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平成 26・27 年度北海道地区のサーベイランス状況について

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金 

難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患等政策研究事業)難治性疾患政策研究事業) 

プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究班  分担研究報告書(総合) 

平成 26・27 年度北海道地区のサーベイランス状況について  

    研究分担者:森若 文雄  北祐会神経内科病院 研究協力者:濱田 晋輔、野中 道夫 北祐会神経内科病院

研究要旨

  平成26年1月〜平成27年12月までの北海道地区におけるCJDサーベイランス状況を 報告した。CJDが疑われた45名のサーベイランスを実施し、弧発性CJD 24名、遺伝性 CJD4名とCJD否定例17名であった。遺伝性CJDは家系内発症180変異例を含めたV180I 変異例3名、GSS1例であった。弧発性CJD24名のうち、4名が皮質型CJD(MM2C)と 考えられ、着衣失行を主症状とした1例を報告した。また、弧発性CJDの中で患者本人に 病名告知を行った症例を経験し、神経学的所見や検査所見から認知機能が保たれている発症 早期にCJDと診断される症例に患者本人への病名告知をどのように行っていくかを議論する ことが必要と思われる。

A.研究目的 

北海道地区における Creutzfeldt-Jakob 病

(CJD)発症状況と感染予防の手がかりを得る ことを目的に、同地区での CJD サーベイラン ス現況を報告する。

B.研究方法 

北海道地区で特定疾患治療研究事業の臨床 調査個人票、プリオン蛋白遺伝子解析(東北大 学)、髄液マーカー検査(長崎大学)と感染症 の予防及び感染症の患者に対する医療に関す る法律(感染症法)より CJD が疑われた症例 のサーベイランスを行い、臨床経過、神経学的 所見、髄液所見、脳 MRI 所見、脳波所見、プ リオン蛋白遺伝子解析などを調査した。

(倫理面への配慮) 

  患者さんご本人とご家族に十分な説明を行 い、書面にて同意を得た上で調査を行った。

C.研究結果 

平成26年1月〜平成27年12月までの間に北 海道地区でCJDが疑われた45名のサーベイラ ンスを実施した(図1)。

サーベイランスを実施した45名のうち、弧発 性CJD 24名(男性9名、女性16名、平均年

図1  北海道地区でのCJDサーベイランス調査

齢72.2±8.0歳)で4名が皮質型CJD(MM2C) と考えられ、1名は着衣失行を主症状とした。

また、神経学的所見や検査所見から認知機能が 保たれている発症早期に CJD と診断される症 例に対し、患者本人への病名告知を行うことを 経験し、今後、CJD患者本人にどのように病名 告知を行っていくかを議論することが必要と

(2)

思われた。

  遺伝性CJD 4名(男女性4名、180変異 3名(78.3±12.0歳)とGSS 1名、40歳で、

180変異例の1例は家系内発症例であった。   

  CJD否定例17名(男性4名、女性13 名、

66.2±17.5 歳)で最終診断名はてんかん重積、

白質脳症、大脳皮質基底核変性症、レビー小体 型認知症、うつ病等であった(表1)。

表1  平成26年、27年度サーベイランス調査内訳

  ここで家系内発症例を呈示する。

【家系内発症V180I変異例】

【症  例】79歳、女性例。家族歴に兄90歳が 平成24年10月失行、失語症を発症し、プリオ ン蛋白遺伝子検査でV180I変異を認められ、サ ーベイランスNo.3967として登録し、現在、在 宅療養中であった(図2)。

【現病歴】平成25年11 月より失語症を呈し、

脳 MRI 拡散強調画像で大脳皮質に高信号域を 呈し、脳脊髄液検査では蛋白 63.2mg/dl、細胞 1/3、14-3-3 蛋白 4,045μg/dl と陽性、総タウ 2,400pg/mlと増加し、プリオン蛋白遺伝子検索 ではコドン 129 多型は MM/GG、遺伝子変異 V180Iを認めた。

  脳MRIでは拡散強調画像、FLAIR画像で大 脳皮質に高信号を認めた(図3)。脳波検査では 徐波、周期性同期性放電(PSD)を認めなかった。

本邦での V180I-MM139 例と家系内発症例と

は臨床的な相違はみられなかった(表2)。

2  家系内発症V180I変異例の兄:脳MRI

3  家系内発症V180I変異例の妹:脳MRI

2  本邦におけるV180I-MM変異例と家系内発症例

D.考察 

平成 26 年、27 年度の北海道地区での CJD サーベイランスでは、弧発性CJD 24名、遺伝 性CJD4名が発症していた。遺伝性 CJDのう ち、家系内発症の兄、妹のV180I変異例を調査 した。

(3)

  平成11年から27年までの17年間の間に北 海道地区では195 名のCJD患者が認められた

(表3)。

  全国平均と比較し、病型別では硬膜移植後の 獲得性 CJD が多くみられたが、全国と同一の 病型別頻度を示した(表4)。

表3  平成11年から27年までの北海道地区における CJD195例の内訳

表4  北海道地区と全国との比較

E.結論 

  平成26年1月〜27年12月までの北海道地 区における CJD サーベイランス状況を報告し た。

  CJDが疑われた45名のサーベイランスを実 施し、弧発性 CJD24 名、遺伝性 CJD 4 名と CJD否定例17名であった。

[参考文献] 

1) Qina T, Sanjo N, Hizume M, et al. Clinical features of genetic Creutzfeldt-Jakob disease with V180I mutation in the prion protein gene, BMJ Open 201:4(5):e004968. doi:

10.1136/bmjopen-2014-004968.

2) 磯瀬沙希里、金井数明、渋谷和幹、ほか:

PRNPV180I 変異を有した Creutzfeldt-Jakob 病の1家系、臨床神経学  2011;51;387 3) 柳村文寛、下畑享良、他田正義、ほか:クロ イツフェルト・ヤコブ病における病名告知、治 療の検討、臨床神経  201:54:298-302

F.健康危機情報    なし

G.研究発表    なし

H.知的財産権の出願・登録状況    なし

参照

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