九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Hikarugenjimonogatari-ichibunouta: Reprint of Matsudaira Bunko Version
今井, 源衛
https://doi.org/10.15017/2332779
出版情報:文學研究. 67, pp.1-115, 1970-03-25. Faculty of Literature, Kyushu University バージョン:
権利関係:
ノ
松平文庫本﹃光源氏一部阿﹄翻刻︵下︶
裳着したまふ事也
︵今
井︶
くれ
なゐ
のは
かま
は男
と女
もに
一︳
一歳
に
御もぎの事おほしいそ<
十 八 梅 か 枝
二 十 若 菜 上 下
十 九 藤 之 裏 葉
十 八 梅 之 枝
第七
松 平 文 庫 本
光源氏一部厨
︵外
題︶
﹂
︵扉
裏︶
﹂
︵ 表 紙 ︶
光 ﹃
源 氏
一
︵ 栴 枝 ー 夢 浮 橋
︶
ようい也
御心まうけよのつねならずと けんしの御ひとりむすめあかしの上の御はらのひめ君
1ウ
部
請 ﹂
みやつかへする女房もさるへき 人の御前へはこれをきずしてはいてぬ事とみえたり
今上春宮も同きさらきに御かうぶりの事あるへけれはやかて
御まいりも巳翌謬戸ぅちつ~くへきにてむ月十日あま
んけ
し六
条の
院に
てあ
はせ
給ふ
事也
りのほとにたきものあはせたまふ﹂
香
大弐のたてまつりしかうともこのたひのあやうすものな
これ
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たひ
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くし
ゐに
たる
太
んと
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にし
への
宰︵
ルピ
﹁た
ざい
﹂︶
大弐
とり
つぎ
てみ
つき
にた
てま
つ
事る
也
うすものあやに御らんしくらぶるに故院の御代のはしめつ ういにちゃくし給ふ物也 てき給ふこのからもはおとなに成ておとこのかたへのよ
今
翻 刻
︵ 下 ︶
井
源
衛
2オ
む月のつこもり雨すこしふりて御前の梅のがほりもゑな
ほ た る の け ん し
らぬほとにひやうふ卿のみやわたらせ給へりつれ
l
\と侍りつるによきおりかなとて梅のかほりをめで
Aおはしま
前 斎 院
すにせんざい院よりとて﹂ 心にてのたまはせけり
ちり過たる梅の枝に付たる御
3
これほあさかほのさいゐんより也前斎院へもこのた 文 も て ま い れ り き も の を あ つ ら へ
︵ 芳 注
﹁ け ん し
﹂
︶ 給 し を と り た て まつり給へるなる へ し 御 文 に は
かちまけのさだめあるへしとれいのおやげなき御あらそひ
申袷へれはかた!\より心々にしなしてたてまつり給へ 蛋の宮にけんしこれ心み給へ﹂たれにかみせんとの給
4
て御ひとりともあまためす
引歌君ならてたれにかみせん梅のはな色をもがをもしる人 り 人をめぐらし給てたきものをこの夕暮のしめりに心みんと
このたきものA
まいりたるつゐてにけんし御かた!\ヘ
つAめど
源氏花のえにいと
A心をしむるかな人のとがめんかをは
御心とゞめてあはせ給かたみににほひのふかさあさ
Aも
とゞはそん王のふたつのほうを御すまゐこぶかくしなして るかきりさふらはせ給ふ
とりはらふ也
のはなちいでに御すまゐことにふかくしてあはせ給
お
御まへに人あまたならすすこしおとなびてしづまり﹂
た
2ウ
かうらい
かたこま人のたてまつりし物ともなをふるきものこそうる
っ
Aくばりてあはせさせたてまつり給ふ
かうをこまかになす事なり
かなうすのをとみヽかしかましうきこゆ
い つ か た に も
けり
かうとも御らんしあはせて御かた
l
\へ ふ た く さ
ぇゑりとAのへて
むらさきのうへしんでんのなか
まめやかにものせさせ治へるにこそとのたまふ はしくめてたかりけれとてこのたひのをは人々にたまはせ
ぢんのはこ
前斎院花のかはちりにしえたにとまらねどうつらん袖のあ さくしまめや じゅんしたまふ
ほのかなるを宮は御らんし付て事々しう
うやまほぬ体也
けんしなめけなる事きこえつけたりしを
あつらへ
申給したきものあぱせいて
Aまいらせ給へり
たきものを
にるりのつきふたつすへて大きにまろがしつ
Aいれ給へり
黒方
くろほう
心葉こんるりには五ようの枝しろきには﹂梅をえりてお
3 7 たをやか也
なしく引むすひたるいとのさまもなよびかにしなさせ給
麟〗踪江疇唸御つかひに梅かさねのしやうそくかづけ
給徊文もおなし色のかみにて御返
2
て心見給へるいとめてたし
春の塁つへの御は庄はゎ
5 ぅ
花ちるさと夏のうへの御は源氏の御はしAうほう侍従方也﹂
大 う ち の 陣 御 川
この侍従方をはうこんのちんのみかは水になぞらへて六 条の院のにしのわた殿のしたよりいづるみぎはちかふうづ ませたまへるをこれみつのあそんの子に兵衛の尉ほりてま
夕きり
いりたるをさいしやうの中将とりて御前にまいらせ給へり
やかて心見給
宮いとくるしきはん者にもあたりて侍るかなけぶたしや
とのたまふ
は心ぎたなきはんしやかなとわらひたまふ暮ぬれは大み
もき
あすのうちなら
松平文庫本﹁光源氏一部誨﹂翻刻︵下︶
しに楽人のかたにも﹂
︵今
井︶
ものドねふきたてAきこゆうちの5御車かくるA
まてをひてきこえ給へり きまいり御あそひはしまりておもしろし
源氏めつらしと古里人も待そみん花のにしきをきて帰る君 や と が め ん 御 返
いつれをもむとくならすほめたまふをけんし
宮花のかをえならぬ袖につA
みもてことあやまりといも
A
つほニッそへて奉給ふ
御車より
んしの御れうの御しやうそく一くたりに手ふれぬたきもの かくてあかつき兵部卿の官は帰り給へは御をくり物にけ
冬のうへあかしの上のは
か よ う ほ う 荷 葉 方
黒 方
あさかほのさいゐんよりのはくろほう
薫 衣 香 方
くのゑかうほう 三種みくさましり
し給へとにほひのふかさあさ
Aをいささかなるとがをわき
そしると言歌の心也宮はしる人にもあらずやとひげ
4ウ
宰相中将 夕きり の笛竹
心ありて風のよくめる花の木にとりあへぬまて吹 うぐいすのねくらのえたもなひくまてなを吹かよへ夜半
鶯の声にやいとA
あくがれん心しめつる花のあたりに 羹色もかもうつるはかりにこの春は花さくやとをかれす
緊咄翌︶はこしうとの御ちゃくしの事也
ウ5
やよ
るへ
き﹂
たに
弁少将かすみさへ月と花とをへたてすはねくらの鳥もほこ
ヒヒ
ろびなまし 宮 げんざん也
おととのきんたちもけさうばかりにてまかつるをめしと
A
めて御琴まいる夜ふけ行て御かはらけまいるに
もあらなん
3
り申さんとあるよしうちのおと
A
にかたり申す人あり
こしうと
きかへしおと
Aは御むねふたかるへしひめ君のかたへお
雲井のかり
はしたれはおりから御ひるねし給へりかひなをまくらに てふし給へるに御ぐしのたまれるほとあつかはしくぱみえ からの手つきなとおかし
ちA
おとゞ扇をならし給へるに
うち見あげ給へるまみもいとらうたけにおきあがり給ふ ずくれなゐのひとへにすきたる御はだつきあふきをもちな
心なるらんとあるをさいしやうは心えずとうちかたふ 姫君かきりとてわすれかたきをわするヽもこやせになひく 砂贔っれなさはうき醤のつねになり行をわすれぬ人そ
人にことなるよそのむこになり給をもけしきぱかりも
かすめぬつれなさよとおもふはうけれど かにぞとりてみたまふ
いとおほくて
ひ
うちのおと
Aはかやうに人々の御むすめかしつき給ふを
ぎ給もいとうら山しくひめ君の心砂の御ありさまねび
ゥとA
のひうつくしけにてつれ/\となかめおは﹂するも御
6
夕きり
物おもひなりさいしゃうの中将をはかた
l ¥
.よ
りむ
こに
と
つがしくおもひ給ふ﹂おりがらまめ人より御文あり
おとヽたち給てのなこりもやかて なかめいたして心よはくもす\みいでつるなみたかなとは
さす7
へるさまいとらうたし くるになみたのこほる
Aをはつかしとおほしてそむきたま
らくておやにもかくもてあっかはれたてまつる事と思っ\
せは人々の御むすめをきをひまいらさせたまふ
君ともかくもおもひわくるかたはなけれとわか身からのつ
宮まかてさせたてまつり給ふ たへわたりたまへり
むらさきの上も中宮の御か しのおとどへわたしきこえ給へり
やかて御ぐしあげのな いしなともこなたへまいる
これほ大内のないしのかみ也御もぎの時のやくにん也
一春宮の御元服は廿日余ひのほと也おとなしくおはしま
一まめ人を炒豆加よその人のむこにとりきこゆるよしを
かたり給てなさけなき人にもありけるかなとのたまふに姫 ひめ君に
さにそありけると云歌の心也 いぬのときひにあかしの姫君をもに
引歌たらちねのおやのいさめしうた
Aねは物おもふ時のわ
御裳着はきさらき一日なり徊こしゅひには秋好﹂
ォ中6 4
御かほのあかめるもおやの御めにはうつくしうのみ
Aゆ ﹂
7
おとどうたたねはいさめきこゆる物とあるは
松平文庫本﹃光源氏一部誨﹂翻刻︵下︶
︵今
井︶
やよひつこもりにうちのおと
A大宮の御き日に極楽寺に
内大臣我やとの藤の色こきたそかれにたつねやはこぬ春の
らんそのほかはいまの世にこのさいしやうにまさりたる
としころのおもひのつもりにやおと
4もむけにおほした
引歌人しれぬ我かかよひちのせきもりはよひ
l
\ことにう 以上十一首ほl
れ`しきを我なからしうねきぞかし﹂かはかりおもふォ
¥
8
事ならばせきもりのうちもねぬへきさまにおもひよはり給
へるにとはうちのおとA
のさらた口めてゆるさはやとお
もひ給事也
ちもねなAんと云歌の心也
うちのおとA
はこのひめ君をいかにせまし春宮へまいら
女御まいりかなふまじき也
せんにもまめ人のうき名もよの中にもりにたれば中々な
御むこなし
かやうに心くらぺせんほとによその人のかた へなひきもてなされんをきかんもむねいたかるへしとおも
お と
4
の か た よ り ま け ん 一 ゥ
ひよ
はり
給へ
とり
おほ
すへ
し
8
夕つけ行風すさしく花のなこりも人々帰りうくし
うちのおとA
むかしおもひ出てなまめかしううそ ふきなかめたまふ
いと
Aなかめいりておはするをおと
A心どきめきに見給ふ
事やありけんとはさいしやうのなかめをおと
Aは雲井の雁
ォ
︐
の事を恋しくおもふ﹂にやと見給へり心時めきといふ は人もおもはぬ事をわれとおもひよりてうれしき心をいヘ あまげありとさはく心 かへり給ぬとは競あらそひ帰る心也 ちて事々しからぬつゐてのさるべからんををほしまう<
こしうと
卯月ついたち頃御まへの藤のさかりにてたゞに見すぐさん
きこ
え給
﹂
あはた
Aしきあき風にきをひ
はおしきゆふはえにあそひなとし給てくれゆくほとのい
と4
花の色まさるに御ちゃくしのとうの中将して
gし
訪和
ゥ
︐
り ひめ君春宮への事也御いそきのほとにもさいしやうの中将はなかめかちにてさいしやうもあはれなる夕のけしきに 十 九 藤 之 裏 葉
たまふ うし給 くてまうで給つさつばみやの御ためとりもちてみしゆきや
きっ
Aをきがたふ見ゐたまへりとぞ
まうでたまへり 夕きり宰相の中将もおさ
l
\おとらすよそをし5
はりそかし まり申給て御返 とてくちおしくこそをくしにけれとりなおし給ヘ
けんし
けんしのおと
Aにかくとこらんせさせ給へはお
もふ心ありて物せられたるにやさやうならんにこそ月ころ のうらみもとけめとのたまふ御心おごりこよなふねたげ也
けんし
わさとつかひあるにはやうとゆるし給てなをしこそあま れもすき心やましきほとにまうて給
中将をはしめて七八人むかへいれたてまつる
あるしの君たち頭の
おと
Aもお
まし引つくろはせ御かうふりし給て出給とて北の方わかき 女房なとにのそきて見給へやいときやうさくにねびまさる
けんし
人 な り ち
A大臣はたA
いとなまめかしくみゆるにゑまれ てよの中わする
Aやうにおはしましけり﹂それは又こと砂
これはあくまてまことしくすぐよかなる事す
給ふ我か御かたにていたふけしやうじつくろひてたそか 御れうにある色こき御なをし御ともにもたせてたてまつり り﹂あさくてかろびたんめれ引つくろはんやとてけんしの旺
けうにうつり給ふ くれたりなんとほめ給て引つくろひてたいめんし給へり
理
物まめやかにむべ/\しき御ものかたりはしはしにて花の
︵マ
マ︶
春の雨いつれとなくひらけいつる色ご とにめおとろかぬはなき中に心みしかかくうちすて
Aみ
な
ヒ
ちりぬるがうらめしくおほゆるころほひこの花のひとりた ちをくれて夏にさきかミるほとあやしく心にく
Aなん色も
将又の心也
はたなつかしきゆかりにしつべしとて花をみあげてうちほ
こしうと
m
をゑみたまへるいと﹂にほひありてけしききら人\しきお
Aりたる花のさま見所あり
さる心ちして大みきまいりほ
ヒ
となくみだりかはしくしゐゑはし給ふ 世にはあまるまていふそくにおはしますをとし老ぬる人を
ほかせの学問の事也
思すて給なんうらめしきふんしゅうにもかれいといふ事 侍らすやなにがしのいさめもおほししるらんとおもふを としふりぬる人をはなやまし給ふなんうらめしきとの給て たけれとも
内大臣むらさきにかことはかけん藤の花松よりすきてうれ
さいしやうさかつきもち﹂なからすこしは叩 ひしたまへるさまいとよしあり
おと
A君はすゑの
と~也中嶋のわたりけしきばみよこたはれる松にさきか
と申給ふ
は
中将中A
に折やまどはん藤の花たそかれ時のたど︵しく なこりをけになへてならぬえたにつけ給へりかしこ
6
松平文庫本﹃光源氏一部誨﹄翻刻︵下︶
はつかしくそおほえ給や
︵今
井︶
にあふらむ
中将いくかへり露けき春をすこくし来て花のひもとくおり
ヒ
とうの中将に給へはさし給ふさかつき也 たをやめの袖にまがへる藤の花みる人からや色も
さい
はら
弁少しやうれいのこゑいと花やかにてあしか
さしあて4
云也
おとA
けやけうもつかふまつるかな
た<ゑいすA
みてむらひなれはまかりいりぬるといひすて 給へはさいしやうはいた<ゑいてまかでん空も
5
給へといふ中将花のかけのたひねよくるしきしるへにそ 侍るやといへはさい将は松にちきれるはあだなるはなかゆ
Aしやとせめたまふ中将の心の中にはおとこがたよりす
夕きり
:み給事もなかりしにねたのわさやとおもふ事あれど人か
墨 ガ らのめてたけれはかやうにもありはてなんとしもうと君の
くもゐのかり
事をおもひし心なれは姫君のかたへ心やすくみちびきっ さいしやうはゆめかとおもふ御たいめんにもいと
A我か身
おんなはいとはつかしとおもひ
1 2 7
ほど
l
\しくこそなりにたれとうの中将御やすみ所ゆつりひあり ふ なるあさいかなととがめ給されどあかしはて
Aそいて給
しらすかほなり人々きこえわっらふをおと
Aしたりかほ A
いり
﹂
いとめてたくおとゞはほとなくそらゑいをし給ておきない との給てとしへぬるこのいゑのとうちそへたまへる御こゑ きをいだしてうたふ まさらん 頭の中将 かしわ木 弁少将のす
引歌人しれぬおもひやなにのあしかきのまぢかけれともあ
さい
はら
也 ふよしもなしと云歌の心
川ぐちのとこそさしいらへま ほしかりつれとさい将のたまへはき
Aにくしと思て
環あさき名をいひながしたる川口はいかがもらし
A関
の
おさなひれたる也
あらかきあさましとの給ふさまこめかしうおかし さい将もりにける<き田の関のを川口のあさきにのみはお
ヒォ
なやましきとゑいに﹂かこちてあくるも
1 3
ほせさらなん
のぞきて人々みたてまつる
ねぐたれの御さまみるか けさの御文しのひたるさまなれど月ころひきかく
かほもち也
しつヽかくろひありきし御使けふはおももちなんと人々し
くふるまひなしたりれの馬の介なりけり中将
55
* .御
つかひもてはやしてかづけ物二なし御文には 謬とかむなよしのひにしぼる手もたゆみけふあらはる
A
袖のしつくをなんとなれかほなり﹂おと
Aわたりてみた
1 3 9
7 AみいでしあしかきはみAとAめたまふや
しみておはするさまねひまさりあかぬ所なし
きたまふ
くるれはさいし
こしうと
あるしのおと
Aも
いとドしき﹂ちかまさりをうつくしき物におほしてかしつ
1 4 7 うらみものこらずまめやかなる御心さしのとし
やうはうちけしやうしていそきいて給 ふせなんと大やけさまにいかめしうなん
桂
藤内侍かざしてもかったとらる
A草の名はかつらを折し人
ゥ5 やしるらん
なをこのないしにぞはいまきれ給へき﹂
いたるはこの歌にてきこゆへし御返し まてもなりにけるかなあふひくさを恋にあふ日ともち
へきこえたまふ
導 師
まつり御たうしまいる
御かた
l
\よりわらはへいたして
り給てけさはいかにふみなんとつかはしつやかきりなき人
心みしかき也
も女のみちにてはみたる
Aためしあるを人わろく心いられ せですこされ﹂たるなんすこし人にぬけいでたる事をとお厨
ヒ
ほ ゆ る う ち の お と
A
のみ心のひたおもむきにすくみてに はかにくづをれ給ふを世人もしたにいひいづるやうあら すべて人みえにくき所あるおと
Aなりなんとれいのおしく
た ん し や う の ほ と け 也 ヒ
けさは卯月八日なれはくわん仏ゐてたて んさりとて我かかたたけふ思ひがほに心なつかひ給そ
いでたちの所へもさい相はとふらひ給ふ にくれまてもこまやかなりこのないしは六条の院よりも 御心よせなれはうちとう<うもおほえことにいかめしき人 也 御 文 に なにとかやけふのかざしよかつみつ
Aおほめく
宰 相 の ち に
夕きり けりくるまな
かものまつりのおんなっかひといふ事にこのないしたち
はつねよりひかりまさりてまいり給へるをけんしうちまほ
このさいしやうそのころは大学の君とき
まふぞわりなきや戸砂心:しくもがきなられたるやかな
ヒ
なんとのたまふも年比のなこりなし御返り中々けふはみ
ヒ
えきこえ給はぬをれいの物いひさかなきこたちつきしろふ
人をさしおどろかしてわらふ事也
六条のおと
Aもこのよしきこしめしてけり
てさふらひけり こえしほとより御おもひ人にてたえぬ御ちきりなれはくも ゐのかりの御中のさらためてかやうにめてたきをたゞなら
ォ5 すおもふへし﹂ さい相けさ
節の舞姫これみつのむすめはそのまミっちに内侍のすけに かものまつりになりぬかのおとめの巻にさたありし五 おとA
はおほしけりおもふやうなる御中は水もらんやは ころこと心なくてすくしたまへるをありかたき事にうちの
8
松平文庫本﹃光源氏一部語﹄翻刻︵下︶
︵今
井︶
うに位たかくなり御しやうそくのいろもこくなりぬれはき 事をいまにわすれ給ふ事中なこんはましまさす
いまかや 御いきおいまされはか
引歌あさ日さす藤のうら葉のうらとけて君しおもはドわれ おなしやうにさいしやうのきんたちうめり のちに三条のうへ︵芳記﹁くもゐの雁﹂︶と
一この巻を藤のうら葉と名付事は卯月七日さいしやうをむ
ゆし給しゅへ也
もたのまんと云心也この歌ゆへに巻を名付たり
夕きり秋のちもくに中納言になり給ぬ
やうの御すまひゐにてぱいかかとて故せつしやうの御いヘ
ヒ
三条殿とてのちまてうばの大宮のすみ給しをかくれ給ての
御おほぢせつしやうの時よりさ﹂
事也l\よりさし出てみやづかへ申す ちはたれも住み給はねはひめ君もろ友に御殿うつりあり
つぼねのオふらひし人々もざうし
1 6
三条殿あたらしきやうにみが
きなしていにしへにかはらすおとなしく住給ひけり
雲 井 お と め の 巻 に ひ め 君 を
ひめ君の徊めのとかのちAおとAのかたへとりはなたれ
大学をきらひたり給しときものAはじめの六いしゅくせよとつぷやきたりし こどり給し時大みきにうちのおと4藤のうら葉のとうちし
水を
﹂ ともろ友になかめておさなかりしときの物かたりし給て遣
な と 云 歌 の 心 也
野へ
引歌我やとの一村薄むしの音のしけき秋ともなりにけるか
なかりき まはせて
六位のしやうそく也嘘訪あさみとりわか葉のきくを露にてもこきむらさきの
ゥ6 ー 色とかけきやからかりしおりの一こと﹂葉こそさら
めのと にわすられねとにほひやかにほをゑみての給へはひめ君の
この殿にうつり給てめのとのちは三条のうへ
二葉よりなでたるそのA菊なれはあさき色わく露も いかに御心をかせまし/\けるそといとなれ
なれてとはしつけたり てくるしがる
やり水のみくさかきあらためられて心ちよけに一むら
すAきも所えたり
おかしき夕暮をまめ人と雲ゐのかり
オ7
中 塾 ︱
‑ u
なれこそは岩もるあるじみし人の行ゑはしるややど
三条
の上 のまし水
なぎイみし人の影たにみえずつれなくて心をやれるいさ
くのいとおもしろくうつろひたるを一えたかのめのとにた
︐
なぞらへせんしくたしたてまつり給ふ めせともけんしうけびき給はねはちからなくてらいねんけ
ォ
んしよそちにたり給はん御賀に事付てこの秋太上天皇に﹂
1 8 是はおりゐのみかとの そう官也太上天皇にあ
給ふまA
いかにしてもみかとになしたてまつらんとおほし りし事をおほしめしわすれずけんしは御ち
Aなりと心へ せる松のすゑ
l ¥
̀
源氏の太政大臣はおとめの巻よりしゅん一二后の御くらゐ
持 僧
なるをいまの御門の御心にかのぢそうの申きかせたてまつ
めのと也宰相の君
いつれをもかけてぞたのむ二葉よりねさしかは
御返 内大臣そのかみのわか木はむべもくちぬらんうへし小松も
したりかほにて切こけむしにけり
給ふおきなはこといみしてとのたまひて ら
ひ 井 の 水
ヒ
いて給とてもみちの色におとろかされてこの三条殿へおは
さふらひ給ふ こしうとうちのおとA大内より
︑さら井は六月の李と申 候へとも是は九月の歌也
ありつる御歌を見つけ給ておと
Aうちなき
中納言の御めのと﹂
したり中納言御かほもすこしあかみていと
Aしづまりて
のほとの御ため也 いたりわさとの御らんにはあらてすきさせたまふ﹂みち旺 鵜かいめしならべておろさせ給へり とも引ならへこんゑもたちそひたるさほう大内のさ月のせ むまばのおとゞにてくらへ馬のせらる しきいつかしくもてなさせ給へり行幸はみの時にてまつ かりなれはへたてのへいをくづして中門をひらきて霧のま ゐことにみがかせたまふこの比は秋のまちのもみちのさ
す かり給
ヘは院也かくても御門はいや
l ¥ ・
しさをつくしてみせたて まつらぬ事を心もとなくおほす
もおろさせたまふ
いや
l\しさをつくすとはい やしき事をつくさんの心也
神無月に御門六条の院へ行幸あり
しゅしやくゐんへも みかとより御せうそこありけれは院さへわたりおはしま
度
いとめつらしきたひのみゆきにてあるしの院も御よお よひなくもみちを御らんさせたてまつりたまふあらは﹂な砂
るへき所にはせじゃうをひきそりはしわた殿にはにしきを
左右の官人御むま
つにあやめのわかずひつしのくたるほとにみなみのしんで
ヒ
んにうつりおはしますみちのほとひんかしの池にうかいと
大 内 の う か い 也 長
みづしところの鵜かいのおさ朱雀院の
ちいさきふなともく
10
松平文庫本﹃光源氏一部甜﹄翻刻︵下︶ まいにたちならひきこえしを﹂
︵今
井︶
われも人もおとらぬさか5
ふ ら し 大 き お と
Aはいにしへのもみちの賀にはおなし 深氏色まさるまかきの菊もおり
l¥
以上廿首 'に袖うちかけし秋をこ ふとき卿たいめんありけりにしへのせい海はのおりをおほしいつ らひ給へはおもふさま也むらさきと明石とたちかはり給御かはらけまいるにあるしの院は菊をおらせ給ていあり かはりまいり給てそれよりはひたすらそひ申てうちにさふしのかはらぬこゑを朱雀院はあはれにきこしめすとほんに るほとに御前にぶんのつかさの御琴ともめす くれかA
口伝うたのほう日過ていて給ふときまことのはA君あかしのうへたち にもいはすこまもろこしとつくしたる楽とも也手くるまゆるされてひとへに女御のことし はにしきを引わたせるわた殿にことならす舞ともはさら也日のほとはむらさきそひ申給ふ
いて
﹂
給ふときゥ
︒
2 影けざやかなるにけしきはかりうち時雨﹂ 夕日のたる紅葉の色砂 ひかしよりみまへにいて:みはしのもとにひざまづゐてそ
くこ
うす大きおとこぎほせをうけ給ててうじておものにまい
この巻にうちのおとA
太政
大臣
にあ
かり
給へ
ほ大
き大
臣と
也
るれいの楽の舟ともこぎまひててうしともそうす へとは由なから又けんしはことなる御ひかりかなと思しり
しかとそみる
る庭のにしきをときこえしらせ給けり
きん上あかしの姫君春宮へまいり給事もこの春の卯月廿日余ひ 冷泉御門世のつねの紅葉とやみるいにしへのためしにひけ こそみねうらめしけにそおほしめしたるや 朱雀院秋をへて時雨ふりぬる里人もかAるもみちのおりを ふまつるきじ一えだをみきのすけさAけてしんてんのにし み ゆ 池 の い を AはひたりのすけさAげ又北野にかりつか致任大臣むらさきの雲にまがへる菊の花にごりなき世のほ の御座はくたれるをせんじにてあげさせ給ふほとめてた<
給
けんししんてんに御門の御座朱雀院の御座二よそわれてあるし
ほたるの兵部卿の宮玉かつらの君をとりはずし給て又こ と心いてかし<おはし
Q
せとも御心かなふ人も世にあり
菜 一朱雀院の御門ありし御幸の
Aちそのころをひよりそこは
かとなくなやみおはしますを冬になりてはいとおもくなり 給てみすの外にもいてさせ給はすいにしへより御おこな
ォ
ひに心しみて﹂入道のほいふかくおはしまししを太后の
2 1 みやおはしますほとはよろすには
Aかりきこえ給しをいま
はなをそのかたにもよほすにやあらん世にひさしかるまし き心ちなんするとてしゅつけのあるへき御よういなりに し山なる嵯峨なりみてらつくりはて
A御くしおろしてうつ
ろひ給へき御心まうけなり
きん上
御子たちは春宮ををきたてまつりておんなみや四ところ
女 一 宮 女 二 噂 吃 認 女 三 鰐 霜 碧 ず 女 四 こ の中に女三のみやをとりわきかなしみおはしましていかさ まのうしろみにも心やすく﹂見ゆつりをきて御ほゐとげん加
かたきものなりけり
れをのぞみ申給ふ おはします
廿 若
上
めてたくあらためくはヘ
一藤大納言と申すはとしころしゅしやくゐんのちよく別当 にてましませは御かへり見にあつからんと女三の宮をのそ
み給ふ
ちじの大とのさ太郎君とうの中しやうと申せしはこのこ
かしわ木
ろさんぎうゑもんのかみにて人からもゆへふかく又心をも
高たかふをきてA
みかとの御むすめ﹂ならでは北のかたに江︐
さだめじとおもひあがりたる人也は
Aかたにおほろ月よ
のないしのかみは御おばなれはそのたよりにてしきりにの ぞみ申給ふこのゑもんのかみこそさもありぬへき人なれ ともいまわっかになりのほれはあまり位みじかくていか
A
はあるぺからんとおほしわつらふ
ろに申給けり
としの内にまづ御もぎあるべしとて世の中ひゞきたる御
いそぎなり
秋このむ中宮よりしろきからも御しやうそく えならぬたき物とも﹂くさ
K\まいれり御くしのはこ
5
はいにしへ斎宮すぎてうちへまいり給しときしゅしやく院 よりまいりたりしくしのはこ也 てさすがもとの心をはうしなはすそれとみせていみしくし なさせ給へるをたてまつり給
ちしのおと4もねんこ
12
松平文庫本﹁光源氏一部誨﹂翻刻︵下︶
ほしける ろひ給へきなれは﹂
︵今
井︶
くゆずりみちてなきどよむ
女御みやす所ちり
l
\にうつよのつねならぬすあはれなりおほ匂
ヒ2
ろ月夜のないしはつと御かたはらにそひゐておほしいりた るさまこれをぞ院も女三の宮につぎてはかへりみがちにお
としもかへりぬ
一
北のかたけんしの四十の御賀にわかなたてまつり給とは
玉かつらの君なり
さるへき人は四十よりすゑ十年に一度
しいよ
l ¥
`あはれにありかたしとおもひまし給ふ﹂
ゥ2 4
正月廿三日ねの日なるに左大将とのの げくよしみえじとおほせはつれなくもてなし給へるをけん
人さふらひて御ほうぶくなとたてまつるほといといみし ち御くしおろし給ふ
てのがれかたき御事なるを中
l
\に人わらわれにおもひな山のざす其外御いむことのあしやり
うらみもゑんじもし給はめこれはそらよりふりたるやうに その日はかり尊者と名付たり 一この御いそき過て一二日のほとはねんしくらし給てその
A
よりそまいりたるそんしやの大臣とは御こしゅいの大臣 て
色l\まいる
りもいかめしき御とふらひともなり
尊 者
そんしやの大臣の御ひきいて物はかの院
六条の院よりはまし
御こしゅひにはちじの大殿まいり給ふ
さしなからむかしをいまにつたふれはつげのをぐ
あやかり物也
しぞかみさびにけるけにあゑ物げしうはあらじとゆつ
めんほくしき也
りきこえ給ふほとおもた
Aしくきかんさしなり御返ヒ
朱雀院さしつぎにみる物にもか万代をつけのをぐしのかみ
ォ3 2
うちとう<うよ
さぶるまてとそいはゐきこえさせ給ける﹂ 秋好中宮
一六条の院もまいり給へりかはり給へる御ありさまみた てまつり給ふにけんしはきしかた行さきくれてかなしうお ほさるすみそめの御すかたうらやましく見たてまつり
御もてなしの事
給ふけふのみあるじの事はしやうじものにて院も御はち なとこと事にてまいるを人
l
\なみたをしのごひつヽ御はいぜんあり
一かの女︱︱一の宮をおやさまに六条の院にゆつりきこえ﹂5
給へりいなひきこえ給へきやうもなくてうけびき申給つ
みなのそみ給し人
I ¥
︑くちおしくおほしけり一むらさきのうへのおほさん事のいとをしけれはけんしも ものおもひそひたるやうにおほしけりむらさきの御心の 中には源氏の御心よりおこりたるけしやうにもあらはこそ
13
りくそくし給へり
琵琶笛そうして管絃の具とも
すりのはこ
このかざられたるおましへはよそ/\のみこ たち大臣かんだち殿上人のこりなくつどひまいり給てまい
楽をとA
のへ﹂大みきまいりろくのからひつも四十枚な
5 7
2
りみなかづきわたし給ふ物也それへいで給ふとてけん しまづ玉かつらの君に御たいめんありいつしかひけくろ のわか君をふた所まてまうけ給てふりわけかみなるをふた
けし
きま
て也
ぢんのおしき四してわかなさまはかり
かう
こ
たき物入物
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御琴 つAこかたよりおやをもてなしおんをかふりたまへるかた
l
\その人の御いのりをしよろつの物をはらひてたてまつり給ふなり老をいのる事なれは名を祝てわかなを奉物也 しんてんのはなちでいをひけくろよりよろつはこびてし
けん
しの
つらひかさられたりをきもの
Aつくゑ十二たてA夏冬の
御しやうそく御ふすまをかれたりづし二よろひ御かざし
ォ
のたいはちんしたんにて﹂おなしこかねしろかねもつか
2 5
ひなしたる心ばえめなれぬさまに玉かっらみやびふかくし
なし
給へ
りみ
やび
とは
けた
かき
事也
か
Aげのはこおとこのびん
かき給ふ具也御ゆするつき⇔謬暉
5拉匹四霜廷詞ふ也
よの
つね
のた
4み
の事
也 やう木帳也かべ代御ぢしのき四十御まし御しとね
みち
源氏いのちこそたゆともたえめさためなきよのつねならぬ 御手習にめにちかくうつれはかはる世の中を行すゑとを おもはしくて﹂
なし給ふとほんにあり
むらさきのうへもよろつに付て物
ゥ6 2
ゆしやくゐんはもろこしのきさきのかざりをまなひてもて ひとへに女御まいりのことしよろつ此女三の御事をはし たまふびやうふ木帳よりはしめてはこひしつらはる
A事
かくてきさらき十日余ひに女三の宮六条の院へうつろひ 給へり
れを
御賀
のは
しめ
にて
十月
紫の
上十
一
1月
秋好
中宮
し給
それよりおましにいて
御かはらけまいり給ふに至かつら
つ れ 北の方若菜さす野への小松をひきくしてもとの岩ねをいの
る今日かな
としをつむへき﹂
すれても侍るへきを人しれすかそへとり給けるけふのねの 日こそうれたけれなんとのたまふ くたのみけるかなとあるを御らんしつけて
中のちきりを
けんしの御ことはにしはしは老をわ
5
此歌
ゆへ
巻を
わか
なと
也
源氏の院小松原すゑのよはひにひかれてやのへのわかなも まいらせ給
14
え給ふ あは雪 あへかにみえ給ふ 女︱︱一の宮はたミつつくしきちこのやうにほそくちいさく
三日のほとは夜かれなく岐戸唸竺員
芦女三の御かたへわたり給ふ
のあした春の雪ふれり
にほへとくちすさみ給ふ心は
この
とき
十一
二四
也
︵今
井︶
とはんこそはつかしけれとのたまふ引歌なきなぞと人に すやうにて
おほ
給へりけんしれいの細心なれはいま一たびたいめんして あは雪おりからう<ひすなくに花を引かくして袖こそ おほろ月よの君は あり 栴の花に付て女三の御かたへ御文てかけなはなれそ徊山にうつろひ給へぱ﹂ りげなく引かくしてなつかしくあひしらひ給とあり四日 そなかそへたる女のしやうそくかつけ給 そむきにしこの世にのこる心こそいる山みちのほだ
むら
さき
の
御使に女房してかはらけさしいでさせてほ らさきの御かたにおはしましけり 三日過ぬれはいつもはむ
としころむらさきをめ
がれすみ給しよりもいま女︱︱一の宮のわかくうつくしきにみ
ォ女
2 7
くらべ給ふにありかたき人と心まさりしたまひけり﹂
紫三より夜ふかく帰給へるあがつきはなきぬらしたる袖をさ
涼氏中みちをへたつるほとはなけれとも心みたる\げさの
引歌
おり
つれ
は袖
こそ
にほ
へ梅
の
花あ
りと
やこ
とに
う<
ひす
のな
くと
言歌
の心
也御
事返
くれ
なゐ
のう
女三はかなくてうはの空にそきえぬへき風にたAよふ春の
たど/\しくみ四御手もいとおさなくよろつ﹂
松平文庫本﹃光源氏一部両﹄詞刻︵下︶ り給とてむらさきの御かたへとりわき御文あり しゅしやくゐんはきさらきのうちにさがのみてらにうつ
おさなき 女 三
人の心もなきさまにてうつろひたるをうしろみ給へたつね
給へ
きゆ
へも
あり
やす
らん
とに
むら
さき
と女
三は
御い
とこ
也
しなりけれ
梱返紫そむく憫のうしろめたくはさりがたきほだしをしゐ
才山の御門
2 8
とそ甲すねうこみやす所さま︵うつろひ給
初ちこ一条太政大臣の御家に人めまれなるやうにてうつり
きこゆへき事ありとさま/\心をつくしてのたまふ
ろ月よはしゅしゃ<院のあはれなる御事をさしおきていか
なるむかしがたりをかきこえんけに人はしらぬにても心の
はいひてありぬへし心のとはA
いか
Aこたへんといふ歌の 朱雀院
15
やとの藤なみ
たちかへりいでがてにやすらひつ
Aせき
しづみしもわすれずなからこりずまに島をなげつへき いちうがまねならねどなみたもろになん
いり給もめてたし
あかしのうへいまは御身にそひていて
彦り
つほ
のか
らな
しげ
いじ
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くたえにき
おほ
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つゐにこよひはとA
まり給にけり日のさしあがるほと
るなみたか
源氏とし月を中にへたて\あふさかのさもせきかたく落
いまさらたちにしわか名とりかへし給へき かときこえ給引歌水鳥のたちにしわかないさまさらにこ
い ひ 内 ヒ となしぶともしるしあらめやと言歌心也けにたれゆへに
ォヒ
すまのさわきもありけるそと心よはくおほしなりぬ﹂
2 9 おはる涅のみせきとめかたきし水にてゆきあふみちははや にいて給ふにいにしへ藤の花のえんありしその木もかはら
けん
し す藤のさかりなるをさもうつりかはる世かなとおほすにヘ
かくのたまふほとにあかしのひめ江ほとなくた
Aならす
とな
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ォ
涜氏水鳥のあを葉はいろもかはらぬを萩の下葉ぞけしきこ
3 0
なり
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つほ
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しき
りつ
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女御
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もき
りつ
ほの
御か
たと
も申
けり
淑景
舎 神 し け い し や かんわさしげき比なれは六条の
院へまかて給へり
かのあかしのあま君は月ころは冬の町にすみ給しがこの
まごの女御たA
ならでそのまちへいて給へれは人しれすう
ろひにけり
紫身にちかく秋やきぬらんみるま
Aにあを葉の山もうつ
給ふほと中空なる身のためくるしうとなみたくみて
給はす
さきの上はさならんとみしり給ふ
いまむかしとあらため にこりすまの浪 おはる身をなげんふちもまことのふちならでかけじやさら 心也﹂かやうにはの給へともその御家づかさのいつみのさ⑳ きのかみをけんしめしよせてねんころにかたらひてやかて
けん
し かのしのだの森を道のしるへにておほろ月よへおはしたり
動也かろ
l
\しからぬ御みじろきなれははしたなくもえかへし
ねくたれの御けしきをまちうけてむら
給ふ藤の花なつかしくて もりのかたからぬしるしにや﹂ 6 ーゥこまやかにかたらひをき
2 9
松平文庫本﹃光源氏一部語﹂翻刻︵下︶︵今井︶
物あはれにてうちなきておはするをあかしのうへ心くるし くかたしけなくてあま君をみぐるしやとめくはすれともき 士をたれかとかむる
としかへりぬ ちはわたり給はず
春官也
やよひ十日ころに女御わかみやをうみ給
してその夜は又おほろ月よのかたへおはしたり
らす山をはひろきうみにうかへをきて入道はちいさき舟 て
すら
山のひたりみきより月日の光いて
A世
を くよりあひ給へはけんしはうれしくおもふやうなりとおほ
むらさきのうへ女三のみやにたいめんし給
この女御殿
あか
しの
うへ
女一
1一のみやむらさきなんとひしめきうつくし
このま4の オ2 3 イ︑その
一ふみにかきてのほする事あかしの上むまれんとてのさき
と し 入 た う
のとしのきさらきにみしゆめ身つからしゆみの山をみきの
手にさAげたり
入たう身つからは山のかけにかくれてそのひかりにあた
けり
﹂
はる
けし
もせ
じ﹂
世をすてA
あかしのうらにすむ人も心のやみは
ー3 オ
ゆめありそのゆめにたのみをかけて心をはたかくつかひ
あかしの上
のとき京へふみをかきてのほせたり入道わかくてみたりし
ひめきみきりつほ
はやはまのとまやを
誓るといひしはわかみやのむまれ給はん事なりけりこ しほたる
Aあまをなみぢのしるへにてたつねもみ
えたるみねありけるをとしころしめをきていますこしまつ しみたうにせにうしてはりまのおくのこほりに鳥の音もた
あま君おいのなみかひあるうらにたちいて
Aしほたると海
にのこるおもひなしとてあかしのたからともをはたてたり
A入
す
あかしのにうたうこのよしをつたへき
Aていまはこの世
給けり のうば君あかしの上はた
A﹂
にてむまれたる身とはしり給はさりけり
この女御はあかし釦 くはしくきくに
ふ わかみやをつといたきもちてうつくしみ給へはまこと
ゥ
御ゆ殿なとの事をおりたち
3 1
にある事なととはずかたり﹂
申たり
さきはしろきしやうそくしてあまかつも手つからつくり給 れしくてなれよりつ
Aあかしのにうたうのひとりかのうら
へりけんしのおとA
もうれしく御心おちゐたまふむら
17
す いのちのをはらんほとをもなしろしめしそ
かたりする
とて月日かきてあかしの上のかたへつかは
世人のや
入道光いでんあかつきちかくなりにけりいまぞみし夜の夢 なに事をかはうたがはん世をてらし給へきなりとて より数ならぬ身にたのむ所いできてなにはかりの事にてか
︵ マ マ
︶ あ か し の 上
さやうならんとおもふしにそのころよりはらまれて生給
ゥあらせたま
3 2
たもち給へりき ゆめさめて
その後めされし
こんゑの中将まてはこのにうたうもなり
︱︱
一と
せな
かさ
れし
也
しを世のひが物にていなかたみとなれり かともみやこに帰らん事は中
l
\にてはりまの国にくらゐ三とせ
を申かへてはりまの国のとくふんにてかやうにあかしのう がひてくちおしきせかいにてにしきをかくしきこゆる事と にしきをきて夜るありくかことしといふ心也 いまよりのちもたのみあり﹂
このゆへにォ
ひめ君の母となり給へは又
3 3
つる
A藤の衣をもなにかあらため給へき
施
ほかみにもせし侍らんといひのほせたり やしろをはしめてたてをきたる頴ともにつきにしてふばこ
り申す あかしの上此願文の﹂
いり
53
たるはこをもたせてまうのほりて源氏にもむすめの女御に
あかしの岩やといふ詞こ
4にかり也
もみせたてまつりてかのあがしの岩屋よりかう/\申たり いまは鳥の音たえたるみねにいりぬるよしをなく/\かた
入澤
けんしもつねには葱しくいま一たひあひみんとお もひし人をやとてこのふはこをおがみてとり給てのちまて のを引のぶるやうにおよすけ袷
今上
誓 す く る は お さ な き 春 宮 よ 人のおとなしき也
り日ことにまいり給へきよし御つかひあれは﹂
えてまいり給ぬ ォぐしきこ43
一春のくれに六条の院へほたるの兵部卿の宮ゑもんのかみ 菜廷まいり給へり源氏いでたまひてこの比のつれ
l ¥
なにわざしてかくらすべきこゆみいさせてみるへかりけ
なけきしとは引ふつきにしてふるさとにかへらさるは
いまむまれたまへるわか宮いともうつくしく日
l
\にもほんにあり
らにはすみみちにけりこのむすめの人となりゆくにした
ちかくをかせて御らんしてたてたる願ともはたさせ給ふと
へとはこの夢ゆへいのりし也入適かおやは大臣の位を ふ 女なりともいへのためたかきさいはひ﹂
にふうじいれてのほせたり
に乗てにしのかたをさしてこきゆくとみたり
8 この身はとらお
と し わ か く て 也 ー
はやう住吉のみ
ことしのけんしの四十の御賀にまめ人の中納言 を大やけより大将になし給へり大将こなたへとめせはま
大将
い り 給 へ り ま り も た せ た り や と お ほ せ ら る さ ら は こ なたへにいてまいらんとてこれかれ引つれてまいり給へり
ヒ
やり
水の
也事
水の行あひはれて﹂
こらんす
暮行まこに花のちるをおしみをもあへぬわかき
ヒ
んたちのまりに身をなげたるををかしとみたまふ わかかりしときはみすくしかたき物なりしさるはきやう ぐなりやこの事の戸印涅とのたまふ
5竺り芍尋り幻
わ 木 夕 き もんのかみもたちいで給へりかずまさりゆくほとに上ら
りか
しわ
木の
事を
ら上
う也
うもかうふりのひたいすこしくつろぎたり
花みだりかは
ォく53
しくちるめりやさくらはよきてこそとあり﹂引歌ふ 風の心ありせはこの春の桜をよきてちらさざらなんと言改 の心也大将はしほれたる花のえだををし折てみはしの中 のしなのほとに居給ぬゑもんのかみつづきてゐ給ふ女
ゑもん
三のおはしますしんてんの庭なれはしりめに御前のかたを 松平文庫本﹃光源氏一部謁﹄翻刻︵下︶
今︵
井︶
けんし
いづ源氏とほたるの兵部郷の宮とはかうらんによりゐて
ゥよしあるかA
りのほとをしめてたち
3 4
たつね給 りけさすきものともみえつるをねたふいでやしぬらんと
みやるに袖口こほれいて
A女房のきぬのをとなひはら/\.
とかしかましきまてそよめきたり大将はれいのおさまら ぬけしきと心にくからすおほさる
Aにみすの中よりからね
こ4
のに
かほ
りた
ると
は
のこ
こ
A
のにかはりてうつくしきにうつくしに︵五文字ミセ 謬 瓢 謬 翌 泣 閃 畔
﹂ 又 す こ し 大 き な る ね こ を を ひ つ
A均
けてみすのつまよりはしり出たりみすの内の人
l
\おとろ召てさはぎてそよ/\とたちさはくねこはまだ人にな
ヒ
つかぬ心にてつなたなかくつきたりけるをにけんとひこし
ヒ
ろふほとにみすのはし引あげられたりとみに引なをす人
けさ
はや
か也
もなし夕日のけざやかにさしいりたるひかりにみいれら れたるひさしのまのひかしにあたりたる一一のまの中のほと にうちぎすかたにてたちたまへる人ありこうはいにやあ
さう
しに
いろ
l\
のか
みを
とち
事る
ォ らんきぬのつまのかさなりたるほとさうし﹂のつまのや
3 6
也お
ほき
事也
う也御ぐしはうちぎのすそにたまりてこちたくひかれた るほとたけに七八すんもあまりたるとみゆひたりみきの 徊ぐしいとをよりかけたらんやうにてねこのいたくなけは
かほ
もち
也そ
ばか
ほ也
みかへりたまへるおももちかたはらめわかくうつくしの人 やとふとみえたりまきるべきくもなきうちぎすがたけた
ヒ
かくみやびやかにみゆれはうたかひなき女︱︱一の宮とおもふ
19
ゐんにまいりてなくさむへかりけりなんと物かたり申給ふ
原をわけ入て侍りしにいと
A
いかに見をとし給けん
あや
んのかみはひとつ車にてこの比のくらしかたさはた
A
この
ひつるにやと心くるしくおほす
るべし
みしてあるを大将ぱみとがめ給ていまのみすのつまをおも
にてにめてたしと思きこゆ源氏の御ためなまゆがむ心あ
きまいるゑもんのかみともすれは花につけてもながめの くにほひも思よそへらる
Aぞすき/\しきや
けんしみ給
御 座 御 座
てくぎやうのみざかろ/\しゃとて御ましになをりてよひ
ォ3 7
ほたるの宮もいり給ぬわかき人
l
\ぱ﹂
わらうだはゑんざの事也
すのこにわさとならぬ
B
の一学にてわらうためしてつばいも
いれ申給ふ
ちいなしかうじゃうの物さるへきからものはかりにて大み
帰り給とても大将とゑも
くへき
ちしておほつかなし大将ももろともにみたまひていとか たはらいたけれは心をえさせたてまつりてうちしわぶき給
ゑもん
へりそのとき女三の宮はやをらはいかくれ給ぬねこを 心なぐさめにまねきよせてかきいだきたれはいとかうはし
はよと思て
大将太山木にねくらさたむるはこ烏もいかてか花の色にあ
ゑもんのかみはこと事なくこのおも影のみおも のみやの御めのとご﹂ ふ応なぐさめがたげれはもとより御文とりつかする女三
ォ
小侍従の君といふがもとへはいま
3 8 もつねにせうそこして心の中にはけんしいつも世をそむか んとおはしたる御心なれはもしさやうのちかひめあらは女
︱︱一の宮をみたてまつらんとおもふねがひふかけれは大かた
まりの事
こし
Aうか方へのふみに一日は風にさそはれてみかきが
とはせぬとよみたり
衛門督
いかなれは花に木ったふ鶯のさくらをわきてねくら
あなむつかしの物あつかひやされ とうれしくたのもしくおほゆるに夕日なれはおくくらき心
しき夜な/\︑もおはしますらんとせめての事にいひて ののぞみかなはで心やましくおもひたえぬにほのかなれと
ゥ
おもひのほかに﹂みたてまつる事おほろけ杖らぬちきり
3 6
さきのたいにのみおほとのこもるなりけり女三の宮はさひ がてらとかたらひたまふ にゑもんのかみはむねもつぶ
l¥
とさはぐへしとしころi
大将はつこもりの日こゆみもたせてまいり給へ春をしみ
ゑ も ん の か み の こ と は ウ
六条の院はいつも﹂た
Aむら 3 7
20
しうその夕よりみだり心ちかきくらしあやなく今日はなか
ゥ
めくらし侍ると書て﹂
3 8
イはしけ4れと
術門督よそにみておらぬなけきはしけれともなこり恋しき
御おもてあかみぬ
もなく御返﹂
中々なる事をとあり
以上廿四首
松平文庫本﹃光源氏一部周﹄翻刻︵下︶
︵今
井︶
いでやかく事なる事なきあひしらひはかりにてはいか
A
同 若 菜 下
弓
I
神無 きと 小侍従 亭はかく侍従はみすのつまの事おもひもよらねは見すも
春宮よりめすにもまいらせずとりこめてか
督恋わふる人のかたみと手ならさはなれよなにとてなく かしの契にやとかほをまほりての給へはねう
l
\といとAいつよりも御あひしらひなけれは御返
ねこいとなつかしうむつれてきたるをかきなて
Aこれもむ
ねにむつかしき物みするこそとてみたまふ
この見もせぬ
といひたるところを女︱︱一はかのみすのつまにおほしよせて あらぬやいかにあな/\かけ人\しとはしりかきてなに心
ヒ ォ
︐
3いまさらに色にないでそ山桜をよはぬえたに心かけ
り又ゑもんのかみあづかり申て夜るひるなでかしづく
ゑもんのかみ
いといたふうちなかめてはしちかふよりふしたる所にこの
なつかしうなく
ねなるらん
たらひ給ふ山の御門は御おこなひたゆみなくしたまふ けんしの院は行すゑの事をおほすに住吉の神の﹂御め知
むらさき
くみおろかならすたいのうへも女御殿あかしの上あかし 尼 公 申 のあま君四ところを引ぐし
0てすみよしまうであり 月中の十日なれは神のいかきにはふくずも色かはりて 歌ちはやふる神のいかきにはふくすも秋にはあへすもみち
色か
女 ︱︱ ︱
しA
うさるへきひまなりけれは宮にみせたてまつる
つ
かたらふへきつまにはあらねとせめて心のなくさみにもと
春宮9
おもひて春宮と女三は御はらからなれは御心と
Aまるやう今上
に申なしてこのねこを春宮へこいよせさせ申てそれ﹂
よ
39ウ
花の夕影 といとA
思まさるありしねこをたにえてしがなおもふ事 すぐさんけぢかくておもふ事をもきこゆるおりありなんや