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青山学院大学図書館報

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(1)

No. 67

Nov. 1, 2004

本のアドレスとネットワーク ……… 仙波 憲一 …  2 特集 「卒論・レポート必勝法」 ………4〜9 論文・レポート作成のための

情報検索入門 ………10 学生寄稿

「世界の兄弟姉妹との出会い」 ……… 塚田 賢治 …12 レファレンスカウンター紹介 ………14 図書館広報板 ………16

特集 「卒論・レポート必勝法」

「おいしい」論文・レポートをつくろう …… 野末俊比古 … 4

・論文の「考え方」を考える ……… 須田 昌弥 … 5

・卒論・レポート必勝法 ……… 酒井 安行 … 6

・実践的卒論・レポート必勝法

〜図書館の実践的利用法〜 ……… 島田 淳二 … 7

・間口は狭く奥行きは深く ……… 末田 清子 … 8

・ゴリラの研究のために、

まず図書館へいくのか? ……… 松本 俊之 … 9

http://www.agulin.aoyama.ac.jp/

青山学院大学図書館報

A GULI

Aoyama Gakuin University Library Information

(2)

今やインターネットはやりで、 e-mailアド レスが電話番号と同じくらい重要になって きた。名刺にも、葉書にも必ずと言っていい くらいe-mailアドレスが書き込まれている。

同じように本にも文字通りアドレスがあ ると思う。 ただし、これは本とそれを読む 人との間のネットワークをつかさどるアド レスであり、ほとんどの人が持っているで あろうと予想される。 したがって、それは 完全に個人的に作成されたネットワークで ある。

ゼミの時間に私の研究室に来た学生は、

必ず、『たくさん本がありますね。先生は全 部読んだのですか?』と尋ねる。 そのとき 私は、次のように答える。『全部の本を最初 から最後まで、読んだわけではない。 しか し、どの本が私の研究テーマとどのように 関連しているのかは理解している。あそこに ある、あの黄色の背表紙の本はこれこれを 論じていて、研究テーマのこの部分とこの ように結びついている。 この意味で、私の 研究テーマが一本の串になって、すべての 本が関連をもって私の頭の中で整理されて いる。  この意味で知らない本はない。研究に 関連したあの部分はあの本のあそこにある。

これが大事で、研究のプロセスが本に刻ま れているのだ』と。

研究室の本の間には、目に見えないネッ トワークが張りめぐらされている。 テーマ

副 学 長

  仙

SEMBA Kenichi

が多岐に渡れば渡るほど、ネットワークは 複雑になり、一見全く関連がないような文 献が隣り合わせに置かれる場合もある。 し かしこれとて、当人にとっては、自然なこ となのである。

よく本がきちんと整理されている研究室 と、雑多に置かれている研究室を見受ける が、それはそれなりに、研究者の頭の中で は分類されているのであろう。 勿論、整理 上手な人もいれば、苦手な人もいる。 また、

雑然としている方が落ち着く人もいる。人さ まざまであるが、どの人も必ず、本とのネッ トワークをもっている。

例えば、教科書については、入門的なレ ベルから、初級、中級というように区分け をすると同時に、分析手法に関するもの、お もに私の場合は社会系の数学に関するもの であるが、この区分けによって書架に置い ている。

このように自分なりの分類があり、それ によって、その本は書架の何段目のどのレ ベルあたりのあの場所にある、というよう に整理がついている。 あの場所の、あの本 のどの辺り、何色で、大きさは、というよう に、本の居場所が決まっている。これが私の 言う本のアドレスである。

ところが困ったことに、私のネットワー クは地理的な広がりを持たない。わがまま なのである。 私には悪い癖があり、すぐ手

(3)

昨年度から、実行されている図書館本の 返還運動である。 個人が借り出し、そのま ま借りっぱなしをして、期間が過ぎたのに 返却されなかった本を返却することを全学 的に要求するというものである。 これは極 めて当然かつ自然なことである。 期限を過 ぎて返却しないのはルール違反である。 私 もご多分に洩れず返却の指導を受けたので、

研究室から何箱も本を図書館に返却した。

その結果いままで本があった部分がポッカ リ宙に浮き、空き地状態になってしまった のである。 いわば私のネットワークが中断 してしまった。 『あの場所にあったあの本が ない。 確かこの問題に関しての記述はここ ら辺りの本にあったはずだが。』 心細くなっ たのと同時に、見える本の持つ重みを痛い ほど知らされた。 『積読(つんどく)』はそ れなりに意味があるのだなと感じつつ、返 却本のアドレスの書き換えをしなければな らないと思うが、妙案が浮かばなかった。

ただ、私にとって特別重要な本は、期限が 来たら返して、また借り出すということを しているだけである。

しかし最近、若干ではあるが、遅ればせ ながらというか、試みていることがある。

返却した本のコード番号を控え、アドレス に見立ててインターネットで検索して、書 名・著者と分野を確認する。 わずかではあ るが、かつての目に見えた時の手がかりに はなる。 可能なら、検索時に書名・著者のみ ならず、本の写真を P D F ででもインター ネット上で見られたらなと思う。 きっとも うすぐ、こんなことも大学図書館のサービ スとして行われる時が来るのではないかと

ではない。 この夏久々に伝記小説を読んだ 時に感じたことであるが、社会科学関連以 外の本を読むと、忘れかけていた世界が 戻ってきて、頭の中が一変する。   これは 眠っていたもう一つのネットワークが再び 私によみがえったことを意味する。 違った 分野の本を読むと、とたんに自分を別世界 に運び込める。 時には、中世の農夫になっ たり、時には宇宙飛行士になったり、時に は学生時代に戻ったり、ワクワク、ドキド キしたりというように、本は私を変えてく れる。 これら全てが、蓄積されてやがて新 たなアドレスを持ったネットワークが形成 される。それが多重層化されればされる程、

人生が豊かになる。 まさにバーチャル・ラ イフによる人生経験である。

読んだ本の領域が広いほど、かつ冊数が 多いほど、知識、感性、経験等々が拡大され 蓄積される。本のネットワークには広がりが あり、多重構造化されるほど、人は教養深 く高い見識を持つことができる。 それだけ 本は我々に多くの空間を与えてくれる。

大学図書館はさまざまな分野をカバーし、

幾層にもなる知のネットワーク空間を提供 してくれる。この空間を取り込み、自分の研 究や関心事のために使わない手はない。 図 書館まで歩くことを厭わなければ、無限の ネットワークを形成できる。 座ってばかり いないで、図書館に出かけ、図書館そのも のを研究室に引き込んでやろうと思う。

(国際政治経済学部教授)

(4)

「おいしい」論文・レポートをつくろう

野 末 俊 比 古

NOZUE Toshihiko

本稿は、特集の最初でもあるので、人文・社会 科学全般を意識して、論文やレポート(テーマを自 分で設定するタイプ)を執筆する際の基本的な手順 を紹介する。論文・レポートは料理に似ている。

「いい道具」 と 「いい材料」 を使って 「正しい手順」

でつくれば 「おいしい」 ものができあがる。皆さ んは 「図書館」 という 「道具」 があり、「文献(情 報)」 という 「材料」 が揃う環境にいるのだから、

あとは 「手順」 に沿ってつくっていけばよい。で は、「おいしい」 論文・レポートづくりのための 手順を紹介していこう(詳しくは次のビデオなどを 参照:日本図書館協会ほか監修 『新・図書館の達 人 第6巻 レポート・論文作成法―誰にでも書け る10のステップ―』 紀伊国屋書店,2002)。

① 料理(テーマ)選び まず、どんな料理をつく りたいか(テーマ)を明確にする。自分の 「言いた いこと(主張)」「知りたいこと  (疑問)」 を言葉にし てみよう。

② 下調べ 次に、その料理(テーマ)について 知っておく必要がある。授業や教科書などで概要 は把握していると思うが、加えて、図書館の書架 をぶらついて、入門書やハンドブック、事典など に目を通せば、テーマの全体像や重要な概念・用 語などがつかめてくる。この作業を通して 「テー マ(どんな料理をつくるか)」 が明確になってくる ことも多い。

③ メニュー(目次)づくり 料理(テーマ)のこと がわかってきたら、「何を、どんな順序で出せば

『おいしい』と言われるか(コースメニュー)」 を考 える。論文・レポートでは 「読み手」 を 「なるほ ど」と 納得させるために必要な内容を考え、 適切 な順番に並べていく。仮の 「目次」 づくりである。

④ 材料(関連文献)リストづくり メニューがで きたら、買い出しの必要な材料のリストをつく る。すなわち、目次の各項目の執筆に必要な情報 が載っている(と思われる)文献のリストをつく

る。  図書だけでなく雑誌記事も探すと深みが出 る。文献を探すには、まずは本学の図書館のホー ムページを覗いてみてほしい(本誌 p . 1 0 −1 1 参 照)。 OPAC(所蔵目録)だけでなく、各種データ ベースやリンク集も用意されている。「資料入手の 方法」 もチャートで説明されている(印刷したもの が図書館で配布されている)。わからないことや 困ったことがあれば、「レファレンスカウンター」

で相談に乗ってもらおう(本誌p.14参照)。

⑤ 材料(文献)の入手 リストができたら、材料

(文献)を入手する。本学にない文献でも、山手線 沿線コンソーシアム(本学図書館ホームページ参 照)を利用すればけっこう手に入る。それでも入手 できないものは、遠方の大学からでも取り寄せて もらえる。文献以外の 「材料」 が必要な場合は、

自ら調査(インタビュー・アンケート)、観察、実 験などを行なって集める。

⑥ 材料の吟味・加工(文献の読解・整理) 集め た材料を吟味、加工する。つまり、文献の内容を 読み解き、整理していく(メモを取る)。

⑦ 最終メニュー(目次)づくり 集めた材料の具 合によっては、メニュー(目次)を見直し、最終的 なメニュー(目次)をつくる。

⑧ 調理(執筆・校正) 一気に調理する。すなわ ち、 「材料」 をもとに目次に沿って文章に書き下 ろす。

⑨ 隠し味(出典の表示) 隠し味を使うように、

引用には出典を示すことを忘れない。

⑩ 仕上げ 最後に 「見た目」 をきれいにする。

す な わ ち 、書 式 な ど を 指 定 ど お り に 整 え て 完 成。

学問分野によっては、料理(論文・レポート)の

「作法」 が異なる部分があるので、多少 「味付け」

を変える必要があるかもしれないが、「コツ」 は同 じである。その意味では、文学部以外にも参考に なると思う。 (文学部助教授 図書館情報学)

文 学 部

(5)

本稿ではこれから(3年生の)皆さんが卒業論 文を作成するにあたって考えて欲しいことをま とめてみました。せっかくのアイデアを、「時間 がない」の一言で却下されないためにも、ぜひ心 がけてみて下さい。

1. 結論を決める 論文を書く際には、自分の 主張を「仮説」の形で示しておいて、その仮説を 検証する方がまとめやすいです。 このとき、 仮説 が「正しい」か否かはあまり重要ではありませ ん。というのは「仮説は誤りである」ことが示さ れたとしても、それ自身が有益な結論となりう るからです。調べる前にまず結論を考えて下さ い。 わからなければ結論を決めて下さい。 多くの 場合、論文の独自性はその結論にではなく、 結論 を導きだす「考え方」にあります。

2.概念を定義する テーマ選定上最大の問題 は、概念の「あいまいさ」です。「なぜ渋谷に若 者が集まるのか?」というテーマを例にとると、

日常会話ではともかく論文としては、「渋谷」・

「若者」・「集まる」という、 少なくとも3つのあ いまいな言葉が含まれています。このテーマは、

「なぜJR渋谷駅から半径1km圏内に18〜25歳 の男女が買物に訪れるのか?」とでもしないと 分析するのは困難です。ただ、分析過程で統計 データなどが常に定義に適合するとは限りませ ん。その際定義を調整せねばならないことはあ ります。その場合でも、人によって解釈に揺れが あってはなりません。

3. 計測する 多くのテーマでは、いろいろな

「量」を測る必要が出てきます。その場合、測る ための単位=基準が不可欠です。これは決して 簡単ではありません。「東京−大阪間の距離」に しても直線距離・鉄道の距離・あるいは道路の距 離があります。 更に距離の単位は「m」とは限ら ず、 時間や金額でも測ることができます。 単位の 選定は、その論文のテーマにあわせて選ぶべき です。また「どう測るか」自体が問題である場合 もあります。 例えば「埼玉県の住みよさ」を測る

ことを考えてみて下さい。 こういう場合、 入手可 能な具体的データから新たな基準を作る必要が あります。これだけでも論文としては立派な独 自性です。

4.比較する 互いに論文のコメントをしても らうと、よく出るのが「○○を××と比べてみて は」とか、「日本では〜ですがアメリカではどう でしょうか」という「比較」を求める意見です。

これらは一見易しそうに見えますが、やってみ ると結構難しいものです。「国際比較」などは、

卒論よりむしろ修士論文レベルでやるべきテー マではないでしょうか。 比較は本来、 対象の両方 を同程度に知らないとできません。 ですから「比 較」を安易に考えてはいけません。 それでも比較 するのであれば、むしろ「比較」自体をテーマと すべきです。ここで重要なのは明確な「比較基 準」を定めることであり、「比較項目」以外に深 入りしないことです。

5. 文献を探す−その前に 多くの人が、テー マを決めるとそれについて調べる、具体的には そのテーマに関する本を集め始めます。そして たいてい「調べたけど文献がない」と言って焦る のです。 しかしながら、文献は「なくて当たり 前」なのです。 あればそのテーマは既に論じられ ているので、新たに論文を書く必要はないので す。また、最初に読むべき文献は総論的・理論的 なものが中心です。ですので必ずしもそのテー マを論じた本を「読むべき」とは限りません。 時 には意外な本が必要なこともあります。本を探 す際の忠告を1つ。 図書館などにある「文献検索 システム」のことです。 これは論文の内容が固 まった後で利用するのには便利ですが、初期段 階ではお勧めできません。 入力する「キーワー ド」が不適切だと、 見当違いの本を集めたり、 必 要な本を漏らしたりするからです。資料集めの 第一歩は教員に相談することだと心得て下さい。

皆さんの健闘を祈ります。

(経済学部助教授 地域経済学)

論文の「考え方」を考える

SUDA Masaya

経 済 学 部

(6)

卒論・レポート必勝法

井 安

SAKAI Yasuyuki

「卒論・レポート必勝法」? 簡単だよ。本学 法学部・法学会・図書館の共著『文献資料の調 べ方』や、いしかわまりこ他『リーガルリサー チ』(日本評論社)を読んで文献探索テクニック を会得し、さらに上記『文献資料の調べ方』の 姉妹誌『ガクモンのススメ』の「4 論文・レポー トのススメ」、広中俊雄・五十嵐清『法律論文の 考え方・書き方』などをひもといて「考え方」や

「書き方」を身につけたら、さあ、あとは各自で 頑張ればいいのさ・・・みたいなことを書いて

「一丁上がり」にしようと思っていたが、この原 稿の対象が必ずしも法学部生に限られないとい うあまりに初歩的なことを思い出し、はたと筆 が止まってしまった。このようなミニ原稿を書 く場合でも、やはりあまり手抜きはできない ようである。まして卒論においておや。多くの 人にとって16年に渡る学生生活の総決算、大 学の「・・学部」で4年間専門的な勉強をした ことの証でもある。これからテーマを決めよう などと思っている4年生が(もし万一)いたら、

深く反省しなければいけない。

ただ再思するに、資料探索・収集法も、執筆 の基本的な「お作法」も、専門分野ごとの固有 の問題があると同時に共通する点も少なくな い。その意味で、上記の書物は、法学部以外の 学生諸君にとっても十分な効用があるだろう。

とくに本学発行の小冊子は、無料で、いまも図 書館のカウンターにある(多分)ので、利用し てはいかがだろうか。(ただし、2003年度版よ り休刊)

 ところで、今回これを書くにあたり、本学図 書館の「OPAC」を「論文&レポート」で検 索してみたところ、なんと67件もの図書が ヒットした(「図書」だけである。雑誌記事は 含まれていない。初心者はしばしば「図書」だ けを検索して「文献がない」とこぼす。文献の 多くは「図書」という形ではなく、むしろ、雑

誌等に掲載される「論文」等の形で存在する)。

それだけ多くの人が「何を書けばいいの?」「ど う書けばいいの?」で悩んでいるのだろう。

迷っているのは君だけではない。安心してい い。しかし、安心しただけで卒論が書けてしま うわけではない。

紙幅がないのだから、先を急ごう。

(1)ゼミ教師を使い倒そう。卒論の出来はど れだけこれをやったかに比例すると言っても いいかも知れない。何度も研究室に行って話 をするうちに、役に立つヒント、さらには、即 効性のある具体的なアドバイスが得られるはず である。どうしてもダメなら別の教師のところ に行けばよい。

(2)図書館を使い倒そう。最近では、HPから 様々なオンラインデータベースが利用できる。

これらはもともと高額な利用料を必要とするも のが多い。これを使いこなさずして、高い授業 料を払ってくれる保護者に顔向けできないはず である。図書館を使い倒すとは、必ずしもそこ に行かなくても可能である。しかし、真に使い 倒すには、(1)と同様、図書館に足を運んで、

レファレンス係の専門家にしつこく質問しよ う。最初は「こんなことも自分で調べていない の?」と叱られない保障はないが、その過程こ そが得難い勉強の機会なのである。

(3)ゼミ等の先輩を使い倒そう。なんといっ ても、つい最近同じようなことで苦しんだ先輩 の最新の生々しいノウハウが極めて有益であ る。後輩にいろいろ聞かれて嫌がる先輩は(先 生もだが)、そんなにいないだろう。

 (1)〜(3)に共通することは、生身の人間 から得るものが多いということかもしれない。

最近、「コミュニケーション能力」の重要性が 指摘されるが、卒論作成過程は、コミュニケー ション訓練という意味でも、手を抜かずに真面 目に取り組むに価するのである。(法学部教授) 

法 学 部

(7)

ここでは卒論・レポート必勝法を書くた めの各ステップにおいて、私なりの図書館 の利用方法を述べたいと思います。

1.テーマ選択

レポートの場合はテーマが与えられてい るとして、卒業論文など自分でテーマを探 さなくてはならない場合には、テーマを探 すことが第一の作業になります。

論文の場合、テーマを見つけることは最 も重要な作業です。テーマによって論文の 良し悪しが、ある程度決まってしまうから です。では、テーマとしてどのようなものを 選択すべきでしょうか。卒業論文を書こう とする学生の場合は、自分の専攻分野に関 連するトピックスの中で自分が面白いと思 えるもの、例えば時事ニュースや、テキスト を読んでいて疑問を感じたことをテーマと するのが良いと思います。

こうしたテーマを探すときは、図書館に ある新聞や雑誌のバックナンバーを活用す ることが良いと思います。その中から自分 の専攻分野に関連する雑誌に一通り目を通 してみると良いテーマが見つかるかもしれ ません。

2.関連文献・先行研究の探索

さて、テーマが決まったら次に行うこと は、関連文献を入手し、選択したテーマに関 してどのような先行研究があるかを調べる ことです。

関連文献・先行研究を探す一つの方法は、

自分が研究しようとする関連分野の本が納

められている書架に直接行って、手に取っ て本を見ることです。もう一つの方法は、図 書館のHPにある検索機能を使うことです。

そして、自分の選んだテーマを解明する上 で役に立ちそうな本が見つかったら、近く の空いている机に行って、もう少し詳しく 本を見る、という作業を繰り返します。

私の場合は、 様々な本を手にとって読んで いるうちにテーマに対する具体的なイメージ が少しずつ頭の中でまとまってきます。

3.構想と執筆

こうして対象となるテーマに対して知識 を仕入れたならば、テーマを解明するため の調査研究を行い、その過程と結果を文章 にまとめます。

この際には、図書館の静かな環境の中で、

自分は何をしたいのか、解明に至るまでに どのような道のりを辿るべきなのか、そう した構想を練るとよいでしょう。自分が今 すべきことを落ち着いて考えるには、図書 館は良い環境を提供してくれると思います。

以上、おおまかに論文・レポートの執筆方 法とその過程における図書館の利用法につ いて述べてみました。普段、私は研究室でこ うした作業を行いますが、学生の皆さんは、

図書館を研究室と考え、テーマ選択、文献探 索から思考、執筆に至るまで図書館で行っ てみてはいかがでしょうか。図書館はきっ と良い環境を提供してくれると思います。

もちろん、マナーはきちんと守って使いま しょう。(経営学部専任講師 金融市場論)

経 営 学 部

実践的卒論・レポート必勝法

〜図書館の実践的利用法〜

SHIMADA Junji

(8)

卒論を書くにあたって、注意すべきこと は多々ありますが、ここでは図書館との関 わりから、特に大切だと思うことをいくつ かお話してみたいと思います。

まず、大切なのはテーマ選定です。卒論の テーマは「間口は狭く奥行きは深く」設定す ることが大切です。これが簡単なようで実 はとても難しいことなのです。

研究テーマは、少なくとも一年間は取り 組むものですから、自分が興味をもって研 究できるものでなければなりません。「テー マは大きすぎないか」、「この研究設問(疑問 に思ったこと)は一言で簡潔に述べられる か」、「これまで何が明らかにされて、何が明 らかになっていないのか」、「私の研究の意 義は何か」、「同じようなテーマがあるなか で、私はどのような切り口で研究するの か」、などと自問自答してみてください。

こうしてテーマを選定したら、次に先行 研究の検索をしていきます。先行研究の検 索については、学生の皆さんからいつも2 パターンの声を聞きます。 一つは「先行研究 がありすぎる」という声です。その場合、検 索の仕方が悪いか、テーマが広すぎるかの どちらかだと思われます。O P A C や電子 ジャーナルなどで検索するときに、一つの キーワードだけでは莫大な量の文献が出て くることがあります。キーワードを増やし て絞り込んで検索する必要があるかもしれ ません。あるいはテーマが大きすぎてテー マ自体の絞込みが必要なのかもしれません。

先行研究の数が多ければ多いほど資料は 沢山になりますが、自分なりの意義を見出

せるかどうかもまた難しくなってきます。

そのためにもテーマを絞り込んで、誰も光 を当ててこなかったところに光を当てる工 夫が必要とされます。

もう一つは、「先行研究がなさすぎる」と いう声です。学術的に探求する価値がある 場合でも、よほどテーマが難しくて先人が 取り組むのを諦めたか、誰も着目してこな かったテーマだという可能性があります。

この場合、まず「このテーマを一年で研究す ることは現実的か」と自問してみましょう。

その問いをクリアしたなら、自分が調べた いテーマの周辺のキーワードも入れてみる ことが肝要です。

このように、先行研究が適量あるかない かも、皆さんが選定したテーマが卒論を書 くのにふさわしいかどうかを知る道しるべ となるはずです。先行研究の検索で困難を 感じたら、最初のテーマ選定の段階に戻っ てみてはいかがでしょうか。

図書館で得られる情報は日々変わってい るようです。毎年4月にお願いするゼミ単 位のオリエンテーションで、私もつねに新 しいことを学びます。ゼミ単位でなくとも オリエンテーションは頻繁に行われていま すので、卒論に取り掛かる前に検索の仕方 をマスターしておくべきだと思います。

以上、テーマ選定と先行研究の検索につ いて書かせて頂きました。皆さんのテーマ の間口はいかがでしょうか。ほどよく狭い 間口になりましたか。 

(国際政治経済学部教授 コミュニケーション学)

国 際 政 治 経 済 学 部

間口は狭く奥行きは深く

SUEDA Kiyoko

(9)

その答えはノーであり、まずジャングル へ行くべきであろう。研究分野にもよるが、

実態が存在するのにそれをよく見ないで、

書物だけを読んで研究してもオリジナリ ティをだすのは困難であろう。同様に、私が 研究対象としているIE(インダストリアル・

エンジニアリング)の分野でも、その研究の ために実態である工場へまず行くべきであ ると考える。

ほとんどの研究で、実態と理論の両者を 理解することが大切であるが、どちらが先 かといわれれば実態が先ではなかろうか。

確かに、図書館にある大量の書物は、先師先 賢の叡智のかたまりであり、人類の進化の 過程で得られた成果が理論として凝縮され ている。しかし、ただ書物を読むだけでは、

消化不良を起こしやすい。知っていること と、使えることは別ものなのである。特に 新しい分野の問題を取り扱う場合には、ま ず実態をよく見て、 そこにあるインテリ ジェンスを得て、自分の考えをもった上で、

理論としての書物を読むことで、ものごと の原理・原則をより理解することが可能に なる。

私の研究室では、学生は実態の工場をま ず見学および体験して、「見る、視る、観る、

やって試る」ことを実践して実態を理解す る。ある程度研究を進めた上で、図書館を 利用して書物と論文を検索する。その目的 は、同じ研究がなされていないことを証明 することと、参考にできる考え方を探すこ とである。前者は、たとえ似たような研究 があったとしても、実態から出発している

研究にはどこかに必ずオリジナリティがあ る。後者は、異なる分野の成果でも抽象度 を上げてみると参考にできるものがあり、

私はこれを「同視力」とよび学生に身につけ て欲しい力である。

図書館の利用には、棚に並べられている 書物をながめるもよし、コンピュータを 使ってキーワードで検索することもできる。

いずれにしても大量の情報の中から必要な 情報を効率よく得ることが大切である。IE の本質であるものごとを効率的にやること を、これを大量の情報の取捨選択に適用し てみよう。まず、カテゴライズされている書 棚に並んでいる書物の背表紙のタイトルを みて、その中で興味あるものを棚から取り 出して目次をみて、想像力を働かせて主張 している内容をつかむ。さらに必要であれ ば部分的に、もしくは全文を読めばよい。論 文検索も同様であり、キーワードによりか なり大量の情報が検索されたら、それらの タイトルをみて、研究に関係の深いものか らピックアップして、 その要旨を読み、 必要 ならばフルテキストを読む。私も研究論文 の執筆時によく利用している。これには、

「想像力と読書力」が必要とされる。

最後に、図書館に並んでいる大量の書物 を前にして、これらに書かれている内容が 一瞬にして頭の中に入って理解できるマシ ンがあったらなと思うことがある。もしこ のマシンができたなら、呪文は「ゴホン」と いう咳にでもしようか。

(理工学部助教授 経営システム工学科)

理 工 学 部

 ゴリラの研究のために、まず図書館へいくのか?

MATSUMOTO Toshiyuki

(10)

② →

―― 文献検索と入手のテクニック ――

大学で課せられる論文・レポートは、すでに公表 された研究論文・記事などの内容を踏まえて、自説 を展開する必要があります。

ここでは、その先行研究、先行論文を探すための 図書館のデータベースをご紹介します。

図書館のホームページは左側がメニュー画面です

(下図)。この画面を使ってどのようなデータベース が使えるかご覧ください。(メニューの番号で、どこ からどのデータベースに入るか参照してください。

実際に端末を操作しながら、それぞれデータベース にアクセスするのが、使いこなす近道です!)

① →

(OPAC)

③ →

④ →

⑤ →

図書・雑誌を探す 

■ まず、① 本学の OPAC、次に② 紹介状が不要 で閲覧貸出可能なコンソーシアム OPAC にアク セスしましょう。 

① 青山学院大学・

青山学院女子短期大学図書館 OPAC http://www.agulin.aoyama.ac.jp

② 山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム HP OPAC

※加盟大学(学習院、國學院、東洋、法政、明治、

明治学院、立教、青山学院)は紹介状が不要。

※本学の学生証で、閲覧・貸出可能

(原則として各大学の中央図書館の蔵書に限る。

1、7月は利用不可)

■ 目的の資料がまだ見つからない場合、 ⑤のリン ク集から全国の大学図書館等が所蔵する図書雑誌 の総合目録データベースを検索。

   ⑤ リンク集 →  NACSIS  Webcat

(国立情報学研究所(NII) http://webcat.nii.ac.jp/

■ 目的の資料がヒットしない場合、特定の大学図 書館 OPAC で検索することもできます。

   ⑤ リンク集 →  図書館関連 →    日本内の大学図書館関係WWWサーバー

→ 各大学図書館の OPAC

■ その他次の図書館にもアクセスしてみましょう。

   ⑤ リンク集 →  NDL-OPAC

(国立国会図書館 OPAC)

http://opac.ndl.go.jp/index.html

   ⑤ リンク集 →  東京都立図書館 OPAC http://catalog.library.metro.tokyo.jp/

   ⑤ リンク集 →  図書館関連 →    日本国内図書館OPACリスト  →         図書館リンク集 → 公共図書館 OPAC

http://www.jla.or.jp/link/

国内に所蔵のない洋書や雑誌論文は、図書 館相互協力サービスILLで海外からも取寄せる ことができます。

(11)

(本館運用課参考係 内藤むつみ)

雑誌論文を探す

■ どんな論文(主題・特定の著者・年代等)が必要 なのか整理してから検索することが重要です。

国 内

       ⑤ リンク集 → NDL-OPAC →         雑誌記事索引

※国立国会図書館の採録誌一覧にある雑誌に掲 載された記事

http://opac.ndl.go.jp/process

③ データベース → NACSIS-IR

※広範囲の分野の文献情報、学術情報を提供

       ③ データベース → 研究紀要ポータル    ※大学・研究機関等の発行する紀要類の論文情報

などから、論文が掲載されている雑誌の情報 を検索し、雑誌の所蔵を調べる

http://kiyo.nii.ac.jp/

【電子ジャーナル】

      ③        NACSIS-ELS

※日本の学協会が発行する学術雑誌の論文 参考係のカウンターで全文印刷可

      ③        日経 BP 記事索引サービス

※日経 BP 社のビジネス専門誌のバックナンバー 記事全文の検索と表示

海 外

       ③ データベース     Web of Science

※自然科学、社会科学、人文科学の重要な学術 論文雑誌を網羅した引用文献データベース

       ④ 電子ジャーナル     A  to  Z

※本学で契約している電子ジャーナルのタイト ル一覧(抄録だけのものも含む)

【電子ジャーナル】

      ④      ProQuest

※全文収録誌 約 4,200 タイトル

雑誌論文全文の印刷・E メール送信可能 

      ④        EBSCOhost

※全文収録誌 約 2,900 タイトル

雑誌論文全文の印刷・E メール送信可能

新聞記事を探す

■ 新聞記事全文検索と共に、CD-ROM も検索し てみましょう。

国 内

       ③ データベース → 朝日新聞記事検索

※朝日新聞の全文記事(1984.8 〜)     

・AERA(1988.5 〜)

・週刊朝日(2000.4 〜)      

③ データベース → 日経テレコン 21

※日経4紙の記事全文検索及び企業・人物情報 

③ データベース → ヨミダス文書館

※読売新聞(1986 〜)

※ DAILY YOMIURI(1989 〜)

【CD-ROM】

朝日新聞号外

明治 12 年〜 2002W 杯まで

朝日新聞戦後見出し記事 ASAX50yrs(1945 〜 1999)

  

読売新聞(1874 〜 1945)

※明治 7 年の創刊から大正・昭和 20 年までの 紙面をデータベース化

海 外

       ③ データベース       ProQuest Newspapers

・New York Times(1999 〜)

・International Herald Tribune(1995 〜)

・Times of London(1992 〜)

    ③ データベース      NNA

(国際ニュース&データベース)

※アジア、ヨーロッパの現地情報データベース   

【CD-ROM】

New York Times on Disc(1981 〜)

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ツアーを振り返って想うのは、食べたくて も難民達は何も食べることが出来ないことで ある。甘瓜、ブドウなどを当たり前のように 食べ、「他に種類はないの?」

とわがままをいう日本人。環 境があまりにも豊かであるが ゆえに本当の豊かさを見失っ てしまった日本人。私達は心 の 豊 か さ を 彼 ら に 教 え ら れ た。ボランティアツアーも中 盤に差し掛かり環境の違いに 多く思うことがあった。

私は2003年 9 月12日〜19日の間、NPO 法人 Service For Peace が主催する「パキスタン のアフガン難民キャンプへの支援活動のボラ ンティアツアー」に参加した。たった一週間 という短い期間ではあるが、今までにない感 動と興奮を体験することになる。

ツアー参加のきっかけとなったのは『マ ザー・テレサ:求めあふれる愛』(講談社文庫)

である。そこで彼女の名言「愛の反対は無関 心である」という一文を目にし、自分にでき ることをしたいと思っていたとき、友人に誘 われて参加を決意した。

<出発>

期待と不安とが入り混じっている。自分達 とは文化も宗教も全く違う世界。私の力では、

大したことはできないだろう。しかし、これ から行く世界のことを思うと、わくわくする。

念願のPIA(パキスタン・インターナショ ナル・エアライン)に乗り込み、異国の雰囲気 を感じ始めていた。テープを繰り返すだけの 音楽があり、一つはポピュラーなアメリカの ソング、もう一つはコーランの拝読をしてい た。心の中から何かが聞こえてくる感じがし

TUKADA Kenji

難民キャンプの風景

た。イスラムは馴染のない宗教だからこそ、

偏見を持ち、軽蔑しがちだ。しかし、教えを紐 解いていくと、ほとんど旧約聖書の行義の世 界だと思った。決まりごと、

戒め全てがイスラム文化。自 分の出会う世界を前に大きく 思案してみた。

<到着>

遂に来た! パキスタンの 大地が輝いている。飛行機の 階段を下りると目の前にバス が在った。まさに乗れと言わ んばかりに在った。降りて感じたのは、周り の人たちの仰々しさだ。ひげを生やし、威厳 のある面構え。いつ発砲してきてもおかしく ない。そんな恐怖心さえ感じた。さすがは軍 事国家!

車で空港の入国手続きのところに向かい、

受付を済ませた。我々一行はホテルまでのバ スに乗り込こんだ。周りにはワイシャツを引 き伸ばしたような民族衣装を着ている人達が いた。おもしろい! これこそパキスタン。間 もなく、宿泊するホテルに着いた。車を降り ると異様なにおいが鼻を刺した。う゛、うんこ の臭いだ!! ツアーコーディネーターのムガー ル氏に聞いてみると、これがパキスタンのに おいだよ、と返ってきた。そうか、これがパキ スタンの風土のにおいか。

<移動>

緊張と期待で自律神経が高まったのだろう か、なんとも心地よい目覚めだった。朝食を 済ませ、9:30に集合した。すぐバスが来るか ら待っていてと言われ、歌の練習、プレゼン トの絵の確認をする。しかし、いくら待って も来ない。 みんながいらいらし始めた11 : 30く

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か、驚きの連続だ。

一行はホテルを後にして、Sarhad Univer- sity, Peshawarに向かった。そこには大学生

(女性4名、男子10名)とマスコミ関係者が いた。 みんな温かく迎えてくれた。しかし、

警 察の護衛付きゆえに緊張しながらバスに 乗った。

個人的に聞いてみたかったことだが、「米国 人とキリスト教をどう想うか?」 と聞くと、

やはり彼らは米国人が嫌いらしい。その理由 として、「彼らは平和ではなくて、戦争を愛す る民族だ。私達は宗教を否定しない。宗教は 平和を愛するから」。そのことを聞いて、生の パキスタン人の意見を聞けた気がした。彼も 米国とキリスト教は難しい問題だと言ってい た。

また、バスの中では歌を歌いあった。パキ スタンソング、日本の歌として SMAP の「世 界に一つだけの花」 を歌った。 歌詞よりも、 盛 り上がり一緒に楽しもうと

いう気持ちが心を通わせた。

<難民キャンプ>

降り立ったところはシャ ム シ ャ ト ゥ ー と い い 、 ペ シャワール地方にある世界 最大のアフガン難民キャン プだった。広大な砂漠に粘 土レンガで形作った家とい

うような箱が乱雑に散らばっていた。

ここでどんな生活をしているのだろう、そ う思い、バスを降りた。

出迎えてくれたのは100人くらいの難民達 だった。 彼らは興味津々でこちらを見ている。

私達は、キャンプ入り口にあるユニセフが建 てた仮設教室に行った。そこは意外にも黒板 があり、いろんな文房具があった。 シャム シャトゥーは難民キャンプ地の入り口なので 他のボランティアの援助がよく来るらしい。

しかし、彼らと接してすぐわかったことでは

1ドルしか援助されていないし、パキスタン も貧乏で援助できていない。また、仕事もな いのでふらふらと時間を無為に過ごしている 人が多い! 本当にこの国はどうなっていくの だろうか?

私達は、現地の大学生と英語で会話をし て、彼らが難民の子達に通訳してくれた。私 は自由時間にいろいろと話をした。彼らの将 来の夢は弁護士だったり、決まってなかった り様々だった。でも、彼らの目が輝いている のに心を奪われた。生活が大変で卑屈になっ ていないかと思ったら、そうでもなく活き活 きしているのだ。理由を一人の女の子に聞い てみると、「私たちが今いる環境はアッラーか ら与えられたもので、アッラーに守られてい るので何も卑屈になることはない。それより も日本からわざわざ来てくれた兄弟姉妹に、

どうしたら喜んでもらえるかが知りたい」と 言っていた。私はいかに自分の考えが浅はか で、次元の低い人間である かを知った。私達がしたこ とといえば、小麦粉、油、

毛布をプレゼントし、文化 交流をしただけである。こ こで本当に多くの心の友、

いや兄弟に出会った。その 後、名残り惜しくツアーが 終了して帰国した。

<現在>

今、彼らのためにチャリティーイベントや 文房具支援、小学校で活動報告などをしてい る。この貴重な体験と真実の世界を伝えてい きたいと思い生活している。パキスタンのみ んな、「シュクリヤ(ありがとう)」、そしてこ れからも兄弟姉妹としてよろしく! 私はこの 出会いを通じてまた一つ大人になった。今で は、世界に貢献できるそんな存在になってい きたいと切望している。次はあなたの番です よ! (理工学部情報テクノロジー学科 4 年)

難民キャンプの学校で勉強する子供たち

(14)

  2 . 参考図書に関すること。

  3 . 情報検索(データベース)に関すること。

  4 . 図書館相互協力に関すること。

  5 . 利用指導に関すること。

今回はこの中から近年特に進歩した図書館 相互協力について述べることにする。

レファレンスカウンターでは、5年ほど前 から少しずつ事項調査が減り始めた。参考図 書やインターネットでは調査できない難しい 事項調査は、今でもレファレンスカウンター で受付けているが、割合はかなり少なくなっ てきている。質問の大多数は、特定の文献に関 するものである。その大きな要因は、NACSIS Webcat や OCLC First Search によって、国 内・海外の所蔵機関が簡単にわかるように なったため、以前はあきらめていた文献に対 しても図書館参考係を通して入手申込みが増 えているからである。電子ジャーナルや全文 データベースの利用等で充足できるケースも 増加したとは言え、特に海外への文献複写依 頼、図書の貸借依頼は大きく伸び、年間の依頼 件数の 2 〜 3 割を占めるようになった。

本学では BLDSC(British  Library  Docu- ment Supply Center)からの文献入手を15年 ほど前から行なってきたが、最近では国立情 報学研究所のNACSIS-ILL(Interlibrary Loan) を利用する他、直接BL-OPAC からOrderでき る文献もあり、入手までの時間が大幅にス ピードアップされた。OCLC FirstSearch の WorldCAT は、レファレンスカウンターに 座っていてこれを使わない日はないといって もいい程で、世界各国の文献所蔵機関を調べ るためには、なくてはならないデータベース

てきたが、1年前に Web 版インターフェース に切り替えた。この Web 版インターフェース の 寿 命 は 短 く 、2005年 5 月 に は 完 全 に FirstSearch の ILL スタッフ用インターフェー スに移行するとのこと。こうした分野での進 歩の速さには驚くばかりである。

国内・海外を問わず、ILL の利用者にはコ ピー料金、送料等の実費を負担してもらって いる。これまで海外への ILL 料金の支払いの 多くは、IPMO(International Postal Money Order 国際郵便為替)か、IRC(International Reply Coupon 国際返信切手)を使っていたが、

中にはこれらの方法では対応してくれない図 書館があり、入手をあきらめてもらうケース が続いた。このため1年前より海外への支払 いに新しい2つの方法を取り入れた。OCLC- IFM(ILL Fee Management System)とIFLA voucher である。OCLC-IFM とは OCLC-ILL システムでの自動決済であり、ほぼ2ヶ月後 に代理店から請求がくる。 IFLA voucher は オランダのハーグにある IFLA(国際図書館連 盟)が取り扱っている世界共通の金券(パウチ されたカード)で、本の返却時に同封して支払 いとする。この2つの方法によって、これまで あきらめていた文献が入手可能になった。そ れと同時に OCLC-IFM と IFLA voucher はレ ファレンスカウンターでの現金支払いとなり、

利用者が郵便局へ行く手間もなくなった。特 に最近、ドイツ、ポーランド、スイスからの文 献入手のためIFLA voucherの支払いが続き、

在庫切れをおこしたことが嬉しい誤算である。

この AGULI No.67 が発行される頃には2度目 の IFLA voucher 購入が実現していることと 思う。

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サービス」が開始され、本学図書館は当初より 加入することとなった。本館参考係、庶務係、

相模原万代記念図書館、大学経理課が開始の 半年前から検討を重ねた結果であるが、何よ りも参考業務担当者の加入への積極的な姿勢 が周囲を動かす原動力となったように思う。

このサービスは個々の図書館同士が行なって いた料金の決済を国立情報学研究所が3ヶ月 ごとに一括して料金相殺処理を行なう方法で ある。1件のILL業務ごとに行なっていた料金 の支払い処理がなくなり、これまで各利用者 が負担していた振込等の手数料が不要になっ たことが最大のメリットである。 現在500以上 の機関が参加しているがまだ未加入の機関も あり、その中には本学からの依頼回数の多い 大学図書館もあるので、なるべく早期の加入 を望みたい。

この1年間の図書館相互協力の進歩には目 をみはるものがあり、今後さらに変化してい くことが予想される。私達参考係員は教員や 院生、学生が必要としている文献入手に関し て、ありとあらゆる方法でその所在を探して 入手に努めることはもちろんのこと、支払い 方法の改善等、利用者にとってプラスになる 方策の導入についても積極的に取り組んでい きたいと考えている。欲しかった文献を入手 した時の利用者のみなさんの笑顔が、私達の 何よりの元気の素である。

手は、依然難しい状況にある。今までの事 例では中華人民共和国、台湾、韓国からの 文献入手に相当な日数がかかった。入手 方法を検討する必要がある。

2 . 国内の大学、特に国立大学法人の研究室所 蔵の図書は貸出依頼を謝絶されるケースが ほとんどで、やむを得ず、アメリカの大学 から借りなければならない状況が生じてい る。本学研究室にしか所蔵のない図書は学 科嘱託を通じ、教員の許可を得て貸出をお こなっているので、国立大学法人へも改善 を望みたい。

3 . 最近、海外から FAX や e-mail の添付ファ イルで文献が送られてくることがある。

また国内でも大学図書館と権利者団体との 協議を経てようやく ILL における FAX 送 信の実現が近づいてきている。料金設定の 問題や判読できない場合の対処等を具体的 に検討していきたい。

4 . 入手希望の文献がすべて手にはいるという わけではないが、検索方法のスキルアップ や入手方法の範囲を広げるなどして、でき るだけ利用者の希望に添えるよう、努力し ていきたい。

5 . 他機関への貸借依頼の8割以上を洋書が占 めている。和書はもちろんのこと、購入可 能な洋書については予算内で勘案し、自館 での購入にもつなげていきたい。

図書館相互協力件数

閲覧利用

文献複写

図書貸借

所蔵調査

他館への紹介状発行 他館からの紹介状受付 他館への依頼 他館からの受付 他館からの借受 他館への貸出 他館への依頼状発行 他館からの依頼状受付

2003 年度 511 356 1,002 1,449 282 289 482 435

2002 年度 572 382 985 1,958 226 334 504 391

2001 年度 458 344 876 1,695 187 269 417 340

(本館運用課参考係 小林陽子)

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青山学院大学図書館報 AGULI 第67号 2004年11月1日発行

編 集 青山学院大学図書館報編集委員会・大学図書館広報担当 TEL.03-3499-1402 FAX.03-3407-4472 発 行 青山学院大学図書館 〒 150-8366 東京都渋谷区渋谷 4-4-25 http://www.agulin.aoyama.ac.jp/

青山学院スクール・モットー 地の塩、世の光 The Salt of the Earth, The Light of the World 齋藤 京子(大学職員)

るべく無駄を省くことが求められています が、そんな中で、購入新聞の見直しの必要性 も感じています。現在も各政党の機関紙や、

スポーツ新聞を購入していますが、はたして どこまで必要なのか。前者についてはそれな りの理由も考えられますが、後者については かなり疑問を感じています。かく言う私も野 球や釣りの記事には関心があって、喫茶店で は専らスポーツ新聞を愛読するのですが、品 格に欠けるものなども掲載されていることを 考えると、大学図書館に置くのは少し問題が あるようにも思います。皆さんの御意見はど うでしょう。

(万代記念図書館長 三嶋 輝夫)

2004年10月から、青山キャンパスでは日曜 開館を開始しました。開館時間は12:00〜

19:00です。 どうぞご利用ください。 ただし、

レファレンスサービスは、原則としておこ なっていません。また、授業がない休暇期間 中等の日曜日は閉館していますので、ご注意 ください。詳細は、LIBRARY SCHEDULE またはホームページのカレンダーでご確認く ださい。

<資料展示ケースの設置>

青山キャンパス図書館 1階に、資料展示ケー スを設置しました。図 書 館 の 蔵 書 の 中 で も 、 利用者の

皆さんの目にふれる機会の少な い貴重本等の資料を、定期的に 内容を替えて展示していく予定 です。入館の際には、ぜひご覧 ください。また、ご意見・ご感 想などがありましたらどうぞお 寄せください。

(本館運用課閲覧係)

編 集 後 記

今号の企画から、新館長のもと、新しい編集委員会が担当しています。

「できるだけ多くの人に手にとってもらう」ために、いろいろな工夫をして いく予定です。ご意見、ご批判をお寄せいただければ幸いです。

秋の青山キャンパス

参照

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