 この とき実行 された 3大改革 の うちの1つ で あ る農地改革 に よって、
地主制 か ら自作農への転換 が行われた。地主制 は 封建制度の色 が残 ってお り、 それが軍 国主義 の温 床 になってい るとされたため、財 閥解体 と同様 に 徹底 した改革 が行 われた。
地主制か ら自作農への転換 は、農地改革 をは じ め と して、 農業 の生 産 性 向上 の ため に制 定 され た土地改 良法10や、農地改革 の成果 を恒久 的 に維 持す るために制定 された農地法11に よって推進 さ れ、強化 された。 しか し、 自作農への転換 は、農 業経営 の零細性、生産性 の問題12を生 む こととな る。 また、高度経済成長 によ り、農業所得 と非農 業所得の格差 が拡が り、徐 々に 日本農業 の赤信号
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といわれ る問題が顕在化す ることとなった。 日本 農業の赤信号 とは、①農家所得の低 さ、②食料供 給力の低 さ、(釘国際競争力の低 さ、(彰兼業化の進 行、⑤農業就業構造の劣弱化13の 5つの ことで あ るC これ らの問題 に対処す るためにとられた農業 政策が第2の段階である。
第2の段 階 は、1955年 以降 にお け る高度経済 成長期の農業政策で ある。 この時期 における農業
政策の最 も重要 な点は、農業保護政策9の展 開で ある。農業保護政策が展 開 された背景 には、上述 したように高度経済成長 により顕在化 した 日本農 業の赤信号 といわれ る問題点がある。 これ らの問 題 点 を解消 す るために、政府 は、1961年 に農業 基本法 を制定 した。農業基本法は、所得政策、生 産政策、構造政策の3つの政策15を柱 として制定 された。 この結果、経済成長の影響 もあり、離農 図‑4 日本における農業政策の動向
[二コ垂 享 コ
19 5年 】 戦後復興 .の農業政策 I
l 農地改革 l 地主制 】
1 1
ー 土地改 良法1 l
1 農地法 l l 自作農経営
l
5 】
1993年 】 高度経済成長期 以降の農業政策 l l 農業基本法総合農政 Ⅰl r呈本農業の赤信l 農業保護政策1 米の供給過剰
」
J Il【 1[二重 ::] ウルグアイう ウンド 業交渉以降の農 業政策 仁 農業書新食料 .農業 .農村止
.
■ 農業〒 政策 ■基本法の制 定 の 自由化 )
(出所)著者作成。
農地改革 によって地主制が廃止 され 、自作農経営になった。
農地法に自作農主義の原則を明 記 し 、自作農経営を一層強化し
た。 √
自作農主義 は農業経営の零細 性という構造 問題を含んでいた。
高度経済成長
高度経済成長によって、 日本農 業の赤信号と呼 ばれる問題 点が 浮き彫 りになった。
農業基本法により農業保護政策 が展開された。
総合農政において、米の生産調 整 、需給調整が行われた。
ウルグアイう ウンド農業交渉
農 業保護 政策の根幹であった、
食糧管理法と農業基本法を廃止 した。
wTO農業交渉に対応 した農政の 転換が行われた。
の促進、所得均衡 は達成 した。 しか し、同時に新 たな問題 も生 まれ た。 1つ 目が、米価決定基準 に 生産 費及び所得補償方式16を採用 し、米価 を引 き 上 げた ことと、農産物 の選択 的拡大17を行 った こ とによって、米 の生産 過剰 を招 いた ことで ある。
2つ 目が、農産物 の選択的拡大 によって輸入農作 物 の増加、食料 自給率の低下 を招いた ことで ある。
これ らの問題の特 に米の生産過剰への対処 と構 造政策の強化 の ために、総合農政が実施 され た。
総合農政では、米価 の抑制のために、生産調整 の 導入や食糧管理法の改正 を行い、構造政策の面 で は、 自立経営の育成 か ら地域、集団 を単位 とした 中核農家の育成 へ転換 し、農業の装置化 ・システ ム化18も求 め られ た。 その よ うななか、ニ クソン・
シ ョックやオイル シ ョックによ り、高度経済成長 は終 わ り、経済成長の裏で起 こっていたアメ リカ との貿易摩擦 がアメ リカに優位性 のある農業 に向 け られた。つ ま り、農業の輸入拡大、農業の 自由 化 を強 く迫 って きたのである。 そ して、 ウル グア イ ・ラウン ド農業交渉の合意 によ り、 日本 は農業 の 自由化 に対応 した農業 政策へ の転換 が必要 に なった。
第3の段階 は、 ウル グアイ ・ラウン ド農業交渉 以降の農業政策で ある。 この時期 における農業政 策の最 も重要 な点 は、農業の 自由化 に対応 した政 策への転換で ある。農業の 自由化への対応 は、 そ れ まで 日本 が行 って きた農業保護政策 を全面 的に 見直す必要が あった。 そのため、農業保護政策の 根幹 で あった食糧管理法19と農業基本法 が廃止 さ れ、新 たに主要食糧 の需給及び価格の安定 に関す
る法律 (新食糧法) と食料 ・農業 ・農村基本法が 制定 され た。
新食糧法では、①流通制度 の転換、⑦売 り渡 し 義務の廃止、③生産調整 の選択制、④米販売 にお ける規制の緩和が実施 された。①流通制度 の転換 では、流通の幅の拡大 を目的 と した。 それ まで全 農 と全 集連 の2つ を指定法人 と し、集荷 を取 り 扱 っていた。 しか し、 これ を自主流 通法人 と し、
全農 と全集連以外 も参入可能 に した。(む売 り渡 し 義務の廃止 では、生産者 の販売の幅 を拡大す るこ とを目的 とした。 それ まで米 は政府への売 り渡 し 義務 があったため一度政府 が買い取 ったの ち、消 費者 に販売 されていた。 その義務が廃止 されたた め、生産者 は卸売業者や小売業者、消費者へ直接 販売す ることが可能 になった。(釘生産調整 の選択 制では、それ まで強制 されていた生産調整 を選択 制 にす ることで、生産 が 自由に行 えるよ うになっ た。 しか し、生産調整 に自主的に参加す ることで 減反助成金 が得 られ ることや政府買 い上 げの対象 となるなどのメ リッ トがあった。④米販売 におけ る規制 の緩和では、 それ まで卸売業者や小売業者 が米 を販売す るためには、都道府県知事の許可 が 必要 で あ り、集荷 業 者 は農水 省 の指 定 が必要 で あった。 それが、規制緩和 によ り登録制 になった ことで卸売業者や小売業者 の販売 の幅が拡大 した。
この よ うに、新食糧法では、政府 の管理下 にあっ た米の生産、流通、販売 の幅 を拡大す ることによっ て、政府 の管理 か ら市場原理 に沿 った価格形成へ と転換 され た。食糧法 は、 日本の農業保護政策の 中心的政策で あったので、食糧法 が廃止 されたの 秦‑5 食糧管理法 と新食糧法の比較
食糧管理法 新食糧法
自主流通法人 (指定法人) 全国農業組合連合会 全農、全集連以外の自主流通法人 を 全国主食集荷協同組合連合会 認可
流通経路 政府へ売 り渡 し義務 卸売業者、小売業者、消費者への直接販売 を可能
(出所)著者作成。
60 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第14号 2010年 3月 図‑5 経営所得安定対策等大綱 の位置づ け
(出所)農林水産省【2006]『経営所得安定対策等大綱』 を基に筆者作成。
ち、政策の中心が国際競争 に対応す るための農業 構造政策 に移 ってい った。
3.3 日本 における農業政策の現状
第2次世 界大 戦 以降 か ら2000年 までの 日本 に おける農業政策 は、上述の よ うに、 それぞれ 自作 農の確立、所得格差 の是正 を目的 とした農業保護 政策、農作物 の 自由化 に対応 した政策 とい うよ う に、農業 の方向性 を示 して きた。 そ して、 その都 度、政策 に対応 した農業が行われて きた。
2000年 以降の 日本 におけ る農 業政策 は、WTO 農業交渉への対応 が継続 され、特 に、経営安定対 策 を中心 に行われてい る。食料 ・農業 ・農村基本 法成立以前の農政 においては、農業 の所得 を維持 す るために価格政策 が とられて きたO しか し、 ウ ルグアイ ・ラウン ド農業交渉以降、国際情勢 に対 応す るため抜本的な農政の転換 が必要 とされたた め、食料 ・農業 ・農村基本法 において農業 の所得 維持 を価格政策 か ら所得政策20へ と転換 した。
具体 的には、農林水産省 か ら経営所得安定対 策等大綱 として打 ち出 されてい る。 この政策の中 心的役割 を果 た してい るものが、(∋農業構造政策 と(夢直接支払 い制度の2点で ある。①農業構造政 策 で は、認 定農業者 な ど政策 の対 象者 の明確 化、
集落営農 などの共 同活動への支援、農業経営の法 人化 を推進 してい る。⑦直接支払い制度では、対 象者 に対 して、減収の9割 を補填す ることや諸外 国 との生産格差是正のための支払いがな されてい た。
特 に、農業経営の法人化 は、構造政策の中心 と して置かれ、 これ までの零細農家 中心の農業構造 か ら法人 を中心 とした農業経営の規模 拡大 が強 く 推進 されてい る。 また、 この政策の背景 には、 こ れ まで行 って きた農業政策の裏で徐 々に蓄積 され ていった 日本の農業 における問題 が顕在化 し、 そ れ に対す る対応 が必要で あることも深 く関係 して い る。
秦‑6 食料 自給率の動向
(出所)農林水産省
【 2 0 0 3
】『主要先進国の食料自給率統計』 を基に筆者作成。4
日本の農業が抱える問題 4.1 食料 自給率の低迷現在の 日本の農業 が抱 えてい る第 1の問題 が、
食料 自給率 の低 迷 で ある。 日本 の食料 自給率 は、
1 9 6 1
年 に成 立 した農 業基 本 法で と られ た農産物 の選択 的拡大 政 策 を契機 に、低 下 を続 け、1 9 9 8
年 には カ ロ リー計算 で4 0%
まで低 下 した。 この 背景には、上述 の よ うに農業基本法 によって とら れた農産物 の選択的拡大政策 と消費者 の食生活の 変化があると考 えられてい る。農産物 の選択 的拡 大政策 による需要増加 が見込 まれ る農作物の生産、需要の見込 めない農作物 の生産転換、国際競争 に 勝てない農作物 の生産転換 に、欧米向けの食生活 の変化 が重 な り、輸入 され る食物への需要が高 ま る一方で、国内で生産 された食物への需要 は低下 し、結果 として、食料 自給率が低下 した。
その よ うななか、
WTO
に よって、農産物 の生 産 を拡大す る効果の ある政策 は、保護削減 の対象 とされたことで、食料 自給率の向上 を図 る政策 を とりに くくなった。 そのため、今 もなお、食料 自 給率 は低迷 してい るので ある。この間題 を解決す るためには、
WTO
の取 り決 めに反せず、 また、生産 を伸ばす ことので きる政 策が必要で ある。 それが、農業経営の法人化 を中心 とした構造政策で あると考 えてい る。農業経営 を法人化す ることによ り、経営規模 の拡大、生産 性の拡大、効率的な農業経営、市場 における競争 に対応す るための経営者 の育成 とい う4点が重要 であると考 えてい る。
4. 2
農業の担い手不足日本の農業 が抱 えてい る第2の問題 が、農業の 担い手不足で ある。 まず、労働力が農業市場 か ら 非農業市場へ と移 った背景 には、高度経済成長期 の離農政策 がある。 当時の政策で は、離農者 を増 や し、農地の流動化 を促す ことで農業規模 の拡大 を図 ったが、離農者 と同時に兼業農家 が増大 した ため農地の流動化 は起 こ らず、規模拡大 は達成 で きなか った。
また、今 日の農業 は、農業の規模拡大 が進 まな かった ことで、零細農家 の多 くが後継者 を必要 と してい る。 しか し、後継者 を確保で きない農家が 数 多 く存在す る。後 を継 ぐ場合 において も、企業 を定年後 に帰農す るといった高齢者 の農業継承 が み られ るO この よ うに、後継者 の不在、農業継承 時期の高齢化 とい う2点が農業従事者の高齢化の 要 因で あろ う21。 これ らの ことか ら、農業経営 の 零細性 と農業従事者の高齢化が、農業の担 い手不 足 の要因だ と考 え られ る。
62 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年3月
秦‑7 基幹的農業従事音数
(出所)農林水産省【2009
】
『平成21年農業構造動態調査結果の概要』 4頁。実際に、農業従事者の年齢別分布 がどのような 状況 にあるのかにつ いてみてみ ると、農業 を主 な 仕事 としてい る基幹 的農業従事者 の数 は、表‑7 のように76.6%が60歳以上で ある。 また、農業従 事者 の総数 の推移 も年 々減少 して お り、2005年 は2,241,000人 で あった基幹 的農業従事者 の総数 が、2008年 には1,914,000人 に減少 してい る。 こ れ らは、農業従事者の高齢化 と農業従事者の減少 を顕著に表 してい る。
つ ぎに、就農者 数 をみてみ ると、 まず、表‑8
の よ うに新規就 農者 で最 も多い年齢 が60歳 以上 であることがわかる。反対 に39歳以下の新規就農 者 は、60歳以上の就農者の半分以下で ある。 また、
義‑9の年齢別 自営農業就農者 をみてみ ると、就 農者 の数 は60歳 以上 が最 も多 く、39歳 以下 はそ の約4分 の1で あ り、特 に、新規 学卒就農者 は非 常に少数であることがわかる。 そ して、就農者全 体の数 をみてみて も、年々減少 しているのがわか
る。
これ らの問題 を解決す るため には、担 い手 の 秦‑8 年齢別新規就農音数
単位 :人
区分 計 39歳以下 40‑59歳 60歳以上
平二19 73,460 14,340 23,050 36,070 18 81,030 14,740 27,490 38,800 増減率 (%) 辛.19′18 △ 9.3 △ 2.7 △ 16.2 △ 7.0 構成比 (%) 平.19 100.0 19.5 31.4 49.1 (出所)農林水産統計【2008
】
『平成19年度新規就農者調査結果の概要』 2頁。秦‑9 年齢別 自営農業就農音数
単位 :人
区分 計 40‑59歳 60歳以上
39歳以下 新規学卒就農者
辛.19 64,420 9,640 2,250 20,050 34,730 18 72,350 10,310 2,450 24,470 37,560 増減率 (%) 平.19/18 △ 11.0 △ 6.5 △ 8.2 △ 18.1 △ 7.5 構成比 (%) 辛.19 100.0 15.0 3.5 31.1 53.9
(出所)農林水産統計[20081『平成19年度新規就農者調査結果の概要』 3頁。
育成 が急務で あ り、国の政策 と して取 り組 んでい る。 そ して、 その担 い手 につ いて も、 これ までの ように農家 を継承 してい くとい うよ りも、地域単 位、集落単位 以上 での担 い手育成 が求 め られ る。
そのため には、経営規模 を拡大 し、生産 の拡大 や 新たな就農 の場 を設 け ることが重要 で あろ う。 ま た、農業法人 の設立 も同様 の効果 を期待 で きると 考 え られ ることか ら、農業経営の法人化 も重要で
あろう。
4.3 耕作放棄地 の増加
日本 の農業 が抱 えてい る第3の問題 が、耕作放 棄地の増加 で あ る。耕作放棄地 とは、農林水産 省 によると、農林水産省 の統 計調査 における区分で あ り、調査 日以前1年 以上作付 けせず、今後数年 の間に再 び耕作す るはっき りした意 思の無 い土地 としてい る。耕作放棄地の増加 は、農作物 の生産 性の減少 に直結 して お り、農業 を行 ううえで最 も 重要 な資源 で あ る農地 の放棄地化 は、農業全体 の 衰退 につ なが る大 きな問題 で あろ う。
近年 の耕作放棄地 が増加 してい る最大 の要 因は、
上述 した農業 の担 い手不足、農業従事者 の高齢化 で あると考 え られ る。農業 の担 い手不足 は、 当然、
耕作放棄地の増加 につ なが り、 また、農業従事者 の高齢化 において も高齢化 による耕作 能力の低 下 によ り、耕作面積 が減少 し耕作放棄地 の増加 につ なが る。
『2005年農林業 セ ンサ ス』 に よれ ば、耕作放 棄
地 は‑6の よ うに全 国 に広 が って い る。 また、耕 作放棄地以外 に、不作付地 とよばれ る、現在 は耕 作 していな くとも耕作者 が今後数年 の間 に耕作 す る意 思が ある土地 とい うものが あ り、実 際 に耕作 が行 われてい ない土地 は、耕作放棄地以外 に も数 多 く存在 す る。
この よ うな現状へ の対処 と して、推進 されてい るのが土地利 用型農業 で ある。土地利 用型農業 と は、経営体 が農地所有者 か ら受託 し、農地 を集積 して行 う農業 で あ り、 その主体 と して期待 されて い るものが集落営農や農業 法人 で あ る。
ここまで、 日本 の農業 が抱 える問題 と して、食 料 自給率 の低 迷 や農業従事者 の高齢化、農業 の担 い手不足 や耕作放棄地 の増加 をみて きた。 そ して、
それ ぞれ生産性 の拡大 と担 い手 の育成 、就農 の場 の設立 と農地の集積 とい う課題 を解決 してい くた めには、農業経営 の規模拡大 と農業経営の法人 化 が非常 に重要 で あるとい う見解 を得 た。
5
おわ りに本論文 で は、 日本 におけ る農業経営の規模 拡 大 が求 め られ るよ うになった背景 と、農業経営 の 問題点 と課題 を明 らかに した。 まず、第2節で は、
国際協定 に よる 日本 の農業へ の影響 につ いて、 ウ ル グ ア イ ・ラウ ン ド農業 交 渉 の合 意 と
WT
O協 定 の2点 か ら考察 し、国際的な農作物 の 自由化競 争 に対応 す るために、農業 において も経営 の面 か ら64 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第14号 2010年3月
図‑6 耕作放棄地率の分布
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4 '(出所)農林水産 省【2006】F2005年農林業 セ ンサス』 を基 に筆者作成 O
取 り組んでい く必要があるとい う見解 を得た。 ま た、第 3節では、 日本の農業政策について、第 2 次世界大戦以降か ら今 日まで、如何 に して変化 し て きたかを考察 し、現在の国際情勢 に対応す るた めに、 日本の農業政策では経営安定対策が とられ、
その政策の中心は、農業経営の規模拡大、農業経 営の法人化であるとい う見解 を得 た。 そ して、第 4節では、 日本の農業 が抱 える問題点について、
食料 自給率の低迷、農業の担い手不足、耕作放棄 地 の増加 とい う3つ の問題 につ いて、 それ ぞれ
耕作放棄地率
‑
30%以上」二
・ooo以上3000未・市I
l 10%未満の問題の背景 と課題 を考察 し、 日本の農業が抱 え る問題へ対処す るためには、農業経営の規模拡大、
農業経営の法人化が重要であるとい う見解 を得 た。
これ ら農作物の自由化 を進める国際情勢、国 際情勢 に対応 した農業政策、顕在化 している農業 問題の3点か ら、今後の 日本における農業経営 を 考察 してい くうえで、最 も重要 な点は、農業経営 の規模拡大、農業経営の法人化であろう。今後 は、
まず、 日本における農業法人がどのように展開 さ れてい るのか を検討す る。 また、世界の、特 に、
農業 が盛 んで あ るEUとアメ リカにおけ る農業法 人 はどのよ うに展 開 されてい るのかの2点 を中心 に研究 を行 う。 そ して、 日本 の農業 を活性化 させ てい くために、農業経営の規模拡大、農業経営の 法人化が如何 に して行 われ ることが望 ま しいのか を解明 してい きたい。
注
1 関税 と貿易 に関す る一般協定 は、 ー①最恵国待 遇、② 内国民待遇、① 数量制限禁止 、④ 関税 引 き下 げの
4
つ を基本原則 と して、1 9 4 8
年 に発 足 した。2 市場 アクセスにおいて は、国境 における農業 保護 が削減対象 となった。 その内容 は、輸入 数量制限 を撤廃 し、農作物 の関税化へ移行す る こ と、6年 間の実地期 間 に関税 率 を農産 物 全体 で平 均
3 6%
と し、各 品 目ご とに最低1 5%
の削減 を毎 年 同 じ比率 で行 うこと、 ミ ニマ ム ・アクセス (最低輸 入量) を設定 し、最終年 には
5%
まで拡大す ることな どで あっ た。3 国内支持 においては、国内における農業保護 政策 が削減対象 となった。 その内容 は、生産 量 とリンク しない直接支払いや環境対策等の 補助 など貿易歪曲化効果 を持 たない と判断 さ れ る政策 を除 くすべての助成 を、総合 的計量 手段 を尺 度 と して総額 の
2 0%
を毎 年 同 じ比 率で削減す ることで あった。4 輸 出競争 においては、輸出補助金 が削減対象 となった。 その内容 は、輸 出補助金 の
3 6%
、 補 助金付 き輸 出数 量 を2 1
%削減 す るこ とであった。
5 ミニマム ・アクセスとは最低輸入機会の こと で ある。 ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉 にお いて、国内消 費量
3%
の もの を4‑8%
に引 き上 げることの代 わ りに米の関税化 に6年 間 の猶予期間 を得 た。6 ウルグアイ ・ラウン ド農業交渉 によって関税 化 され た農作物 は、小麦、大麦、脱脂粉乳、
バ ター、 で ん粉、 雑豆、 落花 生、 こん に ゃ
く、 い も、繭、生糸、豚 肉で あ り、 これ らの 他 に、米 が条件付 きの関税化猶予期間が与 え られ、将来 的に関税化す ることで合意 してい る。 また、 ウル グアイ ・ラウ ン ド農業交渉以 前か ら問題 となっていた牛 肉 とオ レンジにつ いて も
1 9 91
年 に関税化 されてい る。7 表‑3の よ うに、(∋国際機 関 と して正規 の事務 局、司法機 能 を有 した こと、② サー ビスや知 的所有権 などを含 む広範 な領域扱 えるよ うに なった こと、③ 国内法 よ りも協定 が優先 され ること、④採決方式 がポジテ ィブ ・コ ンセ ン サス方式ではな くネガテ ィブ ・コンセ ンサス 方式 が とられ るよ うになった ことか ら。
8 ポジテ ィブ ・コ ンセ ンサス方式 とは、全会一 致の採決方式で あ り、 ネガテ ィブ ・コンセ ン サス方式 とは、全員 が反対 しない限 り可決 と い う方式で ある。
9
増 田商孝[ 1 9 9 8 ]2
頁。1 0
土地改 良法 の 目的 は、土地改 良事業 を行 い、農業 の生産性 向上、農業総生産 の増大、農業 生産 の選択的拡大、農業構造の改善 を行 うこ
とで あった。
1 1
農 地 法 は、1 9 5 2
年 に制 定 され た法 律 で、 第 1条 において 「この法律 は、農地 はその耕作 者みずか らが所有す ることを最 も適 当で ある と認 めて、耕作者 の農地の取得 を促進 し、及 び その権利 を保護 し、並び に土地の農業上の 効率的な利用 を図 るためその利 用関係 を調整 し、 もって耕作者 の地位 の安定 と農業生産 力 の増進 とを図 ることを目的 とす る」 とし、 自 作農主義の原則、耕作者主義 を掲 げた法律 で ある。1 2
梶井[ 1 9 8 5 ] 2 3
頁。1 3
増 田商孝【 1 9 9 8 ] 1 31
頁。1 4
農業保護政策 とは、政府 が農産物 および農業 生産財の市場 に介入 し、市場 の均衡価格 以上 に農産物 の価格 を引上 げ、 もしくは生産財の コス トの引下 げによ り、 さらには直接 的な補 助金 の支払 いによって農業者 の所得 を人為的 に高 めよ うとす る政策 と定義 され る。速水佑66 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第14号 2010年3月
次郎 ・神門喜久【20021162頁。
15所得政策は、農業経営の所得 目標 と農業全般 についての所得 目標の2つの所得 目標 を示 し、
農業者所得 と非農業者所得の格差 の是正 を目 指 した。生産政策は、農業生産性の向上、農 作物 の選択的拡大 が行われた。構造政策 は、
離農 を促進 し、土地の流動化 を起 こし農地の 集積、 自立経営や協業経営 を推進 しようとし た。
16生産費及び所得補償方式 とは、米の生産 に要 した物財費 と、農業労働 については都市の製 造工業平均賃金 に均衡す る自家労賃等 を米作 農民 に補償 しようとす るもので あった。
17農産物 の選択的拡大 とは、需要が増加す る農 産物の生産の増進、需要が減少す る農産物の 生産の転換、外国産農産物 と競争関係 にある 農産物 の生産の合理化等農業生産 の選択的拡 大 を図 るものである。
18小農規模農業か らの脱皮 を行 うために,農業 の技術進歩 (装置化)に対応 して農業 を地域
として再編 (システム化) を求 めた。
19食糧 管理法 とは、1942年 に戦 時体制下 の食 料 を国家の直接統制下にお くために成立 した もので、食料需給の コン トロール と食料価格 の政策 的 コ ン トロールの2つ の側面 があるo 増田菌孝【1998160頁。
20 所得政策 とは、それ までの価格政策 とことな り、直接支払いによって所得 を補填す るもの である。
21 農業問題研究学会【2008】。 参考文献
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